天の川物語
七夕伝説は多くの大人が知っていた。ただ、織姫と彦星が夫婦だと正しく理解していた人は1割もなく、9割超が恋人と誤解していた。
2人は働き者だったが、結婚してからは機織りと牛飼いの仕事を怠けるようになり、天帝の怒りを買って引き離された。年に一度しか許されない星合の物語が、恋の成就を阻まれ、一緒になれない2人というイメージを定着されてはまったか。
もともとの意味合いが、時とともに忘れられていくのは仕方がないことかも知れない。願い事を短冊に書いて笹竹に飾るのも、かっては裁縫や書道の上達を願ったものという。今は自分や家族の健康を願ったり、仕事や就職がうまくいくように祈ったり。
それでも根づいた風習はかたちを変えながら引き継がれていくだろう。4分の3の人は七夕の行事を次の世代に伝えていきたいと答えている。なぜならば「夢があるから」
和歌山電鉄の人気者、三毛猫の「たま駅長」もおととい、保育園児らと一緒に笹の飾り付けをした。願い事は「安全運行」である。
被災地の一刻も早い復興を祈る短冊もあろう。星に願いが届きますように。

 天声人語より