政府の郵政改革「民から官へ」の逆流だ。
事業の公益性をたてに見直しを正当化しているが、そこから浮かんでくるの
は、巨大な郵貯をさらに肥大化させても国民が認めてくれるだろうという、
甘い認識だ。
これまで郵便事業に限られていた全国一律サービスを貯金や保険など金融業
務にも広げるとしている。利用者の利便性が増すが、それで済む話ではない。
大きすぎると批判されてきた郵貯や簡保の金融部門をさらに大きくして、収
益を上乗せしようという戦略そのものに危惧を抱かざるをえないからだ。
そもそも郵政改革で求めたいのは、郵便事業の立て直し、将来の国民負担を
回避するための経営再建策だ。
郵便局の公益性が高まるというなら、社員には政治的な中立性が求められる
べきだ。現状のように政治活動が放任されるなら、融資はじめさまざまな業
務で情実が絡んだり、政治利用と結びついたりしかねない。それでは公益性
に背いてしまう。
国営時代のような選挙運動や政治家の口利きを禁じるための万全の手立てが
必要だ。

 紙面より