2020年04月の記事


コロナウイルス
北海道ではまた、感染が広まっているようだ。
一時は収束したかと思われたが。
やはり一人ひとりの心がけが一番大切なのだろう。
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公の文書にハンコを使用するのは、7世紀の大化の改新のあと、中国の制度を採り入れるなかで始まったらしい。
後の奈良時代にはハンコの偽造に重い刑罰が科せられていたと、新関欽哉著『ハンコの文化史』にある。
公文書印の偽造は「流2千里」すなわち遠方への流刑などが科せられ、天皇印の偽造となると絞首刑だったという。ハンコの重みを傷つける行為は、ときに命であがなうほどのものであった。
ハンコを重んじる習慣はこの国で今も健在で、ときに健康や命を賭すほどになっている。感染予防のため在宅勤務を徹底しようにも、会社の印鑑を書類に押すため出勤せざるをえない。そんな「押印出社」が問題になっている。
欧米のようにサインですむなら郵送でも可能だろうし、何より今は電子署名の技術もある。官庁も民間企業も、もっと早く脱ハンコを進めてもよかったのに、長年の習慣とはおそろしいものである。
在宅勤務も時差出勤も、以前からの課題が感染対策で見えてきたところがある。仕事仲間との一杯はどうだろう。腹を割るにはいい機会だが、そこで根回しがなされれば参加しない人、できない人に不利になるとの指摘もあった。災い転じて---というには災いが重すぎるが。
歴史に戻ればハンコは常に盤石だったわけではない。中世は花押すなわち一種の左院が主流だったし、明治期にはハンコと署名のどちらかに重きを置くかの論争もあった。ここ100年ほど、議論が足りなかっただけかもしれない。

 天声人語より
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救命につなげるために、AED使用をためらわずに
新潟県の高校で野球部の女子マネージャーがランニング直後に倒れ、先月死亡した事故は、いつAEDを使えばいいのか、現場での判断と実行の難しさを問いかけた。
女子生徒は、死の間際に脳への血の流れが止まりかけ、あごや肩、胸や腕が、途切れ途切れにあえぐように動く「死戦期呼吸」の状態だったと思われる。(ギャスピングと現場や医療機関では言う)実際に空気は吸えていないが体が動くので、周囲の人たちは心臓が動いていると思い、AEDを使わなかったのかもしれない。息をしているかのように見えてしまう死戦期呼吸のことを多くの人に知ってもらいたい。
息が止まっていれば、すぐに心臓も止まる。現場に居合わせた人は、あえて患者の脈に触れる必要はなく、息をしているかどうか、だけを目で見たり耳で聞いたりして判断すればいい。講習会でも死戦期呼吸を教えるときは動きが大げさになりがちだが、実際には分かりにくい場合もある。突然の事態に直面した一般の人たちに冷静な判断を求めるのは無理だろう。息をしていないことが疑われるときは、一刻も早く胸骨圧迫をしたり積極的にAEDを使ったりすることが大切だ。
日本のAEDの普及率は世界でもトップクラスだ。的確な設置場所やきちんとした保守管理など課題はあるが、使い方はよく知られるようになった。消防白書によると、2015年に病院外でAEDが実際に使われたのは約1100件で600人ほどの究明につながった。だが、蘇生措置を行えた可能性のある人は数万人とみられ、市民の的確な判断と行動なくして救命率の向上はない。
人が倒れた現場は混乱し、AEDの音声支持も聞き取りにくいだろう。電気ショックのボタンを自ら押すことをためらう心理も働く。居合わせた人がAEDの電極を患者に貼り付けさえすれば、ボタンを押す必要もなく、自動的に除細動をする「全自動」AEDを開発し、早く導入すべきだ。技術的には可能で、間違って放電されることや救助者の感電を防ぐ方法もある。メーカーや行政は積極的に取り組んでほしい。
胸骨圧迫やAEDの使用では、衣服を破ってでも脱がすなど患者のプライバシーが守れない場合がある。
一般の人が処置をためらったり、蘇生がうまくいかなかったりした時に責任を問われることを恐れるという気持ちも考える必要がある。
こうした背景には100%の安全と結果責任を追及する最近の日本の風潮があると思う。市民の善意を生かし救命率を上げるためには、米国やカナダなどのように「緊急事態に直面した善意の処置者は、その結果に対して責任を負わされない」という「よきサマリア人の法」の整備が必要だ。

 私の視点より----聖路加国際大学院特任教授・宮坂勝之

善きサマリア人の法(よきサマリアびとのほう、英:Good Samaritan laws
とは
「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。誤った対応をして訴えられたり処罰を受ける恐れをなくして、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による傷病者の救護を促進しよう、との意図がある。
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題名にひかれて手に取った本がある。『どこでもいいからどこかへ行きたい』。
著者のPhaさんは、旅行好きというには相当変わっている。高速バスや青春18きっぷなどを使って移動し、たどりついた先では一切特別なことはしない。
ファーストフード店に入り、本を読んだりスマホを眺めたり。重要なのは日常からの距離感で、移動にかけた時間が1時間か3時間か6時間かで気分が変わるという。「もう帰れないし泊まるしかないな」と思えば、マンガ喫茶やビジネスホテルでくつろぐ。
鈍行列車に長いこと揺られながら、人の話す言葉が少しずつ変わっていくのに耳を傾けることもある。そんな小さな楽しみですら、むとてつもなく贅沢に思えてしまう。始まったばかりの今年の大型連休である。
きのうの東京発の新幹線はがらがらで、自由席の乗車率が0%の列車もあったそうだ。長野で県外ナンバーの車を調査しているというニュースも悲しすぎる。例年のように「吾が県へうこそ」とは誰も言えなくなっている。
古来、人間の定義は様々になされてきた。直立する存在、知恵を持つ存在、笑う存在、----。ここは断言したいが「移動する存在」でもある。目的があってもなくても、移動そのものを求めるところが私たちにはあるのではないか。
だからこそ人類はアフリカから世界に渡り、鉄道や飛行機をつくってきたようにも思える。そんな移動の本分を取り戻す日は必ず来る。なるだけ早まるようにと、今は我慢の日々である。

天声人語より
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休業要請
パチンコの店名公表は逆効果。
「やってる」との情報に長蛇の列が。
カジノも同じ?。

素粒子より
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兵庫県西宮町の理髪店「ヘアーサロンにしの」は月曜が定休日である。15年前のきょうも月曜だった。
「買い物に行ってくるね」。そう言い残して出かけた理容師、西野節香さんはその日、JR宝塚線の快速電車に乗り込んだ。
脱線事故を告げる速報に夫の道晴さんは胸騒ぎを覚える。何度鳴らしても携帯電話に応答がない。ようやく再開出来たのは安置所の一隅だった。「推定年齢45歳」と札あったが、実は63歳、常々若々しい装いを心がけた彼女らしい最期だと思った。
「いま思うと、私の人生は何もかも妻のおかげでした」。広々とした自前の店が繫盛したのも、2子を得て穏やかな家庭が築けたのも、節香さんがいてくれたからこそ。「朗らかで友人が多く、カットもパーマも腕はたしかでした」。
棺には、愛用していた理容ハサミを入れようかと考えたが、「あの世では休ませてあげたい」と思い直した。卒寿を迎えたいまも店に立ち、妻のハサミも日々手入れを怠らない。
〈一瞬に奪われし命百七人百七人みなわれより若し〉橋本俶子。事故からまもなく歌壇に載った1首である。犠牲者107人には高校生や大学生も多かった。唐突に絶たれた人生、奪われた夢を思うと、遺族ならずとも改めて心が塞ぐ。
あの日から15年。現場の跡に立つ慰霊施設「祈りの杜」で予定されていた式典は、コロナ禍で中止になった。理容店の壁では写真の節香さんがほほえむ。きようも平常通りに店を開け、お客さんを迎える。

 天声人語より
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新型コロナウイルス
〈うぐいすもうかれ鳴きする茶つみ哉〉一茶。
人間だって浮かれたいとお嘆きの方、ちょつと待って。
家にいよう。
昨日の東京の感染判明は72人。
13日ぶりに100人を割る。
この傾向が定着するか否か。
私たちの努力が決める。

