2019年09月の記事


オーストリアの政局
総選挙が行われ、中道右派・国民党が大差で勝利し、前政権で連立相手だった右翼・自由党は前党首の不祥事の影響で大きく後退。
環境問題への関心の高まりから、緑の党が躍進。

紙面より
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英語で「私は二つの帽子をかぶっている」といえば、二つの役割を担っているという意味になる。
米国では帽子は、自分がどういう人間かを示す小道具でもある。映画監督のマイケル・ムーア氏の野球帽からは労働者階級の心意気が伝わる。
カウボーイハットは牛を育てる人の誇りであろう。そんな帽子の男たちが、日米貿易協定をめぐる首脳会談の場に招かれていた。「日本の人々にとっては今日はすばらしい日だ。もっと米国の牛肉を買うことができるのだから」。
協定によれば牛肉にかかる38%の関税が段階的に9%まで下がる。トランプ大統領が「米国の農家や牧場にとって大きな勝利だ」と喜ぶのは分かる。しかし安倍首相が「両国にとってウィンウィン」と言ったのは釈然としない。
日本から輸出する乗用車の関税の撤廃は継続協議にとどまった。もしも自動車エンジニアたちが招かれても、こう言うしかないだろう。「米国の人々が日本の車をもっと安く買える。そんなすばらしい日がいつ来るのか、本当に分からない」。
車の話が煮詰まらないのに、なぜこんなに慌てて合意したのか。米中貿易摩擦で割を食っている農家の人気を取りたい、という米側の意向だと報じられる。大統領の選挙運動の手伝いを日本が担わされているとしか思えない。
車の関税撤廃どころか、追加関税をかけるぞと米側から脅されながらの交渉だった。「大喜びする」ことを英語で「帽子を空に投げる」という。トランプ氏はそんな気持ちだろうか。

 天声人語より
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口の健康維持。かむ力や飲み込む力を保つ。
最近、食べこぼしが増えたり、むせてしまったりするなどの症状はありませんか。加齢とともに口の機能が衰える「オーラルフレイル」の兆候を早めに発見し、対処することが大切です。
「フレイル」とは「虚弱」を意味する英語が語源で、高齢になって筋力や心身の活力が衰えた状態を指す。「オーラルフレイル」は、口の機能の衰えが、食欲の低下や栄養状態の悪化をもたらすという懸念で、近年注目されている。
口の健康を維持するためには、歯の本数だけでなく、かむ力や飲み込む力、舌の力を保つことも欠かせない。「硬いものがかめないと、やわらかいものばかり食べて、かむ機能が低下するという悪循環に陥る。放っておくと、誤って食べ物などが気管に入る誤嚥を招きかねない」と指摘する。
例えば、さきイカやたくあんなどの硬い食べ物がためない場合、かむ力や口の筋力が弱まつている可能性がある。お茶や知るものでむせることがあれば、飲み込む力が低下している恐れがある。これらの症状を予防するには、次のような体操が有効だ。
一つは、唾液の分泌を促す唾液腺マッサージ。奥歯の周囲の耳下腺、あごのエラの下にある顎下腺、あご裏の中央にある舌下腺を指で優しく刺激する。「唾液が出ることで、食べ物が飲み込みやすくなる」。もう一つは「パタカラ体操」。「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」「パタカラ、パタカラ、パタカラ」と大きな声で繰り返す。パは唇、タは舌の先端を使うといったように、口の周囲の筋力を向上させることができる。
「普段の食事でたくあんやにんじんなど、かむと音のする物を一品入れるだけでも効果がある」という。今年4月から、口腔機能の低下が疑われる65歳以上を対象に、かむ力の検査などが保険適用になった。「かかりつけ医をもって、定期的に歯科検診することも大切」

 続・元気のひけつより------佐藤建仁
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「動物裁判」という奇妙な習慣が、中世の欧州にあった。人を殺傷した動物を裁判にかけ、死刑などに処する。
人間の法制度を他の生き物にあてはようとする当時の社会観は、興味深いものがある。そんな裁判に多く連れて来られたのがブタたちだった。
家畜ではあるが、性質はまだイノシシに近かったようだ。獰猛で牙もあり、子どもが攻撃されて命を落とす例が後を絶たなかった。人間は長い時間をかけて飼いならし、今のようなブタにしてきた。
ブタとイノシシは、見た目よりずっと近い存在である。そう実感させられたのが、豚コレラの拡大だった。感染した野生のイノシシが動き回り養豚場にウイルスを運んでいたとみられる。防護柵で囲おうとするが追いつかない。
それでも農林水産省がブタにワクチンを接種するのを渋ってきたのは、国際ルールにより輸出制限をかけられるのを恐れたからだ。感染が東海から関東に及んだことで、そうも言っていられなくなり、接種を認めると発表した。
国がとりまとめ役とはいえ、対策の主役はあくまで都道府県である。ある県はワクチンに熱心で、隣県はそうでもない、などと足並みに乱れが出なければいいが。「猪突猛進」の動物たちには、県境など関係ないのだ。
中国では別種の豚コレラが猛威をふるい、豚肉が高騰しているという。とんかつやショウガ焼きを口にできることのありがたさを改めて思う。感染が一日も早く食い止められんことを。

 天声人語より
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快眠のコツ 適切な睡眠は6~7時間。統べての人に勧めしたいのは昼寝。
春眠暁を覚えず、という漢詩があるように、眠りを誘う季節です。しかし、布団に入ってもなかなか寝付けないという相談は、この季節も多く寄せられます。適切な睡眠時間を知って、気持ちよく寝てすっきり目覚めましょう。
 私たちは眠ることで疲労を回復させ、心身のメンテナンスをします。日中、疲れや眠気を感じず過ごせるようなら、李相の睡眠がとれているといえる。
現役時代に十分な睡眠がとれなかったから時間ができた今はゆっくり眠りたい。結果、寝床にいる時間が長すぎて、睡眠の質が悪くなる。これがシニア世代の落とし穴になります。寝付きが悪かったり、夜中に何度も目覚めたりする人は睡眠時間を圧縮することで、改善されることが多々あります。目安は6、7時間。実際に眠っている時間+30分を心がけましょう。
 凡ての人にお勧めしたいのが昼寝です。午後を元気に過ごせて活動量が揚がるからです。ポイントは時間の長さとタイミング。正午~午後3時の間に30分までの仮眠をとれば、深い眠りに入る前に目覚めるため、すっきりします。
 ソファに座って目を閉じるだけでも、効果を期待できます。衣服の締め付けをゆるめ、上半身を少し起こした姿勢で足を伸ばすとリラックスできる。

 きょうもキレイより------三橋美穂
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彼岸花ほど、各地でさまざまな呼び名がある花も珍しい、
すっとした立ち姿、鮮やかな赤い色が、土地により人により、多様な連想を呼び起こしたのだろう。キツネノタイマツの名は、松明のように周りを明るくする感じが伝わってくる。
オイランバナは、その艶やかさゆえに名付けられたか。妖艶というよ妖気だと思うなら、ユウレイバナと呼びたくなるのも分からないでもない。手元の資料によると、地方ごとの名前は数百とも千に及ぶともいわれている。
そう言えばあの姿、今年はまだ目にしていないなあと、思った方もいるのではないか。気象庁が観測している全国18カ所のうち、14カ所で平年よりも開花が遅れているという。彼岸花が、お彼岸に間に合わないところも出てくるか。
ひどい残暑が、花や生き物たちのスケジュールを狂わせているのかもしれない。同じく気象庁の観測では、赤トンボの現れるのも平年より遅れ気味だという。関東の紅葉がずれ込みそうだという民間の予想も出ている。
きのうの都心でも、上着を身につけている人は少なく、Тシャツ姿も目立っていた。暦のうえでは夏から秋へと交代する時期が「白露」で、今年は9月8日だった。現実との距離は広がるばかりである。いっそ日本の9月は夏、としたほうがいいような気すらしてくる。
それでも日の暮れるのだけは、確実に早くなっている。晩秋の季語である「夜寒」を感じるのはまだ先であろう。長い夜をとう楽しむか、思いを巡らせたい。

 天声人語より
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総務省、また高市氏が問題を
誰のためのNHKか。
日本郵政の抗議に屈し、かんぽ不正の報道に経営委が介入。
放送の自主自律を置き去りに。

