2020年05月の記事


阿留辺幾夜宇和と書いて「あるべきようわ」と読むという。
鎌倉時代初期の高僧、明恵上人が、人はその七文字を保つべきなり、と説いている。
といってもわかりづらい。概略、置かれた立場に応じた規範、規律を守り、なすべきことをなせ----との意味らしい。作家の栗田勇さんが自著『日本文化のキーワード』に書く解釈も付け加えたい。
自らの「あるべきようは」と考えて、〈いま時々刻々の自分の勤め----に立ち戻ること〉というから、危機下の処し方とも思えてくる。
大型連休が明けても、緊急事態宣言がつづく。行動制限を日常に組み込む「新しい生活様式」まで提起されたところをみると、今月末に再設定された期限が過ぎても厄災は終わるまい。「コロナの時代」をどう生きていくか、覚悟を決めて問い直すべきとなのだろう。
そうわかっていても自粛に疲れ、心がしぼみそうな人は少なかろう。出口戦略という希望を国に求めつつ、いまは自らの勤めを確かめて阿留辺幾夜宇和とつぶやいてみる。

 よみうり寸評より
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いま思えば、恋愛リアリティー番組の萌芽のような存在だったか。
1980~90年代に放映された「ねるとん紅鯨団」である。若い男女が集団でデートをして、ときにカップルが生まれる。大学時代に、誘われて出たことがある。
テレビの前で出演者たちは笑われ、馬鹿にされていたかもしれない。しかし出ている方の耳には入ってこない。インターネットの普及はまだ先で、SNSなどない時代である。友人にからかわれる程度だった。
人気の恋愛リアリティー番組「テラスハウス」をめぐり、痛ましい出来事が起きてしまった。出演していた22歳のプロレスラーの女性が、SNSで誹謗中傷を受けた末に亡くなった。遺書のようなメモを残して。
筋書なしで生の人間模様を見せるのが、リアリティー番組だ。感情や人柄があらわになり、応援だけでなく人間攻撃を引き寄せやすい。数多く作られてきた米国では、出演した人のうち20人以上が自殺したという。
2人の自殺者を出した英放送局は昨年、心理面での支援を強め、SNSの対処法を施すと発表した。需要がある限り、この手の番組はなくなりはしないのだろう。ネットの荒波に生身のまま放り込まれる人への支援は、絶対に深刻な問題だ。極端な悪意を抑えることと、表現の自由を保つことのバランスは難しいが、答えを出していく必要がある。そして何より気にとめたい。スマホに乗せたこの指が、誰かを追い詰めはしないかと。

 天声人語より
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原爆投下と慰安婦像 見たくない過去を語ろう
今年もまた、被爆した日と終戦記念日と、戦争で亡くなった方々を追悼する式典が催された。新聞とテレビは74年前の戦争を振り返る生地や番組でいっぱいだった。
それを読み、観ながら、心に引っかかることがあった。第2次世界大戦において展開された暴力のなかに、広く語られる暴力と、語ることが許されない暴力の二つがあることだ。
あいちトリエンナーレの企画「表現の不自由展・その後」が抗議ばかりでなく暴力行為の予告などを受けて中止となった。抗議や脅迫の元となった展示のなかには、昭和天皇の肖像群が燃える作品に加え、慰安婦の少女を表現した作品が、あったと報道されている。企画展の中止に関する論評の多くは憲法によって保障された表現の自由との関係から議論するものであった。もちろん展示会を暴力によって威迫することがあってはならない。だが、表現の自由とは別に、気になった問題がある。慰安婦の姿を表現することは受け入れることができない。そのような展示は認められないと考える人々が日本国内には少なからず存在するというこだ。
初めてのことではない。慰安婦の姿を表現した少女像は、設置を求める運動が韓国系団体を中心として展開され、ソウルの日本大使館前ばかりでなく世界各地に設置される一方、撤去を求める運動も行われてきた。
ここでは慰安婦の表象が戦時性暴力ではなく反日的な行為として捉えられている。語られない、語ることが許されない戦争の暴力である。「見たくない過去」といってもいいだろう。
戦争の記憶が政治的な争点となることは日本に限った現象ではない。1995年、スミソニアン航空宇宙博物館の企画した原爆投下の展覧会がアメリカ国内の反発を受けて中止に追い込まれ、原爆を投下したエノラ・ゲイが展示されるにとどまった。ここには「見たくない過去」としての原爆投下を排除する態度がある。
原爆投下を「見たくない過去」とするアメリカ人がいるように、慰安婦を「見たくない過去」とする日本国民がいるのだろう。だが、原爆投下への批判がアメリカ国民への侮辱だと考えるひつようもない。

 時事小言より-----藤原帰一
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江戸の後期には、読み書きのできる人がまちにも村にも相当いたようだ。
自分で本を買うお金がなくても、都市部には貸本屋があった。では農村はどうかというと、多くの蔵書を持つ豪農がいて、村人に貸し出しする例があったらしい。
関東のある蔵書家の貸出帳簿が、青木美智雄著『日本の歴史 別巻 日本文化の原型』で紹介されていた。貸出数の最も多いのが実録物で、次いで読本類、すなわち小説が人気だったという。
現在の公共図書館のような役割は、かなり早くから必要とされていたのかもしれない。失われて、その大切さを改めて知る。閉鎖になっていた図書館が、緊急事態宣言の解除とともに開き始めている。
自粛生活だからこそ本が欲しい、そう思っていた方も多いのではないか。ネット通販も、図書館での出会いには代えがたい。書棚で何となく目についた本。ときの話題に合わせて司書が集めてくれた本。返却されたばかりの本を並べた棚にも、意外な掘り出し物がある。
貸し出しは始まったものの、閲覧室がまだ使えないところも多い。じっくりと集中できる場所としての役割を果たすのは、もう少し先になるか。近所の図書館を自分の書斎のように使っているというのが、英文学者の外山滋比古さんだ。
「十分もすれば隣に人がいることも忘れて仕事に没頭できる」「わからぬことがあると、十歩も歩けば書架である」とエッセーに書いている。あの静けさも、あの豊かさも、図書館の得がたい日常である。

 天声人語より
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中国の香港への対応
米中対立とコロナ禍で傷む中国経済。
国民のはけ口に、香港の自由と人権を侵すとは。酷薄極まる中国流。

素粒子より
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緊急事態宣言が続くなか「自粛警察」なる言葉を何度も聞いた。
あそこは自粛していないとネットで攻撃し、通報する姿は醜悪である。しかしこうも言えないか。「警察国家」になるような、さらなる醜悪を見ることなく、私たちは危機をしのいでいる。
人々の権利を重んじる欧州ですら、強制や罰則を伴う措置を取った。バリのまちを警官が巡回し、外出者を取り締まる映像は衝撃だった。それでもフランスは2万人以上の犠牲者を出した。日本はゆるい規制にもかかわらず、感染をここまで抑えている。
一方で現状は、別の深刻な問題も映し出している。感染爆発に至っていないにもかかわらず、医療崩壊の瀬戸際まで行ってしまったことだ。
救急車で運ばれながら何十もの病院から断られる「たらい回し」が報じられた。マスクもガウンも足りないという医療現場からの声は、悲鳴のようだった。我が国の医療がこれほど脆弱だったとは。
日本の人口1千人あたりの医師数はドイツの半分で主要7カ国でも最小だという。医療費を削るため、人材育成や設備が過度に抑えられてはこなかったか。医療体制のどこを強化し、どれだけお金をかけるぺきか、これから真剣な議論がいる。
「のど元過ぎれば熱さを忘れる」に似た表現は他の国にもあり、英語は「危険が去れば神は忘れられる」、中国語は「かさぶたがとれれば痛みを忘れる」。いまだのど元にあり、かさぶたにもならない危機ではあるが、少し先のことも考え始めたい。

 天声人語より
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新型コロナウイルス対策
計234兆円の「規模」は分かった。
問題は対応の「速度」。
過去最大、世界最大を誇るなら「スピード感」で。

素粒子より
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治安維持法を改悪する案は、1928年に帝国議会に提出された。
最高刑を死刑にし、取り締まりの対象を広げる内容は、すんなりと多数を得られなかったようで廃案となった。本来なら次の議会で出直すべきだが、政府は禁じ手を使う。天皇の名のもとの緊急勅令である。
議会をないがしろにするやり方は批判を浴び、国粋主義の憲法学者ですらこう難じた。「世論は明らかに緊急勅令に反対してをる----議会を無視すれば、法の威力を減ずること、深く考へなくてばならぬ」。それでも当時の内閣は強行した。
ころらも世論を無視し、手続きを迂回する暴挙であろう。中国当局が香港政府の頭越しに、香港の治安維持のための法律を作ろうとしている。
一国二制度のもと、香港には中国本土と異なる司法制度があり、立法も香港の議会に委ねられてきた。それをご破算にし、北京の全国人民代表大会で法整備をする構えらしい。中国流の監視機関を香港に置く案もあるという。
自由や民主は不十分だが、その代わり豊かさは手にできる。人々にそう思わせることで、中国の体制は保たれてきた。コロナ危機で経済が失速すれば、不満が出てくるのは避けられない。香港での抗議活動を許せば、やがて本土での抗議につながると懸念しているのかもしれない。
日本の治安維持法は拡大解釈の末、人々から言葉を奪った。自由に足かせをはめる法整備に対し、香港の人たちの恐怖はいかばかりか。と内田はすでに抗議のデモが始まっている。

