2019年04月の記事


スマホの通信量節約、無線LANの活用を
携帯電話の通信費が政府レベルで問題になるこのごろ。長男が驚くようなことを言った。「すまをほ家でWi-Fiにつないでいない友達、けっこう多いと」。
動画や音楽のストリーミングなど、スマートフォンで人気のサービスの多くは、大量のデータ通信を必要とする。例えば国内最大規模の動画サービスdTVの場合、4段階中2番目によい画質を選ぶと、1時間ドラマを12話見たら約7?バイトの通信料になる。スマホの1カ月の通信料の一般的な上限だ。このためdТVやアマゾン・プライム・ビデオなどでは、作品を事前にスマホにダウンロードし、出先では通信をほとんど使わず視聴できる機能を備えている。その前提となるのが、家庭に無線LANがあることだ。
だが総務省の通信利用動向調査によれば、2014年末のブロードバンド回線接続世帯の無線LAN利用率は73.7%、これがスマホ保有世帯では68.9%に下がる。また家庭に無線LANがあっても、家族全員がスマホを接続しているとは限らない。「自分の家族はスマホで無線LANの設定をしない。携帯電話の通信量上限も知らないらしく、『スマホが遅くなる』と言っている」と嘆く人もいる。パソコンと違い、スマホは家庭内回線なしでネットに接続できてしまうためだろう。だがそれでは、スマホの通信量は天井知らずになる。
スマホの無線LAN接続は難しくない。
すでに無線LANルーター(親機)がある場合は、スマホの設定画面で「Wi-Fi」の項目をタッチすると、SSIDと呼ばれる親機の識別記号が表示されるので、それを選んでパスワードを入力する。SSIDとパスワードは親機のマニュアルなどに書いてある。これだけで家の中でスマホが通信し放題だ。無線LANがなくても、家にネット回線があれば、無線LAN親機を購入して回線に接続、同様の操作をすればいい。3~4部屋以上の家庭なら、1万数千円の高性能のものがよい。「11ac」という最新の高速通信規格に対応した製品がおすすめだ。
スマホの通信費の高さや通信料がすぐに上限に達することが問題になるが、無線LANを使っていないことが、その隠れた原因の一つかもしれない。この際、家族が自宅でスマホを無線LANに接続しているか、点検してみてはいかがだろうか。

 ネット点描より
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読書に集中しようにも家では気が散るし、喫茶店も長居がためらわれる。
結局、通勤電車の中がいちばん本の世界に入り込める。ならばいっそ本を読むために旅に出てはどうか。そう考え、書店員の高頭佐和子さんがときおり実践するのが「遠征読書」だ。
移動時間が長いほどいいので、特急や新幹線には乗らない。名物の食べ物や美術館などと組み合わせる。各地のマラソン大会に出るように「あちこち出かけて読書する人がいてもいいんじやないかしら」。高頭さんが『旅する本の雑誌』に書いていた。
先日、高頭さんおすすめの宇都宮へと日帰りの遠征読書に行ってみた。人気の餃子店の行列は長かったが、待つ間もページが進んだ。場所や雰囲気が違うと、本も別の表情を見せるようだ。
遠征というと試合のイメージだが、探検などに行く意味もある。今日からの10連休。まるまる休める方も、そうでない方も、ちょっとした遠征を試みてはいかがだろう。ふらりと駅を降り、散歩をする。知らないまちの銭湯に入ってみるのもいい。
外に出なくてもできる遠征はある。しばらく会ってない人に手紙を書く。昔よく聴いたCDを探してみる。いつもの忙しさから離れる時間が長ければ長いほど、別の自分が顔を出すときがある。あれ、こんなことが好きだったっけと。それもまた心の遠征であろう。
アンケートなどを見ると、連休に何をするか決まっていない人も多いようだ。白紙を一日一日埋めていくほど贅沢なことはない。

 天声人語より
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夜型生活取り戻すには、朝日を浴びる。
乱れた睡眠のリズムを取り戻すにはどうすればいいのか。
①朝に日光を30分ほど浴び、睡眠ホルモンに関わる体内時計をリセットする
②日中に適度な運動をし、夜とのメリハリをつける。
③胃や腸を休めた状態で眠るために、就寝の3時間前には食事を終わらせる。
④夜は強い照明を使わないで過ごす--などが効果的という。
また、乱れた体内時計を整えて規則正しい生活リズムを手に入れるために、毎日の睡眠時間を記録することを勧める。起床・就寝時刻や寝ていた時間、途中で起きた時間・回数を振り返り、できるだけ毎日同じリズムを繰り返すようにする。休日だけ起床時間が遅くなる場合は注意が必要だ。平日の起床時間と2時間以上ずれると翌週の前半は時差ボケの状態となり、心身への負担が増えるという。
体内時計が乱れたままだと、睡眠時間帯が日常生活に支障を及ぼす「概日リズム睡眠障害」になる恐れもある。「朝起きられないなどの症状は『やる気がない』『だらしない』と見られがちだが、治療が必要な場合もある。受診をためらわないでほしい、と話している。

