2019年11月の記事


車の安全装置
あわや、を繰り返す身にもうれしい。
新型車に国際基準の自動ブレーキを義務化へ。

素粒子より
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ネアンデルタール人の脳は私たちの祖先と同じくらいの大きさだったそうだ。身体はもっと頑丈でたくましかった。
ともに生きていた時代もあったが、3万年~4万年ほど前、彼らは地球上から姿を消してしまった。
どうして絶滅したのか。専門家の間では諸説あるというが、筆者には不思議で仕方がない。強い者が弱者を力で倒すこの世界で、勝ち残るのはむしろ彼らのほうではなかったのか。
「実は生命の歴史をみると、生き残ったのは強者ではなく、変化に適応できる弱者のほうでした」。著書『生き物の死にざま』などで知られる静岡大学教授の稲垣栄洋さんはそう教えてくれた。
私たちはつねに未来を意識し、いまを生きている。それを可能にしたのは、弱さゆえに集団性を強め、その過程で仲間が何を考えているのかを「想像する」という力を得たこと。「想像は一人ひとりが異なります。その多様性が生き残りのカギとなつたのでは」と稲垣さん。
逆に言えば強い者はその強さのために変化を望まず、多様化しにくい。恐竜もネアンデルタール人も。「強い者が勝つのではない。勝った者が強いのだ」とは元サッカー西独代表ベッケンバウアーの言葉だ。
24日は「進化の日」。160年前、進化論を唱えたダーウィンが「種の起源」を出版した日にちなむそうだ。環境の変化に適応できない生き物はいつかは淘汰されていく。人類も例外ではない。その強くて弱き存在のあすを想像して、しばし謙虚な気持ちとなる。

 天声人語より
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マイナンバーカードの迷走
ポイント還元で2千億円投入へ。
税金の無駄遣いの上乗せだ。
野党はどうしている。
反対の声が届かないぞ。
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香港をよく知る作家の星野博美さんが、この街の特徴を一言で表している。「何よりも管理されることが嫌いな香港」。
どんな人間でも取りあえずいさせてくれる代わりに、生きるも死ぬも自分次第。そんな街だという。
厳しさと自由さを併せ持つ地が、中国に返還される。その様子を現地で見た星野さんは、『転がる香港に苔は生えない』につづった。英国の植民地から脱する解放感も、中国共産党への恐怖感も、ないまぜに描かれている。
返還から20年余り。いまは恐怖の方がまさっているか。香港から伝えられるデモ隊と警察の衝突のニュースは、日ごとに深刻になっている。1人の学生が命を落とした。大学が戦場と見まがうようになり、警察が学生を次々に拘束している。
警察の暴力もひどいがデモ隊も目に余る。そんな言い方はおそらく公平とは言えない。社会が急速に自由さを失い、弾圧が強まる。その恐怖は想像するに余りある。暴力拡大の責任は政府にあるとする世論は、8割に達すると報じられる。
気になるのは24日の区議会選挙だ。香港全域で行われるこの地方選は、一人一票で議員を直接選ぶため、民意が現れやすい。民主勢力が議席を伸ばすのは中国も見たくはないだろう。暴力の拡大を理由に香港政府は延期ほにおわせる。
1カ月余り前、香港を訪れて気付いたのは、デモで外国の旗を振る人が目立つことだ。米国と英国が多く、ドイツさらには日本の旗もあった。国際社会へ必死に支援を求める姿がある。

 天声人語より
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香港の選挙
民意がうねった。
劇的な審判か下る。
どうする中国政府。
世界が見ているぞ。

素粒子より
沖縄問題と同じで、政府は中国本土なのだから、何も変わらないのではないのか。
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経営する工場から有毒な廃液を流し続ける悪徳実業家。
「君の消防条例違反を証明する文書がある」と揺さぶる謎の怪人。1992年公開の米映画「バットマン リターンズ」の序盤にそんな攻防がある。
「そんな文書があれば、もちろんないが、細断している」。そこで怪人は焦点の文書を突きつける。シュレッダーで細断された破片を拾い集め、貼り合わせたものだ。
テープと根気さえあれば復元できるさ」
そんな古い映画を見直したのは、今週、首相主催の「桜を見る会」の資料の廃棄が国会で追及されたからだ。内閣府の担当者は1枚残らずシュレッダーにかけたと答弁している。招待客の名や予算が記された資料を共産党議員から請求された当日だったというから驚く。
使われたのは内閣府地価の大型シュレッダー。40秒で1千枚わ細断できる高性能機種だ。ほかに通常のシュレッダーも各部署にあるという。日々どれほどの文書が官庁街で廃棄されているのだろう。
何であれ疑惑が表面化すると、焦点の文書は「もうない」「破棄した」と強弁する。現政権下を生きぬく官僚たちの知恵なのか。国会や会見で繰り返し「ない」とされた防衛省イラク日報も、財務省が改ざんする前の森友学園との交渉記録も、結局は後に発見されている。
桜を見る会の疑惑でも、首相ら政治家の推薦枠の名簿が役所のどこかに隠されてはいまいか。冒頭の映画のような「テープと根気」がなくとも、デジタル形式なら復元できるだろうに。

 天声人語より
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老いを遅らせるには--心がけが大切
「アンチエイジング」という言葉が注目を集めている。アンチエイジングと
は、できる限り老いを遅らせて若さを保とうという試みだ。
若さ、アンチエイジングというと、スキンケアやサプリメントなどを思い浮
かべる人は多いが、一番大切なのは「気持ち」だ。やりたいことをやること
。無理をし過ぎないことを心掛けると良い。自分を責めないで、いい加減に
、気ままに生活することがお薦めだという。
また、適度な緊張感、ストレスも刺激につながる。ある程度の年齢を過ぎた
ら仕事をしないで家の中で閉じこもっている人は少なくない。だが、ボラン
ティアでも良いので「誰かの役に立っている」という実感を感じられること
を意識的に行うことが大切だ。
そして「きれいになりたい」と願い、行動を起こすことは、世界を広げ自分
を内面からも輝かせる。
たばこと紫外線はなるべく避けよう。特にたばこは肌に悪く、体の循環に悪
影響を与える。
アンチエイジング5カ条
◆いくつになっても男と女
  「美しさ」に磨きをかけよう
◆肌の若返りは心の若返り
   メークアップは外見、心も若返らせる
◆バランスの良い食事と適度な運動
   アンチエイジングの効果は食事と運動が9割
◆よく笑い、よく話し、よくかむ
   笑いは免疫力を高め、かむことは脳の活性化になる
◆長生きこそ最大の誇り
   いくつになっても積極的に社会貢献を
 
 北里大名誉教授・塩谷信幸
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〈朋有り遠方より来る、亦た楽しからずや〉〈利に放りて行えば怨み多し〉。
先日、栃木県壬生町の小学校を訪ねると、図書室で4年生が論語を口々に暗唱していた。論語による町おこしが13年目を迎えた。
正規の授業ではなく、浅野読書時間などを活用する。5年前からは週末の大人向けの講座も続く。この24日には「町民1000人の論語大朗誦のギネス世界記録に挑むという。
発案者の一人で町立歴史民俗資料館学芸員の中野正人さんによると、壬生の地と論語とのかかわりは300年前にさかのぼる。当時、藩校で論語教育が熱心に進められた。長く忘れられていたが、町おこしの素材を探すうち、大人も子どもも取り組める論語の素読にたどりつく。
むずかしかったのは、封建主義の色彩が濃く、現代にそぐわない教えをどうそぎ落とすか。地元出身の研究者に依頼し、約500の章句を厳選。町教委から『古義抄』として刊行した。
小学生用に編集された素読教本は、意外と薄い。学年ごとにわずか三つの章句を挙げる。「論語を知ることは、壬生の歴史を知ること。意味は分からなくても、朗唱を通じて郷土の誇りを伝えられれば」と中野さん。
〈君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず〉。そらんしせようとする小学生の顔は真剣そのもの。声に出して懸命に覚えた孔子の言葉がいつか血となり肉となり、人生の糧となるだろう。