素粒子より
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きっかけで「何らかの手術をした」「かなり重篤」。
米CNNの報道がきっかけで、北朝鮮の指導者金正恩氏の健康状態をめぐる推測が飛び交っている。祖父、金日成主席の生誕を祝う式典に参加しなかったのが発端らしい。
父、金正日総書記が亡くなる前に起きた騒ぎを思いだす。建国記念行事を欠席し、健康不安説が一気に高まった。「サングラスをかけて姿を見せるまで、政府内でもありとあらゆるうわさが飛び交った」。外交官だった太永浩氏が脱北後、自著で明かしている。
9年前、総書記死去の際は、正恩氏の指示で事実が51時間も伏せられたという。「指導者の死亡を二日間、極秘にできるのは北朝鮮くらい」「金正恩が病気になっても同じことが起きるかもしれない」と指摘した。
さかのぼれば1986年、韓国メディアは一斉に「クーデターで金主席死亡」と流した。北朝鮮軍幹部に銃殺されたという驚きの誤報だった。平壌放送を傍受した米情報担当官が聞き違えたためと言われる。
さて今回はどうか。ソウルの同僚記者に聞くと、韓国大統領府は「特異な動向は把握されていない」と重篤説を否定。とはいえ、心疾患系の手術を受けたという見方が現地で強まっているそうだ。
有力紙の一つによれば、当人は30代半ばながら肥満で高血圧、しかもヘビーな愛煙家。どれも祖父譲り、父譲りらしい。世界で最も気になる国なのに、最高権力者の不摂生ぶりさえ見えない。かの国を覆うベールは3代目にしてなお壁のように厚い。

 天声人語より
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「健康づくりのための身体活動基準2013」は身体活動を「運動+生活活動」
日々のちょつとした動きもスポーツ並みの健康効果があり、ちょっと体を動かすことを増やす「プラス10」を推奨。そうすれば、がんや認知症を減らせるという。
では、どうすれば生活活動を増やせるのか。まず起床から就寝までに、どこで体を動かせるか1日を振り返ることだ。
通勤時に早歩きしたり、掃除や洗濯でキビキビと動いたり。そんな小さな動きが「ちりも積もれば山」。1日10分でも、1週間で合計1時間でもいいし、途中でやめても三日坊主を繰り返すつもりでも構わない。
自分の身体活動レベルを知るときには活動量計が役に立つ。
歩数計の機能に加え、家事などの生活活動で1日に体を動かして消費したカロリーが示される。活動量が基準や目標に対して十分なのか下なのか客観的に教えてくれる。
いわば自分の現在地を示すナビ。最近は結果をパソコンやスマホに送って確認できる。
注意点は、体を動かす次官は一気に増やさず、体調が悪いときには無理をしない。痛みが出たら、医師や運動の専門家に相談を。夏場などは炎天下を避け、熱中症に気をつけよう。

 元気のひけつより
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先週、前川恒雄さんという方の訃報が目にともった。図書館学者89歳。
生前、東京や滋賀で館長として活躍した。興味を覚えて、著作を探すと、「移動図書館ひ折よくまわり号』という本が復刊されていた。
石川県出身。地元の図書館から1960年に日本図書館協会へ。当時、市町村立の図書館は概して活気に乏しかった。「胸を張って自分の仕事を人に言えない」というベテラン図書館員の嘆きを胸に焼き付ける。
国内と英国の図書館をめぐって気づいた。英国はどこも住民優先で、館内が明るい。一方こちらは上から目線で「良書」を押しつけがち。閲覧に偏った日本の図書館を貸し出し中心へ生まれ変わらせよう。そう決意する。
まずは東京都日野市でマイクロバスを改造した移動図書館を走らせた。読みたい本を住民に聞き、貸し出し手続きはシンプルに。「図書館とは建物ではない。本を読んでもらう社会運動です」。市助役や大学教授も務めるが、生涯一館長を自任した。
「いつもピンと背筋が伸びた方でした」。復刊元である夏葉社の島田潤一郎社長は話す。「この本を読め、あの本の感想文を書けと言われたら、だれでも本が嫌いになる」。前川さんの言葉に、同じ活字人として共鳴したという。
コロナ禍は多くの図書館を休館に追い込んだ。ほぼ連日、調べ物をする当方などはいまひとしお、ありがたさが身にしみる。戦後日本の図書館のありようを大転換してくれた先人に感謝申し上げつつ、再開を待ちたい。

 天声人語より
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新型コロナウイルスへの対処「8割減」の根拠は
数学の等比数列は分かりやすく言えば、ネズミ算だ。米国のドラマ『ナンバーズ 天才数学者が1枚の紙を手に取って刑事を驚かす場面がある。
「紙を2回折ると、4倍の厚さになる。もし50回折ればどの程度の厚さになると思う?」。男性刑事が答える。「数十㌢かな」。女性刑事が答える。「いいえ、ビル並みよ」。どちらもはるかに違った。「太陽まで届く。50回は折れないけどね」。
紙を折る作業を人と人との接触に置き換えれば、人類が目の前にしている危機の大きさがうかがえよう。
等比数列が導く最悪のシナリオを逆から見たのが、「接触8割減」理論に違いない。厚生労働省クラスター対策班の西浦博・北大教授が考案した。そもそも紙を折ることさえしなければ、息のできる地表にふみとどまれるということだろう。「8割減」を1か月実行することで感染が収束するとの試算は、理論のうえでは信頼しうる。
ウイルスに勝つ唯一の方策とも言われるが、残り時間はあるようでない。7都道府県への緊急事態宣言から1週間がたった。あと3週、大事に過ごせるかどうか。

 編集手帳より
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「琉球の龍はさしい」。沖縄を代表する漆芸家、前田孝允さんの口癖だ。
争いごとを好まない私たちの気持ちが表れていますと折々に語ったという。
妻の栄さんによれば、プロポーズの言葉は「一緒に首里城を作ろう」だった。2人は足かけ30年間、沖縄の魂である城の復元に心血を注いできた。正殿全体の彩色を担当。中国の紫禁城へも足を運び、昇龍と五色の雲といった独創的な模様を生み出した。
正殿が復元された1992年以降も作業は続いた。国王の玉座は朱漆塗りに金一夜での龍。瞳はつぶらで表情はおだやかだ。縫い針を使って夜光貝2千個をはめこみ完成させた。
昨年10月末、首里城は激しい炎に包まれた。正殿は全焼。わが子のように愛した城が消え去った。夫婦は奮起を誓い合い、翌日から再復元の道を歩み出す。二人三脚が立たれたのは1月半ば。孝允さんさんが心筋梗塞で亡くなった。83歳だった。
火災から今月末で半年。コロナ禍で出張取材にためらいはあったが、「現状をじかに見て」と栄さんに言われ、首里を訪ねた。復元のさなかと思いきや、門に残った焼け跡が痛々しい。ショベルカーによる解体音も響く。焼失の傷跡は少しも癒えていないと痛感する。
「コロナなんかに負けず、私が作らないと。まずは玉座です」と栄さん。孝允さんの遺志を継ぐ覚悟がひしひしと伝わる。国の計画では債権は6年後。やさしい龍よ、早く戻ってきておくれ。城郭の展望台からそう願わずにはいられなかった。

 天声人語より
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コロナはいつ収束するのか
危機、禍、休業、倒産、中止、休校、離婚。
「コロナ」を冠する熟語に気がめいる。
ひとりの俳優の感染死が、恐怖を確実に広めた。
全国で死者300人を超えた日に。

素粒子より
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このごろ昼夜を問わず気になるのは、人との距離の取り方である。
レジで間隔を詰めすぎていないか、電車次々出てきた。
染拡大を防ぐにはどれほどの距離を取るべきなのか。厚労省が推奨するのは2㍍。国によって数値にばらつきがあるものの、一目でわかるようワニ一頭やドア1枚で距離感を表す図案がソーシャルディスタンシングはいまや世界共通語になった。世界保健機関は先ごろ、これをフィジカルディスタンシングと言い換えた。「体は離れても心の結びつきは失わないで」と担当官。寄るな、触るなという訴えが先行しがちだが、だれも孤立させることなく難局を乗り切りたい。
パーソナルスペースという概念が注目されたのは半世紀前。だれしもが他人との境界線を心に持ち、一説にその距離は1.2㍍以上。疫病が広がれば、その境界域は変えるほかあるまい。
「離れることがつなかせり続ける最良の方法」。「コカ・コーラは広告で商標の文字間を大きく空けた。ベンツやマクドナルドも同様の工夫をロゴに施し、対人距離を取るよう訴える。
ご覧の通り、当欄も本日は、文字間を広げた大事に替えてみた。地球規模の呼びかけに賛同しての初の試みで、本文は16文字短く。書き写していただく際、不都合が生じるとは思いますが、なにとぞご了承下さい。