 はぐくむより
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作家の締め切り話を集めた左右社編集部編『〆切本』には、苦しい言い訳がいくつも出てくる。
「風邪気味なもんで」から始まる高橋源一郎さんの場合、「こんどはワイフが風をひいちゃって」「ワイフの祖母が風をひいたんで実家に看病に」と発展する。
最後は猫にまで風邪をひかせる。そんな虚言を聞かされても「怒ったり暴れたりしない編集者はまさに神のような人柄といえよう」と高橋さんは書く。要するに編集者に甘えているのだ。
さてこちらは原発をめぐる甘えである。航空機でテロ攻撃された場合の備えを「5年以内」にするよう求められているが、締め切りに間に合わない。期限を延ばしてほしいと、三つの電力会社が原子力規制委員会に泣きついた。
遠隔操作で原子炉を冷却する設備をつくるため「山の掘削などに時間がかかる」と電力会社は主張する。みんなで頼めば国が何とかしてくれると思ったのかもしれない。規制委員会からは一蹴された。鹿児島・川内原発などが停止になる方向という。
テロなどめったにない、との甘さもあるのだろう。ついこの間まで北朝鮮がミサイル実験を繰り返していたのを忘れたのだろうか。そもそも巨大な津波などあるわけがない、との油断から福島の事故が起きている。
『〆切本』には、きまじめな例もある。吉村昭さんは締め切り寸前だとパニックになるので、余裕を持って原稿を編集者に渡していた。「早くてすみませんが」と書き添えて。電力会社さん、聞いてますか。

 天声人語より
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敗戦の年の夏のことを、作家の坂口安吉が苦々しく書いている。
「国民は泣いて、ほかならぬ陛下の命令だから、忍びがたいけれども忍んで負けよう、と言う。嘘をつけ!嘘をつけ!嘘をつけ!」。われら国民は戦争をやめたくて仕方がなかったではないかと。
日本人のそんな振るまいを安吉は、「歴史的大欺瞞」と呼んだ。死にたくない、戦争が終わってほしいと切に浴していたのに、自分たちでは何も言えず、権威の行動と価値観に身をゆだねる。自らを欺く行為に等しいと、安吉には映った。
天皇が元首だった当時とは違い、象徴と位置づけられる現代である。それでも似たような精神構造をどこかで引きずってはいないだろうか。
「象徴としての務め」は、平成に入ってから眼だっうになった。なかでも第2次大戦の㌢への訪問の一つひとつは、日本の加害の歴史を忘れないようにという試みだったのだろう。平和憲法を体現する道ともいえる。しかし、こうも思う。その営みは、天皇という権威が担えばすむことなのか。
「おまかせ民主主義」という言葉がある。投票にも行かず政治家や官僚に従うことを指す。同じようにすごく大事なことを「象徴の務め」にまかせて、考えるのを怠ってこなかったか。天皇制という、民主主義とはやや異質な仕組みを介して。
世襲に由来する権威を何となくありがたがり、ときに、よりどころにする。そんな姿勢を少しずつ変えていく時期が、来ているのではないか。

 天声人語より
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老後の健康、歩いて外出できる体力を
「団塊世代」が、10年足らずで75歳以上の「後期高齢者」となる。その後の人生の明暗は「歩いて外出できる体力の維持」にかかっている。家事をこなし、公共の乗り物で移動し、スーパーで買い物ができれば、一人暮らしも可能だ。外出できれば、近所の人とも交わり、草花や風のそよぎに季節を感じ、心も豊かになる。買い物をすれば計算もする。歩けなくなると一挙にそれらを失い、医療、介護の対象になる。
心身を動かさないと老化は加速する。そのターニングポイントは、男性の場合、定年退職時にある。ここで手を打つには、いわば「大人の義務教育」のように場が有用と考える。「定期的に歩いて外出する場」を提供し、地域とのコミュニケーションの構築、健康・調理などの知識と技術を習得することを目標とした授業をしてはどうだろうか。
歩いて通えることが前提なので、65歳前後の1~2年間、半日程度のコースで週に2回ぐらい学区の小中学校の空き教室に集まってもらう。
全員参加は、ホームルームと健康講座くらいにしておいて、パソコン、園芸、手芸などカリキュラムは工夫次第、講師もメンバーの中から出てくるだろう。栄養の整った学校給食を食べれば、筋力低下予防にも効果があるはずだ。
自治会などで対象者全員に声がけするが、親や孫の世話、仕事や趣味を理由とする不参加は可とする。だが、出欠届は義務とする。元気だけど、自ら積極的に出向かない人々を集めることで、点と点がつながり面となれば、子育てや介護、防災の一助にもなり、地域に飲み仲間やゴルフ友むだちもできるだろう。終了後は自主活動が継続すれば成功だ。地域差はでるだろうが、医療費や介護費の削減に向けて、市町村でこのような「大人の義務教育」に取り組むことはできないだろうか。