 天声人語より
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救命につなげるために、AED使用をためらわずに
新潟県の高校で野球部の女子マネージャーがランニング直後に倒れ、先月死亡した事故は、いつAEDを使えばいいのか、現場での判断と実行の難しさを問いかけた。
女子生徒は、死の間際に脳への血の流れが止まりかけ、あごや肩、胸や腕が、途切れ途切れにあえぐように動く「死戦期呼吸」の状態だったと思われる。(ギャスピングと現場や医療機関では言う)実際に空気は吸えていないが体が動くので、周囲の人たちは心臓が動いていると思い、AEDを使わなかったのかもしれない。息をしているかのように見えてしまう死戦期呼吸のことを多くの人に知ってもらいたい。
息が止まっていれば、すぐに心臓も止まる。現場に居合わせた人は、あえて患者の脈に触れる必要はなく、息をしているかどうか、だけを目で見たり耳で聞いたりして判断すればいい。講習会でも死戦期呼吸を教えるときは動きが大げさになりがちだが、実際には分かりにくい場合もある。突然の事態に直面した一般の人たちに冷静な判断を求めるのは無理だろう。息をしていないことが疑われるときは、一刻も早く胸骨圧迫をしたり積極的にAEDを使ったりすることが大切だ。
日本のAEDの普及率は世界でもトップクラスだ。的確な設置場所やきちんとした保守管理など課題はあるが、使い方はよく知られるようになった。消防白書によると、2015年に病院外でAEDが実際に使われたのは約1100件で600人ほどの究明につながった。だが、蘇生措置を行えた可能性のある人は数万人とみられ、市民の的確な判断と行動なくして救命率の向上はない。
人が倒れた現場は混乱し、AEDの音声支持も聞き取りにくいだろう。電気ショックのボタンを自ら押すことをためらう心理も働く。居合わせた人がAEDの電極を患者に貼り付けさえすれば、ボタンを押す必要もなく、自動的に除細動をする「全自動」AEDを開発し、早く導入すべきだ。技術的には可能で、間違って放電されることや救助者の感電を防ぐ方法もある。メーカーや行政は積極的に取り組んでほしい。
胸骨圧迫やAEDの使用では、衣服を破ってでも脱がすなど患者のプライバシーが守れない場合がある。
一般の人が処置をためらったり、蘇生がうまくいかなかったりした時に責任を問われることを恐れるという気持ちも考える必要がある。
こうした背景には100%の安全と結果責任を追及する最近の日本の風潮があると思う。市民の善意を生かし救命率を上げるためには、米国やカナダなどのように「緊急事態に直面した善意の処置者は、その結果に対して責任を負わされない」という「よきサマリア人の法」の整備が必要だ。

 私の視点より----聖路加国際大学院特任教授・宮坂勝之

善きサマリア人の法(よきサマリアびとのほう、英:Good Samaritan laws
とは
「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。誤った対応をして訴えられたり処罰を受ける恐れをなくして、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による傷病者の救護を促進しよう、との意図がある。
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「太陽が三つある」。愛媛県の沿岸部には、そんな言葉がある。
大陽そのもの、海面からの照り返し、段々畑を形作る石垣の反射。たっぷりの陽光が育む温州ミカンの収穫が最盛期を迎えている。
かんきつ王国・愛媛で近年、存在感を増しているのは赤い果肉のブラッドオレンジ。日本より温暖なイタリア原産の品種だ。県南部の宇和島市を中心に、ここ10年ほどで収穫量が飛躍的に増えて年300㌧に。
「一昔前は日本の冬の寒さに耐えられませんでした」。そう話すのは、市内にある県みかん研究所の井上久雄所長。生産を始めたのは昭和40年代。寒波がくる前に収穫し、熟するまで保管していた。最近は地球温暖化の影響で、実のらせたまま越冬できるようになり、味が格段に良くなった。
一方で温州ミカンは作りにくくなった。夏の雨は激しくなり、晩秋は冷え込み不足。そのせいで、皮が実からはがれたり、糖度が下がったりする現象が増えた。農家の高齢化も進み、ピーク時に県内で年61万㌧あった収穫量はその2割を切った。
多彩な品種が実る所内を案内してもらう。大きくえぐられた山肌は、昨夏の西日本豪雨の跡。骨組みだけになったハウスが痛々しい。最長寿の温州ミカンの木は樹齢90年超。一ついただくと、甘みが口に広がった。
1本のアボガトの木があった。聞けば松山市では、中南米原産のアボガト作りに力を入れているのだという。積み重ねた歴史と、変わりゆく気候への対応。挑戦が実を結ぶよう祈った。

 天声人語より
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小雪
あったまりたいよね。
<時雨るゝや油揚烟る縄簾>漱石

素粒子より
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米国で活躍する政治学者ヤシャ・モンクさんは、世界にはびこるポピュリズムの危険を訴え続ける。
来日した時のシンポジウムで語っていた。「多くの国を訪れましたが、ポピュリズムの台頭が見られない国に来たのはこれが初めてです」。
トランプ大統領の米国、欧州連合離脱に揺れる英国のほか、ハンガリーやブラジルなどでもポピュリズムが広がる。そんな潮流から日本は幸いにも免れている。欧米の専門家からよく聞く指摘である。
大衆の情緒を利用するこの政治手法について、モンクさんは以下のような特徴があるとする。私だけが国民を代表しており、反対勢力は悪だと決めつける。司法をないがしろにしメディアを敵として扱う。少数者の権利を無視する---。
我が首相を見ても、旧民主党が政権にいた時代を「悪夢」と言い続けている。安保法をめぐっては従来の憲法解釈をないがしろにした。あくまで程度問題ではないか。モンクさんの言葉は半分正しく、半分間違っている気がする。
安倍政権があす憲政史上最長となる見通しだ。第2次政権の7年は非ポピュリズムというより、半ポピュリズムとでも言うべき時期だったか。米国並みのひどいポピュリズムをもたらす孵卵器だったと、将来嘆くことにならなければいいが。
SNSに現れる社会の分断、経済の停滞、移民への嫌悪----。世界に広がるそんな傾向が、ポピュリズムの温床になつているとモンクさんは指摘する。どれも日本に無縁とは言い切れない。

 天声人語より
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ジャパンディスプレイの金銭感覚
4年間で5億7800万円着服されて気が付かないなんて。
庶民の感覚では分からない。
億なんて金---。

紙面より
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借景とは、遠くの山や隣家の木々などを自分庭の一部に見立て、楽しむことをいう。
ぶらぶら歩きで目を喜ばせるのも、同じようなものかもしれない。きのう、サザンカの赤い花がほころんでいるのを見た。
冬の始まりを告げるようにサザンカが咲き、寒さが厳しくなつてくれば、お仲間のツバキの出番となる。わざわざ寒い季節を選んで咲くのには理由があると、植物学者、多田多恵子さんの著書『したたかな植物たち』に教わった。鳥たちをうまく誘うためだという。
サザンカと同じくツバキも、虫ではなく、鳥に花粉を運んでもらう鳥媒花である。鳥のエサとなる虫がいなくなる冬はむしろ狙い目で、たくさんの蜜を用意し、ヒヨドリやツグミなどを待つ。何より赤は、鳥たちを引き付ける色なのだという。
冬を彩る赤といえば、マンリョウの小さな実もある。色で鳥を誘うのは同じだが、味はいま一つらしい。実の赤さにつられて食べるものの、まずくて飛び去る。だからこそ種子を遠くまで運んでもらえると、多田さんは書いている。
この季節に、あの色に、ひとつひとつ意味を込めているのかと思うと、植物たちがいじらしくも思えてくる。<万両の万の瞳の息づきて>長い裕子。
冬は、自然の風景だけでなく、人の服装もモノトーンになりがちで、まちなかには黒っぽいコートが目立つようになる。だからセーターだけ、ネクタイだけでも鮮やかな色を身につけるのも悪くない。何よりも、自分の目を楽しませるために。