 天声人語より
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京アニ容疑者逮捕
36人が亡くなった京アニ放火事件で、発生直後に現場近くで取り押さえられ、やけどで入院治療が続いていたが、取り調べに耐えれるまで回復したとして逮捕した。病院から自力では歩けないので、担架で移送した。

紙面より
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新緑のなかでも楓の葉の美しさは格別で、ゆえに古くから愛されてきた。
吉田兼好は『徒然草』に「卯月ばかりの若楓、すべてよろづの花・紅葉にもまさりてめでたきものなり」と書いた。初夏の楓は、どんな花や紅葉よりも見事だと。
大空に手を伸ばす若き楓を眺めていると、頭の中で、やがて赤く色づくであろう姿を重ねてしまう。だからこそ眼前の緑がよけい際立つのかもしれない。色の変化といえば、「七変化」の異名を持つ紫陽花の季節も近づいている。
緑から城へ、そして鮮やかな色へと移り変わる花である。〈紫陽花や白よりいでし浅みどり〉渡辺水巴。浅みどりには空色という意味もあるらしい。きのう顔を近づけてみると、緑、白、そして空色のまだら模様があった。
コロナ、コロナの単色だった暮らしにも、変化が訪れつつある。遊園地や動物園が再開したニュースが各地から届く。百貨店などが営業を始める一方、まだ自粛を求められている店がある。変化はいまだ、まだら模様である。
まだらがいちばん気になるのは全国の教育現場であろう。教室にはビニールの幕、教員にはフェースガードと、再開準備を進める学校が首都圏にある。東北では、柔道など部活動の試合が始まっているところもある。早く同じ色になる日が来ることを。
夏木立がうっそうと茂り、昼なお暗い様子を「木下闇」という。夕闇でも暗闇でもない、若葉の下の闇。今の苦しい道のりが、どうか次へとつながるものになってくれれば。

 天声人語より
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前検事長の処分
処分を軽く。
そう主導したのは官邸側か、法務省・検事総長か。
どちらがウソか。
負担の分ち合いが問われるコロナ危機。
政治の公正・公平がますます大事な時である。

素粒子より
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先週、76歳で亡くなった中国文学者の井波律子さんは、小学生のころの自分を「耳年増」と描写している。
京都・西陣の家に近い映画館に通いつめ、中学に入る前に都合2千本も見たせいだという。
肥えた耳のおかげであろうか。彼女の手にかかると、教室であれほど無味乾燥だった中国史の登場人物にたちまち血が通う。たとえば王莽。前漢を倒し、新という王朝を興した男を「裸の王様」と呼ぶ。聖人君子のふりを演じ続けたペテン師と切り捨てた。
明朝末期の有力武将だった呉三桂は「恋に狂った猛将」。美貌の女をさらわれて理性を失い、敵である清軍に寝返る。恋ゆえに身を売り、明の滅亡を速めた裏切り者と評した。
ことほどさように井波流の人物論は切れ味鋭い。『酒池肉林』『破壊の女神』『中国的大快楽主義』といった著作の題だけで思わず手が伸びる。全力で時代を駆け抜けた奇人や変人をことのほか愛した。人間の欲や得を生々しく描くその筆は、洗練されたドラマの脚本家のようでもあった。
富山県生まれ。金沢大や国際日本文化研究センターで教授を務めた。『三国志演義』の全訳で名高いが、研究室には意外にもロックグループ「ザ・バンド」のポスターが。来日公演に駆け付ける熱心なファンだったと聞く。
中国の古典はもちろん、映画を論じても音楽を語っても、独創的な視点と達意の文章で読む者の心をつかんだ。自称「ひねこびたマセガキ」は、俗なものにこそ人間の本性が宿ると教えてくれた。

 天声人語より
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緊急事態宣言解除へ
今夜また、例の顔が30分も演説するのだ。聞き飽きた。
「ある」と言いながら責任を取らぬ首相の責任。失政や失言を「誤解」とごまかす閣僚ら。
「スピード」を強調しながら、遅れに遅れる助成金や給付金。
乏しい国民への説明。
そういえばわが町ではまだ、布マスク配達がない。
忘れるのか、国民は。
喉元過ぎれば今回も。
それとも。

素粒子よりと私見
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かの万有引力の法則は、自粛生活から生まれた。
英国でペストが猛威をふるった17世紀、若きニュートンはロンドンを離れて郷里の村へ避難。わずか1年半の間に、引力のほか微積分と光学という画期的な発見をする。
「ペスト疎開をしていなかったら、20代前半で短期間に発見を三つも成し遂げられなかったかもしれません」と東京理科大の川村康文教授。当時、ニュートンは学位を得たばかりで、大学が閉鎖されなければ、思考を深める時間もなかったのではと推察する。
自粛中のニュートンは昼間、農場の納屋にこもった。穴から差し込む陽光は白いのに、壁に映るのが七色なのはなぜだろう。考え抜いた末、光の正体は屈折率の異なる線だと発見する。当時の母は息子の異能に気づかず、農作業の怠け癖を嘆いた。
評伝を読むと、かなり狷介な人物だったらしい。ペストが去った後は大学に戻って研究に打ち込むが、巣ごもり期のような大発見はなかった、聴講生は少なめ。ネコを心の友とし、人生の後半を業績論争に費やしたようである。
きのう大阪、京都、兵庫の3府県で緊急事態宣言が解かれたが、首都圏や北海道ではなお自粛が求められる。コロナ禍で日常が一変してしまい、学びに没頭できないと悩む若者も少なくないだろう。
ここは発想を転換し、長い巣ごもり生活を前向きに受け止めよう。後世の歴史家から「コロナ時代のニュートン」と称賛されるような新たな才能と出会いたいものである。

 天声人語より
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やる気は脳の活動に変化を与え、効果的なリハビリにつながる。
病院などの現場では、患者本人のやる気が、リハビリの効果に影響することは知られている。生理学研究所などの研究チームはその仕組みの解明を進めている。
脊髄損傷から回復途上のサルで、やる気や意欲に関係する「側坐核」という脳の領域の活動を薬で止めたところ、治り始めていた手のまひが再び出て、イモをつまめなくなった。一方、健康なサルでは、側坐核の活動を止めても影響はなかった。研究チームは、けがの回復期に、側坐核が運動機能をつかさどる脳の領域の活動を活性化し、運動機能の回復を支えているとみている。
また、生理研の定藤教授らの研究チームは、褒められることの影響について研究している。他人に褒められると、意欲や意思決定に関わる「線条体」と呼ばれる脳の領域が反応することを確認。さらに、褒められた人は、指を使った運動技能の習得が上手になることも確かめたという。
定藤教授によると、これまでは教育の分野で、こうした意欲や褒めが学習にどう影響するかについて研究されてきた。最近は、脳神経学の分野でも研究が進み、成果はリハビリにも応用できるという。
定藤教授は「強い意欲を持ち続けるには、褒められることに依存せず『やればできるんだ』という経験に裏打ちされた自己肯定感が大切。リハビリでも、自ら取り組む意欲を高める試みが、周囲には重要になる」と指摘している。

 紙面より
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7歳と5歳の子どもが父親と公園にいると、警察官に職務質問された--。本紙の「声」欄に先日、そんな投稿が載った。
「自粛中に遊んでいる」との通報があったという。この春、公園の光景が各地で一変した。
そもそも公園は何のためにあるのか。近代史を調べて驚いた。明治時代、政府が初めて公園を造ったのは主に防疫のためだった。コレラの伝染は空気中の湿って汚れた「瘴気」によるものと考えられ、土地を乾かすには空間を開放するのが良策とされた。
「公園は都市の肺である」。伝染病に苦しんだ欧州で唱えられた説が、維新後の日本にもたらさせる。「公園は腐を転じて鮮となす」「精神の洗濯場、空気の転換場であれ」。文豪幸田露伴も著書で熱く訴えた。
なお多くの人々が巣ごもり生活を送る都市部では、公園は数少ない憩いの場である。とりわけ子どもたちには貴重な居場所だ。「立ち入り禁止」のテープが巻かれた遊具は、見るたび悲しい。こぞって使用禁止とされたのは自治体の横並びゆえか。
「批判を恐れた行政が過敏に反応した結果かもしれません」と話すのは立教大の小野良平教授。公園の歴史や設計に詳しい。「そもそも公園はゆとりの場。だれもがふらりと立ち寄ってボーッと過ごすことのできる空間であってほしい」。
行く先として公園しか浮かばないのに、行くのがはばかられる。百五十余年前に「都市の肺」として生まれた場所で、深呼吸も自由にできないのは、皮肉な話であろう。