素粒子より
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中国のSF小説が人気だとの記事を読み、何冊か手に取ってみた。
世界的なベストセラーの『三体』は評判通り面白さだったが、ハオ景芳さんの短編にも味があった。その一つ『弦の調べ』は宇宙から来た鉄鋼人に侵略される話だ。
彼らは人間に服従を求めるが、滅ぼそうとはしない。それどころか人々は従順でいる限り、かつてと同じ程度に自由に暮らせる。読んでいて鉄鋼人が共産党とだぶってくる。
政治を批判しない限り、それなりに自由なのが現代中国である。「みんなが受け入れ、運命だとあきらめているのに、どうしてわざわざしなくてもいいことをする必要があるのかと思うこともある」。鉄鋼人に抵抗を試みる人の言葉は、民主派の苦悩にも聞こえる。
『北京 折りたたみの都市』が描くのは、貧富の差により空間が三つに分けられた未来の首都だ。人々は時間を区切って地表で生活し、貧しい労働者層は夜間から早朝の短時間しか外に出られない。作者によると、機械化が労働者を隅に追いやることへの警告だという。
中国でSFは、科学知識の普及という役割を担わされてきた歴史がある。それがいま、社会や科学の暗い面もあぶり出す、言論の自由のない国たけに、役割は小さくない。
それにしても気になるのは現実の中国社会のSF化である。監視カメラが行き渡り、信号無視した人の顔写真が街頭スクリーンに映し出されるまでになっている。SFが不要になってしまいそうで不気味だ。

 天声人語より
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日米貿易交渉決着
輸入の牛・豚は関税引き下げ。
輸出の車は先送り。
先送りされたことで日本にとっては不安が消えない内容だ。

 紙面より
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ケストナーの絵本『どうぶつ会議』に出てくるゾウやキリンたちは、可愛くも毅然としている。
国際会議を重ねても平和を実現できない人間たちに対抗して、世界中から集まってくる。このままでは人間の子どもたちが戦争に巻き込まれ、あわれだからと。
「平和のために国境をなくせ」と各国政府に要求するが聞き入られず、ついに非常手段に出る。世界の子どもたちをすべて連れ去り、ほら穴などに隠してしまうのだ。一種の人質である。
冷戦初期に書かれた寓話だが、現代であれば動物たちは、戦争と並んで気候変動を語ったかもしれない。子どもの未来を奪うものに他ならないと。いま寓話ではなく現実に若い世代が動き出している。地球温暖化の対策を急げと、政府に求める行動である。
スウェーデンの高校生グレタ・トゥンベリさんが1人で座り込みをしたのが最初の一歩だった。共感が広がり、「未来のための金曜日」として学校ボイコットが世界で起きた。先週金曜日は、国連気候行動サミットを前に各地で一斉デモがあった。
グレタさんの発言はときに、すべての大人に向けられる。「大人たちには、私たちが日々恐れていることを感じてほしい。そして行動してほしいのです」。
人間の無責任さを示す言葉に「我が亡き後に洪水よ来たれ」がある。年が長じるほど、問題が複雑になるほど、そんな発想が忍び込む危険がある。あなたはできることをさぼっていないか。「金曜日」の若者たちから問われている気がする。

 天声人語より
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トランプ氏弾劾へ
バイデン前副大統領の息子に関する疑惑を調べるようウクライナ政府に圧力をかけたとされる問題で、野党・民主党のペロシ下院議長は、連邦議会で会見し、トランプ氏の行為が弾劾にあたるかどうか正式に調査を始めると発表した。

 紙面より
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周囲に振り回されず前向きに行動できる「鈍感力」は、単なる鈍感とは違う。
ベストセラー『鈍感力』の文庫版で、作家の渡辺淳一が書いている。例えば問題を起こしても平然としている政治家。「いうまでもなく、こうした無神経な鈍感は男は、単なる鈍感でしかない」。
その定義によれば、彼らも単なる鈍感の部類か。東京電力の旧経営陣の3人である。原発事故をめぐって強制起訴された裁判で、安全に対する鈍さが目についた。
国の地震予測をもとにした15㍍以上の津波予測が、2008年の時点で東電内にはあった。防潮堤工事も提案されたが、すぐ手を打とうとはしなかった。あくまで仮定にもとづく試算だったからという。
ことが起きていない以上、すべては仮定のはずだが3人の認識は違うらしい。あるいは会社の利益を損なわないよう鈍感のふりをしたか。そんな無策ぶりが裁かれる判決が出るかと思いきや----全然違った。
3人が無罪になった理由は「事故前の法規制は、絶対的安全の確保を前提としてはいなかった」というものだ。当局も専門家も電力会社も、原子力業界全体が安全に鈍感だったので3人だけを責められない。そんな理屈で責任者を消してしまう手際は手品のようだ。
もっとも業界には敏感な人もいた。国の地震予測を考慮に入れ、津波対策をした電力事業者もあったと裁判で証言された。3人の責任を問う根拠になりそうなのに裁判では極めて軽く扱われている。裁判官に「敏感力」が欲しい。

 天声人語より
もし、貴方が社長だったら、事故以前の社会通念に照らし合わせて行動していたのではないでしょうか。それを会社に莫大な予算をかけさせて実行していたでしょうか。
事故後にああしていれば良かったというのは誰でもできることだ。あなたもその一人だ。
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国連サミット
「気候危機は子どもたちの権利の危機だ」。
次代を担う若者たちの怒りは、トランプ氏、安倍氏にいかに響くか。

 素粒子より
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長崎市在住の詩人藤川幸之助さんに「母の眼差し」という作品がある。
「母が昔のままそのままの 認知症もどこにもない顔で 私を産み育てた母そのものの眼差しで じっと私を見つめるときがある」。言葉ではなく目で母と対話する。
母キヨ子さんは60歳でアルツハイマー型の認知症と診断された。歩くこと、話すこと、食べることが徐々にできなくなる。小学校の教諭だった藤川さんは、認知症の進む母と末期がんだった妻を支えるため、教壇を去る。妻をみとった後、介護のかたわら、思いを詩につづるようになった。
「二時間もかかる母の食事に 苛立つ私を目尻に 母は静かに宙を見つめ ゆっくりと食事をする」。イライラや怒りも藤川さんは隠さない。「あなたは笑っていた 本当は泣きたかったのに 初めて紙おむつをはめた日」。
介護の日々はいつ終わるとも知れない。「息ができなくなって咳き込んだ 背中をたたきながら 私はこのまま母が死んでくれれば 母も私も楽になれるとふと思ってしまった」。胸にきざしたくらい感情もうたう。
7年前の秋、キヨ子さんは84歳で旅立った。「介護を通じ、逃げずに考え抜く習慣が身についた。生とは何か、死とは何なのか。母が最期まで私を育ててくれました」と話す。
詩集を読みつつ、自分が同じ立場に置かれたとき、はたしてやり通せるのかと心配になる。同時に、介護には多くの「気づき」もあると学んだ。21日は世界アルツハイマーデーである。

 天声人語より
 
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現実と幻想との境界で--千の風に、千の風になって 
私のお墓の前で
 泣かないでください
 そこに私はいません
 眠ってなんかいません
 千の風に
 千の風になって
 あの大きな空を
 吹きわたっています

幼友だちの妻ががんで死去、その追悼文集に掲載された詩だったという。
元は英語の詩だった。アイルランド共和軍のテロで死んだ青年が遺書のよ
うに両親に託していたことをBBCが放送した。
9.11テロの翌年の追悼集会で、11歳の少女が朗読した。
映画監督H・ホークスの葬儀で俳優のJ・ウェインが朗読した。
だが、いつ、誰がつくった詩かがわからない。

これらの出来事の少し前、がんで闘病生活をしていた先輩記者を励ます会
を催した。そこでこんな話をした記憶がある。
「死んだらとりあえず、僕たちは煙や灰、骨になる。僕を形づくっていた
素粒子たちにとっても別離のときです。しかし、素粒子たちがいつか再会
を図ることがあっても、ふしぎではないでしょう。はるか遠い、永遠に近
い未来のことかもしれません。『僕』が再結集する日を夢想したりします