 オピニオンより-----健康運動指導士・山田佐世子
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今回の統一地方選で目を引いたニュースに、当選を辞退した人の話があった。
長野県辰野町議選で欠員が出そうだと知り、ある男性が飛び込みで立候補を届け出た。そのまま無投票で当選したが、2日後になって辞退を申し出た。
「家族や地域の理解が得られなかった」のが理由という。町の担当者が「辞退は前代未聞」と頭を抱えていると、あった。こんな騒動が起きるのも、欠員や無投票がいまや日常風景になったせいか。
「議員のなり手がいなくなるのは当然です」。そう言うのは政治学者の待鳥聰史・京都大教授である。議員として新しいことをしようにも財政が厳しい。何か失敗すれば、きつく批判される。立候補するには仕事をやめないといけない。それに見合う報酬もないのに----。
必要なのは「議員に何を期待するのか」を再定義することだという。一つのやり方はプロとして責任を重くし、報酬も上げる。もう一つは首長を監視するアマチュアだと割り切り、兼業をおおいに認めて、報酬も日当程度にする。
アマチュア議会を想像してみる。学校の先生が授業を終えて、議場にかけつける。Tシャツ姿の人が質問に立つ。託児施設が設けられ、時おり子どもの声が聞こえる。議論は真剣、かつ、にぎやかである。
何ごとも締め切りが大事だ。わが議会はどうするかの議論をすぐ始め、次の選挙までに必要な改革をする。そのくらいのスピード感がほしい。4年後の統一地方選でまた頭を抱えないために。

 天声人語より
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ゴーン容疑者
作業服にスズキの軽ワゴンから、ダークスーツにトヨタの高級ミニバンへ。
それにしても、あの変装は何だった?

素粒子より
日本を馬鹿にしているのだ。
日産が心配ならなぜトヨタ車に?
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明治初期の岩倉使節団は、米欧からの帰りにセイロン島、すなわち今のスリランカに立ち寄っている。
直前に滞在していた欧州と比べ「人間にとっての極楽と感じてしまうようである」との感想を残した。山や緑や水の青さ、澄んだ空気に感銘を受けたという。
もっとも現地の人については、温和で礼儀があるとしつつも「無欲過ぎる」「積極的でない」などマイナスの評価をしている。列強に追いつこうとする当時のエリートには、穏やかすぎる社会と映ったか。
自然の豊かさや人びとの温和さ、そして仏教遺跡の荘厳さ。すべてが魅力となり、スリランカは今、多くの観光客を引き付けている。日本からも年間4万人超が訪れる。そんな国の都市がテロに引き裂かれた。
爆発が8カ所で連続して発生し、ホテルやキリスト教会などが標的になった。教会では礼拝のさなかに爆発が起きたという。イスラム過激派の関与があったとスリランカ政府は指摘している。
犯行は計画的で、多くは自爆テロだったようだ。自分の命をたんなる道具として扱う。殺す相手の命を数量としてしか考えない。そんな蛮行が、またも繰り返された。背景にはいったい、どんな増悪があったのか。
亡くなった一人、高橋香さんはスリランカ在住という。犠牲者にはスリランカ人だけでなく外国人も少なくなかった。一人ひとりが外の世界との架け橋になっていたはずでる。そんな営みもすべて、爆弾が吹き飛ばした。

 天声人語より
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宝塚線脱線事故から14年
107人が死亡し、562人が負傷した事故から14年。
追悼慰霊式が初めて事故現場に整備された「祈りの杜」で営われた。

 紙面より
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「一種のパクリはいっぱいありますよ---」。脚本家の倉本聰さんが対談で告白している。
例えば洋画の「ゴットファザー」。裏切った男が「昔なじみだから助けてくれ」と頼むものの殺される場面がある。セリフをそのまま自分の映画に使ったという。
16回見たという邦画「また逢う日まで」は、セリフをほとんど暗記している。「だから何かのはずみにそれがひゅつと出てきたりする」。大脚本家も、過去の作品から大きな影響を受けている。
「「私が他人より遠くを見ることができたとしたら、巨人の肩の上に立っていたから」とニュートンは書いた。芸術も科学も、先人たちの業績の上に優れた仕事が生まれる。そう思うと興味深い動きである。美術館がインターネットで収蔵品の無料公開を進めている。
著作権切れの作品の画像を自由にダウンロードできるようにするもので、欧米が先行した。国内勢は後手に回っていたが、愛知県美術館が始めたとあった。ムンクやクリムト、伊藤若冲もあり、二次創作に使っても構わないという。
ネット全盛の時代、作品の権利をどう守るかが重要な課題になっている。とりわけ音楽や漫画で試行錯誤が続く。しかし引き締めが過ぎれば、未来を担う世代が、過去の作品から学びにくくなるかもしれない。バランスが難しい。
美術館に通い、模写をした----。洋行し修行した画家たちには、そんな話が多い。デジタル時代は、どんな下積み物語が紡がれるか。