 天声人語より
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再生医療のその後
「夢の再生医療」の背中は遠く。
iPS備蓄事業に、政府の支援打ち切りも。
治療を待つ患者の存在も忘れずに。

素粒子より
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1人あたりのチョコレートの消費量が多い国ほど、ノーベル賞に輝く人の数が多い。
米コロンビア大学の医師による、そんな分析結果があるそうだ。中室牧子、津川友介著『「原因と結果」の経済学』で紹介された。
チョコと賞に何のかかわりが。首をひねりたくなるが、中室さんらは因果関係をこう推測する。チョコを贅沢品と位置づければ消費が多いのは豊かな国であろう。教育にもお金をかけられるので、ノーベル賞受賞者を排出できる可能性が高まるのではないか。
ことほどさように、ものごとの関連を突き止めるのは容易ではない。ではこちらはどうか。人口あたりのラーメン店の数が多い地域ほど、脳卒中による死亡率が高まる。自治医科大のグループがまとめた調査結果を夕刊が伝えていた。
ラーメン店の割合が上から10位以内の県のうち、青森、秋田、山形、新潟、栃木、鹿児島の6県で脳卒中の死亡率が男女とも10位以内だった。フランス料理店やそば店なども調べたが、傾向がはっきり出たのはラーメン店だけだ。
もっともラーメンばかりに責任を負わせるのは短絡だろう。青森や秋田などは、塩辛い味付けを好むことで知られる。ラーメンをよく食べるから塩分を取るのか、しょつぱいものが好きだから店が増えるのか。他県も含め、食生活を省みるきっかけにはなる。
血圧が気になる当方も、最近はラーメン店で「味を薄くして」とお願いしている。安心してしまい、スープを飲みすぎるのが困りものだが。

 天声人語より
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安倍首相が在任最長に
通算在任日数が歴代記録持つ戦前の桂太郎と並ぶ。
安倍氏は20日には桂を超えて、約106年ぶりに記録を塗り替える。

紙面より
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静岡市の鳥羽地区に伝説がある。木の精が美しい女性に恋をし、若者に姿を変えて夜ごと通った。
正体が一本の木と知った父が怒り、木を切り倒し、娘を川に流す。悲しんだ母が懸命に追うが、川の中州で見失ってしまう。
娘に「焦がれた」母の胸中を思い、中州にある丘をいつしか「木枯森」と呼ぶようになった。安倍川の支流、藁科川にいまもある伝承の森を訪ねた。こんもりと茂った姿は半球のよう。
「枕草子に出てくる『こがらしの森』は、この森だと語り継がれています」。そう話す近森道雄さんは、森の中にある神社「木枯八幡」の前氏子総代。毎秋、ずぶぬれの若者たちが、みこしをかついで川を渡る。「立派にかついで一人前。地域の成人式のような神事です」。
中州に渡ろうとしたが、橋や舟はなかった。やむなく靴を脱ぎ、ズボンをひざ上までまくる。水は冷たく、流れに足を取られそうになる。古びた石段を上り、小さなほこらの前で手を合わせた。
今回の取材のきっかけは、「木枯らし1号」が関東で近々吹くかもしれないとの天気予報。木枯らしと縁の深そうな土地を選んだ。1号はまだ観測されていないが、最新の天気図を見れば西高東低の気圧配置。ギュッと幅の詰まった等圧線に冬の到来を感じる。北海道は早くも猛吹雪に見舞われている。
薄着で外出に後悔したり、朝に着込んだコートが邪魔になったりする時候である。いつ木枯らしが吹いても困らないよう、寒さへの備えは怠りなく。

 天声人語より
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日米貿易協定は
ウィンウィンと誇るのは日本政府だけ。
「日米不平等協定」である可能性を示す試算が。
それでも承認を急ぐ政府、国会。

素粒子より
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骨髄移植を受けた方々はしばしば、移植して何年たったかを満年齢のように語る。
大阪府の橋本和浩さんにとって今年は「満30歳」の節目である。日本で初めて非血縁者から移植を受けて健康を回復、会社員として忙しい日々を送る。
慢性骨髄性白血病と診断されたのは入社2年目の春。翌年、容体が急変し、骨髄のドナーを探す以外治療法はないと医師に言われた。知人ら3千人が検査に応じたが、白血球の型はだれとも適合しない。「社会人として働くこともできずに終わるのか」と苦しんだ。
当時、国に先んじて動き出していた東海地方の骨髄バンクを通じ、型が一致する男性が見つかる。移植が実現し、橋本さんの体内で無事に造血が始まった。AB型だった血液型は、ドナーと同じO型に変わった。
「40代男性」とだけ聞いたドナーと初めて対面したのは、手術から8年後。岐阜県の田中重勝さんと、骨髄バンク普及の会合で握手を交わした。以来、連れだって講演するようになる。
30年前、400人ほどしかいなかったドナー登録者は、いま全国で50万人を超えた。それでも病気になるか55歳になれば、提供資格を失う。患者の多さを考えれば、必要な人数には遠く届かないのが実態だという。
「恩人という表現では言い尽くせない」「何か光みたいな存在」。橋本さんの感謝の言葉にじっと耳を傾けた。ドナー登録が世代を超えて広がり、絶望の淵で一条の光を見つけられる人が増えるよう切に願う。

 天声人語より
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高カカオチョコで腸内の善玉菌を増やし 便通改善
カカオ分70%以上の高カカオチョコレートを店頭で見かけませんか。ちょこっとでも腸の調子を整えることが分かってきました。
チョコの成分で有名なのはカカオポリフェノール。認知症の予防や動脈硬化のリスク軽減などの効果があることが、2014年から愛知県蒲郡市で行われた市民347人を対象にした健康調査でわかった。一方、この調査で「便通が改善した」という声も聞かれた。ポリフェノールでは説明できない結果だった。
「カカオたんぱく質が関わっているのでは」と帝京大の古賀准教授は考えた。古賀さんは機能性が未解決だったカカオたんぱく質の抽出・分離に初めて成功。大豆や牛乳のたんぱく質と比べて消化されにくく、大腸まで届くことを明らかにしていた。大腸には500兆個以上の腸内細菌がすみ、食物繊維などを餌に腸内環境を整えている。
菓子メーカーの明治と共同で、便秘気味の女性31人を2群に分け、カカオ分72%の高カカオチョコと、カカオたんぱく質を含まないホワイトチョコを、それぞれ毎日25㌘、2週間食べてもらった。
すると、ホワイトチョコの群は変化はあまりなかったが、高カカオチョコの群は排便回数が週2.8回から4.9回に、1回の排便量も2倍以上増加。便秘解消が裏付けられた。「結果にびっくり」と古賀さん。女性たちの腸内細菌を調べると、「フィーカリバクテリウム」が約2.5倍増えていた。この菌はあまり知られていないがビフィズス菌、乳酸菌と同様に善玉菌だ。
この菌から作られる酪酸は大腸の粘膜を刺激し、便通改善の効果がある。古賀さんは「カカオたんぱく質が善玉菌の餌になり、腸内環境が改善した」と話す。
厚生労働省の13年の調査では便秘に悩む人は約470万人で女性に多い。高カカオチョコの機能を研究する愛知学院大の大沢教授は「日常の食事習慣の中で少しずつ食べることが大切」と助言する。少量でも様々な効果が出るので、カロリーも気にするほどではないという。