 天 声 人 語 より
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新型コロナウイルス対策
「オンライン帰省」と言われてもね。
実家に端末なし。
せっせと電話しましょうか。
10万円給付。
とやかく。為政者から言われたくない。
誰のお金なのか。
税金でしょ。

素粒子より
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花屋さんにもひときわ厳しい春である。「捨てるには忍びない」と休業中も在庫を店先に並べ、無人販売する店が現れた。
客は代金を木箱へ。東京都内で実践中のある店長さんは言う。「厳しい時だからこそ花の生産者のためにもなればと思いまして」。
取材で以前お世話になった埼玉県本庄市の花農園を思いだし、電話をかけた。「本当に厳しい状況。どこもコロナで資金繰りが逼迫しつつあります」と農園主の塩原茂夫さん。もとより息の長い仕事である。急に品種を変えたり、栽培を止めたりはできない。
受ける花ごとに違う。晩秋から出荷するチューリップは被害が小さかった。最も深刻だったのは年度替わりに需要が高まる花々。卒業式を彩るサイネリアや、新規開店の店を飾るコチョウランだそうだ。
塩原損が丹精込めて育てたアジサイは月末から出荷の最盛期を迎える。カーネーションやラベンダーと並ぶ母の日用で、今春も3万鉢を用意した。国の言う緊急事態がいつ終わるのか、気の休まらぬ日々を送る。
いま地球の各地で花農家がコロナ禍に泣く。インドでは寺院を彩るユリやキクが、オランダではチューリップが廃棄された。これほど多くの花々が一斉に日の目を見ずに終わったことが過去にあっただろうか。
花に罪はあるまい。「こんな時だからこそ生活に潤いを」と小さな白い花を一鉢、近所の店で買い求めた。生花店や花農家の苦境に思いを致しつつ花を買ったことはこれまで一度もなかった。

 天声人語より
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原油価格の先行き
5月物の先物価格が初のマイナスに。
ガソリンはさらに安くなるけど、ドライブ旅行は我慢を。
6月分は1バレル=6ドル。
これを受けて米株式相場も急落している。

紙面より
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米大リーグには「ジャッキー・ロビンソン・デー」という記念日がある。4月15日。
73年前に人種の壁を破ってデビューを果てした初の黒人選手の功績をたたえる日である。
終戦まもない1947年、人種差別が公然とまかりとおっていた時代だ。祖父が奴隷だったロビンソンは遠征先で一人粗末な安宿をあてがわれた。大量の脅迫状が送り連れられ、試合では頭を狙った危険球が投げ込まれた。
俊足強打の内野手はそんな心が折れそうな日々を超えて新人王やМVPを獲得。毅然とした言動で周囲の目を変えていった。公民権運動にも影響を与え、「不可能の反対語は可能ではない。挑戦だ」との言葉を残した。
記念日には例年、選手や監督、コーチがそろってロビンソンと同じ背番号42のユニホームをまとう。同じ番号でのプレーに観客席もこんがらかりそうになる。先人ーの敬意を払いながら、ユーモラスで洒脱な一日になるはずだった。
球音のない春を迎えた今年は趣が違った。試合の代わりに功績をしのぶ動画や文章がウエブ上に数多く流れ、彼の映画を作ったプロデューサーは背番号にちなんで420万ドル分の医療用品を寄付すると表明。4万2千食の無料配布を申し出た元選手もいた。
地球を覆うコロナ禍からはスポーツも逃げられない。だからこそアスリートは健康や生活への不安と先が見えない閉塞感に風穴をあける行動と連帯を広げないといけない。今年のロビンソン・デーに改めてそう思った。

 天声人語より
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新型コロナウイルス対策
きょうで2週間。
そろそろ「宣言」の効果は見えないかな。
不安だから期待もする。
きのうの感染死者は25人は、一日で最多。
推移を見守る。

 素粒子より
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集中して勉強するのに適した場所はどこかと問われれば、自宅ではなく図書館や喫茶店をあげる人もいるだろう。
めったに入る機会はないけれど、ここもなかなかいいと言われる場所がある。監獄である。
何度も入られた大正期のアナーキスト大杉栄の場合、獄中の時間の多くを語学にあてた。「一犯一語」を目標に、国際語エスペラントからイタリア語、ドイツ語と続けた。6か月目には辞書なしでかなり読めるようになるものだと著書『獄中記』に書いている。
2年半という長めの刑期の際には人類学や社会学にも挑戦した。あれも読みたい、これも読みたいと考えると「どうしてももう半年増やして貰ヘないものかなあ、なぞと本気で考へるやうになる」。逆境でも、ユーモアを失わない人である。緊急事態宣言が全国に広がった。家にいるのを余儀なくされ、大型連休のとおでもままならなくなりそうだ。ここは獄中の大杉の境地に立ってみるのも悪くない。
何度も挫折した分厚い本や、いつか読もうと思っていた長編小説を開く好機である。あるいは腹をすえて、聖書や源氏物語の通読にでも挑むか。新しい語学や資格の勉強すでに始めた方もいるかもしれない。
さてこうした刑期、いや自粛の期間はどれくらい続くのだろう。世界的流行を抑えるには、外出規制など2022年まで断続的に続ける必要があるという米研究者の予測も出ている。少なくとも我が政府が掲げる「5月6日まで」とは思わない方がよさそうだ。

 天声人語より
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新型ウイルス
都心ひっそり。
でも近郊の公園、商店街は人人人。
仕方がないような、心配なような。
政府が方針転換。
自治体への1兆円、「協力金」に活用可能に。
増額も必須だ。

素粒子より
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手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』は悲劇から始まる。科学者の天馬博士が、最愛の息子を交通事故で失ってしまう。
悲しみの暮れた博士は息子そっくりのロボットをつくるが、やがて成長しないことにいらだち始める。
こいつはおれの息子じゃない。ただの人形だー。博士はそう叫び、サーカスに売り飛ばしてしまう。アトム誕生の話を思い出したのは、マンガ雑誌「モーニング」を手にしたからだ。手塚の作風を学んだ人工知能「手塚治虫AI」の作品が載っている。
宿無しの主人公が実は特殊能力をもっているという話で、確かに手塚が考えそうな気がする。科学者や悪役を描くタッチも昔の手塚作品で見たような。それでも長年のファンからすれば何か違う気がして、こう叫びたくなる。「あなたは手塚先生じゃない」。
雑誌にある解説を読むと、AIが手がけたのは登場人物の設定やストーリーの大枠など。作品をつくり上げるにあたっては人の手が加わっている。AIマンガ家としては、まだよちよち歩きのようだ。
石ノ森章太郎や赤塚不二夫など手塚にあこがれマンガを志した人は多い。藤子・F・不二雄らの初期の作品は手塚の絵にそっくりだ。後の大作家たちも最初は、手塚治虫AIのような部分があったのかもしれない。今回も、そんな新人が一人生まれたと考えてみるべきか。
人間の心を学んだいったアトムのように、このAIも学習しながら進歩していくのだろうか。次回作を見たいような、見たくないような。

 天声人語より
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夜型生活取り戻すには、朝日を浴びる。
乱れた睡眠のリズムを取り戻すにはどうすればいいのか。
①朝に日光を30分ほど浴び、睡眠ホルモンに関わる体内時計をリセットする
②日中に適度な運動をし、夜とのメリハリをつける。
③胃や腸を休めた状態で眠るために、就寝の3時間前には食事を終わらせる。
④夜は強い照明を使わないで過ごす--などが効果的という。
また、乱れた体内時計を整えて規則正しい生活リズムを手に入れるために、毎日の睡眠時間を記録することを勧める。起床・就寝時刻や寝ていた時間、途中で起きた時間・回数を振り返り、できるだけ毎日同じリズムを繰り返すようにする。休日だけ起床時間が遅くなる場合は注意が必要だ。平日の起床時間と2時間以上ずれると翌週の前半は時差ボケの状態となり、心身への負担が増えるという。
体内時計が乱れたままだと、睡眠時間帯が日常生活に支障を及ぼす「概日リズム睡眠障害」になる恐れもある。「朝起きられないなどの症状は『やる気がない』『だらしない』と見られがちだが、治療が必要な場合もある。受診をためらわないでほしい、と話している。