いま思えば、「煙になる」のは「風になる」のとほぼ同じことだろう。現
実と幻想とをつなぐのが「風」である。
そして死は現実と幻想との境界に起きる「何か」だ。

 コラムニスト・小池民男
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南洋の島々で敗退を重ねた日本軍は1944年、戦略の拠点ペリリュー島で米軍の総攻撃を浴びる。
守備隊1万人は軍中央の命令で何百もの洞窟を掘り、徹底抗戦を始めた。9月半ば、ちょうどいまごろの話である。
戦史研究家の平塚柾緒さんによれば、米軍は日本兵が隠れる洞窟に油を流し込んで火を放ち、入り口をふさいで生き埋めにした。日本軍は10週間も絶えるが、ほぼ全滅。34人が降伏しないまま、島に取り残された。
「彼らには戦況が全くわからない。原爆投下も玉音放送も知りませんでした」。34人は米軍の倉庫から盗んだ食糧で命をつなぐ。英字誌を拾うと、マッカーサー元帥が東京にいるのではないか。だれもが「神州不滅」を信じるふりをしながら、疑いを深めた。
米軍は説得にかかる。日本の海軍少将を島に呼び寄せ、拡声機で「戦争はもう終わった」。さらに出身地のわかった兵士の家族らに手紙を書かせ、島へ空輸した。半信半疑のまま全員が投降。敗戦翌々年の春、故郷の土を踏んだ。
平塚さんは、残存兵のひとりが母のいとこという縁で、慰霊や遺骨収集のため島を8度訪れた。「洞窟は蒸し暑く10分といられない。島で死んだ1万人は理不尽な時間稼ぎのための捨て駒。残された34人が哀れでなりません」
きらめく陽光、穏やかな波、林立するホテル----。ペリリューはいま観光ブームに沸く。だがあちこちで日本軍の戦車や砲弾を浴びた建物が見つかるという。いつか尋ねてみたい戦跡である。

 天声人語より
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人口減少、それがなにか?
人口減少を深刻な危機と受け止める向きはもちろん多い。人口(とりわけ労働力)が減り続ければ経済成長が難しくなる。産業・企業の存立基盤が損なわれる。政府債務返済負担が一段と増す、国力が衰退し安全保障リスクが高まるなど、不安は尽きない。
 しかし、人口減少は嘆くしかないことなのだろうか。人口減少下でも、国民の豊かな生活や国力を維持する手立てを見つけることはできないのだろうか。
 人手不足の主因は人口減少と言われる。しかし例えば、コンビニや外食チェーン店の24時間営業、きめ細かすぎる宅配サービスなど、消費者が便利さへの飽くなき欲求を少しでもよくせいすれば、人で不足は和らぎ、労働環境も改善される。その結果生じる労働力の余裕を、新たな成長分野で発生する労働需要り振り向けることができれば、生産性の上昇と付加価値の増大すなわち経済成長の押し上げに生かすことができる。換言すれば、それを阻んできたのは我々自身ではなかったか。
 人口減少に直面する日本に必要なのは、危機を煽り弥縫策を繰り返すことではない。公共投資の拡大は一時的な景気刺激と引き換えに将来世代に大きな財政負担を残した。我々に求められているのは、人口減少が制約や重荷とならない経済社会をつくる意思であろう。いずれ使われなくなる社会インフラはつくらない、これ以上政府債務を増やさないなど、マクロからミクロまで、やるべきこと、できることは多い。

 経済気象台より----山人
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「その日は、秋晴れのよい天気でした。」
「ゆっくり流れてゆく白い雲に、別れ別れに、なってしまった母や父や妹のことを、たずねてみました。雲は、だまっていました」。伊勢湾台風で家族を失った小学5年生久野みき子さんの作文である。
60年前の9月26日、東海地方を直撃した台風は、5千人を超す死者・行方不明者を出す。港に近い名古屋市立白水小学校では142人もの児童が犠牲医になった。生き延びた子どもたちによる作文集が、21日から名古屋市博物館で公開される。
「暗いどろ海の中を、早い流れにのって、流されました」と書くのは6年生相根美弥子さん。「お母さんが、『お父ちゃん!みやこ!幸男!』と言ったかと思うと、私のかたにかかっいた、手がはずれてしまいました」。
土曜日だった。夜、川の堤防が決壊し、貯木場から材木が街へ流れ込む。「たたみがぶくっとういた。もう足首まで水があった」と5年生の水野洋子さんはつづる。水位が上がり、逃げ出すいとまもない。「天井に手がとどくようになったその時は、むねがしめつけられるおもいだ。お父さんは(天井板を)げんこつで『がんがん』とたたく。」。
市博物館の瀬川貴文学芸課長は直筆の作文を整理しながら、多くの書き手と会ってきた。「当時を語り、涙を流す方もいました」。
屋根の上で何日も暮らしたこと、亡くなった級友の家を訪ねたこと----。原稿用紙は変色し、誤字や脱字もある。小学生がつむいだ言葉の壮絶さに打たれた。

 天声人語より
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親鸞の教え
親鸞自身が「父母の孝養のために念仏を唱えたことは一度もない」
実はお釈迦さまも「死んだ人に向かって読経しても意味がない」と言っている。
死んだ人の運命は本人の行いで決まるもので、子孫がお経を唱えて変えられるものではない。そもそも、お経は生きている人が幸せになるための教えを記録したもので、生きているときに聞いてこそ意味があるのだという。
最善の供養とは祖先が喜ぶことをすることだからだ。親にとって何が一番うれしいかといえば、子が幸せに生きることだろう。それには阿弥陀仏の本願を聞き求めればよいと、お釈迦様と親鸞は教える。
阿弥陀仏の本願、つまり本当の願いとは、すべての人を幸せにしたいということ。阿弥陀仏だけを信じて正しく幸せに生きようというのが浄土真宗の教えだという。

 紙面より
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南太平洋の島国トンガにツポウ4世という親日家の国王がいた。
そろばん教育を自国に広めたいと1980年代から留学生を日本へ送り出す、1期生のノフォムリ・タウモエォラウさんを、いまの勤務先の埼玉工業大学に訪ねた。
「最初の2年は懸命に習いました、小学生に交じってパチパチやって4級に合格。でもその後は時間がなくて----」。ラグビーの練習で忙しくなったためだ。留学した大東文化大で、トンガ代表の実績を持つ彼がチームの要となった。
言葉や食事には慣れても、大学スポーツ界にはこびっていた過度の上下関係にはなじめない。学年が上というだけでむやみにいばり、下というだけで奴隷のようにこき使われる。見かねて「後輩をかばってこそ先輩だろう」と声を荒げた日もある。
就職した三洋電機でもチームを牽引。87年の第1回W杯では日本代表に選ばれた。「トンガ人の僕が日本を代表する責任は本当に重かったですね」。初戦で2本のトライを決めている。
在日39年、よどみない日本語で「そろばん教師として利濃くすることを国王は期待していたはず。それでも日本に残ったことに満足しています」。仕事のかたわら、母国からやってくる後輩たちの面倒を見てきた。20日から開幕するW杯ではトンガ出身の5人が日本代表に入っている。
もしもツポウ4世が算盤好きでなければ、この秋、私たちの見ているラグビー熱はなかったかもしれない。そろばん留学生たちの奮闘に改めて感謝したい。

 天声人語より
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豚コレラ
「東海地方の養豚農家は苦しみ、真剣に接種を訴えても国は動かなかったのに、関東地方で発生すると手のひらを返すように決めた」
東海地方の人は皆そう思っている。
台風被害でも、関東で起きると連日のようにマスコミが取り上げている。
地方を見下しているような政府も含めてメディアの見解はいかん。
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無機的な研究室の栽培庫内ですくすくと育つレタスたち。
ドアには照明をあてた時刻と照明を落とした時刻が細かく記されている。潮の満ち引きのリズムで野菜を育てる実験を見に、愛知県刈谷市のトヨタ紡織を訪ねた。
「太陽のリズムではなく、月の動きに合わせて照明をあてる方が成長が進むのではないか」。そんな仮説を立てて山本優子さんら研究班が育てたのはカブ、ナズナ、チンゲンサイなど。レタスでは収穫量が2割も増えたという。
成長を促す要因として山本さんが注目したのは、塩の満ち引きを引き起こす「起潮力」である。月の引力や地球の遠心力などが作用する力のことだ。実験を通じて、起潮力が動植物の育ちに与える影響の大きさに気づいた。スッポンやネズミには、エサを与える周期を変え、効果を調べている。
言われてみれば、古くから農事では月の満ち欠けや潮の満ち引きにちなんだ教えが゜多い。「種まきは満月のころに」「収穫は新月の時期に」。染織の世界でも、「藍の仕込みは新月に」といった経験則があると聞く。
トヨタ紡織の研究をめぐっては「すぐに何か商品が開発できるのか」といった冷ややかな声もないわけではない。目先の利益に直結した研究かと問われれば、残念ながら答えは「ノー」だろう。
それでも食糧生産の分野でこの研究が秘める将来性は計り知れない。葉をぐんぐん伸ばしたレタスが、とかく太陽の側に偏りがちな我が思考を、少し月の側へ軌道修正してくれた気がした。