 天声人語より
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人生の目的意識と死亡率
人生に対する目的意識の高い高齢者の方が長生きするという研究が報告され
ている。
人生の目的意識に関するテストは
1、私は人生に方向性と目的の感覚を持っている。
2、私は将来の計画を立て、それを実現させるために働くことを楽しむ。
3、人生を目的なしにさまよう人もいるが、私はそうした人々の1人ではな
い。
4、私は人生でなすべきことをすべて行なったように感じることがある。
など10項目からなる。
各質問への回答を5段階の選択肢から選び、合計点を質問数で割って一人ず
つ平均点を出した。平均点は3.7点だった。
その結果、人生の目的意識に関する5点満点の点数が下位10%の人と比べ、上
位10%の人では、死亡率が43%も低かった。
人生の目的意識に関するテストは、ナチの収容所を生き延びた精神科医ヴィ
クトール・フランクルの思想などに由来する。彼の思想とは、極度の逆境下
でも人生を意味あるものとするのは可能であり、人生に対する目的意識を持
つことが、心理的健康を維持する上で本質的である、とするものだという。

 やさしい医学リポートより---東北大教授・坪野吉孝
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東京・日本橋浜町で生まれ育った稲崎知伸さんは、天保年間から続く表具店の6代目。
額装や掛け軸、びょうぶ絵を扱う職人である。同じ町内にある東横インのために何かできないかと考えた。
コロナの感染拡大による病床不足を解消するため、軽症者らを受け入れると決めたホテルだ。ところが東京都内第1号として公表されると、にぎやかだった隣接の公園から子どもたちの姿がぱたりと消える。SNSには不安をあおるような投稿があふれた。
六つの商店街を束ねる立場の稲崎さんは、仲間に相談。患者と医療従事者を励ます旗や幕を作ることにする。「快癒祈願 せっかくこの下町に来て頂いたのに、何も出来ないのは心苦しい」「もう少しの辛抱。力を合わせて困難を乗り切りましょう」。そんな言葉をホテルの部屋から見えるところに掲げた。「地域の皆さんに、心配は無用です、落ち着きましょうと呼びかける意味も込めました」。
ウイスキーが世の中を一変させて久しい。感染者の名前や住まいを暴いたり、病院勤務者の子どもとの接触を避けたり。ぎすぎすした雰囲気は各地でなお消えない。
東横インの周辺を歩く。目の前の隅田川にかかる新大橋は、地元で「お助け橋」と呼ぶらしい。一九二三年の関東大震災で奇跡的に焼失せず、大勢が橋の上で難を逃れたことにちなむ。
下町っ子が練った言葉はこう結ばれる。「是非お身体を治してから、またいらしてくださいませ」。お助け橋の町ならの心意気である。

 天声人語より
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新型コロナウイルス
京阪神は「解除」。
半歩ずつ前へ。
4月の訪日客が前年比99.9%減の現実のもと。

素粒子より
英国ではワクチンができたと、9月から供給始めるとニュース。
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いまをときめく歌姫は政治のゆがみに声を上げずにはいられなかった。
米ポップ界のティラー・スウィフトさんは20代後半、父の制止を振り切ってSNSで初めて政治的な意見を表明する。
おととし秋、上院選さなかのことだ。女性や性的少数者の権利を軽んじる候補への不支持を呼びかけた。「口に貼っていたテープをはがす時がきた」。その葛藤と勇気を描いた今年公開米国でさえ、のドキュメンタリーを見た。昨今は有名人がよほど覚悟を決めないと政治を語れない実態に驚く。」。4これもまた
「♯検察庁法改正案に抗議します」。コロナ禍の隙を突くかのような法改正の動きに、俳優や歌手たちが相次いでツイートした。たとえば小泉今日子さん。審議強行の直後から「更に勉強してみました」「国会中継見てます」と投稿を続けた。検察OBの意見書を読んだ日は「泣きました。そして背筋が伸びました」。
いったん法案への反対を表明しながら、猛反発を浴びて投稿を削除した人気歌手もいる。「政治にクビを突っ込むなら勉強してこい」「歌うのが仕事。他に用はないSNS時代の負の現実だろう。
きのう政府・与党は改正案の今国会での成立を断念した。抗議の連鎖が世論のうねりとなり、官邸をじりじりと追い込んでいった。
「政治はあまりに重大なことゆえ、とても政治家たちに任せきりにはできない」。ド・ゴール元仏大統領の言葉である。口のテープなど気にせずに、みんなで臆することなく政治を語ろう。

 天声人語より
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東京五輪
2021年に延期された東京五輪について、バッハ会長が21年開催が無理になった場合、中止にする見通しを示した。

紙面より
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ちょうど60年前の5月も国会は緊迫していた。
日米安保条約改定法案をめぐり、警官数百人が議場を固める中、岸信介首相率いる自民が採決を強行する。この月の19日夜から20未明にかけてのことだ。
「採決時点で岸氏はまだ政権把握に自信を持っていました」と話すのは東京国際大名誉教授の原彬久さん。晩年の岸氏にインタビューすること二十数回、詳細な証言記録を刊行している。
条約改定によって屈辱的な戦後体制を清算したい。それが宿願だった。米政府との折衝が進み、与党内の他派閥を黙らせることができれば、ほかに大した壁はなかろうと踏んでいた。
デモを左翼による動員と決めつける。「銀座には若い男女、後楽園は野球ファンで満員。そちらの声なき声に耳を傾けたい」との発言が火に油を注ぐ。原さんによれば、退陣20年後にはこんな釈明も。「声なき声をあらしめなければいかんということは年をとってくるとだんだん分かるんだが」。
民主主義を全否定するような強圧的な採決以降、憤りの声は日ごとに高まった。デモに参加した女子学生の不慮の死も岸氏には深刻な打撃となる。新安保成立とひきかえに退陣したのは採決から5週間後のことだった。
戦後日本の宰相の中でこれほど好悪の感情をかき立てる人はそういまい。退陣60年を機に評伝類を読み直して思うのは、その堂々たる愚直さである。ウイルス禍のさなか、検察庁を手なずけるかのような法案を通そうとする姑息さはまるでなかった。

 天声人語より
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補助金
将来の納税者を救おう。
困窮学生へのさいだい20万円は朗報だ。
できるだけ対象を広く。
いかにも歯がゆい。
東京都の「協力金」は、まだ請求の3%しか支給が決まらない。

素粒子より
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真っ赤に染まった夕焼けを見ると、ふるさとを思いだす。そんな経験はないだろうか。
名古屋大学職員のベトナム人女性チャン・トゥー・チャンさんの場合、故郷ハノイのロンビエン橋の光景がそうだった。
学校からの帰り道。夕暮れの橋はいつも多くのオートバイでごった返す。空を見上げるとオレンジ色の太陽がゆっくりと沈んでいくのが見えた。ああ暗くなるまえに家に帰りたいな。夕日の記憶は家族との晩ご飯を急ぐ気持ち、平和な日常そのものだった。
ところが昨年、初めて訪れた広島で記憶が揺さぶられる思いをしたという。原爆の赤い空を思いだすから夕焼けなんか見たくない。そう話す被爆者がいると聞いたからだ。「私には驚きでした」とチャンさん。ベトナム戦争の傷あとに苦しむ母国の人々の姿が重なった。
原爆ドームから見る夕焼けは美しかったが、「だれもが平和に楽しめるわけではない」。体験をつづり、世界の日本語学習者「日本語作文コンクール」に応募した。66カ国・地域の9086編のなかから先月、1等賞に選ばれた。
記憶とは過去ではなく私たちのいまの意識だ。〈いてはならないところにいるような こころのやましさ それは いつ どうして 僕のなかに宿ったのか 色あせた夕焼け雲のように〉黒田三郎「夕焼け」。
ことしで原爆投下75年、サイゴン陥落から45年。忘れることの悲しさがあり、忘れられない苦しみがある。そんな忘却と記憶をわける境とはいったい何なのだろう。

 天声人語より
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NY株911㌦高
新型コロナウイルスのワクチン開発への期待が高まったことなどから、ダウ工業株平均が大幅続伸。
この流れを受けて東証も前日終値から一時、500円超値上がりし、取引時間中としては3月6日以来、約2か月半ぶりの高値をつけた。

