ほてりを残す夜の空に。天の川が美しい。
盆休み、都会を離れた静粛の中で眺める人もおいでだろう。仰ぎつつ、宇宙の無限と悠久にわが身の小ささを思えば、逆におおらかな気分がわいてくる。
14億4千万㌔の彼方から見た地球を、土星探査機カッシーニが送ってきた。漆黒に浮かぶ一粒の点。なるほど、こんなところに住んでいますか、私たちは。水の惑星は、点ながらにあっすらと青い。
土星の軌道からの写真には、かの星のリングが光の帯となって写る。特徴的な輪は地球から望遠鏡を覗く子供たちに人気の的だ。その輪を観測したイタリア生まれの天文学者の名をもらって、探査機は地球を飛び立った。
これまでで最も遠くからの地球は青くとらえられた。
地上に身ドレ場、昨夜から今日の未明にかけて、ペルセウス座流星群が見ごろだった。音もなく流れる光の筋に、ささやかな涼を味わった方もおられよう。このところの猛暑はついに国内最高気温を塗り替えて、青い星が沸騰するような日が続く。
宇宙の時は悠久だが、夏から秋へ、冬から春へ、暑さ寒さは地球の時間が連れ去ってくれる。クビを長くして、やさしい季節を待ちわびる。

 天声人語より