 天声人語より
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正岡子規忌
〈手向くべき線香もなくて暮の秋〉 夏目漱石。
死後117年。

素粒子より
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来年の五輪マラソン代表を決めるレースを沿道で見た。秋晴れの東京都心を風のように駆け抜ける姿に手に汗握る。
舞台が同じゆえ、世代によっては1964年東京五輪のレースを思い出した方もおられたのではないか。
苦しげに走る円谷幸吉と、余裕の表情のアベベが対象的だった。アベベは一つ前のローマ五輪を裸足で制している。まったくの無名で、各国の記者が「どこの選手」「本名は」と慌てたという。
なぜ裸足だったのか。一説には、試走した靴が合わず水ぶくれができた。ふだん通りの素足にしたが、「母国エチオピアが貧しい国と笑われる」と心配し、走る直前までテントに身を隠した。逸話が多々残る。
その走りを見たアシックス創業者の鬼塚喜八郎氏は翌61年、レースのため来日したアベベを訪ね、足を採寸。アベベは急ごしらえのの靴で優勝した。だが3年後の東京五輪ではプーマ社製を選び、鬼塚氏を落胆させる。有名選手が使うことで宣伝効果を競う時代が到来していた。
いま日本の選手たちはどんな靴を好むのか。きのう沿道か目を凝らした。驚くべきことに男子の足はほぼピンク一色。ナイキ社製が続いた。国際陸上競技連盟の規定を見てみると、「競技者は裸足でも、また片足あるいは両足に靴を履いて競技してもよう」。望めば今でも裸足で走れるとは知らなかった。
来夏のマラソン本線の見どころがまた一つ増えた。メダルの行方とは別に、世界の精鋭たちの足もとを見比べるのもまた興味深い。

 天声人語より
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千葉県の台風被害
まさかの長期停電に猛暑、大雨が追い打ち。
学校は始まっても、千葉の窮状は続く。

素粒子より
台風が右側を通過するとどんな惨状になるのか、関東の人にも分かったかな。
今まで、恵まれていたのだよ。
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私の祖父は明治の人だった。幼いころ言われた。
「きみが本当に正しいと思うなら、叫ばなくていい。なるべく小さい声で話しなさい」。なぜか最近よく思い出す。
いまの世が威勢のいい、大きな声にあふれているからだろうか。攻撃的なつぶやき、罵りあし、みなが言葉を強く発する時代。「小さい声」などだれも聞かない、ダメなものに思える。亡き祖父は何を考えていたのか。
東京大学教授の阿部公彦さんの著書を読んでいて、気になる文章をみつけた。「負けたり、弱かったり、だめだったりする。そんな言葉が社会の中でむしろ意味を持つこともある」とあった。
阿部さんを訪ね、祖父の言葉について聞いてみた。唐突な問いにもかかわらず、英文学者は教えてくれた。「英語では大事なことを言うときに、あえて強調ではなく、『Perhaps』と表現をぼかすことがある。小さい声もそうではないですか」。
大切なことは強い断定調では逆に伝わりにくくなる。愛をささやくとき、親しい人を失ったとき、簡単に言えない何かを伝えるとき、私たちはむしろ弱く、あいまいな言葉を使ってきた、と阿部さんは言うのだ。
「心の底に 強い圧力をかけて/蔵ってある言葉/声に出せば/文字に記せば/たちまちに色褪せるだろう」。やっと口にする、消え入りそうな声だからこそ、相手に届く何かがある。もしかすると、祖父はそう言いたかったのかもしれない。

 天声人語より
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北朝鮮との関係
きょう、日朝平壌宣言から17年。
進まぬ拉致問題。
首相の決意表明は何度目ですか。

素粒子より
他人任せでは何も進まないという見本だ。
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地球温暖化、気候変動----そんな言葉が新聞に載らない日はほとんどないだろう。
先日、読者からお便りをいたた゜いた。「温室効果ガス」という言葉に常々、疑問をお持ちだという。「効果」は良い結果の時に使うのではないかと。
なるほど、「悪影響」とは言うが「悪効果」はきかない。もっと言えば温室も、ぽかぽかした感じで印象は悪くない。英語のグリーンハウス・ガスわ訳した言葉のようだが、「気候変動元凶ガス」とでもした方がぴったりくるか。
何げなく使っているが、字面だけ見ると、ちょっと変。そんな言葉について翻訳家の岸本佐知子さんが書いていた。もしも意味を知らずに「赤ん坊」という言葉に出合ったら、何を想像するだろうとエッセー集『ねにもつタイプ』にある。
「よくわからないが、たぶん何らかの生き物なのだろう。全身が真っ赤でてらてらしている。入道のように毛のない頭から湯気を立てている----」。夜行性でシャーッと泣く、小動物を生で食らう、などと岸本さんの空想はとどめない。
「刺身」は、全身わめった刺しにされて、血まみれの状態。「腕っ節」は、腕に木の節穴のようなものが次々にできる病気。一語一語に神経をとぎすます翻訳家ならではの考察なのだろう。それにしても笑える。
ビジネスなどで使われる「差別化」も最初はいやな感じがしたのに、いつのまにか慣れてしまった。習慣の魔力だろうか。文字の姿形をながめつつ、ときには立ち止まってみるのも悪くない。

 天声人語より
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三十三の姿に変化する「観音菩薩」
観音菩薩は、正しくは観世音菩薩という。
「観」は観察するという意味だが、人間の能力で観察するのではなく仏の智恵で観ること。つまり、すべての現実をまるごと観察することである。
そして、「世音」は世の中の音声、すなわち苦しみや悲しみにあえぐ世の中の人々が助けを求める声である。その声を即座に聞きつけてあらゆる手段で人々を救ってくれるという。
そして、観音菩薩は救いを求める人の性別や職業、身分や境遇に応じて三十三の姿に変身するという。貧しい人の前には貧しい身なりで、裕福な人の前には裕福な身なりで現れる。つまり、救いを求める人がいちばん相談しやすい姿で現れるのだ。
このような観音の変身を三十三変化身という。これに基づいて西国三十三観音霊場が定められ、京都の三十三間堂もこの数字にちなむ・
われわれのあらゆる要求に応えてくれる観音菩薩はすでにインドであつく信仰され、中国でも日本でも盛んに信仰されてきた。
この菩薩人気の秘密は今、現実の世界で苦しみ悲しんでいる人を即座に救ってくれる現世利益にある。そして、十一面観音や千手観音など、多彩な顔ぶれが登場してきた。
日本では西国三十三観音霊場を中心に今も盛んに信仰され、国宝や重文に指定されている観音像も多い。
湖北(琵琶湖の北側)の向源寺や奈良の法華寺の十一面観音などは誰もが認める名作で、ともに国宝に指定されている。また、浅草寺の観音菩薩は絶対秘仏で千年以上の間、誰の目にも触れたことがない。それでも「浅草の観音さま」の名で親しまれ、年間3千万人もの人が訪れる盛況ぶりだ。

読んで知るより-----瓜生 中
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11日に内閣改造があった新内閣のうたい文句は「安定と挑戦」だそうだ。どっしり構えてことに挑む。
何ごともそうありたいものだが、ニュースを追っていたら別の言葉が頭に浮かんできた。「引き際」と「焦燥」である。
安倍首相の自民党総裁としての任期は、残り2年。その「引き際」を意識するからこそ、側近議員たちを一気に入閣させたのだろう。退任が見えてきた社長が「尽くしてくれた君らを、みんな役員にしてやる」とでも言うかのように。
側近の一人で、加計学園の問題で名前の出た羽生田光一氏を、こともあろうに文部科学相にした。国会での集中砲火を危ぶむ声が党内にもあるというが、意に介さないのが我が首相である。
改造後の会見で首相は憲法改正を「必ずや成し遂げていく」と語った。心中を察するに「焦燥」が募っているのではないか。政権として成し遂げた大仕事のことをレガシーというが、安倍政権の場合、いまだ見当たらないのだ。
拉致問題も北方領土問題も進展がない。このままでは、ただ長いだけの政権になってしまう。小泉進次郎氏の入閣も、その文脈で見るべきかもしれない。これで支持率が上がれば衆院を解散し、勝って改憲に勢いをつける---考えすぎだろうか。
首相の発言でもう一つ目立ったのは、社会保障のあり方を「大胆に構想する」というものだ。参院選で背を向けた年金問題などに、本腰を入れるのか。焦燥感を持って臨んでほしいのは憲法ではなく、こちらである。

