消費増税法案は首相の決断で提出を
民主党内の事前審査で、反対の声がおさまらない。
おかしな話である。
法案の元になった「大綱」の中身は、昨年末の党内議論で決着したはずではない
か。
この期に及んでの紛糾は、民主党が政策集団というよりも、選挙互助会にすぎな
い実態を改めて示すものだ。これでも政権与党なのか、とあぜんとする。
野田首相は3月中に法案を決めると明言してきた。自公政権時代の税制改正法が
付則に「11年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と明記したのを踏まえた対
応である。
だから首相が月内に法案を提出するのは、法律に沿った当然の行動だ。ずるずる
と結論を先送りしてはならない。
財政の健全化と社会保障の安定のため、あえて不人気な政策を旗印に掲げてきた
野田政権の真価が問われる局面である。
党執行部は、党内合意をめざして、修正案を重ねて示してきた。
だが結局のところ、小沢元代表を中心とした反対グループは、現時点で消費増税
を決めること自体を受け入れないのだ。法案の文言の手直しで、納得するように
は見えない。
むしろ、法案の採決時に造反する大義名分を得るために、執行部に無理やり押し
切られた形をつくりたいのではないか。
行革などは増税法案と平行して進めるべき施策だと考えている。すべてが実現し
なければ増税すべきではないという考え方は、単なる増税先送り論と同じにしか
聞こえない。
首相は「51対49」でも、党内論議をまとめるとの決意を示してきた。反対派説得
の前面に立ち、速やかに法案提出という政府の責任を果たすべきだ。
国民新党にも注文がある。
大綱決定に対して、「実現しないので黙認」したなどという二枚舌はもはや許さ
れない。
増税反対を貫くなら、すっぱりと連立を離脱する。そうしないなら、法案成立に
与党として責任を持つ。党内論議で、どちらかはっきりさせる時だ。

 社説より