紙面より
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楽しい酒のような、それでいて、どこかさみしげな。井深鱒二に、こんな詩がある。
〈今宵は仲秋明月/初恋を偲ぶ夜/われら万障くりあわせ/よしの屋で独り酒をのむ〉。友と一緒なのか、あるいは独り酒なのか。不思議な味わいである。
いずれにせよ酒は手酌で飲んでいるのだろうと、勝手に想像する。〈春さん蛸のぶつ切りをくれえ/それも塩でくれえ/酒はあついのがよい---〉。
手酌のすすめとでもいうべき考え方が、飲食店の業界団体から示された。お客さん同士のお酌を控えるよう、店の方で呼びかけてほしいと。まあ一杯と言ってぐっと接近するのが酒席の妙ではあるが、感染防止のためにはそうも言っていられないようだ。
緊急事態宣言が39県で解除された。そろり日常に戻りつつも、いろいろ気をつけてほしいと各業界団体が指針をまとめている。ホテルのビュッフェでは従業員にとりわけてもらう。結婚式では集合写真を撮る直前までマスクを。飛行機では会話を控える、など。
少々おせっかいな気もするが、たしかにそうだと納得できれば積極的に取り入れたい。感染を防ぐか経済を回すか、そんな二者択一ではなく両立するには、新しいルールがいる。「手酌でいきましょう」が慣例になれば、余計な気遣いなしに酒が楽しめるかもしれない。
あるいは自分だけの新ルールをつくってもいい。飛沫を考えると、言葉少なになりがち。だからこそ挨拶やお礼は小声でもしっかり言おう、とか。

 天声人語より
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GDP打撃、年3.4%減
内閣府が公表した今年1~3月期のGDPの1次速報は、実質で前期より0.9%減り、2四半期連続のマイナス成長となった。
年率換算では3.4%減。
新型コロナウイルスの感染拡大で営業や外出を控える動きが広がり、個人消費や、輸出に計上される訪日客消費が落ち込んだことが響いた。
景気後退の認定が不可避の情勢だ。

紙面より
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ルポライター鎌田慧さんが書いた『六ケ所村の記録』には、
大規模開発のために住民が立ち退き、村の小学校が閉校になった話が出てくる。子どもの作文が紹介されていて、「私は、開発がにくくてたまりません」とつづられている。
工場が立ち並び、都市が生まれる。そんなバラ色の開発話は実現しないまま、1984年の閉校を迎えた。「工場がくるという話はうそでした---こんなに悲しくて、さびしい事は、ほんとうにいやです」。
宙に浮いた開発計画の代わりに、青森県六ケ所村にやってきたのが使用済み核燃料の再処理工場だった。稼働は当初の予定から遅れに遅れたが、ようやく一昨日、安全対策に「合格印」が押された。原子力規制委員会が新基準に適合していると判断したのだ。
核燃料を再利用し、核のごみを最小限にする。そんな未来を描いた核燃料サイクル計画の中核が、この再処理工場だった。ところが再処理した燃料を燃やすはずの高速増殖炉の計画が頓挫。通常の原発で工夫して使おうとするが、うまくいかない。
すでに絵に描いたモチになっているのに、政府も電力会社も見直そうとしない。核のごみ問題に焦点があたるのを恐れるからだろう。捨て場のないごみから目を背けるのか。
こんななぞなぞを聞いたことはないだろうか。「目を開けると見えないのに目をつぶると見えるもの、なんだ」。答えは夢。核燃料サイクルをめぐり、原発関係者がいま見ようとしているのは、夢というより幻影か。

 天声人語より
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ノルディックウォーキングのススメ。全身を使って歩く。
ポールをついて歩くノルディックウオーキングは、クロスカントリースキーの夏場の練習用だったものを一般向けに改良し、1997年にフィンランドで発表された。両手にも力が分散するためひざや腰への負担が小さく、全身の筋肉をバランスよく使える。
歩き方にはコツがいる。ポールは前ではなく体の横につき、後ろに押し出す。その際、ひじはまっすぐ伸ばし、手で握っていたグリップを離す。腕で地面を押して前進するため、二の腕や背中など普段意識しない筋肉を使い、慣れると歩幅が広がって股関節周りも鍛えられる。歩いてみると、上半身主導の動きだと実感する。20分ほどで汗がにじみ、心地よい疲労感だ。前進の90%の筋肉を使いますが、おしゃべりしながら歩けば顔の筋肉も使って100%になります。
カロリーの年収率は通常の歩行の1・2~1・4倍と有酸素運動としても効果的。時速7㌔で約20分歩いた場合の心拍数は歩行だと一定なのに対し、ノルディックウォーキングだと途中から上昇に転じる。走るのはきついが、歩くだけでは物足らない人向け。1日10~20分、週3日程度行うといい。姿勢もよくなります。
離したグリップをすぐに握り直せる専用のポールが必要で、スポーツ用品店などで1万円前後で購入できる。ポールの長さは、ストラップの付け根がへその位置に来るよう調整する。
ひざを痛めているなど歩行が難しい人は、ポールを前につく運動量の小さい歩き方から始めるといいという。一度講習を受け、自分に合う歩き方を選んで欲しい。初心者向けの各地の講習会の日程は日本ノルディックウォーキング協会のサイトで。

 続・元気のひけつより
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工事の都合で、毎晩1時間だけ停電になる。夫婦がそんな連絡を受けたところから、短編小説」停電の夜に」は始まる。
別々の部屋で食事をするほど関係が冷え込んでいた二人だが、ろうそくをはさんで久しぶりに食事をともにした。
ここで妻はある遊びを提案する。毎日の停電の時間に、今まで黙っていたことをお互いに打ち明けてはどうかと。学生時代のカンニング、もらったプレゼントをこっそりお金に換えたこと、残業のふりして飲みに行ったこと---。停電は、二人にとって大事な時間になった。
外出の自粛で、家族と過ごす時間が増えた方も多いだろう。秘密というほどではないが、お互いの意外な面を発見することもある。
ひととき欄に、小学5年生の娘が休校中という母親の投稿があった。娘と大人同士のような会話ができるようになっていることに気づいたという。愚痴っほくなってしまったことがあり、それをわびたときには「だいじょうぶ、だいじょうぶ。ためない方がいいよね」と返された。思わず噴き出してしまったという。

顔をつきあわせていればけんかもあるだろう。一方でちょっとした気遣い、ささいな笑いが、和ませてくれるときがある。
華族であるということは、自分たちしか知らない出来事を積み重ねていくことかもしれない。この自粛生活、そんな歴史をちょっと振り返ってみる機会にしてはどうだろう。あのことを覚えている?と口にして。

 天声人語より
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スロージョギングのススメ。鼻歌を楽しめるほどのペースで
健康のために体を動かしたいけれど、きつい運動はちょっと苦手。そんな人にお勧めなのが「スロージョギング」です。息切れしないペースでゆっくりと走るジョギング方法で、並走する人どうしが笑顔で会話できる速度が目安。
「足の指の付け根から着地するように」かかとから着地するのに比べて衝撃が3分の1になり、体の負担が少なく走れる。
スロージョギングは、小刻みな走り方が特徴。20~30㌢の歩幅で走る練習をした。ただ、頭では分かっていても、慣れないとつい大股になり、スピードが出てしまう。「歩幅を小さく」「もう少し上を向きましょう」とコツを伝授した。
実際にやってみて、長い時間走っても疲れないことに気づいた。「こんなに楽な運動でいいのかな?」というのが正直な感想だ。体力をつけ、減量をめざすなら1日に計30~60分が目安。初心者の場合は、スロージョギングの合間にウォーキングをはさのも良いという。継続することで、高齢者なら加齢に伴う筋肉量の減少を抑える効果も期待できる。
スロージョギングの消費エネルギーは、通常のウォーキングの約2倍。ウォーキングに比べて多くの筋肉を使う体。
生活習慣病の対策にスロージョギングを活用しましょう。息が上がらず、鼻歌を楽しめるくらいのペースで続けると良い。

 続・元気のひけつより
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文字にすると「ツツピー ツツピー」と書くらしい。シジュウカラのさえずりである。
その弾むような声を聞くことが毎朝の楽しみになった。運がよければ、電線の上に見ることもできる。
鳥はもちろん人間の耳を楽しませるためにさえずっているのではなく、縄張りの誇示、そしていほぃへの求愛のためである。それ以外の時の鳴き声は「地鳴き」という地味な名前があてがわれており、多くの鳥のその声はなるほど地味である。
求愛行動が造形美の域に達している鳥のことを、ストリッカー著『鳥の不思議な生活』で読んだ。オーストラリアなどに生息するニワシドリは、小枝で小屋のような構造物をつくり、そのできばえでメスを誘う。貝殻や木の実、ガラスのかけらなどで飾り付けをして。
制作現場に出くわした著者によると、この鳥は自分の作品をさまざまな角度から眺め、ときたまクチバシでつついていたという。まるで画家がミスの手直しをするかのように。「芸術をにんげんだけのものにするのは無理がありすぎる」と著者は記す。
鳥のさえずりも、昔から歌や音楽にたとえられてきた。パブロ・ピカソが反語的に、こんな言葉を残している。「誰もが芸術を頭で理解しようとする。ではなぜ鳥の歌を聞くときには、そうしないのか」。芸術も、自然界の美も、理屈を抜きにして愛されるべきではないかと。
身近な音楽家をさがして、にわか探鳥家になるのも悪くない。16日まで愛鳥週間。

