この危機の意味を考え、次の時代への手ががりにしよう。
人々を豊かにするはずの自由の市場が、ときにひどい災禍をもたらす。
資本主義が本来もっているそうした不安定性が、金融規制を極限まで緩めた
ブッシュ政権の米国で暴発し、グローバル化した世界を瞬く間に巻き込んだ
。それがこの危機だ。
地球は一つの市場となり、お金、モノ、そしてITによる情報の流れが豊か
さと便利さをもたらした。
このグローバル化を牽引したのが米国だ。株主や投資家の利益を何より重視
する。働く人の暮らしや企業の責任よりも、お金を生み出す効率を優先する
。1970年代からレーガン革命を貫いて今日に至る「新自由主義」の考え方に
支えられた市場のあり方は、世界にも広がった。
それが行き着くとろまで行っての大破局だ。気づいてみれば膨大な数の米国
民が仕事や家を失い、社会の格差は広がり、国の象徴だった自動車をはじめ
、製造業は見る影もない。
人間や社会の調和よりも、利益をかせぎ出す市場そのものを大事にするシス
テムの一つの帰結である。
米国民は、市場原理主義と金融バブルで生じたゆがみを是正する役目をオバ
マ次期大統領に託し、彼と肩を組んで危機を乗り越えようとしている。
日本でも、今年の総選挙がそうした場になるだろうか。

 紙面より