亡くしてありとなし、約しくして秦かなりとなす。難きかな、恒あること。
人はよく、ありもしないのにあるような顔をしたり、貧しいのに豊かなよう
なふりをするものだ。ありのままの変わらぬ態度でいるのは、難しいことだ。

とかく人間は見栄をはりたがる。ある意味では、それは進歩の原動力にもな
る。人に負けないという気持ちから、がんばらなければならないという励み
心がかきたてられることもあるからだ。
だが、概して言うと、見栄というものは役にたつどころか、自分自身をみじ
めにするだけである。それは劣等感の裏返しであり、自信のなさからきてい
るのだ。そんなことで心を動揺させるのはつまらない。自分は自分である。
どんな人だろうと世界に自分はひとりしかいない。自分だけしかもっていな
いものがあるはずだ。やたらと周囲に左右されない自己を確立したい。

 論語一日一言より--村山孚