 続・元気のひけつより
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純白の祭服に身を包んだ天皇が、たいまつの明かりに照らされて歩む。
1990年11月、前回の大嘗祭で覚えているのは移動中の姿だけだ。肝心の儀式は中継されずに終わった。
国家の安寧と五穀豊穣を祈る「大嘗宮の儀」が、14日夜から15日未明まで皇居・東御苑で執りおこなわれる。29年前の記事にも、「なぞをはらんだ儀式が続いた」「二重の木綿のとばりに遮られて、皇族にも参列者にもうかがい知れなかった」とある。
「そもそもが秘儀中の秘儀です。天皇一代に一度きりの祭礼で、記録は少ない。全容が公開されたこともありません」と話すのは工藤隆・大東文化大名誉教授。大嘗祭の起源を、縄文弥生時代までさかのぼって研究してきた。
工藤さんによれば、鎌倉中期に大嘗祭を経験した後伏見天皇は、祭祀の詳細は口伝だとし、「最も秘すべきことがはなはだ多い」と書き記した。そのため近年も推測まじりの学説がいくつも唱えられてきた。
実際、天皇はどんな動作をするのか。平成の大嘗祭前、宮内庁が発表したところによると、湯で全身を清めて祭服に着替え、新穀を神に供えて、自らも食す。日付が変わると、隣接する建物に移り、同じことを繰り返すという。
14日の儀式が済めば大嘗宮は一般公開される。だが儀式の行われる建物の内部は非公開とされた。秘められれば秘められるほど、関心を寄せるのが人の常。謎めいた部分があってこそ象徴としての存在感は増すということなのだろうか。

 天声人語より
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快眠のコツ 適切な睡眠は6~7時間。統べての人に勧めしたいのは昼寝。
春眠暁を覚えず、という漢詩があるように、眠りを誘う季節です。しかし、布団に入ってもなかなか寝付けないという相談は、この季節も多く寄せられます。適切な睡眠時間を知って、気持ちよく寝てすっきり目覚めましょう。
 私たちは眠ることで疲労を回復させ、心身のメンテナンスをします。日中、疲れや眠気を感じず過ごせるようなら、李相の睡眠がとれているといえる。
現役時代に十分な睡眠がとれなかったから時間ができた今はゆっくり眠りたい。結果、寝床にいる時間が長すぎて、睡眠の質が悪くなる。これがシニア世代の落とし穴になります。寝付きが悪かったり、夜中に何度も目覚めたりする人は睡眠時間を圧縮することで、改善されることが多々あります。目安は6、7時間。実際に眠っている時間+30分を心がけましょう。
 凡ての人にお勧めしたいのが昼寝です。午後を元気に過ごせて活動量が揚がるからです。ポイントは時間の長さとタイミング。正午~午後3時の間に30分までの仮眠をとれば、深い眠りに入る前に目覚めるため、すっきりします。
 ソファに座って目を閉じるだけでも、効果を期待できます。衣服の締め付けをゆるめ、上半身を少し起こした姿勢で足を伸ばすとリラックスできる。

 きょうもキレイより------三橋美穂
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検索すれどもすれどもネットのどこにも見つけられない。
首相主催の「桜を見る会」に出席した地元の県議や市長らのブログのことだ。共産党の調査資料には載っているのだが、一斉に削除されたのだとしたら、よほどやましいのだろう。
本来は「各界で功績・功労のあった人」たちを招待する場のはず。だが実際には、自民党の閣僚や有力者らを招いていた疑惑が持ち上がっている。野党は安倍晋三首相の後援会関係者がきわだって多かったと指摘している。
「自治会やPTA等で役員をされている方々もおられ、重複することも当然ある」と首相は答弁した。津々浦々に自治会やPTA役員の方々はおられるが、その功をもって観桜会に招待された人にお目にかかったことはない。
〈給料の上がりし春は八重桜〉。首相が詠んだのは5年前。おととしは〈風雪に耐えて5年の八重桜〉、今春は〈平成を名残惜しむか八重桜〉。句風はすこぶる平明である。
豊臣秀吉がその権勢の盛りに京都で開いた「醍醐の花見」を思い出す。諸大名やその妻らを大勢招いた豪勢な宴である。秀吉が歌を詠み、列席者らはこぞって天下人をたたえる歌を披露した。
招待客のブログ探しに疲れ、きのうの夕方、「桜を見る会」が毎年開かれてきた新宿御苑を訪ねた。会ではお酒が提供されるのだが、園内には酒類の持ち込みを禁止する掲示があった。一般の入園者には禁じておきながら、ずいぶん都合のよい話である。

 天声人語より
共産党とはそんなあらさがしばかりしている政党なのか。いままでしらなかったたなーーーー。
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コンビニの時短は?
24時間が曲がり角に。
夜11時まで「開いててよかった」の時代に戻るのね。

天声人語より
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成長戦略という亡霊
経済成長を目指す政策を批判する人はいないからどの政権も「成長戦略」をうたう。とはいえ政治は結果責任。実際に成長が実現できなければ詐欺と同じだ。
自民党政権は十数回成長戦略を作ったが全部失敗した、と批判したのは菅直人元首相だが、自ら策定した「新成長戦略」もまた同じ民主党の野田佳彦前首相から「9割が成果なし」と言われる失敗に終わった。この20年、誰が政権を取ってもこの国で「成長戦略」が奏功した試しなどなかったのだ。
この間、政府の成長戦略を主導してきたのは他ならぬ「経産官僚」諸兄だ。「脱官僚」をうたった民主党政権下でもシナリオを書いたのは彼らだった。経済産業省の使命は「国富の増大」。とすればこの20年、彼らはその使命を一度も果たしていない。
現政権はそんな経産官僚たちを「官邸官僚」として重用している。アベノミクスの演出者もま彼らだ。果せるかな、三本の矢、一億総活躍、働き方改革、どれ一つ奏功したという話は聞かないし、誰かが責任を取ったという話も聞かない。
彼らから「自分たちの政策・経済思想の基本が間違っていたのでは」という真摯な反省の声は聞こえてこない。そもそも成長戦略の名宛て人は産業界のはず。
1人当たりで見れば他国と遜色のない日本経済の生産性・成長力を生かせない企業経営者に身を切る自己改革・行動変容を求めずに現状変革ができるはずがない。
入り口で間違えれば最後まで間違える。立ち回りとプレゼン上手だけで政策が実現できれば苦労はしない。

 経済気象台より----呉田
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ヤフーとLINE経営統合
両社は通信やネット通販、金融など幅広いサービスを行う。
統合が実現すればネットサービスの多くが新会社で完結でき、巨大なフラットフォーマ企業が誕生する。

