新型コロナウイルスへの対処「8割減」の根拠は
数学の等比数列は分かりやすく言えば、ネズミ算だ。米国のドラマ『ナンバーズ 天才数学者が1枚の紙を手に取って刑事を驚かす場面がある。
「紙を2回折ると、4倍の厚さになる。もし50回折ればどの程度の厚さになると思う?」。男性刑事が答える。「数十㌢かな」。女性刑事が答える。「いいえ、ビル並みよ」。どちらもはるかに違った。「太陽まで届く。50回は折れないけどね」。
紙を折る作業を人と人との接触に置き換えれば、人類が目の前にしている危機の大きさがうかがえよう。
等比数列が導く最悪のシナリオを逆から見たのが、「接触8割減」理論に違いない。厚生労働省クラスター対策班の西浦博・北大教授が考案した。そもそも紙を折ることさえしなければ、息のできる地表にふみとどまれるということだろう。「8割減」を1か月実行することで感染が収束するとの試算は、理論のうえでは信頼しうる。
ウイルスに勝つ唯一の方策とも言われるが、残り時間はあるようでない。7都道府県への緊急事態宣言から1週間がたった。あと3週、大事に過ごせるかどうか。

 編集手帳より