 はぐくむより
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『ロビンソン・クルーソー』の作者デフォーは。
17世紀のロンドンを襲った疫病について、『ペスト』という実録風の小説を残している。読み進めると、貧富の差が感染の格差につながっていることがわかる。
お金のある人たちの行動は二通りだった。いち早くロンドンを脱出するか、食料を買いためて家に閉じこもるか。一方で食べてゆくため仕事を続けざるをえない人たちも大勢いた。命じられて方々に出かける奉公人たちが、真っ先に感染した。
ペスト流行時にデフォーは5歳で、後に記録わ調べて書いたのだろう。当時の階級社会の嫌な部分がにじんでいる。翻って現在はどうか。きのうの声欄に、35歳の契約社員の投稿があった。
緊急事態宣言が出ても業務に変わりはなく、感染の危険におびえながら出勤を続けざるをえないという。「行かなければ時給はもらえない」「3密回避も時差出勤もステイホームも、私が働く世界には無い」。生活に困る人への補填はなぜすぐに出ないのかとの訴えは、切実だ。
働く人の間で、テレワーク格差、さらにはコロナ格差とでも言うべきものが生じているのではないか。非正規雇用だからと理不尽な働き方を強いられる。感染防止のために業務を止めたくなくても、発注元の会社が許してくれない、そんな話も耳にする。すべての企業や組織が問われている。
そして何より政府が、休業する人への支援に力を入れなければ社会が壊れてしまう。危機が、以前からある矛盾を浮き彫りにしている。

 天声人語より
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健康、歩いて外出できる体力を
老後の「団塊世代」が、10年足らずで75歳以上の「後期高齢者」となる。その後の人生の明暗は「歩いて外出できる体力の維持」にかかっている。家事をこなし、公共の乗り物で移動し、スーパーで買い物ができれば、一人暮らしも可能だ。外出できれば、近所の人とも交わり、草花や風のそよぎに季節を感じ、心も豊かになる。買い物をすれば計算もする。歩けなくなると一挙にそれらを失い、医療、介護の対象になる。
心身を動かさないと老化は加速する。そのターニングポイントは、男性の場合、定年退職時にある。ここで手を打つには、いわば「大人の義務教育」のように場が有用と考える。「定期的に歩いて外出する場」を提供し、地域とのコミュニケーションの構築、健康・調理などの知識と技術を習得することを目標とした授業をしてはどうだろうか。
歩いて通えることが前提なので、65歳前後の1~2年間、半日程度のコースで週に2回ぐらい学区の小中学校の空き教室に集まってもらう。
全員参加は、ホームルームと健康講座くらいにしておいて、パソコン、園芸、手芸などカリキュラムは工夫次第、講師もメンバーの中から出てくるだろう。栄養の整った学校給食を食べれば、筋力低下予防にも効果があるはずだ。
自治会などで対象者全員に声がけするが、親や孫の世話、仕事や趣味を理由とする不参加は可とする。だが、出欠届は義務とする。元気だけど、自ら積極的に出向かない人々を集めることで、点と点がつながり面となれば、子育てや介護、防災の一助にもなり、地域に飲み仲間やゴルフ友むだちもできるだろう。終了後は自主活動が継続すれば成功だ。地域差はでるだろうが、医療費や介護費の削減に向けて、市町村でこのような「大人の義務教育」に取り組むことはできないだろうか。

 オピニオンより-----健康運動指導士・山田佐世子
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何につれても屋内の活動には逆風が吹き、趣味の剣道の稽古ができなくなった。運動はもっぱらウォーキングである。
毎日毎日歩くと、道端の野草も顔なじみになる気がしてくる。あの道の角にあるヒナゲシも、あの空き地に咲き始めたハルジオンも。
恥ずかしながら、この春になって名前と姿が一致した花が、青くて小さなオオイヌノフグリである。こんな句にも出会った。〈犬ふぐりへは小さき風小さき日〉後藤比奈夫。大きな風であっても、小さな野草には小さな風が吹いているかに見える。
その姿は弱さではなく、強さであろう。太平洋に突き出るような犬吠埼で、中村草田男はこう詠んだ。〈蒲公英のかたさや海の日も一輪〉。地にへばりつくようなタンポポを見ると、なるほど海からの強い風であってもびくともしないような「かたさ」がある。
この世界、とんでもない逆風をもたらしている新型ウイルスである。海外のそして日本の各地から、毎日伝えられる被害を目にするたび、風の強さにおののいてしまう。せめて自分の暮らしに吹く小さな風は、精いっぱい耐えて、しのぎたい。野草たちのように。
下ばかり見て歩いていたら、桜の花びらが、歩道をいまも彩っていることに気づいた。花屑と呼んでみれば、いとおしさも増す。その一枚一枚を散らしたのは、どんな風だったか。〈人恋し灯ともしごろを桜散る〉白雄。
会いたい人にも会えないまま、一日一日が過ぎていく。そんなときにも、終わりは必ず来る。

 天声人語より
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新型ウイルスにつけて
アベノマスクが東京都で始まった。
配るといって何日たったやら。
もっと迅速にできないものか。
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代々医者の家に生まれた大林宣彦さんは、自分も同じ道に進もうと考えたことがある。
医学部の入学試験を途中で投げ出し映画の道を選んだが、目指してきたのは「よく効く薬のように人を癒やせる映画」だったという。
「たとえていうなら、外科や内科のような診療科のひとつとして映画科があり、その科の医者になるようなものです」映画を志す学生たちに投げかけた言葉が著書『最後の講義』にある。
映画監督の大林さんが82歳の生涯を閉じた。記憶に残るCМを生み、青春映画でいくつものヒットを飛ばし、晩年はもっぱら戦争と向き合った。活躍は多面体である。しかし、いい薬であってほしいとの思いは多くの作品から伝わってくる。
1960年代の四国の高校生が主役の「青春デンデケデケさんのデケ」。ラジオから流れてきたエレキギターの音がいかに衝撃だったかが、これでもかと描かれている。いわば電気的啓示であると、バンドを組むことになる友人たちとの出会いのかけがえのなさも。
年長になると縁遠く思える青春映画だが、大林さんの作品は違う。若い日々の切り取り方が鋭く、それでいて優しいからではないか。あなたにとって、かけがえない瞬間は何でしたかと柔らかく問いかけてくる。
戦時下で少年時代を過ごした大林さんは、きょうのこの遊びが、いま読んでいる本が、最後になるかもしれないと常に考えいたという。一作一作を、そんな気持ちで撮っていたのだろうか。多作の裏にある覚悟を思う。

 天声人語より
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新型コロナウイルス
死者42万人、衝撃の試算は実現させぬ。
2㍍以内の「おはよう」も、肩ポンも、対面の食事も、しばらくがまんを。

素粒子より
北大の教授の西浦先生が言っていた根拠はこれだ。
新型コロナウイルスへの対処「8割減」の根拠は
数学の等比数列は分かりやすく言えば、ネズミ算だ。米国のドラマ『ナンバーズ 天才数学者が1枚の紙を手に取って刑事を驚かす場面がある。
「紙を2回折ると、4倍の厚さになる。もし50回折ればどの程度の厚さになると思う?」。男性刑事が答える。「数十㌢かな」。女性刑事が答える。「いいえ、ビル並みよ」。どちらもはるかに違った。「太陽まで届く。50回は折れないけどね」。
紙を折る作業を人と人との接触に置き換えれば、人類が目の前にしている危機の大きさがうかがえよう。
等比数列が導く最悪のシナリオを逆から見たのが、「接触8割減」理論に違いない。厚生労働省クラスター対策班の西浦博・北大教授が考案した。そもそも紙を折ることさえしなければ、息のできる地表にふみとどまれるということだろう。「8割減」を1か月実行することで感染が収束するとの試算は、理論のうえでは信頼しうる。
ウイルスに勝つ唯一の方策とも言われるが、残り時間はあるようでない。7都道府県への緊急事態宣言から1週間がたった。あと3週、大事に過ごせるかどうか。

