原油高と物価
石油から作られる包装材や運送の燃料費がかさむからだけでない。原油高が
農産物まで高騰させているのだ。
原油高で国際的にバイオ燃料の需要が急増した。原料のトウモロコシが値上
がりし、トウモロコシへの転作で作付けが減った小麦や大豆も値上がり。こ
れらを使った飼料価格が上がって、豚肉や鶏肉まで上がる。
原油相場は1バレル=80�jを超え、史上最高値の圏内にある。5年ほど前の3倍
の水準だ。この影響で、1�g=140円台の歴史的な高値にあるガソリンが、今
月から一段と上がっている。
ところが、経済指標にこの値上がりがすぐには反映されない。全国消費者物
価指数は8月まで7カ月連続で前年同月比マイナスだ。
消費者物価指数には落とし穴がある。
下落の最大の要因は、薄型テレビやパソコン、デジタルカメラなど技術革新
が速いデジタル製品の指数が、1年前より2〜3割下がっていることだ。
たまに買うパソコンの値下がりの恩恵よりも、日常的に買う食品や生活用品
の値上がりの影響の方が、多くの家計にとって重いだろう。低所得の世帯ほ
ど日用品の負担は大きい。
生活実感が物価指数と食い違うのにはそんな事情がある。
政府も日銀も、物価と景気の見方を変えた方がいいのかもしれない。二極化
した物価は、より複雑で高度な政策運営を求めている。

 社説より