 天声人語より
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新型コロナウイルス対策
感染することで体内にできるたんぱく質から過去の感染歴を調べる抗体検査について、厚生労働省は、来月にも1万人規模の調査を実施すると発表。
東京、大阪、東北地方の自治体で調整している。
検査キットの性能評価のために4月下旬に東京都と東北地方で計1千検体を検査したところ、5検体が陽性だった。
結果には誤差があることから、より大規模に調査するという。
新型コロナによる感染症が発生する前の昨年1~3月に採取した500検体でも2検体が陽性とでた。
厚労省は、誤検出の可能性が高いとみている。

 紙面より
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作詞家の岡本おさみさんが手がけ、泉谷しげるさんが歌った「義務」という曲は、自宅からデモに向かう男の話だ。
〈今日だけは人間らしくいたいから/デモの列で歩いてくるよ陽気にね〉。妻にそう声をかける。自分に言い聞かせるように。
好きなことは詩を書くことくらいで、ふだんは国の運命などは忘れてしまう。それでも〈今日は胸をはって/静かに歩いてこようと〉。団地の階段を2段ずつ飛び降りていく。1960年代の岡本さんの姿がなのかもしれない。
どんな思いから一人ひとりがツイートし、リツイートをしたのだろう。政府の判断で検察幹部の定年延長が可能になる法改正案をめぐり、抗議の投稿が相次いだ。600万件を超えるネット上のデモである。
「もうこれ以上、保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで下さい」と、俳優の井浦新さんは書いた。芸能人の投稿が注目されたが、彼らを含む多くの人の人たちによる異議申し立てである。外出自粛が続くなかでの。
安倍政権に近いとされる黒川弘務・東京高検検事長の定年延長は、すでに決まっている。今回の法案は、そんな特例を制度化するものだ。ときの政権の覚えめでたい人の特別扱いが常態化すれば、検察の牙が抜かれる。当然の危惧であろう。
首相にとって、無理を通すことはもはや日常なのだろう。与党議員にとっては、どんな法案も深く考えず通過させるのが日常かもしれない。そんな醜い日常が、この非日常のなかであぶり出されている。

 天声人語より
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緊急事態宣言
39県で解除へ。
8都道府県は継続。
列島が宣言で色分けされている。
新しい生活様式といわれても。

紙面より
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ナイチンゲールの生誕から、あすでちょうど、200年になる。
看護師のやさしさを象徴する英国女性には、忘れはならない別の側面がある。統計学の先駆者としての顔である。
クリミア戦争に看護師団のリーダーとして従軍し、傷病兵たちを手当てした彼女は、本国に戻ってからは数字と格闘した。兵士の多くが戦闘ではなく感染症で命を落としたことを統計で示し、陸軍施設の衛生状態の悪さを世に訴えたのだ。
当時は珍しかったグラフを使い、死亡率だけでなく、軍のキャンプとロンドン市街地の人口密度の違いも説明したという。統計を医療にいかす方法は進歩を続け、このコロナ危機でも様々な数字を見ない日はない。
新規感染者数や陽性率、さらには1人が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」なる指標も目にするようになった。数字の大切さが強調されるにつれ気になるのは、全ての土台にあるPCR検査がこころもとないことだ。
検査の数が少なすぎるとの批判に耐えられなくなったのだろう、厚生労働省は先日、熱が4日続くまで待たせるという従来の目安を撤回した。しかし検査が受けられず苦しんだ人への釈明もなければ、検査数が増えない理由も明確に語られない。「謝ったら負け」のゲームを見せられているようだ。
検査は実態をつかみ、手を打つためにある。患者を増やさないための関所ではない。そう考えを改めてくれたのなら、いいのだが。

 天声人語より
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検査能力は
えっ、まだだったの?
文科省、各大学のPCR検査能力の調査にようやく着手。
省庁縦割りの弊害、ここにも。
まさか?
またか?
緊急事態宣言の一部解除と、検察庁法改正案の衆院通過。
同日にぶつけて批判をそらす手。

 素粒子より
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歌人で作家の岡できず、本かの子さんは、遠いパリで芸術の道をあゆむ息子、太郎への思いを短歌に詠んだ。
〈犬が吠ゆればとて猫が鳴けばとて雀子がさへずればとて汝をおもふぞ〉。恋の歌のような情熱である。
ふとしたことで会いたくなり「巴里が東京ではないのが腹立たしくなる」と、かの子は随筆に書いている。例えば息子に似た青年の後ろ姿を見たときに、息子の古い着物を取り出したときに。「タロー! タロー!」と叫んで走り回りたくなる気持ちを歌にしたという。
〈ふらんすの巴里遠くしてわがのんど裂きつつ呼ぶとも吾子に聞こえじ〉。1930年代の日本と西洋との距離。そこまではいかないにしても、実家に帰省もできず、親子の距離が大きくなりがちな昨今である。いつもと少し違う母の日になった。
たとえ近くに住んでいても、大切に思うからこそ親に会いに行くのを控えている。そんな方もいるのではないか。ありがとうの気持ちを伝えるのは、電話か、ビデオ通話か。そして、てがみもある。
今年は母の日ではなく、5月を丸ごと「母の月」に。そんなふうに、お花屋さんなどが呼びかけているという。であれば今から便せんに向かっても、じゅうぶん間に合う。長くなくても、特別な言葉で飾らなくても、手書きの文字が縮めてくれる距離がある。
岡本太郎も、母かの子にパリから手紙を出している。「おかあさん、感情家だけではいけませんよ---」。親をたしなめるような文を、目を細めながら読む姿が浮かんでくる。

 天声人語より
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新型コロナウイルス
抗原検査明日から保険適用に。
新型コロナウイルスに関しているかどうかを短時間で調べられる「抗原検査」について、すでに検査キットの審査を終えており、13日から保険が適用される。
短時間で判定結果が出るため、まずは救急患者などの診断に使われる。

紙面より
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人気俳優ブラッド・ピットが主演した「マネーボール」は、大リーグ弱小球団の再建を描く映画である。
劇中、マット・キーオというスカウトが実名で登場する。プロ野球の阪神で名をはせた元投手だ。
今月初め、64歳で亡くなった。現役引退後も特別補佐として所属した球団アスレチックスが発表した。米紙によれば、先月半ば、孫を生後わずか1週間で亡くしたばかりだったという。
「変化球で内野ゴロに打ち取るのが巧みでした」とふりかえるのは阪神の監督だった吉田義男氏。来日初年、思い切って開幕投手に起用した。「いきなり2桁勝利を挙げてくれたのは立派です」。
長髪、口ひげの右腕が来日したのは1987年。阪神が21年ぶりのリーグ優勝をはたした翌々年だった。主砲ランディ・バースを擁しながら、最下位に沈む。「監督である私には天国から地獄へ落ちたのも同然。その暗黒時代に奮闘してくれたのがキーオでした」。
日本とは縁が深かった。少年時代、大リーガーだった父が南海でプレーし、関西でともに暮らした。選手時代も「ちょつとマットキーオ」などとダジャレで周囲を和ませた。
6位、6位、5位、6位---。虎のエースとして4年、チームはどん底から浮上できなかった。負けても負けても黙々と投げ続ける修行僧のような姿は忘れがたい。逆風下でも、歯を食いしばって与えられた職責を果たしてこそ本物のプロ。球界でも映画でも脇役であった人から学んだ教えである。

 天声人語より
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新型コロナウイルス
医療、交通、物流、介護、治安---。
感染の危険のなかで現場に立ち続ける「エッセンシャルワーー」。
私たちの暮らしを支えてくれる人々を中傷する社会か、敬意を払う社会か。
後者でありたい。