紙面より
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「日本の人たちは主食が米からタピオカに代わったの?」。先月、取材で訪れた台湾でふいに尋ねられた。
台湾が本場のタピオカ入りミルクティーがなぜここまで日本で流行しているのかと。
南部にある「豊誠冷凍食品」の工場を訪れた。タピオカを日本に輸出するため24時間態勢を敷く。経営者の蒋金花さんは「設備を増やしても追いつかない。人生で一番忙しい」とうれしい悲鳴をあげる。
あの黒い粒はキャッサバというイモのでんぷんからできている。意外だったのは、原料がほとんどタイから輸入されていることだ。ひんやりした工場内では黒い粒々が製造レーンの上を跳びはねていく。次々と日本語書きの袋に詰められていった。
台湾ではタピオカは、甘未として長く親しまれてきた。60代の女性は「小さい頃から鍋で煮込んで食べた」と話す。ミルクティーに入れて販売され始めたのは1980年代半ば。暑いときだけではなく、肌寒い季節もホットで楽しむ。日常生活に根付いているようだ゜。
同志社女子大で食文化を研究する長友麻季子さんによると、日本のタピオカ史も古い。明治半ばには高級な食材として知られ、大正時代の料理の本に紹介された。戦中は前線の兵士が米の代わりに空腹をいやした。戦後も食品の加工に使われてきたという。
江戸後期の蘭学者、高野長英ぱ「答必膃加」の字を当てて医薬書を翻訳した。一過性の流行かと思っていたが、調べてみれば私たちの生活のそばにずっとあったと知る。

 天声人語より
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絶滅危惧種
チョウから無言の警告が届く。
国蝶とされるオオムラサキなど身近な種の4割が絶滅危惧種に。
<閉ぢし翅しづかにひらき蝶死にき> 篠原梵

素粒子より
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北陸など雪国の人々はこの季節、枝にモズが刺した「はやにえ」を見て冬の雪を占う。
獲物の位置が高ければ豪雪、低ければ小雪。モズに気象予報の力があるのかはさておき、その習性は古くから人の目をとらえてきた。
四肢の硬直したカエルは磔刑を思わせる。有刺鉄線で干からびたバッタの姿は痛ましい。「モズの胴刺し」「串刺し」「日干し」。地域によってさまざまな呼び習わされてきた。
従来、早煮絵は獲物の少ない真冬に備える保存食と考えられてきた。この定説に挑んだのは大阪市立大特任講師の西田有佑さんら。大阪府南部の山里を自転車でめぐり、はやにえの数や食べられ方を調べた。
縄張りごとにオスの鳴き声を録り、声紋を解析した。「はやにえを数多く食べたオスは、栄養状態がよく、さえずりの速度が上がっていました」。軽快な鳴き声のオスほど、早い時期に高い確率でメスとつがいをなしていたという。
探し出したはやにえ計2099個。特に食べ残しもみられるが゜、繁殖の季節に優位に立つための努力でもあった。保存食説をより精緻化した新理論として、この5月、動物行動学の国際専門誌に掲載避けれた。
採集した鳴き声を聴き比べてみる。人気のオスは「ヒ「ュルピュル、チュルルルルルー」。そうでないオスは「ピーピー、チュルチュルル」。たしかに間延びして聞こえる。はやにえを見れば惨酷な鳥という印象しか浮かばないが、モズの世界も生存競争はなかなかに厳しいようである。

 天声人語より
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桜を見る会の?
いかにもありそうな、さもしい話。
首相の後援会員が大挙出席!?
「首相動静」には6年前から毎年、前夜にホテル宴会場で講演会と懇親との記載あり。

素粒子より
内閣は調査しないと、国民を馬鹿にしている。
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ベルリンの壁が崩壊したと直後に、評論家の加藤周一が書いていた。
壁は人の往来を遮り、乗り越えようとすれば射殺もあり得た。しかし、そんな時でさえ「西から東へ壁を自由に超えていたものが一つある」テレビの電波で゜ある。
規制しきれないテレビ放送は西側の豊かさの憧れを醸成したのだろう。加えて加藤は西側資本がすでに東ドイツに流れ込んでいたとも指摘する。情報とカネの二つは壁が崩れるのを先取りするように動いていた。
あの崩壊から9日で30年になる。壁をたたき壊す映像が流れ、やがてソ連崩壊につながった。「冷戦が終わり平和になる」「自由と民主主義が広がる」という陶酔感が確かにあった。しかしいま世界を見渡すと、むなしさすら覚えてしまう。
社会主義崩壊後のグローバル化のなか、情報とカネは縦横に動き回った。SNSは当初、皆の声を伝え民主主義を育てると期待された。それが今や、ときに人々を分断する。閉鎖的な環境のなか、特定の考え方が増幅する「エコーチェンバー現象」との言葉もある。
グローバル経済は世界の垣根を低くするかに見えた。しかし流れに置き去りにされたと感じる人てたちの間に、逆にナショナリズムが高まった。それを栄養分にして、自国第一の政治家がはびこる。
「残酷な構築物」。西ドイツ大統領だったワイツゼッカーはベルリンの壁をそう表現した。いつかは無克服せねばならないものだったと。心のなかにある分断や排外も同じであろう。

 天声人語より
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体の「老化」と心の「老い」は別物
男女とも平均寿命は80歳を超えました。高齢化社会で問題になるのが、「平均寿命」と「自分で自分のことができる健康寿命」との差です。男性ではほぼ9年、女性では13年近く介護を受けたり、あるいは寝たきりで過ごしたりしています。この期間をいかに短くするかが、医療従事者の課題です。
一概に「老い」といっても、生物学的な「老化」と、人間的な「老い」は別物です。人間として抗しきれない老化の中で、いかに生命の意味を見いだしていくか。「土の器」とも例えられるもろい人間の身体は、ひび割れたり壊れたりもします。それでも私たちは与えられた時間の中で、その器に何を入れていくか、模索し続けるのです。
もし社会が老人を疎んじ、ポンコツ車のように見下すなら、それは真の文明社会とはいえません。必要なのは、社会がもっと交わりの中に高齢者を入れ、温かい心で包み込み、高齢者に「役割」を与えることです。私が日ごろから平和の重要性を語るのは、高齢者が居場所を得て輝くためには、社会がまず、平和であることが前提となるからです。
若い世代を含め、一人ひとりが参与しなければ、本当の健康社会は日本に実現されない。

 私の証あるがまゝ行く----日野原先生
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情報技術を使う企業は何であれ持てはやされる。
そんな空気のなかITバブルが世界的に起き、崩壊したのが2000年のころである。思い出すのは当時の冗談だ。「会社をつくったが、成功するにはどうしたらいい?」「簡単だ。社名の後ろにドットコムをつければいい」。
何しろ携帯電話機を販売するだけの会社が、先端企業扱いされた時代である。かつてのITのように、神通力を持つようなことばが今あるとすれば「シェアリングエコノミー」か。
所有するのでなく誰かと共有する。そこに着目したビジネスが生まれている。旅行者に部屋を貸すのを仲介するエアビーアンドビーなどが走りだ。世界でシェアオフィスを手がけるウィーワークも、そんな流れの中にある。
オフィスを共有し、人脈も築けることを売りにしたが、思うように伸びなかった。経営不振が日本で大きなニュースになったのは、ソフトバンクグループか゜巨額の投資をしていたからだ。15年ぶりの赤字決算につながった。
孫正義会長兼社長は今回の投資について「良い点を見過ぎていた」と述べた。数々の投資を成功させてきた孫氏にも目の曇りがうったか。めったに現れない優れた新興企業のことを米国では「ユニコーン」と呼んでおり、ウィー社もその一つだった。
携帯電話事業の印象が強いソフトバンクだが、巨大投資会社の顔も併せ持つ。今回の件は弘法も筆の誤り、なのだろうか。弘法としての力量が落ちていないといいのだが。

 天声人語より
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理想的な健康長寿の姿、それに近づくための心の持ち方
まず「健康」という言葉そのものについて考えます。「健」の字には、建物の「健」が含まれます。地震で倒れない、しっかりした建物を建てるように、「人間の体を健やかに保つにも、強い土台が必要だ」と解釈できそうです。
次に「康」というと、260年続いた江戸幕府の礎を築いた、徳川家康の名が思い浮かびます。「啼くまで待とうホトトギス」と詠んだ、という逸話があるほど、家康は気長で心に余裕のある人物だったと言われています。漢和辞典を調べると、康には「すこやか」「やすらか」といった意味があるようです。健やかに、安らかに。気長に、余裕を持って。そんな心の持ち方が長生きのコツでしょうか。「人生50年」と言われた時代、家康は70年以上、生きたことが分かっています。
では、長生きしたら、毎日をどう楽しむか。「今までやったことがないことをやってみる」。それに尽きます。挑戦するかしないか、迷う前に、「新しいことに挑戦する毎日」を習慣化してしまえばいいのです。