 天声人語より
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救済法成立
元号は変わっても、国の責任は消えない。
被害者の納得へ、努力を。
平成ぎりぎりで成立。

素粒子より
国方針が後に間違っていたとなると、われわれは何を信じればいいのだろうか。
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映画の山場に、流血シーンがあるとする。観客を驚かせ、怖がらせるには、その場面より前に赤い色を一切使わない。
効果的な演出の一つだと、何かで読んだことがある。鮮烈な赤に対する「慣れ」が、見る人に生じないようにするのだ。
ひどい言動が続き、そのひどさに「慣れ」てしまいそうなのがトランプ米大統領である。今回明らかになったのは捜査妨害の企ての数々。「またか」という気もするが、その行為はやはり「まさか」と言うべきものだ。
大統領選でロシア政府と共謀があつたのでは。そんな疑惑をめぐる捜査をやめさせようと必死になっていた様子が、司法省の報告書で明るみに出た。マラー特別検察官を解任しようと、大統領が画策していた。
解任が無理となると、捜査を縮小させようとしたり、自分に近い司法長官に介入させようとしたり。捜査妨害の疑惑は10件に達する。潔白であるならば必要のない行為ではないか。追訴には至らなかったが、議会での追及が続きそうだ。
救いがあるとすれば、トランプ氏の指示を聞き入れなかった高官がいたことか。そんなことをするくらいならと辞任した人がいた。拒否して解任された人がいた。司法の独立の大切さを認識するがゆえであろう。
「慣れる」は「馴れる」とも書くが、後者は動物が人になつくという意味もある。トランプ氏の言動には慣れても、いついかなる時もシッポを振るほど馴れきってはいない。そんな人が大統領の周囲にいた。今はどうだろう。

 天声人語より
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横断歩道での事故
一瞬で車が凶器と化し、被害者、加害者、家族らの日常が暗転する。
改めて見詰めたい、ドライバーの重い責任。

素粒子より
横断歩道での徐行しない、渡りたい人がいるのにそのまま走り去る人。マナーが悪すぎる。警察も一斉取り締まりをするべきだ。
シートベルトや携帯電話の取り締まりも大切だが、パンフレットで周知しているだけでは今の日本はダメ。強硬手段を。
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4月の下旬になると、小さな悔いを思い出す。
社会人1年目の春、ようやく就職し、せっかく初任給をもらいながら、家族に感謝の品すら贈らないまま終わってしまった。せめて食事に誘えばよかったと後々まで反省した。
漫画家深谷かほるさんの代表作「夜廻り猫』に、初任給をめぐる一話がある。働き始めた若者が祖父をカレーチェーンCoCo壱番屋に誘う。差し向かいで夕食をとり、若者が財布を取り出す。「給料もらったらじいちゃんとうまいもの食べに行こうと思っていたから」。レジで支払いする若者の背に、祖父は深く頭を下げ、手を合わせる。
読んで胸に迫るものがあった。作者の深谷さんに尋ねてみると、実話という。「新潟県のカレー店で知人が見たままを描きました」。通い慣れた店を選ぶ若者の素直さ、孫の好意に感謝した祖父の表情。その両方に感じ入ったと話す。
「お給料をもらうのってすごく大変なこと。社会に出てからわかりました」と語る。職場があること、健康であること。いろいろな条件が重ならないと給与生活は送れない。深谷さんの実感である。
多くの職場では、来週あたりが支給日だろうか。三井ダイレクト損保は昨年、新社会人300人に初任給の使途を尋ねた。最も多かった答えは「親にプレゼントを購入」だった。貯蓄や外食、旅行を上回っている。
<初任給にて娘の買いくれし広辞苑三十年繰りて共に旧りたり>高原康子。贈られた側にとってはまさに一生ものの宝である。

 天声人語より
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スリランカの爆発
内戦終結から10年。
平穏だったスリランカで多発テロ。
外国からの観光客が増え、企業進出も盛んな島国で何が。

