梅雨明け、猛暑、ビール
関東甲信から西では、あれよあれよと梅雨が明けた。猛暑の各地からビアガーデンの生協が聞こえてくる。「空腹」が料理の再考の調味料なら、ビールにとって最高の引き立て役は「暑さ」に尽きる。
夏を前に。あるビール会社が1万6千人の回答を聞くと、ビアガーデンに行きたくなる気温は30度以上という人が最も多かった。ジョッキでのどへ流し込む爽快は、真夏日にこそ極まるようだ。
梅雨明けが早すぎたのか、近所の雑木林にまだ蝉の声はない。炎天下の街はじりじりと灼けて、時おり豪雨のような夕立が、ほてった空気を手荒く冷ます。照っても降っても、用心が欠かせない。夏の高気圧はどうやら長逗留する予定らしい。
<一人置いて好きな人ゐるビールかな>安田畝風。
これは職場仲間の飲み会だろうか。若やぐ空気はうらやましいが、過飲にはご注意を、酔態に冷めてしまう恋心、意外と多いように聞く。

 天声人語より