素粒子より
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広島市中区にある超覚寺住職の和田隆恩さんには日課がある。
標語を練り、カレンダーの裏紙に毛筆を走らせ、門前に掲げる。これまでは週1回だったが、コロナ禍でとがった空気を和らげたいと1日1枚に改めた。
〈子ども怒鳴るな来た道じゃ 感染者責めるな同じ道じゃ〉。感染者を犯罪者のごとく責める風潮に不安を覚えた。前半は永六輔さんの本で学んだ人生訓に手を加え、後半は自ら韻を踏んだ。
〈当たり前だったことが有難いことだったと気づかされる〉。子どもたちが教室で学ぶこと。大人たちが職場で働けること。失って初めて知る日常の輝きを言葉につむいだ。
元証券マン。バブル崩壊のさなか、職場の雰囲気はすさみ、重いノルマに疲れ果てた。仏門をたたいたのは30歳のときだ。「毎日の標語は、門前を行き来する皆さんに宛てたものですが、実は悩み続けた会社員時代の自分宛てでもあります」。SNSでも連日、発信を続ける。
連休がようやく明けた。学校や商店が再開した地域もあるが、なお警戒を解けぬ方も多いだろう。〈したいことはあきらめずに。すべきことはあせらずに。できることはくらべずに〉。状況が好転せず塞ぎ込む日には、こんな一言を声に出して読んでみたい。
不安という名のウイルスが不満や不信を世界中に引き起こした春である。せめて日に一度は珠玉の言葉で自分の心をあたためようと思う。〈感謝の日差しで花が咲く。不満の嵐で花が散る〉。

 天声人語より
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スロージョギングのススメ。鼻歌を楽しめるほどのペースで
健康のために体を動かしたいけれど、きつい運動はちょっと苦手。そんな人にお勧めなのが「スロージョギング」です。息切れしないペースでゆっくりと走るジョギング方法で、並走する人どうしが笑顔で会話できる速度が目安。
「足の指の付け根から着地するように」かかとから着地するのに比べて衝撃が3分の1になり、体の負担が少なく走れる。
スロージョギングは、小刻みな走り方が特徴。20~30㌢の歩幅で走る練習をした。ただ、頭では分かっていても、慣れないとつい大股になり、スピードが出てしまう。「歩幅を小さく」「もう少し上を向きましょう」とコツを伝授した。
実際にやってみて、長い時間走っても疲れないことに気づいた。「こんなに楽な運動でいいのかな?」というのが正直な感想だ。体力をつけ、減量をめざすなら1日に計30~60分が目安。初心者の場合は、スロージョギングの合間にウォーキングをはさのも良いという。継続することで、高齢者なら加齢に伴う筋肉量の減少を抑える効果も期待できる。
スロージョギングの消費エネルギーは、通常のウォーキングの約2倍。ウォーキングに比べて多くの筋肉を使う体。
生活習慣病の対策にスロージョギングを活用しましょう。息が上がらず、鼻歌を楽しめるくらいのペースで続けると良い。

 続・元気のひけつより
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見慣れない光景に違和感を覚えなくなっつてくるから不思議である。
例年は大勢の人でにぎわう大型連休。今年は長引く外出自粛の影響で街の様子は一変した。
いつまで続くのか。先行きを案じる経営者は多かろう。会社はモノやサービスを提供して利益を出すことを求められる。できるだけ少ない費用で売り上げを伸ばす。効率化の追求こそが最優先だったように思える。
とりわけ上場企業は3か月ごとに業績を公表し、投資家の審判を仰ぐ。株価を上げるために短期的な利益を要求されがちだった。手持ちの資金を増やせば、「株主に還元しろ」と批判された。
だが根底にある米国型「株主第一主義」を、危機が揺さぶっている。「利益は、配当などより雇用維持に使うべきだ」。こんな声が株主から出ているという。行き過ぎた効率化は「遊び」がない分、ショックにもろい。利益率を多少犠牲にしても備えを厚くする。その重要性が再認識されたのは悪いことではない。
足元の企業業績は厳しい。日常が戻るまでには時間がかかるだろう。視界が開けてきた時、企業を取り巻く光景も変わっているかもしれない。

 編集手帳より
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スマホ老眼を防ぐには? 目を休め、筋肉の疲労回復を
メールやネット検索などに便利なスマートフォン。ただ、長時間使うと目の焦点が合わなくなることがある。そんな症状を「スマホ老眼」として、注意を呼びかける医師らに対策を聞きました。
「老眼」と言っても、中高年がなる老眼とは異なる。老眼は、ピント調整の役割を果たす水晶体が加齢によつて硬くなることが原因だ。通常、水晶体は弾力性があり、厚さを変えることで遠近を調節しているが、硬くなると調節できない。
一方のスマホ老眼は、目の使いすぎによる疲労が原因だ。通常、水晶体の厚さは毛様体筋が緊張したり緩んだりすることで変わる。だがその筋肉が疲れると、遠近調節ができなくなる。そのため、目を休めれば回復する。
医者が進める対策は「チラ見エクササイズ」。オフィスなどで仕事をするとき、窓からようやく判断できる距離にある目印を決め、1時間に1~2回、じっと見る。毛様体筋が緩み、休まる。
風呂に入ったとき、40度ほどのお湯で温めたタオルを目に当てるのも良い。毛様体筋の疲労が回復し、ドライアイの防止にも役立つ。

 続・元気のひけつより
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せっかくの連休なのに、国内外のプロスポーツに声援を送れないのがつらい。
試合の開催はなく、生中継もない。往ウォリアーズ年の名勝負をネット配信で眺めて時間をやり過ごしている。
「プレーで夢や興奮を届けられないのがもどかしい」と話すのは武井弘明選手。プロバスケットボールBリーグの信州ブレイブ主将として活躍し、チームは先月末、B1昇格を果たした。本来ならいまごろ最高潮を迎えるはずのリーグはしかし、感染拡大で中止に追い込まれた。
武井選手がチームに加わったのは4年前。本拠の体育館は老朽化し、成績は低迷していた。昨季は新指揮官の下、念願のB2の頂点にも立つも、財政難で昇格に待ったがかかる。
災厄にも泣いた。昨秋の台風で練習拠点が避難所に。今春はコロナ禍で無観客の試合を余儀なくされた。「声援にどれだけ背中を押してもらっていたか、空っぽのコート上で再認識しました」。昇格を決めた直後の晴れの会見もオンライン。ファンとともに祝うことができなかったと悔む。
バスケットに限らず、人気スポーツは軒並み、感染症で大打撃を被っている。プロ野球はいまなお開幕できず、大相撲は夏場所の中止が決まった。赤字が20億円に膨らんだサッカーJ1のチームもあると聞く。
5月といえば、鍛え抜いた一流の技が花開く季節だった。ファンは選手の躍動に胸を熱くし、逆転劇に歓喜し、ときに涙を流した。日常からスポーツが消えた春がかくも切ないものと初めて知る。

 天声人語より
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コロナ対策の今後
「宣言」解除へ、列島がまだらに染まってゆく。
休業要請を宮城県など8県が延長せず。
わずか3日で、コロナ治療薬を承認。
国内初。
期待しすぎず、副作用を踏まえつつ。
きのう、近所の店でマスクを買えた。
まだ、アベノマスクは自宅に届いてないけど。

 素粒子より
わたくしも今日、薬局で1枚50円ほどで買いました。
しかし、体温計は相変わらず欠品です。
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校庭や園庭から子どもたちの声が絶えて久しい。来なら新しい友だちもできて、屋外で存分に羽を伸ばしたい季節である。
外出のままならい自粛生活の長期化は、育ち盛りにはかなり試練だろう。一年
「学校が好きに子、アウトドア派の子ほど、ふさぎ込む傾向があるようです」と話すのは、東京都小平市の田中弘実さん。小5の長女、幼稚園に通う長男、夫と巣ごもりの日々を送る。友人に聞くと、ある子は「どうせ行くところないもん」とベッドにこもりがち。朝ご飯の途中、「もう嫌だ」と泣き出す子もいたという。
家にいながら子どもたちが熱中できる活動として、田中さんらが始めたのは、組みひも手芸のミサンガ作り。手首や足首にまく願かけの輪である。参加者宅に刺繍糸を届け、編み上がった品を祖父母や福祉団体、医療機関に贈る仕組みだ。
趣旨に賛同してくれた手芸用品大手オリムパす製絲の糸を使う。編み始めると男子も女子も目を輝かせた。「どの子もエネルギー発散の場がなくて困っていたんだなあと実感します」。
学ぶ機会が限られ、遊ぶ場所を閉じられ、友人との時間も持てなくなったこの春の子どもたち。大人の子どもの一年は密度がまるで違う。彼ら彼女らがいま耐えているものの重さを思う。
〈数年後「コロナ世代」と呼ばれるか休校の子ら元気に過ごせ〉伊東澄子。来年の5月5日は、こいのぼりの下で仲間と心ゆくまで深呼吸してほしい。

 天声人語より
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新型コロナウイルス
東京都では新たな感染者が23人になったと言うが、休みだったせいではないのか。
このまま静まってくれれば一番良いのだが。
4/28日時点の患者数は全国で、8711人。
うち自宅療養者は約2割に及ぶ。
医療機関に入院している人は約6割。
ホテルなど宿泊施設は約1割だった。
厚労省は都道府県に出した連絡によると、臨時の医療施設は、プレハブを設置したり、ホテルなどの宿泊施設を活用したりすることを選択肢の一つとしている。

