変動する市場の見方
株式、為替市場が変動し、一部では黒田日銀の金融緩和が原因であるかのような批判が起きている。
また、黒田日銀の緩和は帳消しになったという指摘もある。今回の株高、円安が始まったのは昨秋だ。当時の野田首相が衆院の解散を宣言し、リフレ政策を唱える安倍・自民党総裁が首相になることが確実視されてからである。昨秋以降の上げ幅はまだ十分に残っている。
民主党は急激な株高と円安リスクを前面に出して参院選を戦うという。しかし、急激な株安と円高が進んだときに有効な手を打てなかったのは民主党政権である。それに比べれば安倍政権の経済効果ははるかによい。
さらに一部では長期金利の急騰を懸念している。現状の長期金利はせいぜい1%未満。歴史的に見ても高いとは言えない。また、日銀のホームページに明記しているように、長期金利は、予想インフレ率、予想潜在成長率、リスクプレミアムの三つの要因で決まる。このうち、金融緩和はリスクプレミアムを引き下げるが、予想インフレ率と予想潜在成長率を引き上げる傾向にある。
それでも、予想インフレ率が十分に高ければ、名目金利から予想インフレ率を差し引いた実質金利は下がる。長期金利が徐々に上がることは金融政策の効果が出ている証拠だ。今後の動向には注意が必要なのはいうまでもないが、確かな経済学の知識を使えば、現状を冷静に見られる。

 経済気象台より---AS