 あるがまゝ行くより---日野原重明
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宮沢賢治が菜食主義になったのは、動物の命をだいじにする気持ちからだ。
童話「ビジテリアン大祭」のなかで、その精神を「同情派」として説明している。「よくよく喰べられる方になって考えて見ると、とてもかあいそうで----」。
賢治によると菜食主義の精神のもう一つ、「予防派」というのがある。病気予防になると考え、動物性たんぱく質を取らない人たちで、いわる健康志向か。さて現代では、三つ目の精神を付け加えるべきかもしれない。「環境派」である。
植物で作る「代替肉」なるものが、米国で広がっているという。5月にはハンバーガー用の代替肉パテを作るビヨンドミート社が上場し、高い株価をつけた。人気の理由にあげられるのが環境問題、なかでも地球温暖化だ。
米有力紙によると、人間が生み出す温室効果ガスの14%が家畜に関係しているとの分析がある。牧畜のため森が切り開かれ、牛がげっぷを出すことなどが影響している。国民食ともいえるハンバーガーに焦点が当たるゆえんである。
トランプ大統領は先日、パリ協定から離脱すると国連に通告した。しかし米国の最近の世論調査では離脱決定への反対が約6割を占めており、温暖化への強い懸念をうかがわせる。代替肉への注目は、そんな世論を反映しているのだろう。
日本でも代替肉の新商品が出始めている。生命倫理から地球環境まで、色々と考えながら味わってみるのもいいかもしれない。

 天声人語より
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歌人の故・河野裕子さんの晩年は、乳がんとの闘いだった。
64歳で亡くなる直前まで家族の歌を詠み続けた。<お母さんと言はなくなりし息子にお母さんはねえとこの頃く言ふ>。病床での会話だろうか。書く力すらなくなると、夫や子供たちが口述筆記をした。
体を病んでいても健やかな歌を作りたいと、最晩年のエッセーに書いている。「病気をしていても健やかであり続けることは、大きな広い場につづく道があることを約束している」。そんな予感がしきりにするのだと。
小林麻央さんのブログも、闘病のつらさをつづりながら明るさを失わなかった。20日には搾ったオレンジジュースを毎日飲んでいると書き、こう加えた。「皆様にも、今日笑顔になれることがありますように」。それが最後の記述になり、34歳で旅立った。
「与えられた時間を、病気の色だけに支配されることは、やめました」。昨年、英BBC放送にそう寄稿しました。家族を愛し、家族から愛される日々を大切にする。ブログでは200万を超える読者とつながった。
日本の女性の11人に1人がかかると言われる乳がんは、だれにとっても遠い存在ではない。そして、がんに限らず「病と生きる人生」はいつでも訪れる。そのときも自分を失わず、強くやわらかくり続ける。心の構え方を小林さんから教えられた気がする。
訃報の後、ブログによせられた数多くのコメントのなかに「ゆっくりやすんでください」の言葉があった。それを静かに、口にする。

 天声人語より
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英国の博物館で、奴隷貿易にかかわる展示にどきりとしたことがある。病気になった黒人奴隷を船から海に投げ捨てる。
そんな絵だと覚えている。17~18世紀の三角貿易で、英国の船はアフリカ大陸からの奴隷を新大陸などに運んでいた。
奴隷たちは船中にぎっしりと詰め込まれ、自由に動くこともできない。途中で病にかかり、命を失う例も少なくなかった。人間がモノのように運ばれ、ときに死んでいく。悲しいことに、似たような事態は現代でも起きている。
ロンドン郊外でトラックのコンテナから39人の遺体が見つかってから2週間になる。英メディアを見ると背景が少しずつ分かってきた。犠牲者の多くはベトナム人で、仕事を求めての密入国だったようだ。
亡くなった1人とみられる20代の女性は、携帯電話で母親にメッセージを送っていた。「ごめんなさい、お母さん。私の渡航は失敗です。お母さん、愛しています。息ができなくて死にそうです」。送信時間は、遺体が発見される4時間ほど前だった。
事件は氷山の一角に違いない。4日にはギリシアで、トラックの荷台から男性41人が見つかった。アフガニスタン人と見られ、一部は病院に運ばれたという。国際経済の裏に、密入国の深い闇がある。
犠牲になったとみられるベトナム人の多くは、同じ地区の出身という。借金までして多額のお金を仲介業者に払った例が報じられる。無理をしてでも、じぶんや家族が少しでも豊かになることを望んでいたのだろう。

 天声人語より
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デジタル進出
「嵐」のデジタル進出に、30年前の「ベルリンの壁」崩壊を思う。
ネット配信全盛の世界、なおCD主流の日本の音楽市場を一気に変えるか。

素粒子より
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先日、小さな映画館の廊下でのこと。上映が始まるまで待つ人たちがいて、その5、6人すべてが本に目を落としていた。
スマホではなく、紙の本に。何だか懐かしい光景だなと思いながら、しばし見とれた。
「本を読んでいる人を眺めるのが好きだ」。作家の小川洋子さんがエッセーに書いていた。自分が読むのと同じくらい好きで、喫茶店や駅で本を手にした人がいると、必ず視線を送るという。
例えばカポーティの『冷血』を読む男子高校生を見つめて、思いをこう巡らす。「少年の面影を残しているけれど、本の選択はなかなかにハードだ」「彼は今、自分の中に潜む理由のない暴力と向き合っている---」。
読む楽しさを知る人を見るだけで楽しくなる。本好きなら共感できるか。きのう東京・新保町の古本市を物色した。あの本いいな、と思っていたら隣の人がさっと買ってしまった。「やられた」と思う半面、「そうですよね」とほほえみたくもなる。
本をめぐる環境の厳しさは生半可ではない。書店の数はここ20年で半分近くまで減ったらしい。一方で品ぞろえや店構えを工夫し、頑張る店もある。選ぶ楽しさ、読む楽しさを守ろうとする動きがある。
古本市で評論家の浅田彰さんの著書を買った。これまで読んだ本のことを「頭の中のカード」に例えていた。思わぬときにヒョイと出てくるカード。迷った時、心をほぐしたい時に役立つものは男毎あってもいい。9日まで読書週間。

 天声人語より
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大臣とは
令和初の内閣改造で「次はあな番」と。
いきなりの免許返納で「ONE TEAM」に泥を塗ったけど。
一笑に一度の大臣になれたし、後悔などあろうはずがありません。

素粒子より
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できることなら、失踪してしまいたい。このコラムの執筆に行き詰まり、そう思ったのは1度や2度ではない。
あの異才の気持ちがわかるというのは、おこがましいか。ギャグ漫画家の吾妻ひでおさんは連載を放り出し、2度ほど失踪している。
その体験を漫画にしたのが『失踪日記』だ。林のなかでシートにくるまって眠り、ごみをあさって食べ物を探す暮らし。空き瓶にわずかに残る酒を集め、カクテルにして飲む。
文字にすると悲惨だが、漫画は楽しげですらある。「笑いは現実のつらさを一瞬でも忘れさせてくれるんで、自分にとっては唯一の救いみたいなもの」と本人が語っていた。アルコール依存症に苦しんだことも作品にした。
吾妻さんが先月、69歳の生涯を閉じた。1970年代、ギャグ漫画にSFや不条理、エロチシズムを持ち込んだ作風は、いま思うと実験的だった。筆者も含め、ほのぼのとしたギャグに飽きたらない少年の心をつかんだ。おたく文化の源流ともいわれる。
SFギャグ『パラレル狂室』を久しぶりに開き、先見性に驚いた。テレビが突然、思考力を持つ話がある。「いつもだれかに見られていたい。それがよろこびなんだ」としゃべりだし、見たいものを何でも見せようとする。その代わり部屋に閉じ込められた主人公は、発狂してしまう。
現代のネット社会に通じるような話を約40年前に描いている。空想には力がある。妄想には面白さがある。吾妻さんの作品たちが、そう語っている気がする。