紙面より
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岐阜・金華山のふもとにある常在寺の北川英生住職はこのところ、大河ドラマ「麒麟がくる」が気になって仕方ない。
わが寺を菩提寺とする武将の斎藤道三を熱心に見守る。
「本木雅弘さん演じる道三には貫禄がある。この寺にも来られ、道三の肖像画をにらんでヒゲの生え方まで研究して帰られました」。ドラマでは主役の明智光秀に勝るとも劣らぬ存在感を放つが、住職が幼いころは地元でも
忘れられがちな武人だった。
道三といえば、、下剋上の代名詞だろう。油売りだった父を持ち、主家を乗っ取った経歴から、もっぱら悪役「美濃のマムシ」として知られた。だが年以降は大勢のファンが岐阜へ押し寄せる。その年の大河「国盗り物語」で平幹二郎さんが熱演し、にわかに魅力あふれる存在となったからだ。
日に何千人も訪れ、本堂の床が抜けそうになったと住職は話す。それでも長年の梟雄イメージが払拭されていく手応えがあった。「水路や道路、市場など内治にも尽力し、城下町の土台を固めた功労者です」。久しぶりに大河登場とあって地元は沸いた。ところが感染症の猛威で月初めの恒例「道三まつり」は中止となった。この大型連休も、期待された観光のにぎわいは見えないままだ。
さて昨夜の放送で道三の破竹の人生もいよいよ大詰めに。特徴的なヒゲにしばし見入った。長らく狡猾な「国盗り」の悪漢と目されてきたが、将来は、「国造り」に燃える主役として語り継がれていく予感がする。

 天声人語より
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シニア世代は筋トレを、今こそ筋肉を鍛えて強く。
筋肉は30歳を過ぎた頃から年約1%のペースで減っていく。筋肉が減れば、基礎代謝が落ちてエネルギーを使う量も減少し、脂肪がたまって肥満につながりやすくなる。筋肉がやせ細れば、介護が必要な状態につながりやすい転倒や骨折のリスクも高まる。
 一方、高齢になっても、筋肉は鍛えれば強くすることができる。筋肉を動かすには酸素が必要。酸素を取り込もうとすることで、心臓や肺も元気な状態を維持できる。筋肉は脳からの指令で動くので、脳機能も刺激することができる。これが、筋トレによる「好循環」だ。
筋トレの効果を上げるためには、食事にも気をつけたい。最低でも「体重グラム」分のタンパク質をとる必要がある。体重67㌔なら67㌘のタンパク質が必要だ。豆類や乳製品、肉類とバランスよく食べることが大切だ。「筋肉は24時間『成長』する。朝食を抜くと、たんぱく質不足になりがち」。

 元気にキレイにより
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詩人の故・佐藤正子さんは終戦の年のきょう5月3日に生まれた。戦後という歳月を同級の畏友にたとえ、語り掛ける。
〈同い年のあなたには 健康で長生きしてもらいたい〉と。
東京生まれ。自分の2歳年下、同じ5月3日に生を得た憲法を論じた詩もある。〈手に余るものはなく 親切で行き届いている 《義務》には頷けるし 《権利》にも馴染んでいる 分け入るほどに 啓かれてゆく〉。飾らぬ言いまわしだが、憲法の真価を端的に語って間然するところがない。
30年来の親交があった「詩と思想」編集長、中村不二夫さんによれば、社会派というよりは生活叙情派の詩人だった。高校時代、実母の自殺に深く傷つき、初期の作品には喪失感がただよう。「詩境が変わったのは還暦を過ぎてから。平和や戦争を題材にした作品に目を開かれました」。
「愚行権」という詩は一読、忘れがたい。善行、悪行ではなく〈誰かが言ってた《愚行権》 見事に 行使して きて しまった〉〈それでも赦されて ここにいられるのは 先生や親友や華族そして時代のお蔭 それは《基本的人権》のお蔭でもある〉。
思えば、他人の「愚行」を指弾する声がやまぬ春である。感染症の猛威に誰もが浮足立ち。疑いの視線がとがる。そんないま、佐藤さんの死の何編かに胸のつかえがスッと下りた。
憲法を「豊かな酸素の森」にたとえた詩人は5年前、シンプルな訴えを残して旅立った。〈護られていたのだ だから 譲らなくては〉。

 天声人語より
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健康コンビニごはん、塩分減らす工夫を
厚生労働省の調査によると、50代は半数近く、60代は4割近く、70代以上は3割が習1回以上、コンビニなどの弁当や総菜を利用している。
高カロリーなものばかりだったコンビニ弁当も近年はサイズが小型化し、野菜を取り入れた総菜もぐんと増え、健康志向になってきた。
最大の課題は塩分です。特に50代以上は生活習慣病や高血圧の人が多く、塩分に注意すべき年代。解決策は、サラダや野菜を含んだ総菜を組み合わせることだ。多くの野菜に含まれるカリウムは、ナトリウムの排泄を促す効果があるからです。
また、ドレッシングや、麺類、おでんのおつゆを多めに残すこともお勧めします。
揚げ物もした味がしっかりついているので、ソースをひかえてもおいしく食べられます。

 きょうもキレイより-----平澤芳恵
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あたたかさが暑さに変わり、半袖にはじめて腕を通す。毎年繰り返すことなのに、そのつど軽やかな気分になる。
季節が動いているのを、素肌で受け止めるせいだろうか。細身綾子さんの句がある。〈うすものを着て雲の行くたのしさよ〉。
同じような雲を見かけても、厚いコートを着ているときと、薄物を羽織っているときでは、たしかに心持ちが違う気がする。初夏をあらわすのに「薄暑」という言葉もある。本当の暑さの一歩手前、夏の入り口の空気には、快い感触がある。
きのうは全国的に、夏日となるところが多かった。本来なら水遊びに興じる子どもの映像がニュースに流れるころだろう、などと思うと寂しくなる。何だかむだにいい天気じやないか、と悪態の一つもつきたくなる。いやよそう、青空に罪はない。
初夏の空を美しく感じるのは、輪郭を縁取る緑が鮮やかになってくるのが理由かもしれない。〈葉桜の中の無数の空さわぐ〉篠原梵。花が散ると見上げてもらえなくなる桜の木だが、むしろいま、力強さを誇示している。
美しき5月はまた、熱中症が気になり始める季節でもある。症状に詳しい医師らがつくる団体によると、マスクをしていると熱がこもりやすいので要注意だという。家にいるために運動不足になって筋肉が落ち、体の水分をためこみにくくなる恐れもあるそうだ。
いつもの年にも増して、水を取り入れることの大切な夏になりそうだ。肌で感じる空気にあわせ、日々の服装にも気を配りたい。

 天声人語より
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夏を乗り切る。カリウム補い、疲れにくく
夏バテ予防「ビタミン、ミネラル補給」です。これらの栄養素は、夏場は消耗しなすくなりますので、不足分を補いましょう。特に注意したいのがカリウム。
大量の汗とともにカリウムも排出されると、疲れやすくなったり、無気力になったりして、低カリウム血症となることもあります。
今回のおすすめは、そのカリウムをたっぷり含んだ「トマトとスイカのスムージー」です。「カリウムはこのほか、イモ、海草類、小松菜、ブロッコリーなどに多く含まれています。カリウムは水に溶けやすくので、ジュースやスープだと、効率的にとれます」
ビタミンB1も水溶性でした。栄養素によって、水に溶けやすかったり、熱に弱かったりという特徴があるので、覚えておくといい。
トマト1個(約200㌘)は種とヘタをとり、スイカ(約200㌘)も皮をむき種をとり、それぞれ一口大に切ります。レモン汁大さじ1、はちみつ、氷各適宜、塩小さじ5分の1を入れ、とろりするまでミキサーにかける。グラスに注ぎます。ナトリウム補給のために加えた少々の塩が甘味を引き立てます。
このほか、小松菜とバナナ、ゴーヤーとパイナップルの組み合わせもさわやかでおいしいです。(2人前)

