金利は不安のバロメーター
金融資産を貨幣か、利子のつく債券や株などで持つのかの選択があり、先行
きが見えない「不確実性」があると、人々は流動性の高い貨幣を志向する。
金利は不安のバロメーターというわけだ。
つまり「流動性選好」が強まると皆が貨幣を持とうとする結果、投資に回る
金が減り需要が減退するという。
不安の強まりから、金利が下がっても、投資から生産→所得→消費の増加に
つながらない。貨幣で当面の安心を得ようとして逆に経済活動を縮小させる
「逆乗数効果」が起きる。
資本主義の原動力として、人々の「欲望」や企業家の「冒険心」「アニマル
スピリット」がいわれてきた。だがいま、「貨幣愛」で縮こまる経済をどう
脱却するのか。
中央銀行が中立性や自らの資産の健全性を損ねる危険を冒して信用収縮が起
きている金融の血管を広げても、投資が増えないのでは実体経済は動かない
。米国は大規模な財政出動で政府自らが需要喚起策に乗り出した。
翻って日本は、定額給付金や埋蔵金頼みの「社会保障の機能強化」で、消費
や投資は増えるのか。政策論議をすべて「政局」に結びつけようとする民主
党に新しい政策発想を託せるのか。不安を解消し、将来に希望をもてる政策
を世界とどう競い合うかだ。

 補助線より---西井秦之