 天声人語より
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夏に向けて汗腺トレーニング。いい汗をかく
いい汗は熱中症予防にもなる。日本生気象学会や環境省はインターバル速歩を紹介している。3分間の早歩きをし、次の3分はゆっくり歩く。夏前の5~6月にこれを一日5回(30分)以上。中高年や体力のない人でもでき、血液や汗の量を増やし、体温調節機能の向上が期待できる。
年齢による発汗機能の変化などを研究する井上芳光教授によると、汗をかく能力は50~60代から落ち始める。衰えは足や手から始まり背中や胸へと広がっていく。衰え方は、もともとの発汗能力の高い男性のほうが大きく、やがて男女の差がなくなってくる。よく年をとって、かく汗が増えたという男性がいますが、足から汗をかけなくなった分、頭の汗が増えているだけだ。
汗をかく能力は個人差が大きいが「筋肉と同様、基本は60歳からでも鍛え直せる。自分にあう有酸素運動に取り組めば、いい汗をかける体にできる。
かきすぎた汗を拭くときは肌に湿り気を残すようにする。ぬれタオルを使えば、塩分などもぬぐい取れる。汗腺の穴をふさぐタイプの制汗剤は、わきの下や足裏など、体温調節に影響しない場所だけで使うように。
シニアのなかには汗腺機能が衰えたまま回復せず、汗をかけなくなった人もいる。
「手足高温浴で汗が出ないひとは、暑さに弱い体質だと自覚してほしいと。「エアコンでの部屋の温度管理に気をくばり、外出の際は保冷剤を持ち歩くなど、いつでも体を冷やせるようにしておくことが必要という。

 元気にキレイにより
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大正期の関東大震災、さらには昭和初期の室戸台風。
大災害の経験をふまえ、物理学者の寺田寅彦は多くの戒めを後の世に残した。ある文章に「文明が進めば進むほど丹念の暴威による災害がその劇烈の度を増す」との訴えがある。
国中に電線やパイプ、交通網が張り巡らされたありさまは「高等動物の神経や血管と動揺でる」。その1カ所が故障すれば影響は全体に波及するのだと」。1943年に書かれたものだが、現代にも通じる。台風15号の傷痕を目にして思う。
暴風に見舞われてから11日には3日目となる日も、千葉県の広い地域で電気が止まったままだった。あまたの送電線が倒木で切断され、復旧に手間取る。ひがいがひどい君津市の市役所では、大勢の人が携帯電話の充電をしに来ていた。
スマホを手にした30代の女性は「電池が切れると、情報が何も取れなくて」と話していた。家がオール電化になっているという60代の女性は、「何もできない。トイレの水すら、バケツを使わないと流せないんです」。
残暑というには暑すぎる日々に、クーラーや冷蔵庫なしの暮らしは、文字どおり命にかかわる。固定電話やコンロなど、電気なしでは使えなくなったものも増えている。もしものときの備えは、どこまでできるのだろう。
寺田の考え方だとして伝わる警句に、「天災は忘れたころにやってくる」がある。それにしても昨今の日本は、一つの災害を忘れる間もなく別の災害が起きるように思えてならない。

 天声人語より
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夏に向けて汗腺トレーニング。いい汗をかく
この時期、暑い夏への備えとしていい汗をかくための汗腺トレーニングを。じつはいい汗はにおいがほとんどしない。汗腺を鍛えることがにおい対策にも熱中症予防にもなる。
いい汗とは「限りなく水に近い汗」。小粒でサラサラ。無味無臭で乾きやすい。
もともと人が汗をかくのは体温調節のため。蒸発する汗が皮膚の熱を奪い、体温を下げる。100㍉リットルの汗で体重70㌔のひとは体温を1度下げることができる。夏場に真価を発揮する冷却装置だ。
「しかし、現代人の汗はしょぱくて、べとべとしがち。大粒で流れ落ちてしまう無駄汗が多い」。
なぜか、汗の素材は血液の液体成分である血漿。これを汗腺が毛細血管から取り込み、皮膚に送り出す。ふだんから汗をかく生活をしていると、血液中のえんぶんやミネラルは途中で血液に再吸収され、体はほぼ水分だけを出すようになる。
ところが汗をあまりかかずにいると汗腺機能が衰え、塩分やミネラルが再吸収されないまま汗として出てしまう。これが悪い汗。乾燥しづらく、流れ落ちた分、余計に汗をかかないといけない。汗にまじるアンモニアや乳酸が汗臭さのもとにもなる。悪い汗をいい汗に変えるために勧めるのは入浴トレーニングだ。
まず43~44度ほどの熱めのお湯をはり、両腕のひじから先、両足のひざから下を10~15分ほど温める。最も衰えやすい手足の汗腺を刺激するためで、5~10分ほどで全身から汗が出てくる。皮膚が弱い人や温度感覚が衰えている年配の人は、ややぬるめの40~41度の湯がいい。
この手足高温浴のあとは、少し水を足した37~38度ほどのぬるめのお湯で半身浴。体をリラックスさせる。「これを毎日続けると2~3週間で、いい汗がかけるようになる」という。

 元気にキレイにより
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おいおい、その立場に置かれて言うセリフと違うだろう。
落差の大きさゆえに、いつ見ても笑えるのが吉本新喜劇の池之めだかさんだ。けんかでぼこぼこに殴られた後、なぜか偉そうに言い放つ。「よっしゃ、今日はこれくらいにしといたるわ」。
周りが派手にずっこけるのが、お約束である。さてこちらの人も立場と発言の間に落差を感じてしまう。日産自動車の西川広人社長である。会長だったゴーン被告が昨年逮捕された直後にこう言った。「1人に権限が集中しすぎた」「長年にわたる統治の負の側面と言わざるを得ない」。
おいおい、あなたはその会長に引き立てられ、社長をしていたんじゃないか。株主総会でも一部から退陣を求められたが「日産の将来に向けた責任を果たさないといけない」などと突っぱねた。
そんな西川氏に新たな疑問が出現した。不当に上乗せされた報酬を受け取っていたことが判明したのだ。報酬は日産の株価に連動しており、基準となる日を1週間ずらすだけで4700万円が増額されたという。
まさにお手盛り? いや、ゴーン前会長はじめ9人の役員が同様のやり方で不正報酬を得ていたというから「グループ盛り」か。巨大な企業私物化があり、そのおこぼれがある。
結局辞任せざるをえなくなった西川氏は会見で述べた。「日産の負の部分をすべて取り除くことができずバトンタッチすることになり、大変申し訳ない」。自分も負の部分かも、とは考えもしないらしい。ずっこけたくなる。

 天声人語より
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災害時の対応は
水も冷房もトイレもお風呂も。
思い知る。
私たちの暮らしがどれほど電力頼みか。

スマホの途絶が、情報の途絶に直結する。
災害に「ネット社会」がいかに弱いかも。

素粒子より
ラジオを持たぬ人がいかに多いのかが分かる事例だ。
だから、AMからFMに変わろうと放送局は言うのだ。
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横浜市の林文子市長が突然、カジノ誘致に名乗りを上げた。
先週の市議会で質問攻めにあったのだが、その答弁がになかなか味わい深い。例えば「すべてのばくちが悪いというのは違う」と話し、こう続けた。
「競馬をご覧になったらわかると思うが、ものすごい数の人が、馬に対する思いとか感謝を持っている」。ルーレットへの思いや感謝もあってしかるべき、ということだろうか。
ギャンブル依存症の人が増えるのでは、との質問も相次いだ。市長は、医学部のある横浜市立大学に「医療面を中心に大きな役割を果たしてもらう」と述べた。依存症になっても大学病院が治してくれますよ、ということだろうか。
誘致するのはカジノだけでなく、それを含んだ統合型リゾートである。市の資料にあるイメージ図には劇場や美術館、水族館まで並ぶ。だからIRイコールカジノではない、一流の娯楽施設ができるのだと市長は言う。
ならばカジノ抜きのリゾートをつくればいい、そんな質問も出たが、運営が成り立たないそうだ。カジノに依存したIR。そんなIRにより、市は年間最大1200億円の増収効果を見込む。現在の市の税収の15%に相当する額だ。これでは横浜の財政が「カジノ依存症」になってしまう。
林市長は、子育てや医療など「安心安全な生活」を守るため決断したと言う。カジノあっての豊かな暮らし。あなたのまちがもしそうなったら、どうだろう。IR誘致には大阪、長崎、和歌山も手をあげている。