 編集手帳より
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徳島の女性は芯が強くて働き者だと有名らしい。阿波女、は古くから尊称で使われる。
管理職比率が全国一、審議会の委員は半数が女性など、活躍のほどを示す数字が種々ある。政治の世界も、との期待が漂う史上最も若い市長が徳島市で誕生する。内藤佐和子さん、36歳、1児のママさんである。弁護士を目指して東京大で学んでいた頃、難病を発症して、夢を絶たれた。
苦境をバネにする人のようだ。難病研究の支援に取り組む傍ら、思いをつづった本を出版した。20歳代の半ばに帰郷し、学生や主婦を巻き込みながら、あれやこれや街を元気にする仕掛けを試みる。特産のスダチのPRに東北の震災被災地とサンマ祭りを開いた。徳島大工学部に再入学すると、年下の同級生らと「メカガール」を名乗り、機械工学の面白さを発信した。
未曾有の災厄に直面しあちこちのしゅちょうさんの渋面が、日々映像で流れている。ぎりぎりの修羅場で勇気や胆力、決断力が試される。自治体トップの重責をしみじみ思う。
市民の命や生活を守り抜く。新人市長には厳しい初仕事になろうけれど阿波女の真価を見せてほしい。

 読売の編集手帳より
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新型コロナウイルスで
1世帯30万円の次は1人10万円!? 
非常時に財政出動は不可欠だが、自責の念も、羞恥心もなし。
野放図に財政赤字を膨らませてきた過去に。
「補償」はNG、「支援」はOK。
平時と同じ霞が関文学。

素粒子より
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学校でも習ったロシア民謡は、考えるに不可解な歌である。〈♪月曜日にお風呂をたいて/火曜日にはお風呂に入り〉。
お湯が冷めてしまうのではないか。聞いていて不思議な気持ちになる曲だ。
「緊急事態宣言を初出したい」と安倍首相が言ったのが、先月の月曜日である。東京都などですぐに店舗休業の要請が出るかと思いきや、結局、土曜日までずれ込んだ。「一習慣」の歌さながらに、のんびりしている。
都は要請を出そうとしたが、国が止めていた。外出自粛の効果を見極めため2週間待ってくれと求めていたそうで、下手すればもう一週間かかっていたか。経済への懸念だけでなく、国のお金で休業補償させられることへの警戒感もあるようだ。
正常性バイアスという言葉がある。異常事態なのに日常の延長でものを考えてしまうことだ。飲み会が断りづらくて「これくらい大丈夫だろう」と思ってしまう。今そのバイアスに陥っているのは政府ではないか。
緊急事態宣言をめぐっては、欧米メディアから「罰則も強制力もない」など批判的な見方も出ている。たしかに日本の制度はソフトだが、それは強みでもある。行動の自由をまもりつつ感染を防ぐ、一人ひとりの判断と振る舞いがものを言う仕組みだ。
早々に臨時休業を決めた百貨店が、経済産業省に呼ばれて叱られたという。政府の方針が出ないうちに「勝手なこと」をしたというのが理由だ。感染防止に動いた企業への仕打ちは、不可思議という他ない。

 天声人語より
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緊急事態宣言から1週間
広がる院内感染が物語る医療崩壊の危機。
現場の負担軽減に、あらゆる政策と知見を。
自粛に泣く飲食店、派遣切り・内定取り消しに泣く人たち、巨額損失に泣くソフトバンクG。
経済の血流が滞る。

素粒子
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新コロナウイルス対策の陣頭に立つべき世界保健機構が批判の大波を浴びている。
トランプ米大統領から「中国寄り」と非難され、資金拠出を止めると迫られた。
WHOの顔として、これに強く反論するのは
テドロス・アダノム事務局長。エチオピアの保健相だつたころ、妊産婦医療で名をあげた。日本の支援も得てトヨタの大型車二百数十台を救急車両として活用。死亡率を低下させた。今回のコロナ禍では、武漢の封鎖などを挙げ、「感染拡大を遅らせるために多くのよいことをした」と中国政府の対応を手放しで称賛した。これが広く反発を呼び、辞任要求や殺害脅迫まで飛び出す事態に。
スイスに本部を置く、WHOは、戦後まもなく国連機関として発足。いま190を超す国々が加盟する>天然痘の撲滅という輝かしい功績を持つ一方、新型ウイルスに過剰に反応して、「オオカミ少年」余ばわりされたこともある。
「コロナに対処するため「一時的な世界政府を樹立するほかない」。先月末、そう提言したのはブラウン元英首相である。いまの難局を乗り切るにはWHOとは違って強制力持つ臨時の政府が欠かせないと訴えた。何とも壮大な提案だが、米中の不仲などを見れば実現はむつかしかろう。
ウィルスは、富める国と貧しい国を区別せず、国境をやすやすと越える。世界にはこびる「自国ファ-スト」主義では、もはや阻止できない。いまはテドロス氏率いるWHOを揺さぶっている場合ではないだろう。

 天声人語より
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新型コロナウイルス
西に歓迎会で感染を広げた神戸西署、東にキャスター発熱後も出演した報道キャスター。
悔み切れぬ失態。

素粒子より
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このごろ図案化された新型コロナウイルスをよく目にする。薬局では邪悪な目をした真っ赤な輪。
漫画では不敵な笑みのサングラス男。実際はどんな外観で、どんな特徴を持つのか。ウイルスに詳しい日本獣医声明科学大の氏家誠准教授を訪ねた。
「仕事がら各ウイルスを模式図で表現します。コロナは大体こんなふうです」。さらさらと描き出されたのは、王冠状の突起を何本も持つ円。円内には遺伝子を表すZの字がある。王冠や太陽の光冠を意味するコロナの名が付されたそうだ。
ウイルスの世界で新型コロナが特に凶暴なわれではない。「何とか新しい宿主を見つけ、生き残る確率を上げたい。いわば本能に従っているだけです」。感情や知恵を持たないとはいえ、いまの猛威には何か生命力めいたものを感じるという。
コロナウイルスは1930年代に鳥から分離されたのが最初。豚や猫、キリンからも発見された。ヒトに感染するとわかったコロナはこれで7種類目である。
洋の東西を問わず、世を震撼させた疫病は画家たちの想像力を刺激した。ペストはくちばしを持つ死に神に。欧州の医師らが治療時に着けた鳥の顔のような仮面から想起された。日本ではトラとオオカミ、タヌキが合体した奇獣としてコレラを描いた、
先日、インドの祭礼に登場したコロナは青鬼だった。巨大な注射器を刺され、炎上して息絶える。歓喜する人々の濃厚接触ぶりが気になるものの、コロナ退散を念じる気合は痛いくらい伝わった。

 天声人語より
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スマホの通信量節約、無線LANの活用を
携帯電話の通信費が政府レベルで問題になるこのごろ。長男が驚くようなことを言った。「すまをほ家でWi-Fiにつないでいない友達、けっこう多いと」。
動画や音楽のストリーミングなど、スマートフォンで人気のサービスの多くは、大量のデータ通信を必要とする。例えば国内最大規模の動画サービスdTVの場合、4段階中2番目によい画質を選ぶと、1時間ドラマを12話見たら約7?バイトの通信料になる。スマホの1カ月の通信料の一般的な上限だ。このためdТVやアマゾン・プライム・ビデオなどでは、作品を事前にスマホにダウンロードし、出先では通信をほとんど使わず視聴できる機能を備えている。その前提となるのが、家庭に無線LANがあることだ。
だが総務省の通信利用動向調査によれば、2014年末のブロードバンド回線接続世帯の無線LAN利用率は73.7%、これがスマホ保有世帯では68.9%に下がる。また家庭に無線LANがあっても、家族全員がスマホを接続しているとは限らない。「自分の家族はスマホで無線LANの設定をしない。携帯電話の通信量上限も知らないらしく、『スマホが遅くなる』と言っている」と嘆く人もいる。パソコンと違い、スマホは家庭内回線なしでネットに接続できてしまうためだろう。だがそれでは、スマホの通信量は天井知らずになる。
スマホの無線LAN接続は難しくない。
すでに無線LANルーター(親機)がある場合は、スマホの設定画面で「Wi-Fi」の項目をタッチすると、SSIDと呼ばれる親機の識別記号が表示されるので、それを選んでパスワードを入力する。SSIDとパスワードは親機のマニュアルなどに書いてある。これだけで家の中でスマホが通信し放題だ。無線LANがなくても、家にネット回線があれば、無線LAN親機を購入して回線に接続、同様の操作をすればいい。3~4部屋以上の家庭なら、1万数千円の高性能のものがよい。「11ac」という最新の高速通信規格に対応した製品がおすすめだ。
スマホの通信費の高さや通信料がすぐに上限に達することが問題になるが、無線LANを使っていないことが、その隠れた原因の一つかもしれない。この際、家族が自宅でスマホを無線LANに接続しているか、点検してみてはいかがだろうか。

