いい赤字か悪い赤字か
深刻な赤字決算には、成長の芽さえも見当たらないのだろうか。環境、エネ
ルギー事業の強化が命題なのは相違ない。それ以外にも、経営者の言葉から
事業構造を変えようという幾つかのアイデアを拾うことはできた。
一つはパナソニックの「家ごと、ビルごと提案」。省エネ住宅、ビルのセキ
ュリティーなど、システムをまるごと請け負うというビジネスだ。
世界経済が再び成長軌道に入る際、これまでのビジネスモデルでは通用しな
い。決算発表時、業界業種を問わず、多くの経営者が同じように語った。
今回の赤字を成長の糧にできるかどうか。決算短信上では、同じ赤字でも、
中身は各社ごとに異なる。将来を見据えて、今から新たな態勢を整えようと
するための赤字。バブル後からの改革が進まず、急激な需要減に対応できず
に生じた赤字。将来、今を振り返って、「いい赤字」だったのか、「悪い赤
字」だったのか。答えが出るのは、そんなに先のことではないように思う。

 補助線より---多賀谷克彦