 天声人語より
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政局の話
07年9月12日。
安倍氏にとって、首相の座を投げ出した屈辱の日だ。
5年後、旧民主党から自ら政権を奪還する。
一方、旧民主党が政権を失って7年。
党は割れ、議員たちはなお惰眠のなかにある。
いつ目覚めるのか。
自民党の、そして首相の図太さ、厚かましさに学ぶべきである。
野党の為ではない。
政権交代の可能性のある政治を、国民が再び手にするために。

素粒子より
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9日の朝、家を出ると、ぎんなんの匂いがした。まだそんな季節ではないのに。
早朝まで続いた強い風で、たくさんの黄色い実が、青い葉とともに落ちてしまったようだ。引きちぎられた木々の枝も散らばっている。
大きな柳の木が根元から倒れているのも都心で目にした。「柳に風」とはいかぬ暴風だったか。倒れるはずのないものを倒し続けた台風15号である。ゴルフ練習場のネットが鉄柱もろとも倒壊し、家の屋根を突き抜ける写真に目を疑う。
「二百十日」は、嵐の起きやすい時期を指す古い言葉だ。立春から数えたその時分、すなわち9月初めに台風が来やすいと警戒したのだろう。夏目漱石の小説『二百十日』では、阿蘇山の火口めざして上る二人連れが雨と風で散々な目に遭う。
今のような気象予報があれば、二人連れは山行を見合わせたに違いない。刻々と近づく台風に備え、JR東日本などは早々と運転見合わせを決めた。ここ数年、定着してきた計画運休だ。
そこまでやっても、この混乱である。駅から道路まで長く続く長い行列ができた。動きが鈍い満員電車のなか、気分が輪悪くなる人が相次いだ。予報の精度が上がったいま、企業も「計画休業」や「計画半休」を考えてもいいかもしれない。
〈風がふいたら遅刻して/雨がふつたらお休みで〉。なつかしい童謡を思い出した。南の島に住む、学校嫌いの子ども達が他に出てくる。天候の過酷さが増すばかりの現代の日本にも、それくらいの余裕があつていい。

 天声人語より
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政権交代は何時
民主党への政権交代から16日で10年。
半生のうえに、野党も「再挑戦」の時だ。
政治が緊張感を取り戻すために。

素粒子より
野党は党首になりたい人ばかりで、作っては合併しでは人材も育たないのでは。
人材不足では前の二の舞いかな。
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巨大IT規制、独禁法での議論深めよ
巨大IT企業の個人情報収集で、利用者が不利益を受けることを防ぐには、どうすべきか。個人情報保護法制に加え、独占禁止法の枠組みを用いた規制の検討が進んでいる。
ネット上のサービスは生活の隅々に浸透し、乗り換え先がない場合も多い。自分が差し出す情報の使われ方に不安があっても、そのサービスを利用せざるをえないために、情報提供に「やむを得ず同意した」とみられるばあいもあるだろう。
「リクナビ」による就活生の内定辞退率予測の販売では、そうした懸念の一端が現実化した。何らかの規制は必要で、「優位的地位の乱用」の適用も一つの手段になる。
ただ、従来の独禁法の運用と比べ、今回の「考え方」は①消費者との取引を問題とし、②サービスの対価として「情報」を支払っていると捉える点で、大きく踏み込んでいる。一定の基準は示されているが、優越的地位の認定の仕方なども含め、従来よりあいまいな点も残る。
もちろん、この分野は過去の事例の蓄積が少ないうえ、技術やサービス内容の変化も速く、基準や類型を示すには限界はあるだろう。そうであればこそ、今後も議論を深め、より透明性の高いガイドラインを作り上げていくべきではないか。個人情報保護法や消費者契約法など他の法律との役割分担も、整理していく必要がある。
社会を豊かにする技術やサービスの発展をできるだけ妨げずに、個々人の権利を守り、経済的利益の不当な侵害を防ぐ。あるべき規制の姿を探り続けたい。

 社説より
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台風余話
根性出社は時代錯誤。
社員任せも無責任。
気候が過酷さを増す昨今、災害時の「働き方改革」のルールづくりを。

素粒子より
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夜ごと月の輝きが増す季節である。
月といえば「餅をつくウサギ」がすぐ浮かぶが、海外では「大きなカニ」「ほえるライオン」「本を読む老女」などになぞられる。地域や民族によりまるで異なる絵柄を読み取ってきた。
同じウサギであっても緯度が変われば、見え方も変わる。南極へ2度観測に赴いた名古屋市科学館の小塩哲朗学芸員は言う。「南極から観察すると、月の兎は仰向けに寝そべっていました。餅つき中には見えません」。
極地で撮った写真の中に、観測船「しらせ」から見た月を収めた1枚がある。真っ白な氷山の向こうに、赤茶けた色の月が浮かぶ。私恨の空との対比が神秘的だ。蜃気楼の現象で、形は横にひしゃげている。日本で見る月とはまるで違う。
遠く仰ぐばかりの存在だったが、近年、月は空前の探査ブームのさなかにある。6年前に月面探査を成し遂げた中国に続き、インドも、探査機を7日に月の南極に着陸させる予定だ。成功すれば、旧ソ連、米国と合わせて4カ国目の月免到着となる。
そのインドには「月のウサギ」の源流のような昔話がある。修行僧に捧げる食べ物がないことわ悲しんだウサギ゜が、燃えさかる火に飛び込み、わが身を捧げる。僧が実は神様で、ウサギの徳をたたえるため、月の表面にその全身像を刻んだ。
時代を超えて、文化を超え、多彩な空想をかき立ててきた月の不思議な力を思う。資源はあるか、人が住めるのか。これからの探査でどんなことがわかるのだろう。

 天声人語より
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温暖化の影響か
年を追い、気候が荒々しくなっている気がしてならぬ。
窓を打つ雨風の激しさを感じながら、眠れぬ夜が明けた。

素粒子より
我が家も2階の窓が木の建具だったが、南風で吹き付ける雨風で雨が室内まで入るようになって、今年やっとサッシュに変えた。
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風疹の予防接種を受けるよう妊娠した妻に言われても、「忙しい」「面倒」と腰を上げない夫。
人気漫画「コウノドリ」にそんな男性が登場する。先天的な障害のある10歳の少女と出会い、心を揺さぶられる。
「私はね、お母さんのおなかの中で風疹にかかっちゃって目も見えないし、胸も苦しい」---。妊娠初期の女性が感染し、赤ちゃんに障害が及ぶ「先天性風疹症候群」である。日本では昨夏に始まった風疹の流行がやまず、今年の患者数は早くも2千人を超えた。胎児への影響が心配される。
米国やカナダ政府は「妊娠に日本は著しく危険」と渡航を控えるよう警告している。患者の多い地域として東京、神奈川、大阪などが挙げられた。
もちろん国も手をこまめいているわけではない。抗体を持たない層がいま40歳から57歳までの男性が多いことを重視。抗体検査やワクチン接種が無料でできるクーポン券をこの世代に発送している。恥ずかしながら、私自身もその一人だと知らずにいた。
妊娠中の女性たちにすれば、街のなかですれ違う中年男性こそ脅威だろう。私も先日、内科で検査を受けた。「抗体の数値は十分でした。接種は必要ありません」と医師。ようやく胸が晴れた。
「抗体のない男性が風疹をうつした自覚がないまま、妊婦はだれにうつされたかおぼえもないまま、赤ちゃんに障害が生じてしまう」。漫画の主人公である産科医鴻鳥サクラが説く。予防接種よりほかに赤ちゃんを守るすべはないと改めて胸に刻む。

 天声人語より
ウイルスは、感染者の咽頭から排出される体液に含まれ、飛沫感染または直接接触感染する。
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あなたは『お蔭様で』と感じることがありますか?
私たちの日常生活は、一瞬の休みもなく、大自然や、家族は勿論のこと、顔の見えない沢山の人々の働きの力に支えられて、生かされています。
自分自身が生きてゆくことも、どこかで、他人様の役に立ち、感謝されていると実感できればうれしいですね。
世界中でたった一人しかいないかけがえのない自分。
ただ一度だけで決してやりなおしのきかない人生。
衆生の躰性・諸仏の法界、本来一味にしてすべて差別なし。(弘法大師)
わたくしたちの心と体と、御仏のさとりの境界とは、もともと同じもので少しも違いはありません。
今に最善を尽くしていますか? 今を精一杯生きていますか? 
今の生き方が先の明暗を分ける鍵となります。
時は今、ところ足元、そのことにうちこむ命、永遠の御生命。(椎尾弁匡)
健康は最上の宝です。生きていることはすばらしい。自然はいつも私たちの生命を支えてくれています。常に足元をしっかりと踏みしめて、感謝の気持ちを忘れずに生きてゆきたいものです。

