緩和終了で揺れる市場
米国と中国、2大国が大規模な金融緩和策の修正に向かい始めている。
これが世界の金融市場を動揺させている。
米国では雇用の順調な回復が確認されたこともあり、緩和策の出口がこの9月にも始まる、との思惑が強まっている。これを受け、米国の長期金利が大きく上昇した。10年国債利回りはこの2か月間に1%も上昇し、一時2.7%台を付けた。
米国が世界からドル資金を回収しているため、ドルが独歩高となった。半面、新興市場を中心に資金が枯渇し、株や債券、通貨の下落に見舞われた。
一方の中国では、日本のバブル期のような「信用急膨張」が起きた。その多くが銀行の帳簿外で、例えば系列企業を通じ、金利規制を逃れた高金利の「理財商品」を発行して地方政府が作ったペーパー会社やファンドなどに融資し、不動産などに投資された。その貸金が焦げ付き、貸手は「理財商品」の償還に苦慮する。これが銀行間に疑心暗鬼を招き、上海の短期金融市場での異常な高金利の発生にもつながった。
習政権は、無秩序な「帳簿外」の貸出を取り締まり始めた。銀行や借り手が破綻しても困るが、信用急膨張の約半分がこの帳簿外融資でなされており、これを抑えると貸し出し自体が急減、引き締め効果で景気を圧迫する。
日本の異次元緩和をもってしても、両国の金融緩和の縮小を補いきれるものではない。既にアジアの新興市場や欧州などでは、資金逼迫型の金利上昇や株安がみられる。これが本格化して世界の市場を揺るがすと、外に出ていた円資金も逆流して円高になる。日本には一層、緩和圧力が高まる。そして出口戦略への道筋はどんどん遠くなる。

 経済気象台より---千