 素粒子より
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昔の学生は英語の辞書を破っては食べて覚えたものだ---。
高校の教師に言われても真に受けなかったが、明治期の福島県が生んだ秀才、朝河貫一・米エール大教授の場合、食べた辞書の生で語り継がれている。
「食べ終えて残った辞書の表紙は、母校の県立安積高校の校庭の桜の下に埋められた。朝河桜と呼ばれています」と語るのは歴史学者の甚野尚志早大教授。昨年11月に結成された「朝河貫一学術協会」の発起人の一人だ。
朝河は1873年、旧二本松藩士の家に生まれた。語学に秀で、早大の前身・東京専門学校から米国の大学に進む。級友から親しみをこめて「サムライ」と呼ばれた。名門エールに教職を得ると、日欧の封建制度を研究した。
現実の国際情勢にも背を向けず、独善に陥った日本の外交には繰り返し警鐘を鳴らした。早くも明治の末年、いずれ日本は世界の中で孤立し、米国の怒りを買って破滅すると述べている。戦後の1948年、米国で没した。
「注目すべきは視野の広さ。史料の海におぼれ、視座を見失いがちないまの歴史学者には学ぶべき点が多い」と甚野さん。学術協会は今後、残された膨大な草稿や書簡を分析し、研究を深めていく予定だ。
安積高校の校庭ではちょうどいま、朝河桜が満開を迎えた。没後70年を過ぎ、残念ながら地元福島と歴史学界を除けば、その名は記憶から薄れつつある。全業績、全人物像に改めて光をあてたい歴史家である。

 天声人語より
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快眠のコツ 適切な睡眠は6~7時間。統べての人に勧めしたいのは昼寝。
春眠暁を覚えず、という漢詩があるように、眠りを誘う季節です。しかし、布団に入ってもなかなか寝付けないという相談は、この季節も多く寄せられます。適切な睡眠時間を知って、気持ちよく寝てすっきり目覚めましょう。
 私たちは眠ることで疲労を回復させ、心身のメンテナンスをします。日中、疲れや眠気を感じず過ごせるようなら、李相の睡眠がとれているといえる。
現役時代に十分な睡眠がとれなかったから時間ができた今はゆっくり眠りたい。結果、寝床にいる時間が長すぎて、睡眠の質が悪くなる。これがシニア世代の落とし穴になります。寝付きが悪かったり、夜中に何度も目覚めたりする人は睡眠時間を圧縮することで、改善されることが多々あります。目安は6、7時間。実際に眠っている時間+30分を心がけましょう。
 凡ての人にお勧めしたいのが昼寝です。午後を元気に過ごせて活動量が揚がるからです。ポイントは時間の長さとタイミング。正午~午後3時の間に30分までの仮眠をとれば、深い眠りに入る前に目覚めるため、すっきりします。
 ソファに座って目を閉じるだけでも、効果を期待できます。衣服の締め付けをゆるめ、上半身を少し起こした姿勢で足を伸ばすとリラックスできる。

 きょうもキレイより------三橋美穂
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狙った金品は必ず手に入れる不死身の盗人ルパン三世。絵柄も話の運びもおよそ日本離れしている。
作者はモンキー・パンチ。人をくったようなその名を初めて見た日、どこか異国の漫画家だろうと思い込んだ。
本名は加藤一彦さん。北海道の東端に近い浜中町で生まれた。霧多布湿原を抱える静かな町である。家業のコンブ採りを手伝いつつ、「三銃士」や「怪人二十面相」を読みふける。定時制高校を卒業すると、漫画家を志して上京した。
出版社に送った同人誌の表紙絵が、ある漫画誌編集長の目にとまる。デビューは28歳。「この絵は加藤一彦という雰囲気じぁない」。編集長の付けた筆名がモンキー・パンチだった。「ルパン三世」はアニメや映画になり、世代を超えて浸透した。
「漫画で描く霧や岩は故郷・霧多布の風景です」。北海道を訪れると講演でそう語った。浜中町商工観光課によると、飲食店の一角は「ルパン三世通り」と呼ばれる。おなじみの登場人物にちなむ「パプ不二子」「次元バー」の英字看板が空き店舗に掲げられ、人気の撮影場所である。
町内を走るJR根室線の3駅では、人物大の絵パネルが観光客を迎える。ルパンの名を冠した町おこし行事には加藤さん自身もたびたび参加し、笑顔を振りまいた。
温和で控えめ、偉ぶらない。広く慕われた漫画家が81歳で亡くなった。若いころ使ったという筆名「ムタ永二」のままだったとしたら、あれほど神機縦横なルパンの活躍はなかったかもしれない。

 天声人語より
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脂肪肝、毎日汗ばむ程度の運動を毎日30分続けることで改善
食べ過ぎなどによる脂肪肝は、早歩き程度の少し強めの運動を毎日30分以上続けると改善する、との研究結果を筑波大の研究チームが発表した。体重は減らなくても効果があるという。
取り組んだ時間別にグループ分けして、脂肪肝の改善状況を比較した。
運動時間が長いほど、内臓脂肪面積や血中の中性脂肪濃度などが減少。特に週250分以上の運動をしたグループは、肝臓の炎症を防ぐ物質や善玉コレステロールが増え、細胞を傷つける物質は減っていた。血液の遺伝子解析でも、肝臓の脂肪蓄積を抑える働きが活発になっていることが分かったという。改善が期待できるのは、過度の飲酒が原因ではない非アルコール性脂肪肝疾患。心臓血管系の障害や糖尿病にもつながる病気で、食事・運動療法が有効だ。