 天声人語より
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アメリカ軍の話
精鋭部隊のはずが、でたらめな態度で操縦される米戦闘機が上空を飛ぶことの恐怖。

素粒子より
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霞が関の官僚と話していて思うのは、彼らにとっていい大臣とはまず、のみ込みがいい人である。
長々と説明しなくとも、政策の本質をつかんでくれる。羽生田光一文部科学相もある意味、のみ込みのいい部類だろう。
大学入試共通テストに英語の民間試験を使う。その制度がはらむ問題点まで理解し、言葉にしてしまった。裕福な家庭の子が腕試しできることを認めつつ「自分の身の丈に合わせて、頑張ってもらえば」と述べた。
身もふたもない言い方に「教育格差を認めるのか」との声が起きたのは当然だ。ただでさえ新制度が混乱気味だったこともあり、延期に追い込まれた。しかし彼の感覚は果たして少数派だろうか。
朝日新聞とベネッセが、昨年まとめた意識調査がある。全国の公立小中学校の保護者に「所得の多い家庭の子どものほうが、よりよい教育を受けられる傾向をどう思うか」と尋ねたところ、6割超が「当然だ」「やむをえない」と答えた。
教育に格差があるのはしかたがない、そんな社会の気分を羽生田氏はグロテスクに示しただけかもしれない。「それを言ったら『あいつ予備校通っていてずるいよな』というのと同じ」も彼の言葉である。ゲタをはける人ははいて当然との発想か。民間試験はそのゲタをさらに高くするものだった。
すでにある格差を縮めるために何をすべきか。せめて議論のきっかけにしなければ、現場に混乱をもたらした罪しか残らない。この大臣、この内閣にはないものねだりだろうか。

 天声人語より
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秋刀魚取れだした
11月に入り、98円の秋刀魚に再会。
冬刀魚に改名します?

素粒子より
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抜けるような空の青と、守礼門の朱色の先に、黒々と焼けた屋根がみえる。痛々しい姿の首里城北殿である。
1日那覇市を訪ねた。気温27度、汗をぬぐいつつ門をくぐる。
坂道の先、観光客が集まっていたのは、世界遺産の「園比屋武御嶽石門」だ。琉球の王が外出する際、道中の安全をここで祈ったと伝えられる。人々はここから見える城の焼失部分にカメラを向けていた。
琉球統一されてから450年間、首里城は代々の王の居城だった。中国の皇帝使節団も米国のペリー提督もここを訪れた。明治政府は城を明け渡すように迫り、先の大戦では米軍が容赦なく砲撃を浴びせた。復元され、公園となったのは1992年のことだ。
1日沖縄タイムスが始めた連載に、作家又吉栄喜さんの論考があった。首里高校のころの思い出に触れ、首里育ちの母の言葉をひく。「周辺に住んでいる人たちは誇りが胸にあり、庭や家の前の道を清掃する前に身だしなみを整える」。居ずまいをただして仰ぐ存在であることがよくわかる。
初代の沖縄県立博物館長だった故島袋源一郎さんの『琉球百話』は、戦前の首里城をこう描写する。「閑静優雅な景観は、夢か幻か絵か恍惚我を忘れしむるものがあり、凡そ如何なる霊筆と雖も描くことは出来ぬ」。おとぎ話の竜宮城は琉球城ではないかと論じた。
城の焼失は15世紀以来、今回で5度目と聞く。屈折はあっても、そのたび復元されてきた。琉球史を体現するあの威容を再び仰ぐ日を待ちたい。

 天声人語より
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歌人の故・河野裕子さんの晩年は、乳がんとの闘いだった。
64歳で亡くなる直前まで家族の歌を詠み続けた。<お母さんと言はなくなりし息子にお母さんはねえとこの頃く言ふ>。病床での会話だろうか。書く力すらなくなると、夫や子供たちが口述筆記をした。
体を病んでいても健やかな歌を作りたいと、最晩年のエッセーに書いている。「病気をしていても健やかであり続けることは、大きな広い場につづく道があることを約束している」。そんな予感がしきりにするのだと。
小林麻央さんのブログも、闘病のつらさをつづりながら明るさを失わなかった。20日には搾ったオレンジジュースを毎日飲んでいると書き、こう加えた。「皆様にも、今日笑顔になれることがありますように」。それが最後の記述になり、34歳で旅立った。
「与えられた時間を、病気の色だけに支配されることは、やめました」。昨年、英BBC放送にそう寄稿しました。家族を愛し、家族から愛される日々を大切にする。ブログでは200万を超える読者とつながった。
日本の女性の11人に1人がかかると言われる乳がんは、だれにとっても遠い存在ではない。そして、がんに限らず「病と生きる人生」はいつでも訪れる。そのときも自分を失わず、強くやわらかくり続ける。心の構え方を小林さんから教えられた気がする。
訃報の後、ブログによせられた数多くのコメントのなかに「ゆっくりやすんでください」の言葉があった。それを静かに、口にする。

 天声人語より
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「個別の事案についてはお答えを差し控えます」「法と証拠に元づいて適切にやっております」。
民主党政権下の2010年、この二つの答弁で法相は務まる、と述べて大臣の座を追われたのは柳田稔氏である。
衆院法務委員会でこの問題を取り上げたのが、当時野党議員だった自民の河井克行氏。「あなた自身が法務大臣としての職を汚している」と舌鋒鋭く追及。柳田氏の辞任はその翌週だった。
因果はめぐり、その河井氏がきのう法相辞任に追い込まれた。今夏の参院選で初当選した妻が、公職選挙法の上限を超す報酬を運動員に支払ったという疑惑が浮上。それを報じた終刊文春が発売された当日朝、辞表を出す結果に。
県議に初当選する前年、26歳の河井氏が本紙に寄せた論考が手もとにある。「公選法は規制が多すぎて、有権者と政治家を遠ざけている」。政治の現状を憂え、改革を急げと訴える。当選7回、青雲の志は失われたのだろうか。
「任命したのは私。責任を痛感しています」。安倍晋三首相は神妙な表情で「任命責任」を口にし、足早に取材陣の前を去った。古くは竹下登首相が閣僚辞任の続いた政権後半、この論法を頻用している。「任命責任は自分にある」と言うばかりで、引責の具体的な行動は何も示さずに幕をひく。
「任命責任」。かえすがえすも珍妙な言葉である。安倍首相は第2次政権下の10度の閣僚辞任で毎回のように使った。首相にとっては窮地をしのぐ決め球か、あるいは免罪符のつもりか。

