中国経済、土地頼みの限界
土地は国の物、みんなのものという建前は崩さぬまま、使用権取引の名目で切り売りが進んだ。
担い手は地方政府だ。中でも、汚職事件で先月に起訴された薄元重慶市書記は鮮やかな手腕を発揮した代表格だろう。90年代の大連市長時代、国有企業をつぶし、構想ビルを建てさせ、巨額の土地収入をもたらした。失脚直前の重慶でも再開発を進めていた。
中国の地方政府は財政基盤が弱く、仕事量と財源のバランスがとれていない。そこで土地収入が貴重な財源となる。ある不動産会社のまとめでは、今年上半期、全国306都市の土地使用権売却代金は1兆1300億元に上る。
耳目を集めるシャドーバンキング問題も、この構図の延長線上にある。
リーマンショック後の大型景気対策は「4兆元規模」をうたいながら、中央の負担は3割程度。地方政府は自力の資金調達を強いられた。土地収入だけではまかなえず、正規の銀行融資でない資金をかき集めた。この相当部分が、また不動産開発へ向かった。
現在、過剰生産能力が表面化している主な業種は、鉄鋼、ガラス、アルミ、セメント。建設需要を当て込んだのが一因だ。
景気は下降線だが、大都市圏を中心に不動産価格は上がり続けている。
北京で外資系企業に勤める友人は3年前、市中心部に近い1平方㍍あたり2万3千元のアパートを借金で手に入れた。それが今は5万元だそうだ。ちなみに大卒初任給は5千元程度。
改革開放から30年余り、中国経済は何度も「崩壊説」にさらされた。今回も乗り越えるだろうと思う一方、土地に依存した経済が限界に近づいている気もする。

 余滴より---村上太課輝夫