 紙面より
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世界経済に暗雲「永久緩和」という思考停止
10年好況にわいた世界経済に暗雲が漂ってきた。いま不幸にも危機が起きたら、最も苦しいのは日本になるかもしれない。今年1月、景気拡大が戦後最長になった可能性があると内閣府が発表した。この好況のもとで日本銀行は一度も金融を引き締めなかった。今の日銀内部には、ゆがんだ思惑が渦巻く。ゼロ金利解除や量的緩和解除で、政治から厳しい批判にさらされた過去のトラウマがあるからだ。
しかし、景気がいいときも悪いときも緩和をやめないなら、それはもはや「永久緩和」と言わざるをえない。金融でカンフル剤を打ち続ければ、政府も、企業や家計も借金づけになる。そうなったら、かえって経済の新陳代謝が進まず、長期停滞が固定化してしまわないだろうか。
「アヘノミクスはもうやめて、金利を引き上げたほうが経済はずっと良くなる」
そんな大胆な主張をするのは経済コンサルタントの大前研一氏である。
いわく、この30年間で日本の個人金融資産は500兆円積み上がり、1800兆円になった。それでも豊かさの実感がわかないのは死に金になっているのだ。将来不安があるから、だれも使おうとしない。
ゼロ金利、マイナス金利のままでは年金や保険のように、金利あってこその社会基盤が次第にこわれていく。これも、人々の将来不安をかきたてる要因かもしれない。
「1800兆円に1%の金利がつけば、18兆円の金利収入が生まれる。国民に盆と正月がいっぺんに来る」
この大前プランを暴論とみるか、それとも「永久緩和」のあり地獄から脱するための現実的な提言と受け取るか。私は後者に傾いている。「金融緩和=景気にプラス」という思考停止から、いちど自由になってみたほうがいいのかもしれない。

 多事秦論より----原 真人
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国際通話料
高額ではないのね。
タイから日本へ、日本から中国へ。
詐欺団が共同生活しながら電話してたなんて。

素粒子より
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冬空にきらめく星団すばる。漢字なら「昴」だが、沖縄では古くは「ぼれ星」、ハワイでは「マカリイ」と呼ばれた---。
先週亡くなった海部宣男さんの『天文歳時記』に教わった知識である。
宇宙の魅力を伝えることに心を砕いた天文学者だった。若いころから、ギリシャ神話や漢籍、江戸俳諧など古今の詩歌に親しみ、描かれた宇宙観を雑誌の連載で平易に解説した。
少年時代、星空に何かを発見したいと望遠鏡を手作りして、観察に熱中している。天文学の道に進み、宇宙に浮かぶガスやちりなど星間物質の研究に打ち込んだ。長野県の野辺山高原で電波望遠鏡の設計や建設に関わり、ハワイに設けられた日本の観測所では初代所長に。国際天文学連合の会長としても活躍した。
業績の第一は、建設を主導したハワイ・マウナケア山の高性能望遠鏡「すばる」だろう。1998年末、初観測で狙ったのはオリオン星雲。生まれたての超巨星が四方八方に衝撃波を放つ写真が世界の目をとらえた。「星の赤ちゃん、大暴れの図である」と観測時の興奮を自著に刻んだ。
戦争をめぐる科学者の責任についても積極的な発言を続けた。4年前、安全保障法制をめぐる強引な国会運営を憂え、「中韓との関係が悪化し、天文学研究の協力が進まなくなった」と反対の声を上げた。
詩文を読んでも名画を見ても、思考の焦点は宇宙や天体にしっかりと結ばれていたようである。享年75.少年時代から飽かず見つめた天空へ静かに戻っていった。

 天声人語より
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天皇の伊勢神宮参拝
退位に向けた儀式「神宮親謁の儀」に臨まれた。
在位中最後の地方訪問で、遠藤などで多くの市民が出迎えた。