 天声人語より
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大豆は乳がんのリスクを下げる
大豆には女性ホルモンのエストロゲンと似た構造を持つ植物性エストロゲン
の「大豆イソフラボン」が含まれることはよく知られている。乳がんの発症
には体内のエストロゲンが関係していると言われ、イソフラボンはこのエス
トロゲンが作用するのを抑えると期待されている。
厚労省の研究班によると40~59歳の女性2万1852人を対象に、大豆製品を食
べる量と乳がんの発生率を追跡調査した。みそ汁を飲む量が1日1杯以下の人
が乳がんになるリスクを1とすると、3杯以上飲む人の危険性は4割低かった。
大豆製品から換算した大豆イソフラボンの摂取量を比べても、摂取量が多い
人ほど乳がんの発生率は低かった。
一方、食品安全委員会が06年、大豆イソフラボンの過剰摂取はホルモンバラ
ンスを崩す恐れがあるとして、特定保健用食品として1日に取る量を「30㍉
グラムまで」とした。
栄養補助食品でイソフラボンだけを大量に取るのは勧められないが、大豆製
品を日常的に食べることは問題ない。

 食の健康学より----宮島裕美
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東京・池袋の繁華街にある中華料理店「新珍味」は半世紀を超える歴史を持つ。先月、創業者の訃報記事が載った。
史明さん、100歳。肩書は「台湾独立運動家」とあった。
経歴がすざましい。留学した早稲田大学で社会主義に心酔し、日中戦争と国共内戦では大陸でスパイやゲリラとして奔走。台湾に戻ると国民党の横暴を目の当たりにし、党を率いる蒋介石暗殺を計画。露見して1952年に日本へ亡命した。
自著『理想はいつだって煌めいて、敗北はどこか懐かしい』によれば、亡命直後にギョーザ屋台を始める。日々、生地をのばしながら「革命!革命!」と叫んで自らを鼓舞。池袋に構えた店を拠点に独立運動を組織し、客には武者小路実篤ら文化人もいた。
過去の本紙をめくると、70代で台湾に戻った史氏は、独立派から「永遠の革命家」と慕われる。蔡英文総統とも親交があり、たびたび台湾の未来を語り合ったという。
現在の店長である金田豊さんを訪ねると、意外にも「史さんは政治の話はしませんでした」。トロトロの餡が特徴の名物ターローメンの味付けだけは「酢が足りない」などと指示された。死去が報じられると台湾人客が多く来店し、その人望に驚いた。
1階は10席もないカウンターで、革命家としての足跡をしのばせる物は何もない。生涯こだわった麺をすする。死の直前まで独立に熱を入れた人生さながら、たっぷりの酢とニンニクがきいた餡は最後の一口まであつあつだった。

 天声人語より
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背骨の圧迫骨折はビタミンDと運動で予防しよう
背中が丸くなり、身長が低くなった。背骨の一部が出っ張ってきたと感じたり、午後になると背中が痛んだりする。そんな症状のある人は、背骨がじわじわと潰れて変形する圧迫骨折を起こしているかもしれない。高齢者の場合、骨がスカスカになる骨粗しょう症が原因のことが多い。
背骨は、12個の腰椎と5個の腰椎という骨が連なってできている。胸椎や腰椎の高さが、どれか一つでも、元の高さより20%以上減っていると圧迫骨折と診断される。痛みがあるのは3分の1だけ。痛みがなく、気づかないまま潰れていることも多い。
起きやすいのは、胸椎と腰椎の境目付近。腰の少し上あたりだ。骨折すると、変形したまま固まってしまう。骨粗しょう症で骨が弱くなった高齢者だと、尻もちをつく程度の衝撃で起きることが多い。
骨粗しょう症は高齢の女性や早く閉経した人がなりやすい。閉経すると、骨を壊す細胞の働きを抑える女性ホルモンが減るためだ。たんぱく質やカルシウム、ビタミンDの付則や運動不足もリスクを高める。遺伝の影響もあり、母が骨粗しょう症だと娘もなりやすい。
最初の骨折を防ぎ、骨折の連鎖を断つには、薬による治療だけでなく、適切な栄養と日光浴、運動療法が不可欠。骨の健康維持に重要なのがビタミンD。多く含む青魚や干しシイタケを意識してとりたい。日光浴も効果的だ。紫外線が皮膚に当たるとビタミンDができる。日焼け止めを塗らずに夏は30分、冬は1時間が目安。サプリメントで補う選択肢もある。
1日8千歩を週3日以上歩くと骨密度が増える。転ばない体づくりも大切だ。流し台に両手をおき、肩幅に開いた足を曲げたり伸ばしたりする屈伸運動がお勧め。足の指をグーパーと動かして足の感覚を磨く運動や、バランスをよくする片足立ちの訓練もよい。予防策を続ければ結果は出るのであきらめないことが大切だ。

 体とこころの通信簿より-----辻外記子
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「新しい制度に不安」「増える金銭負担」。
全国高校新聞コンクールで入賞した北海道帯広柏葉高校の昨年7月の号から拾った言葉である。大学入試に英語の民間試験を使うことに各地の高校生が悩んでいる。
志望先の大学・学部によって判定に使われる試験がばらばら。会場は都市圏に集中し、地方の受験生は交通費や宿泊費がかさむ。受験料2万5千円超の試験もある。早い時期から回数をこなせば得点を伸ばしやすい。経済・地域格差を生むと懸念されるゆえんだ。
全国5200校の高校長が参加する協会からも、延期を求める声が上がっていた。「性とは不安を募らせている」「校長も説明に苦慮している」。文部科学省に出された要望書には切実な言葉が並ぶ。
そんな中、飛び出したのが羽生田光一文科相の「身の丈」発言である。格差への懸念に答えて、「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえば」。さすがに謝罪し、きのう撤回に追い込まれた。
発言を映像で見直してみる。「自分の志で1回や2回ふるさとから出て試験を受ける、そういう緊張感も大事だと思う」。腕組みをし、ピントの外れた「志」を語る。全国の受験生と先生方の悩みが理解できていないようだ。
先月、東京・霞が関の文科省の前で高校2年生がマイクを握った。「初年度の受験生はなぜ声をあげなかったんだと、いまの高1や中3、中2に言われたくありません」。就任直後の羽生田大臣が耳を傾けていれば、これほど深刻な失言はなかっただろう。

 天声人語より
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変更続き
あーあ、だから言わんこっちゃない。
英語民間試験も、東京五輪マラソンコースも。
受験や競技を仕切る大人たちの右往左往が許し難い。
もっと早く決めてあげなきゃ。

素粒子より
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映画やドラマ、舞台の世界に生きて70年余、八千草薫さんが亡くなった。
『源氏物語』『三四郎』「雪国』『放浪記』『細雪』『不毛地帯』。数多くの出演作を並べると、さながら文学史をたどるようである。
大阪市の出身。2歳で父と死別する。14歳だ゜った終戦1週間前の夏、空襲で自宅が焼け落ちるのを見た。大切にしていた人形が炎にまかれ、「まるで自分が焼けていくような気持でした」。のちに随想に帰した。
引っ込み思案で人見知り。それなのに俳優を志したのは、戦争中の殺伐とした暗鬱な世界とは違う「キラキラとした色のある世界に対する飢えがあったから」。あこがれの宝塚の門をたたく。
与えられた役は多種多彩。時代劇の姫君でも、夫を殺された妻でも、この人が演じると清楚なと芯の強さがにじんだ。鍛錬のたまものではあろうが、常にどこか天性の品のよさを感じさせた。
忙しい俳優業のかたわら、自然保護活にも力をそそぐ。環境庁から要請され、自然環境保全審議会の委員も務めた。映画監督だった夫の故・谷口千吉さんと内外の山に登り、自宅では犬や猫を愛した。「オオカミを飼うのがかなわぬ夢」などとしばしば語っている。
「あの役を演じたい、この作品に出たいという欲はまったくありません。俳優が自分に向いているかとずっと疑問でした」。今夏刊行した随想『まあまあふうふう」。』にそんな独白がある。無欲さがあの自然で無垢な演技を生んだような気がする。

 天声人語より
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