吟遊詩人
輝く黒髪を 

風になびかせ

竪琴を奏でながら

吟遊詩人は歌う


わたしの生まれ故郷は

名も知らぬ外つ国

わたしは何処に生まれ

何処へ流れてゆくのか



この大海原と共に

果てない旅を続ける

この世の終わりまで

運命を共にするのは略奪船


わたしの生まれ故郷は

名も知らぬ外つ国

わたしは何処に生まれ

何処へ流れてゆくのか



吟遊詩人の見つめる先

霧の中のブリテン島

そこはもしかしたら

彼の生まれ故郷

だったのかもしれない


わたしの生まれ故郷は

名も知らぬ外つ国

わたしは何処に生まれ

何処へ流れてゆくのか



やがて終焉の時を迎え

吟遊詩人は静かに

走馬灯のような人生を

振り返る


わたしの生まれ故郷は

名も知らぬ外つ国

わたしは何処に生まれ

何処へ流れてゆくのか



輝く黒髪と碧色の海が

ひとつになり

吟遊詩人は

今宵も歌う



わたしの生まれ故郷は

この広い海の上

わたしが流れてゆく先は

この深い深い海の底




(時にはヴァイキング気分で・・・)