紙面より
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NHKの連続テレビ小説を熱心に見たのは小学生のころ。長らく遠ざかっていたが、実家や職場てはたえず話題に上がる。
いまの作品で通算100作に。その魅力は何だろう。
「日本の家族観や職業観を培ってきた。出来不出来はあつても必ず見ます」。そう語るのは田幸和歌子さん。『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』という著書をもつドラマ評論家だ。
過去の99作を日本の歴史にたとえてもらった。番組の始まりは1961年。武者小路実篤や川端康成ら文豪に頼った。初老の男性を主人公に据えるなど、模索続きの「縄文・弥生時代」だった。
番組の方向性が定まった、いわば「大和政権」の成立は、第6作の「おはなはん」から、「おてんば少女が災禍に負けず成長していくという路線が確立しました」。第31作「おしん」の成功は以後、制作陣の目標となり、これで幕藩体制が固まった。新風を吹き込んだ第88作「あまちゃん」は明治維新級の存在感を放つという。
朝ドラのマンネリ化を嘆く声は途切れない。それでも登場人物の延命をNHKに訴えるなど、熱心な視聴者は決して少なくない。貧しくも快活なヒロインが、最後は幸せをつかむ。変わらぬ人気の背景には、そんな安心感もあるらしい。
戦災孤児の少女が、父親の戦友の故郷・北海道の牧場で働く----。放送中の「なつぞら」である。定石と言えば定石通りなのに、毎日見ているうち、主人公の気持ちに同化していく。つくづく不思議な磁力である。

 天声人語より
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大聖堂の再建
寄付が続々集まり、ルイ・ヴィトンが250億円のほか、石油会社、保険会社などフランスの大手企業から巨額の寄付を続々表明。
16日現在で少なくても約1億円の寄付があるという。
マクロン大統領は5年以内に再建すると表明。
専門家は10年はかかると言っているが。

紙面より
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熊本市動物園の獣医師松本充史さんは、3年前の夜、残業中、強烈な揺れに見舞われた。
真っ先にたしかめたのは猛獣たちの安否である。トラ、ユキヒョウ、ライオンなど5頭とも無事だった。だが、問い合わせの電話が次々入る。「ライオンが逃げ出したんですか」。
SNSを見ると、夜の住宅街を歩くライオンの写真が拡散していた。「動物園からライオンが放たれたんだが、熊本」。悪質なデマである。ネットが不調で、正確な情報を公式サイトで発信するのに一昼夜を要した。
前震と本震で、園は混乱を極める。獣舎は傾き、液状化した土砂が慣れ込んだ。何より困ったのは断水だ。動物は水なしでは生きられない。さらなる揺れを警戒し、猛獣を避難させることも決まった。阪神や東日本など大震災をへて、動物園は災害支援の輪を育ててきた。動物園や水族館を結ぶ組織が、水族館用の巨大水槽を届けてれたほか、猛獣の受け入れ先も斡旋。災害時では初めてという猛獣の県外非難が実現した。
園が全面的に再開したのは昨年の暮れ。福岡、大分両県に預けていた5頭も帰ってきた。ライオンの雄サンは、避難先から結婚相手の雌クリアを連れて帰還。相性がよく繁殖が期待できるため、「熊本の復興に資するなら」と譲渡されたという。
生まれ変わった施設、職員たちの得た教訓を学ぼうと、他県の動物園から視察がやってくる。地震大国日本で、動物園を結ぶネットワークがよりいっそう深化することを願う。

 天声人語より
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パリの火災
ノートルダム大聖堂。尖塔が焼け落ちる。
改修工事が行われていたそうだ。
大聖堂の骨組みは木材が多く使われていて、火が回った可能性が高い。
外から見ると煉瓦造りかと思っていたが?

紙面より
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昨年のノーベル平和賞を贈られたデニ・ムクウェゲさんは、コンゴ民主共和国の婦人科医である。
紛争下で性暴力にさらされた女性たちをずっと支援してきた。その長い経験から彼は言う。「レイプは性的テロリズムだ」。
紛争地でなくても、性犯罪が被害者にとって、理由もなく襲い来る恐怖であることに変わりはない。混乱や絶望、あるいは凍り付くような感覚が、被害者の口から語られる。「魂の殺人」と言われるゆえんである。
そんな被害に苦しむ多くの人たちの心を、もう一度殺すような判決ではないだろうか。当時19歳だった実の娘と性交したとして準強制性交罪に問われた父親に対し、名古屋地裁岡崎支部が無罪を言い渡した。
被害者は中学生の頃から性的虐待を受け、拒むと暴力を振るわれることもあった。事件当時、父親の精神的な支配下にあつたことも、被害者の意に反する性交だったことも、裁判官は認めている。しかし結論は「抵抗不能の状態だったとは判断できない」となった。
子どもを守るはずの家庭は、ときに恐ろしい密室にもなる。長く続いた虐待があり、その延長線上に今回の事件もあるという事実を軽視した判決ではないだろうか。検察は判決を不服として控訴した。
一昨年の刑法改正では、被害者の告訴がなくても性犯罪が成立するなど、前進がいくつか見られた。それでもまだ、実態に追いついていない部分があるのかもしれない。魂を殺す行為が、法の網から漏れることがあつてはならない。

 天声人語より
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有権者
近所のポスター掲示板を見ながら考える。
投票できない有権者って、主権者なの。