 おかずラボより------管理栄養士・清水加奈子
 
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泰西名画とは今はあまり聞かない言葉だが、西洋の名だたる絵画のことだ。
そんな絵で生活を潤すようすを、エッセイストの玉村豊男さんが著書『有悠無憂』に書いている。複製を飾るでもなく、「泰西名画ごっこ」に興じるのだという。
田舎暮らしゆえの遊びで、例えば夕日を浴びながら、袋に入れた種を手ですくっては落としていくときにこう思う。まさにミレーの「種をまく人」ではないか。数人で囲む食卓に自家製のジャガイモがあれば、ゴッホの「馬鈴薯を食べる人々」。
友人たちにトマトの収穫を手伝ってもらった時、一人がコンタクトレンズを落とした。みなが地面を見ながら探す姿は「落ち穂拾い」である。光景を思い浮かべるだけで愉快になる。
家で過ごすことが多い今、ごっこ遊びを楽しむ人が増えているように思う。海外からネット動画で笑ったのは、DJごっこ。クラブで踊る人の映像の前で、鍋のフタをレコードにしている。ベランダや居間にテントを張る「キャンプごっこ」も盛んだという。
ビデオ通話によるオンライン飲み会のように、一昔前では考えられなかった遊びも生まれた。ごっこを超えて、新しい沿海のあり方として定着するだろうか。どこにも行けないからと紀行文に手が伸びるのも、言ってみれば旅行ごっこであろう。
こどものごっこ遊びは言葉を覚え、社会性を育むのに役立つ。大人の場合は、すでに育まれた社会性を活性化するものかもしれない。いや、そんな理屈はどうでもいいか。

 天声人語より
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代謝をアップ、ウォーキングで脂肪燃焼。
代謝を高めるために大事なことは、ウォーキングなどの有酸素運動です。読者のみなさんの中にも、歩いている方が大勢いらっしやるでしよう。筋トレで基礎代謝量を上げ、さらに有酸素運動で脂肪を燃やすことで、健康で美しく、疲れにくい体をつくることができる。
ウオーキングは、肥満の解消になるほか、心肺機能が高まり持久力が増す。
▽毛細血管が増え、血流がよくなる。
▽動脈をやわらかくして動脈硬化を防ぐ---
などの効果が期待できる。もっとも手軽で、もっとも高い効果を上げられる健康法といえる。
さまざまな研究で、1日8千~1万歩くらい歩かないと健康効果が引き出せないことが分かってきた。1万歩はハードルが高いので、まずは1日8千歩、1週間で5万6千歩を目指します。多少の「歩きだめ」がききますので、あまり歩けない日があっても、別の日にたくさん歩いていれば補うことが出切る。
まとまった時間をとってウォーキングしなくても、日常生活の短い時間で歩数を稼ぐ方が何かと好都合。ひと駅前で降りる。ちょっと遠くのスーパへ行く、エスカレーターの代わりに階段を使うなど、生活しながら歩数を稼ぎましょう。
ただ、歩くだけで足腰の筋力の低下を防ぐことはできません。併せて筋トレもすることが不可欠です。運動を続けるために、歩数計と、筋肉量がどれくらいついたかを確かめられる体組織計が自宅にあるとよい。

 きょうもキレイより-----筑波大教授・久野譜也
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「8時間は仕事のため、8時間は休息のため、残りの8時間は好きなことのために」。
1886年の5月1日、米国の労働者がそう訴えてストをしたのがメーデーの起源だ。日本ではちょうど100年前にメーデー集会が始まったが、10年間の不幸な空白の時期がある。
集会が最初に禁止になったのは、2.26事件のあった1936年。社会運動への弾圧が強まっていた。当局が目を光られていた様子が当時の新聞にある。
ピクニックのふりをしてメーデー集会を開くことを警戒し、参加人数に関わらず取り締まる。茶話会や座談会は黙認するものの、メーデーわ想起させる内容があれば許さない。以来、集会のない5月が敗戦まで続いた。
弾圧も戦争もないのに、集まれない時代が来るとは。連合はきのう予定していた大規模集会を中止し、代わりにインターネットで動画を流した。「メーデー中央大会」と銘打ってはいるが、幹部がカメラに向かって訴える姿はやはり寂しい。
働く人たちの悲鳴が今各地の電話相談に寄せられており、秋田版にはこんな声があった。「採用されたが、先の見通しが立たないからとすぐに解雇された」「休業手当が支払われない」。医療や小売りなどを支える人に過度の負担がかかっている問題もある。
いまこそ労働運動の出番なのに、感染防止のため市誘拐や団体交渉がやりにくくなっている。インターネットなどでどこまで活動を補い、人々の権利を守れるのか。1世紀の歴史にも希な春である。

 天声人語より
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老いを遅らせるには--心がけが大切
「アンチエイジング」という言葉が注目を集めている。アンチエイジングと
は、できる限り老いを遅らせて若さを保とうという試みだ。
若さ、アンチエイジングというと、スキンケアやサプリメントなどを思い浮
かべる人は多いが、一番大切なのは「気持ち」だ。やりたいことをやること
。無理をし過ぎないことを心掛けると良い。自分を責めないで、いい加減に
、気ままに生活することがお薦めだという。
また、適度な緊張感、ストレスも刺激につながる。ある程度の年齢を過ぎた
ら仕事をしないで家の中で閉じこもっている人は少なくない。だが、ボラン
ティアでも良いので「誰かの役に立っている」という実感を感じられること
を意識的に行うことが大切だ。
そして「きれいになりたい」と願い、行動を起こすことは、世界を広げ自分
を内面からも輝かせる。
たばこと紫外線はなるべく避けよう。特にたばこは肌に悪く、体の循環に悪
影響を与える。
アンチエイジング5カ条
◆いくつになっても男と女
  「美しさ」に磨きをかけよう
◆肌の若返りは心の若返り
   メークアップは外見、心も若返らせる
◆バランスの良い食事と適度な運動
   アンチエイジングの効果は食事と運動が9割
◆よく笑い、よく話し、よくかむ
   笑いは免疫力を高め、かむことは脳の活性化になる
◆長生きこそ最大の誇り
   いくつになっても積極的に社会貢献を
 
 北里大名誉教授・塩谷信幸
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夏目漱石の小説『三四郎』の出だしには、何度読んでもどきどきする。
帝国大学に入るために東京へ向かう三四郎が、汽車で女性と知り合う。二人はふとしたことから、同じ宿の同じ部屋に泊まることになる。
部屋に一つだけある蚊帳がいい味を出していて、そこに女性と一緒に入るべきかどうか、三四郎は逡巡するのだ。そう、季節は夏。明治期の大学には西洋にならい、9月が学年の始まりだった。入学した三四郎が銀杏並木を眺める場面もある。
そう考えると、あながちとっぴとは言えない話である。感染拡大で授業が止まるなか、いっそ全ての学校の始業わ9月に変えてはどうか。そんな提案が高校生から出て、広がりを見せている。
遠隔授業の質は学校によってばらつきがあり、受験を考えると不公平だというのが理由だ。9月始業を求める声は以前からあり、受験が雪に邪魔されない、留学しやすいなどの利点も言われる。感染収束の行方をにらみつつ、真剣に検討すべき案であろう。
大きな転換をもたらす出来事を「ゲームチェンジャー」という。コロナ危機はその最たるものかもしれない。社会への影響が避けられないなら、よりよい方向へ。学校制度に限らず、多くの分野で議論がなされていい。
実は今始業時期は、旧日本軍の徴兵制度に関わりがる。徴兵対象者の届け出の時期が9月から4月に変わり、徴兵猶予の資格を学生が得やすいようにと4月入学が広がっていった。仕組みはときに外からのショックで変わる。

 天声人語より
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コロナへの対策
緊急事態宣言が延長される。
長期的な対策の必要性を強調した。
東京は今日も新しい感染者が100人を上回った。
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作家の山崎ナオコーラさんは何にでも、自分流の名前をつける。
マンションから見える木を「小鳥のなる木」と呼ぶのは、雀がたくさん来るからだ。園芸を楽しむベランダにも名前があり、花わ育てる場所は「ナオガーデン」である。
ベランダのもう半分は、野菜や果物など食べれるものを植えており、「ナナファーム」と名付けた。決して広くはない場所を縦横に使い、多くの植物と親しんだことを『ベランダ園芸で考えこと」に記している。
ベランダでも庭でも、普段より広く、いとおしく思えてくるのが、この巣ごもり生活ではないだろうか。きょう4月28日は「よいにわ」の語呂合わせで、庭の日だという。
ホームセンターの園芸売り場がにぎわう季節だが、今年は例年にも増して園芸用具や苗などが売れているらしい。土に向かいたくなる気持ちはよくわかる。当方も大きめのプランターわ買い、ゴーヤの植え付けに備えている。
野菜がつける花に目を奪われることもある。最近でいうとピンクと赤紫が鮮やかなエンドウマメの花。ちょっとした空き地やバケツなどわ菜園にして育てている方が少なくない。そんなことに気づいたのも近所をよく歩くようになったせいか。
山崎さんは毎日の水やりの楽しさについて「如雨露を向けるごとにその植物に考えを巡らせ、夢中になれる」と書く。先が見通せない日々であるが、植物が夏にそして秋にどうなるかは思い描くことができる。そこだけは確実な未来がある。

 天声人語より
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