 四国第四十五番 海岸山 岩屋寺の頂いた書類より
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頭や背骨など黒光りする化石の一つ一つの迫力に息をのむ。
東京・上野の国立科学博物館で開催中の恐竜博で、展示の目玉である「むかわ竜」を見た。発掘された化石は体全体の8割を超す。国内で類のない全身の化石だ。
いまから16年前、北海道むかわ町の化石収集家・堀田良幸さんが近所の山中で尾の骨を見つけた。ワニかと思ったが、後に専門家の調査で恐竜と判明。町を挙げて発掘し、222個の化石を見つけた。「神様からの贈り物だと思いました」と堀田さんは話す。
郵便局に長く勤めた。採集を始めたのは30代半ば。採ったアンモナイトを客に贈ると喜ばれた。バンダナを頭に巻き、ピッケルを手に山野をめぐる。色や形を手がかりに石を探しとは割る。「化石が私にシグナルを出してくれます」。
7200万年前の白亜紀、一帯は海だった。浜で群れをなして植物を食べていたのがむかわ竜だ。ときにはティラノサウルスのような肉食恐竜の餌食に。いま風に言えば、気の優しい「草食系」だったか。
全身の骨格は昨年9月4日、街の体く間で公開された。わずか2日後、町は地震に襲われる。1人が亡くなり、家がなぎ倒された。隣の厚真町では山が崩れ、多くの命が失われた。ただ化石は地元の博物館に保管されていて難を逃れた。発掘されたのが奇跡なら、地震に耐えたのも奇跡だろう。
6日で地震から1年。町は、恐竜化石を生かした街づくりを進めている。白亜紀の大地を闊歩した竜が、復興の一助を担う。

 天声人語より
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こつこつ丈夫な体に スローペースで効果
超高齢社会になり、4人に1人は高齢者の時代。要介護・寝たきりの原因の1位は、骨折や関節が痛くなるなど運動器によるもの。運動機能は加齢とともに弱り、運動習慣がないとさらに落ちる。運動器の健康はとても大切。
ロコモティブシンドロームは、骨粗鬆症、変形性関節症、変形性脊椎症など運動器の病気や筋力低下などが原因で、歩行をはじめとする運動機能が徐々に低下していく状態を言う。早めに気づいて、早めの対策をすることが必要だ。
筋力を強くする。そうするとひざの痛みがよくなる。変形性膝関節賞は軟骨が減って進む。軟骨が減らないようにするために大きな手段が、筋肉を鍛えることだ。骨粗鬆症の予防・改善にもつながり、骨量が増える。腹筋・背筋を鍛えると腰痛も減る。筋肉による支えがよくなると脊椎の変形も進まなくなる。
ロコモ予防のため、どんな運動でもいいので週刊をつけること。ウォーキングもいいと、ジョギング、水中歩行もいい。日本整形外科学会ではスクワットと片足立ちを紹介している。スクワットは下半身の筋力を効果的に全般的に使うので、いい運動だ。これをゆっくりやる。5秒かけて下げ、5秒かけて上がる。
運動に関する注意。ゆっくりした動きのほうが、痛みが出にくくて効果も上がる。痛みが出たり増したりしても、運動後にすぐ収まるなら続けて構わない。痛みが翌日まで持ち越すようであれば、3日間ぐらい休んで、半分ぐらいの運動量から再開するといい。毎に津続けるといいが、最低でも週2回はやってほしい。90歳まで自分の足で歩く準備を、これから始めよう。

 健康・医療フォーラムより----石橋英明
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映画「ニューヨークの恋人」の主人公は、19世紀の発明家である公爵と、恋や仕事に疲れた広告会社の現代女性だ。
二人は時空を超えて愛し合う。安全なエレベーターを考案中だった公爵が現代にタイムスリップすると、エレベーターが一斉に故障してしまう。
発明家のモデルはエリシャ・オーチスだ。落下防止装置を発明し、1854年、万博会場で自ら乗り込んだエレベーターの綱を切る。落下せずに停止させ、喝采を浴びた。
この映画を思い出したのは、フランシスコ法王が停電でエレベーターに閉じ込められる騒ぎがあつたからだ。25分後に救い出されたが、正午の祈りに遅刻し、聴衆にお詫びしたという。法王に動転した様子はなかったものの、周囲はさぞ気をもんだだろう。
閉じ込め事故といえば、昨年の大阪北部地震が記憶に新しい。近畿一円で救出を必要とした事故が339件も起きた。北海道の地震でも、高層マンションでエレベーターが使えず、人々は息を切らして階段を上った。
もしもエレベーターが止まったら、法王のように冷静でいられる自信はまるでない。日本エレベーター協会に聞くと、まずは落ち着き、全階のボタンを押してみること。そしてインターホンで外部に連絡する。「中は酸素がなくなりません。無理に脱出せず待ちましょう」と担当者。
さて、法王は11月に初めて来日する予定だ。発明家の公爵が過去からタイムスリップしてくることはあるまいが、保守点検はどうか念入りに。

 天声人語より
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胆振地震から1年
震度7を観測した、北海道胆振東部地震から1年。
被災地では亡くなった人をしのび、黙禱が捧げられた。

紙面より
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魏・呉・蜀の三カ国が覇権を争う壮大な「三国志」。
あまいる英雄のうちだれが好きかと問われれば、迷わず蜀の諸葛亮を挙げたい。志半ばで倒れた悲劇の軍師たせ。だが熱心なファンの間では百人百様らしい。
「中国では曹操を推す人がとても多いですね」と話すのは、「今夏、『三国志演義事典』を共著で刊行した千石知子さん。魏を率いた曹操はあくらつな計略家のイメージが強いが、中国では改革者として評価がたかい。蜀の劉備は情に厚い指導者かと思いきや、あちらでは「大事な局面でメソメソ泣く敗者」と退ける声も珍しくないそうだ。
「決定的に違うのは、劉備を支えた武将の一人、関羽の存在感です」。日本でも高い人気を誇るが、中国では清代以降、国家の守護神としてあがめられてきた。関羽をまつる「関帝廟」はいまも津々浦々にある。
仙谷さんによれば、三国志の物語は、中国では文芸や京劇、映画を通じて老若男女に浸透している。日本でも、吉川英治の小説、横山光輝の漫画、NHK人形劇で知られる。両国で世代を超えて広く愛されてきた。
三国志から生まれ、両国で同じ意味をもつ故事成語も少なくない。「三顧の礼」「苦肉の策」「泣いて馬謖を斬る」。挙げればきりがない。
折しも東京国立博物館で特別展「三国志」が開催中だ。曾操や劉備が戦火を交えた時代の祐実や剣に見入る。中国からの客も多い。この歴史物語が1700年余の長きにわたり両国に下ろした根の深さを思う。

 天声人語より
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英国の問題
EU離脱延期法案を可決。
首相の総選挙動議は否決された。

紙面より
さてどうでるジョンソン首相は?
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ラグビーを日本に伝えた英国人の墓が、六甲山系に連なる再度山の一角にあると聞いて訪ねた。
居留した外国人らが眠る神戸市立の墓地に、その人、エドワード・クラークの墓はひっそりとたたずんでいた。
明治初期の1874年、横浜に生まれた。父が営むベーカリーが繁盛し、邸宅にはテニスコートもあった。英ケンブリッジ大学に留学後、慶応大の英語講師として赴任。「時間と秋の素敵な天気をむだにしてのらくらしていた」学生たちを見かねて、放課後にラグビーを勧めたと後に語っている。
「ファインプレーよりフェアプレーを」と繰り返し説いた。日本ラグビー学会理事の高木応光さんは「熱血コーチではなく、知的でおとなしい性格だったようです」と話す。
没後85年、墓石に彫られた英字はかすむ。いまは訪れる親族もいない。ただその脇には、慶応OBが一昨年建立した石碑があり、「日本ラグビーフットボールの父」と刻まれている。
それにしても、なぜラグビー伝道者の名がかくも長く忘れられていたのか。慶応在任中、リウマチで右足を切断したのが大きかったようだ。歩くこともできず、ラグビーから遠ざかる。本分である英文学に情熱を注いでいった。京都帝大などで教え、60歳で亡くなった。
いよいよワールドカップがこの20日に幕を開ける。世界レベルの熱戦が待ち遠しい。学生の退屈しのぎから始まった球技が120年をへてここまでたどり着くとは、クラーク先生も想像しなかったことだろう。