 ネット点描より
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在宅勤務の日が増え、苦手のウェブ会議を避けられなくなった。
操作つたなく、カメラが雑然とした台所を映し出し、消音を忘れたマイクはいらぬ独白を伝える。いまだにドギマギする。
家電量販店にはテレワーク用品の売り場がお目見えした。ヘッドホンや家庭用プリンターが好調だが、とりわけ売れているのはウェブ会議用の小型カメラだと聞く。
「コロナの影響で2月以降の受注は前年同期の2倍です」と話すのは、山形県鶴岡市のカメラ専門メーカー「ワテック」の澤誠専務。社員50人、製造ラインをフル稼働させても注文急増に追いつかないそうだ。
創業は1987年。「メイドイン山形」の高画質小型カメラがロケットや天文台など内外で採用されてきた。「テレワークはさらに広がる。ユーザーが求める性能を肌で感じとり、改良していきたい」と意気込む。
「画期的な技術革新は、廊下での即席会議や夜10時半の電話相談から出てくる」。アツプル創業者スティーブ・ジョブズの言葉である。どんなに働き方が進化しても、一人の知恵には限界があろう。この世から会議が消えてなくなるとは思いがたい。
むろん仕事の性質上、テレワークに適さない職種はあまたある。それでもこの先、テレワークの世界的潮流が元に戻ることはあるまい。将来、会議の定義が変わり、遠く隔たった場所からそれぞれが議論に加わるのが当たり前の時代になるだろう。そのときは「遠議」または「隔議」とでも呼ばれるのだろうか。

 天声人語より
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老後の健康、歩いて外出できる体力を
「団塊世代」が、10年足らずで75歳以上の「後期高齢者」となる。その後の人生の明暗は「歩いて外出できる体力の維持」にかかっている。家事をこなし、公共の乗り物で移動し、スーパーで買い物ができれば、一人暮らしも可能だ。外出できれば、近所の人とも交わり、草花や風のそよぎに季節を感じ、心も豊かになる。買い物をすれば計算もする。歩けなくなると一挙にそれらを失い、医療、介護の対象になる。
心身を動かさないと老化は加速する。そのターニングポイントは、男性の場合、定年退職時にある。ここで手を打つには、いわば「大人の義務教育」のように場が有用と考える。「定期的に歩いて外出する場」を提供し、地域とのコミュニケーションの構築、健康・調理などの知識と技術を習得することを目標とした授業をしてはどうだろうか。
歩いて通えることが前提なので、65歳前後の1~2年間、半日程度のコースで週に2回ぐらい学区の小中学校の空き教室に集まってもらう。
全員参加は、ホームルームと健康講座くらいにしておいて、パソコン、園芸、手芸などカリキュラムは工夫次第、講師もメンバーの中から出てくるだろう。栄養の整った学校給食を食べれば、筋力低下予防にも効果があるはずだ。
自治会などで対象者全員に声がけするが、親や孫の世話、仕事や趣味を理由とする不参加は可とする。だが、出欠届は義務とする。元気だけど、自ら積極的に出向かない人々を集めることで、点と点がつながり面となれば、子育てや介護、防災の一助にもなり、地域に飲み仲間やゴルフ友むだちもできるだろう。終了後は自主活動が継続すれば成功だ。地域差はでるだろうが、医療費や介護費の削減に向けて、市町村でこのような「大人の義務教育」に取り組むことはできないだろうか。

 オピニオンより-----健康運動指導士・山田佐世子
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ウイルスの感染拡大で学校が臨時病院となり、政府は住民に夜間の外出禁止を命じる。
体調が悪くなったら自宅の玄関に目印の白い布を掲げさせる---。ダスティン・ホフマン主演の米映画『アウトブレイク』に印象深い場面があった。
25年も前の作品を見直したのは、書店や図書館、動画配信サービスでいま、感染症をあ扱ったSFものに関心が高いと聞いたからだ。感染の不安が募る中、ウイルス撲滅の爽快な夢に浸りたいという人が増えているようだ。
たとえば川端祐人著『エピデミック』では、感染患者の集中した自治体を政府が封鎖してしまう。2007年刊の小説だが、「濃厚接触」「不要不急」など当節よく聞く用語が次々に飛び出す。
小松左京原作の邦画『復活の日』では、人類が滅亡の危機に瀕する。日本には戒厳令が出され、軍が市街地に出動。疲れ切った看護師が「こんなこといつまで続くのか」と天を仰ぐ。11カ国863人が南極でんらくも生き残る。どの作品にもウイルスに脅かされ、冷静さを失う人間たちが描かれる。
昨夜、緊急事態を宣言する首相の会見を聞いて考え込んだ。「試練」「位トンネル」「国家的な危機」。そんな言葉を連ね、国民に協力を呼びかけた。はたしてこれで拡大に歯止めがかかるのか。宣言の効果がどう現れるのか、先行きはまったく見通せない。
ひょっとすると私たちが直面している困難は、SF映画や小説よりも実はすでに深刻なのではないか。一刻も早い終息を切に願う。

 天声人語より
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東京休業対象を明示
感染拡大は夜の繁華街で広がっていることを懸念し、キャバレーやナイトクラブなどの他、ネットカフェ、パチンコ店、カラオケ、ゲーセン、マージャン店など。
居酒屋を含めた飲食店については午前5時~午後8時、酒類を提供する場合は午後7時までによるように要請。

紙面より
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弁護士をめざして東京大に通っていた内藤佐和子さんはある日、目が回り、足がふらつく症状に襲われた。
イスに座らされて何周も回されてから立ち上がった時のよう。難病「多発性硬化症」と診断された。
文学部から再受験し、法学部に入り直した直後だった。法曹の道を断念し、点滴で症状を抑えながら別の道を探す。ビジネスコンテストに応募し、故郷を活性化するアイデアを全国の学生から募る企画を実現させた。自著『難病東大生』も刊行した。
出産をへて、行政の審議会委員も務めるうち、政治への関心が強まる。国会議員らの思惑がもつれる保守分裂の状況下、徳島市長選に挑んだ。
市長選を取材した記者によると、当初は演説にぎこちなさも目立ったが、粘り強く支持を広げ、当選を果たした。ちなみに小学校の卒業文集に寄せた言葉は「執念」だったという。
女性の市長としては史上最年少の36歳。従来の記録を5カ月ほど塗り替えたが、考えてみれば、男性市長ならこれほどの注目を集めなかったのではないか。裏返せば、日本の政界がなお男性たちに支配されていることの証左とも言える。
たとえば、北欧フィンランドでは昨年暮れ、34歳の女性が首相に選ばれたが、かの国で女性首相は3人目。閣僚の過半数も女性だと聞く。首相自身、「年齢や性別は二次的なこと。大事なのは政治家として何をするか」と語っている。内藤新市長はさっそく「まちづくりがしたい」と意気込む。徳島からの新風に期待したい。

 天声人語より
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新型ウイルス世界の感染者150万人超
感染拡大が続く新型コロナウイルスの世界全体の感染者数が150万人を超えた。
感染者数が最も多いのは米国の43万1900人超。
次に多いのがスペイン、イタリア、フランス、ドイツと続く。

