年金収支が見通しどおりになっても、老後が安心といえない。
政府は昨年末に、税制と社会保障改革の中期プログラムを決めた。その中で
、基礎年金の最低保障機能を強化することを掲げているが、具体案の検討は
進んでいない。
野党が掲げるような税財源による最低保障年金を創設すれば、必要な水準を
維持することは可能だが、それには巨額な財源が必要だ。保険料に代わって
、かなりの税負担を覚悟しなければならないだろう。これは制度全体を根本
から変えることにもなる。
現行制度の手直しで対応し、所得の低い人にしぼって何らかの手立てを考え
るとしても、新たな財源が必要になる。低所得・低年金の人を支えるために
は、年金とは別に、新たな生活保障制度を何か考える必要が出てくるかも知
れない。どんな方法をとるかによって、将来の税負担の引き上げ幅も大きく
変わってくる。
今回の財政検証をきっかけに、そうした問題を与野党が一緒になって考える
ことが望ましい。政治の現状がそれとはほど遠いことが何とも残念だ。

 社説より