 天声人語より
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英国の問題
議会下院が10月末のEU離脱を延期する超党派のほうあんを提出審議入り。
法案が下院で可決された場合10月中旬に総選挙を実施したい考えを表明。

紙面より
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できれば使いたくない安易な表現ではあるものの、「玉虫色の決着」という言葉は使い勝手がよい。
交渉や妥協の結果、見方によってどのようにもとれる内容で落着したことを指す。
この用例、調べてみると意外に新しい。たとえば広辞苑に乗ったのは1983年のことだ。「昆虫タマムシの歴史は長い。政治などの場で否定的に使われるより前は、ずっと賛美される虫でした」。静岡県藤枝市に住む飼育家芦沢七郎さんは言う。
飼育歴は30年を超す。繁殖法は確立しておらず、自力で丹念に生態を調べた。幼虫は木の中で3年から5年も過ごし、成虫の時期は数十日と短い。夏の終わりには死んでしまうとわかった。
奮闘でりに触発され、地元有志が愛好会を結成する。工房「タマムシの里」で、羽の色彩を利用した指輪やブローチの製造を始めた。4年前からは子どもたちに親しんでもらう展示会を夏場に開催。海外からも見学者が訪れるようになった。
法隆寺の国宝「玉虫厨子」の装飾で知られるように、古くから美術工芸品に用いられてきた。玉のような美しさをたたえる言葉がそもそもの「玉虫色」である。「タマムシを鏡台に入れると恋がかなう」「タンスに入れれば衣類が増える」。言い伝えも多い。
芦沢さんの育てたタマムシを見せてもらった。虫に触れるのは久々だったず、全身から放つ緑や紫の金属的な光沢には目を見張るものがある。政治だの妥協だの不名誉な用例をまったく意に介さぬ風に見えた。

 天声人語より
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風の盆
越中八尾。
ぎこちなく踊った夜を思い出す。

<風の盆藺笠目深に風つかむ>鈴木詮子

素粒子より
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大量の油が、いかに扱いにくいものか。
1997年、ロシアのタンカー・ナホトカ号が日本海で沈没し、重油が福井県の沿岸に到着した。油を取り除くボランティアにあたった人たちの手記に「無間地獄」の言葉があった。
作業しても作業しても、終わりの見えない気持ちになるからだという。油をくみ上げてきれいになったと思っても「また重油の帯が襲ってくる」。あちこちに付着した油をそぎ落とし、バケツで運び続けた。
このところの大雨で大規模な浸水が起きた佐賀県大町町も、大量の油に苦しんでいる。鉄工所から冷却用の油が漏れ、水とともに流れ出てしまった。川に流すことができなくなり、そこだけ水がなかなか引かなかった。
空からの映像では黒っぽい油の帯がいくつも水の上をえねっていた。水上ではボートを使い、油を吸うシートを浮かべては回収するという大変な作業が続いた。孤立した病院では非常食でしのぎ、油の臭いで気分が悪くなる人も出たという。
水害の現場を取材するときにいつも目にするのは、家に入り込む大量の泥であり、散乱するガレキである。さらに今回は油が、復旧にあたる人々に重くのしかかっている。水害に加わる「油害」の苦労を思う。
冒頭のボランティアの手記には、巻き貝やカニなどの生き物がやがて海に戻ってくる話もある。黒い油と闘ってきた苦労が報われた瞬間である。水や油の害から脱した日常の暮らしが、一日も早く取り戻せるよう。

 天声人語より
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またもや戦争発言
N党はこれでいいのか。
誰でも入れて政党員が増えればいいのか。
N党に投票した人に聞きたいが。
私の意見

丸山穂高さんへ。
ひとりで竹やりでも持って、どうぞ。
むろん衆院議員バッジを外してから。
北方領土で口にした「戦争」を竹島でも、また。

素粒子より
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名言なのか、迷言なのか、いずれにせよ戦後政治史に残ってしかるべき言葉であろう。
「政治家は、あっせんする動物である」。支持者から頼みごとをされて、役所に働きかける。そんなあっせん行為は国会議員として当然だと、かつて自民党議員が口にしたことがある。
1990年代後半、あっせんにより金品を受け取るのを法律で禁止する動きが出たときの反対意見である。激論の末、あっせん利得処罰法が成立してから間もなく20年。政治家の習性は果たして変わったのだろうか。
そんなふうに考えさせられたのが、自民党の上野宏史・厚生労働政務官の件だった。週刊文春に口利き疑惑を報道され、辞任した。テレビが流した秘書とのやり取りの音声を聞く限り、よからぬ習性がうかがえる。
外国人の在留資格をめぐり、人材派遣会社と法務省の間に入って、お金を得ようとしていたように聞こえる。そんなことをしたらあっせん利得になるのでは、と言う秘書に対し「違うよ」と反論するところなど、迫真である。
内部の問題を告発する人のことを「ホイッスルブロワー」と言う。警告のため笛を鳴らす人の意味で、最近では笛ならぬICレコーダーが武器になっているようだ。違法なあっせんがはびこっていないか、自民党は秘書たちに内部通報を募ってみてはいかがだろう。
あつせん利得処罰法案が国会で審議されていた頃の川柳にあった。<金蔓は裏から地下に潜るだけ>。杞憂だったと、言い切れないことが悲しい。

 天声人語より
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こつこつ丈夫な体に スローペースで効果
超高齢社会になり、4人に1人は高齢者の時代。要介護・寝たきりの原因の1位は、骨折や関節が痛くなるなど運動器によるもの。運動機能は加齢とともに弱り、運動習慣がないとさらに落ちる。運動器の健康はとても大切。
ロコモティブシンドロームは、骨粗鬆症、変形性関節症、変形性脊椎症など運動器の病気や筋力低下などが原因で、歩行をはじめとする運動機能が徐々に低下していく状態を言う。早めに気づいて、早めの対策をすることが必要だ。
筋力を強くする。そうするとひざの痛みがよくなる。変形性膝関節賞は軟骨が減って進む。軟骨が減らないようにするために大きな手段が、筋肉を鍛えることだ。骨粗鬆症の予防・改善にもつながり、骨量が増える。腹筋・背筋を鍛えると腰痛も減る。筋肉による支えがよくなると脊椎の変形も進まなくなる。
ロコモ予防のため、どんな運動でもいいので週刊をつけること。ウォーキングもいいと、ジョギング、水中歩行もいい。日本整形外科学会ではスクワットと片足立ちを紹介している。スクワットは下半身の筋力を効果的に全般的に使うので、いい運動だ。これをゆっくりやる。5秒かけて下げ、5秒かけて上がる。
運動に関する注意。ゆっくりした動きのほうが、痛みが出にくくて効果も上がる。痛みが出たり増したりしても、運動後にすぐ収まるなら続けて構わない。痛みが翌日まで持ち越すようであれば、3日間ぐらい休んで、半分ぐらいの運動量から再開するといい。毎に津続けるといいが、最低でも週2回はやってほしい。90歳まで自分の足で歩く準備を、これから始めよう。

 健康・医療フォーラムより----石橋英明
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「オーパ!」は、ブラジルで驚いたときに口にする言葉だ。
釣りをするために南米アマゾンをめぐった作家開高健によるノンフィクションの書名である。川の広大さに、ピラニアの獰猛さに作家は驚く。開墾のためのジャングルの野焼きにも。
燃えさかる巨木を、苦しむ巨獣に例えた。「巨獣たちが黄昏のなかで足を踏み鳴らしつつこえもなく叫喚しあっているように見えた」。燃え尽きて散乱した木々は「巨獣の集団墓地」のようだと書いた。
そんな炎のすざましたさが、いまアマゾンで続いているのか。熱帯雨林の火災が記録的な広がりを見せている。ブラジルのボルソナーロ大統領が自然保護より開発を重視しているのを背景に、森林伐採や焼き畑が進んだとの見方が強まっている。
乾期で火がつきやすいとはいえ、火災件数も焼失面積も昨年の8割増しというのは異常であろう。しかし「ブラジルのトランプ」とも言われる大統領はその数字は「うそだ」と言う。数字を発表した政府機関の責任者を解任した。
乱開発が進む時期があり、環境保全に力を入れるときがある。揺れ続けてきたのがブラジルの政策である。いまは専門家を軽視する姿勢が危機を深める。自国第一主義も影を落としており、外国からの支援も申し出に背中を向ける。
日本から見てアマゾンが遠い存在なのは、開高が訪れた1970年代と変わらないかもしれない。しかし、その緑は地球の酸素の実に2割をつくっている。いかなる距離も意味を失う数字である。

 天声人語より
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