紙面より
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新型ウイルス禍が収まっていれば、聖火は先週、長野県内をめぐるはずだった。
走者の一人に内定していたのが作家で自然保護活動家のC・W・ニコルさん。3日に79歳で亡くなった。
英国ウェールズ生まれ、病弱だったが、祖母から「強くなりたいなら、木にお願いしてごらん」と言われ、森に通う。柔道や空手に熱中し、22歳で本場日本を訪れるも、東京になじめない。せわしなく、空気がよどんでいた。息抜きの旅で、ブナの原生林に足を踏み入れ、森の厳粛さに涙をこぼす。
信州・黒姫山のふもとに居を構え、里山を買い取って、「アファンの森」と名付けた。故郷の言葉で「風の通る谷」を意味する。あれほどむ美しかった日本の森が、バブルを経てすっかり荒廃していた。林野庁や環境省を相手に政策批判の論陣を張った。
50代で日本国籍を得るが、老若問わず自然から遠ざかる一方の日本社会を憂えた。何をすべきか道に迷う姿を「迷子のジャパン人」と評し、いま日本に来たら日本人にはならなかったとまで語った。
当方が初めてニコルさんの名を知ったのは小説『勇魚』から。訃報に接して久々にページを開くと、幕末から明治を生きた紀州の鯨漁師たちの冒険劇がみずみずしい。和歌山県太地町に住み込み、捕鯨文化の核を描いた。
CMでおなじみの親日派作家といった印象があるが、日本に注ぐまなざしには相当な深みがあった。森で育ち、森に涙し、森に尽くした人が、静かにアファンの森に還っていった。

 天声人語より
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緊急事態宣言から一夜明けて
首相の「お願い」は冗長だつたが、現場は待ったなし。
どう振る舞うかが試される。
さらなる法規制は不要。
先立つものは金。
でも給付は申告制で要件は複雑。
速やかに、ちゃんと渡せるのか。
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すり鉢状の小さな穴が地面のあちこちに。大きさや深さはいろいろだが、どれもきれいな円形をしている---。
浜松市の高校一年生、犬塚伊吹さんの案内で、できたてのアリジゴクの巣を数多く見せてもらった。
犬塚さんは大の昆虫好き。アリジゴクが巣を作ってアリを捕獲する様子に興味をもち、小2の夏から同市天竜区にある祖父母宅で観察を続けてきた。その成虫であるウスバカゲロウの生態を含め、観察結果は夏ごとに自由研究で発表してきた。
図鑑を読み比べても、クワガタやチョウといった人気の虫たちと違って記述が少ない。「それなら自力で」と飼育を試み、実験を重ねた。粒の細かなサラサラの砂で作った巣ほどアリがよく取れることなどを確かめた。巣を作るのはほぼ一斉で、毎春、アリの動きが活発になる時期の20日ほど前であることを新たに突き止めたという。
中3時の研究リポートを拝読してみる。完成度の高さは大学生の卒業論文のよう。小中学校を通じて一つの虫を探究できる持続力には、羨望を超え、ただただ感心するばかりである。
この春、人間社会は、予想もしなかった感染症のせいで恐慌の様相を呈している。私たちがいっせいに浮足立ついま、地に足のついたアリジゴクの営みを眺めていると、いっとき不安が和らぐ。
年々歳々アリジゴク相似たり、歳々年々人同じからず、とでも言うべきか。犬塚さんからコツを教わって、砂の匠を巣穴の底からすくい上げ、手のひらに置いて観察した。

 天声人語より
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緊急事態宣言
今夕6時前に首相が発表した。
初めてのことなので、この後生活がどう変わるのか。
また、何も変わらないのか、見通せないので不安が増す。
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きのうの紙面にあった森喜朗さんのインタビューが面白かった。とうより背筋が寒くなった。
東京五輪の延期が決まる直前、安倍首相と交わした会話を明かしている。大会組織委員会会長の森さんは延期幅を「2年にしておいた方がいいのでは」と問いかけた。
ウイルスの猛威が簡単に収まりそうにないからだ。だが首相は「ワクチンの開発はできる。日本の技術は落ちていない。大丈夫」と語り、1年延期を主張したという。自国の技術力を信じ、最悪のことは考えない。おそるべき精神の強さである。
それは首相の布マスク姿にも通じる。「布マスク2枚配布」は何かの冗談かと思ったが、真剣さを身にもって示している。俺が先頭に立つという一種の気合であろう。
精神論や気合ではどうにもならない事態が進んでいる。新型ウイルスの重症者対応できる集中治療室のベッドが全国で1千床に満たないという。欧米の患者急増を見るとケタが一つ足らない気がする。医療崩壊を防ぐため、他の施設を患者用に転用することが急務となる。
医療体制を整備する道具として役立つなら、緊急事態宣言の発動をためらうべきではないと思う。もちろん宣言は魔法の杖ではなく、転用した施設を有効に使うための人材確保などが重要になる。店舗営業の自粛を法に基づいて要請するなら休業補償も必要だろう。
緊急事態宣言は自分の気合を一番いいところで示すための道具。まさか首相がそんなふうに考えているわけではないと思うが。

 天声人語より
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緊急事態宣言あすにでも
いよいよ、宣言が秒読み。
どんな効果を期待できるのか。
具体的に説明を。
「検査してもらえない」。
悲鳴続々。
300余の保健所を閉じた行革が招いた窮状。

素粒子より
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たえず交通事故の危険にさらされる歩行者、とくに子どもに光をあてたのが、
1974年に出版された『自動車の社会的費用』だ。著書の経済学者、宇沢弘文は、近所で小学生がひかれて亡くなったことを冒頭に書いた。
現場には数日間、花が供えられていた。しかしその後は忘れられたように「自動車がはげしく警笛をなにしながら、歩行者を押しのけて走っている」。これで文明国と言えるのかという問題提起は世論に影響を与え、「交通弱者」の言葉も広がった。
交通弱者や災害弱者など、名が付くことで問題が見えてくることがある。一昨日のオピニオン面で「供述弱者」という言葉を弁護士の井戸謙一さんが使っていた。知的障害などを背景に、取調官に迎合して供述してしまう人のことだ。
井戸さんが弁護していた元看護助手の女性が、再審で無罪判決を勝ち取った、取り調べで自白を引き出した男性警察官は、この女性が自分に恋愛感情を抱いたのを利用していたという。背景には、彼女の発達障害、それに軽度の知的障害がある。
不当な捜査で、無実の人が長いあいだ刑務所に入れられた。「全ての刑事司法関係者がこの事件を自分のこととして受け止め、改善に取り組まなければならない」。判決の言い渡しの後に裁判長が語ったのは、自白偏重への戒めだ。長年の悪弊が弱い立場の人を苦しめる。そんなことが続いてはならない。
私たちの司法のあり方は文明国にふさわしいのか。遅すぎた無罪判決を前に、考え込む。

 天声人語より
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仏の教え。大日経というお経に、次の一文がある。「仏は一切所一切時に存在する」。
仏という存在になると、あらゆる場所にあらゆる瞬間、同時に存在できるという。そんなばかなと思うかもしれないが、想像してもらいたい。肉体を用いた活動するわれわれにとつて、「自分」という概念は重要だが、果たして、肉体を離れたとき、それが意味をなすだろうか。
肉体があるからこそ、ここからむここまでが「自分」だと思い込んで生活しているが、それがなくなったとき、「自分」はどこにあるのだろうか。
悟れる者は、そのような「自分」というちっぽけな枠にはとらわれず、あらゆる所に存在するというのが、真言宗の教えである。だからこそ、高野山で永遠の瞑想(入定)を続けるお大師さんは、肉体を離れて、すべてのお遍路さんと゜同行二人」の旅を続けていると信仰されている。
身近な話では、仏さまとなつたご先祖さまは、お墓にもいて、ご仏壇にもいて、お盆の精霊棚にもいて、「千の風」にもなつている。仏は形などなくても拝めるが、肉体を持つわれわれはどうしても「目に見えるもの」にとらわれるため、仏教徒はこのとらわれをよい意味で工夫してきた。
「見えないもの」を「見える化」するため、お寺を造り、家ではご仏壇をしつらえ、お盆はご先祖さまが帰ってくる時期として仏を身近に感じ、お骨や肉体が埋葬されているお墓に行ってはまた身近に感じて、「目に見えないもの」を意識する時空を確保する。
「自分」との生活に疲れたら、ちょっと休憩して仏教に立ち寄ってみればよい。「自分探し」ではなく、「自分」から離れることが肝心だと、仏は教えてくれるだろう。

 徳島新聞 阿波つれづれ譚より-----谷口真梁
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社会心理学の古典『デマの心理学』によると、デマがどこまで広がるかは、二つの条件のかけ算で決まるという。
一つは、その事柄が人々にとっていかに重要であるかだ。
もう一つは、世に出ている公式情報のあいまいさだ。情報が全くなかつたり、あつても不完全だつたりすれば、それがデマの燃料になる。3月末に広がった「都市封鎖」の流言は、二つの条件をまさに満たしている。
「政府が4月1日に緊急事態宣言を発表し、2日から都市封鎖が行われる」というネツト上のデマが、首都圏の人々の買い占めを助長した。事柄が関心事なのは言うまでもない。政府が出す情報も不完全で、どんな手を打つつもりなのかが見えてこない。
ワクチンが完成するか、6~7割の人が感染して集団免疫を獲得するか、と゜ちらかが達成されないと事態は収束しない。我が国の専門家がどんな見通しを待ち、政府はいかなる戦略のもとに、そこに至ろうとしているのか。説明する努力がなされているとは思えない。
情報を最後まで出さない政府の姿勢には前例がある。東京五輪の開催が素人目にも難しくなっているのに、多くを語ることなく突然延期に至った。今度は来年夏の開催が足かせになり、感染の実情が語りにくくならないかと心配になる。
冒頭の著作はデマの性質について「社会という生体の健康が一ばんその抵抗力を失っているときに爆発する」とも述べる。抵抗力を保つには歪みのない情報がいる。

 天声人語より
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あどけない話
智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山あたたらやまの山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。

 高村光太郎の智恵子抄より
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社会人1年生の時、仕事を教えてくれた先輩から、いきなりこう言われた。
「こいつ何言ってるんだって顔しているな、おまえ」。本人は神妙に聞いているつもりなのだが、「分からない」という気持が目つきに出ていたか。
その職場では不器用でのみ込みの悪い新人と見られていたように思う。慰め半分、こう言われたこともある。「まあでも、早のみ込みしないのは悪いことじゃない」。救われたような気がしたのを今も覚えている。
社会に出るのは、分からないことだらけの世界に直面することだ。学校時代に考えていたことがガラガラと崩れるような気がするかもしれない。大丈夫。崩れたようでいて、培ってきたものはそれほどヤワではない。今は学べるだけ、学ぶときだ。
人生を決定づける出来事の8割は、35歳までに起きている---。米国の心理学者メグ・ジェイさんが唱える説で、仕事や恋愛、人との出会いなどをあげる。なるほど言われてみれば忘れられない助言も、印象に残る失敗も、そのあたりに集中している。
成長の出ばなをくじくような春になった。今日の入社式が中止になり、入ってすぐ在宅勤務という方もいるだろう。教える側も教わる側も隔靴搔痒。そんなときほど、分からないことを分からないと口にしたい。叱ってもらえる特権を享受したい。
ある大学教授が卒業生にあてたメッセージを目にしたことがある。「堂々と初心者を楽しんでください」。迎えるほうも、初心に帰る好機である。

 天声人語より
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コロナ対策で
1世帯に30万円支払うというが、年金暮らしには関係なさそうなはなしである。
年金生活でも苦しいのは一緒だ。
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経済学者の飯田経夫さんは、「経済学をひとことで言ってほしい」と求められたことがある。
著書『経済学誕生』によると、しばらく考えて、こんな言葉をひねり出した。「およそ人間は、命令では動かない」。
政府が旗を振っただけでは経済は回らない。利益に基づいて行動する人間に、まかせた和宇賀いい。そんな考え方を言い換えたのだろう。このところの外出自粛要請も命令の一種だと考えると、興味深い言葉だ。
先週末を見る限り、それなりに多くの人が要請に応じた。大型店舗などの自主休業の影響もあろうし、何より人々が周りの空気を読んだのかもしれない。しかしウイルスとの闘いが長期に及ぶなら、こうした行動は続けられるだろうか。
飲食店を開く人、催し物をやめない人を非難するのは簡単だが、日々のお金が途絶えれば、従業員を解雇するか倒産する以外にない。休業の見返りがない以上、やむにやまれず店を開ける人もいるだろう。
英国のやり方が参考になる。企業の大小を問わず、休業せざめをえない従業員の賃金の8割を補償する。上限は月33万円でフリーランスも対象だ。休業補償はフランスなどにも広がる。日本政府は自主休業という形式に甘えていないか。
補償を救済と考えるのではなく、感染予防策として位置づけるべきではないか。補償のお金が見込まれるなら、自主的に店を閉じやすくなる。夜の繁華街に出る人が減り、若者をことさらに避難する必要もなくなるかもしれない。

 天声人語より
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新年度始まったが?
「門出の春」が、「我慢の春」に。
子どもの不安や、働く保護者の負担をいかに取り除くか、「工夫の春」にも。

素粒子より
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今年の桜は、受難を強いられている。
飲んで騒いでの花見がなくなり、ゆるりと歩いて眺めてくれるかと思いきや、ところによっては、立ち入りすら禁止されてしまった。きのうはきのうで、関東などで季節外れの雪に見舞われた。
近所の桜の木を見ると、降った雪が花びらから垂れ下がり、小さなつららのようだった。桜の咲くころの冷え込みを「花冷え」と言うが、「花凍え」とでも呼びたくなる気候である。寒さに耐えるかのような薄桃色は、それはそれで美しいのだが。
すく゜に消えてしまう春の雪は、どこか淡い感じがする。しかし肌に感じる冷たさは同じである。〈この道しかない春の雪ふる〉種田山頭火。一筋の道を歩んでいく人に、思いがけない雪が降りかかる。
新しく社会に出る人、学校に入る人にとつて春はいつも試練のときだ。しかし今年は特別だろう。感染防止のため、入社式を中止する企業が相次いでいる。新人研修も自宅のパソコンで受けさせる会社があるという。
大学の入学式も続々と取りやめになった。人と人が交わることによって仕事が生まれ、学問が成り立つ。そんな基盤が危うくなっているのかもしれない。在宅勤務や遠隔授業などでどこまで補い、質を高められるか。この社会そのものが試練のなかにある。
〈もろもろの木に降る春の霙かな〉原石鼎。これから伸びていこうとする若い木があり、いまが働き盛りの年季の入った木がある。誰もが不安を抱えながら、新しい年度をもうすぐ迎える。

 天声人語より
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日銀短観7年ぶりのマイナス
3月の短観は、大企業・製造業のDIが前回の昨年12月調査から8㌽悪化し、マイナス8となった。
悪化は5四半期連続で2013年3月調査依頼、7年ぶりのマイナス。
新型ウイルスのの感染拡大で、企業の景況感が急速に冷え込んでいる。

紙面より
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主人公は、事故でたった一人火星に残された宇宙飛行士。小さな基地から一歩外に出れば死に直面する。
限られた食料をどう食つなぐか。水をどう確保するか。SF小説『火星の人』は何一つ自由にならない極限生活を描く。
慰めは、仲間の宇宙飛行士が残した電子書籍や音楽を見つけることだ。アガサ・クリスティーを読み、ビートルズを聞く。この週末、手持ちぶたさのまま家にこもる方も多いだろう。人の消えた繁華街の映像はまるどSFだ。
世界中が外出制限の波を被るなか、AFP通信が本物の宇宙飛行士に閉じこもり生活の極意を尋ねていた。かつて宇宙ステーションにいたスコット・ケリー氏は制限の長期化を見越し、「宇宙で1年暮らす」ような心構えが必要だという。
「とにかく日課を決めること。決まった時間に起き、決まった時間に眠ることだ」。昼夜の別のない宇宙暮らしゆえの教訓か。AFPの記事には潜水艦の元艦長の言葉もあり、自分の使命を確かめるのだ大事だと説いていた。がいしないことでし人々や医療関係者を守るという使命を。
「この1、2週間が瀬戸際」と言われたのが、ずいぶん前だった気がしてくる。長期化するウイルスとのたたかいである。中国のように強制されずとも、欧州のように戦時下だとことさら言われなくも、一人ひとりの行動で乗り切りたい。
家のなかを探し、しばらくぶりの本や音楽に出会うのも悪くない。火星と違い、窓やドアを開け外の空気を吸うこともできる。

 天声人語より
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