素粒子より
そういう人こそ自身が立候補すべきだ。
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「影は光よりも大きな力を持っている」。15~16世紀を生きた芸術家レオナルド・ダビンチが書き残している。
影は物体から完全に光を奪うことができるが、光は影を追い払えない。光はどうしても影を作ってしまう。
ダビンチの絵画から感じるのは、描かれた影の重さと深さである。闇に包まれた男が浮かび上がる「洗礼者ヨハネ」では、十字架さえ暗がりに紛れる。描きたかったのはヨハネではなく闇だったのでは。そんな気すらしてくる。
一昨日、宇宙の闇が映し出された。初めて撮影に成功したブラックホールの姿は、光る輪の中にあった。入ったら絶対に抜け出せないというから宇宙の墓場のイメージがある。しかし写真からはどこか活力さえ感じる。
相対性理論をもとに「ある」と言われてきた穴だ。見えたからどうなるという気がしないでもないが、5500万光年を隔てた画像には重みがある。世界6カ所の望遠鏡が、人間に換算して「視力300万」を実現した。
考えてみれば科学の進歩とは、私たちの視力を拡大する道のりかもしれない。17世紀に、ガリレオが望遠鏡で星を眺め、レーウェンフックが顕微鏡で微生物を見つめた時から。宇宙、海中、ミクロの世界へと視線が向けられてきた。
「われわれの世界は微笑な星屑にすぎず、宇宙では針の尖ほどにしか見えない」。望遠鏡などない時代、科学者でもあったダビンチは書いた。想像すること、確かめること、解き明かすこと。これからも歩む道のりであろう。

 天声人語より
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理想的な健康長寿の姿、それに近づくための心の持ち方
まず「健康」という言葉そのものについて考えます。「健」の字には、建物の「健」が含まれます。地震で倒れない、しっかりした建物を建てるように、「人間の体を健やかに保つにも、強い土台が必要だ」と解釈できそうです。
次に「康」というと、260年続いた江戸幕府の礎を築いた、徳川家康の名が思い浮かびます。「啼くまで待とうホトトギス」と詠んだ、という逸話があるほど、家康は気長で心に余裕のある人物だったと言われています。漢和辞典を調べると、康には「すこやか」「やすらか」といった意味があるようです。健やかに、安らかに。気長に、余裕を持って。そんな心の持ち方が長生きのコツでしょうか。「人生50年」と言われた時代、家康は70年以上、生きたことが分かっています。
では、長生きしたら、毎日をどう楽しむか。「今までやったことがないことをやってみる」。それに尽きます。挑戦するかしないか、迷う前に、「新しいことに挑戦する毎日」を習慣化してしまえばいいのです。

 あるがまゝ行くより---日野原重明
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英語でインタビューをした時に、専門の会社にテープ起こしをお願いすることがある。
聞けばインドのムンバイに事務所があり、現地の人たちが仕事を担っているようだ。さすが英語が公用語なだけに、正確に仕上げてくれる。
そんなことが可能になったのも、インターネットのおかげである。長めの音声でも数分で送信できるし、出来上がった英文はすぐにメールで送ってくれる。便利な世の中になった。
国と国との垣根が低くなる傾向を「世界のフラット化」と名づけた米ジャーナリストもいた。政治はともかく経済は、たしかに平になってきた。しかしそれは真っ当なビジネスに限らない。タイ中部パタヤの高級住宅で、振り込め詐欺とみられるグループが摘発された。
現地警察に逮捕されたのは15人の日本人で、福岡や沖縄などの出身という。インターネットを使ったIP電話も50台以上押収された。日本にいる人にウソの請求通知を送り、電話してきた人をだましていたとみられる。
とうやって手に入れたのか、電話番号は東京の局番「03」が使われていたという。日本にいると思わせて、捜査の目を逃れる狙いだったか。コストを抑えるために、生活費の比較的安いタイが選ばれたのか。
早くて安い通信手段に、物価や賃金の低い国を組み合わせる。仕事の現場は、自国にこだわらない。そんなグローバル企業の手法が、振り込め詐欺にも当てはまるとは。奇妙な事件を扱うことになったタイ警察当局の苦労もしのばれる。

 天声人語より
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高カカオチョコで腸内の善玉菌を増やし 便通改善
カカオ分70%以上の高カカオチョコレートを店頭で見かけませんか。ちょこっとでも腸の調子を整えることが分かってきました。
チョコの成分で有名なのはカカオポリフェノール。認知症の予防や動脈硬化のリスク軽減などの効果があることが、2014年から愛知県蒲郡市で行われた市民347人を対象にした健康調査でわかった。一方、この調査で「便通が改善した」という声も聞かれた。ポリフェノールでは説明できない結果だった。
「カカオたんぱく質が関わっているのでは」と帝京大の古賀准教授は考えた。古賀さんは機能性が未解決だったカカオたんぱく質の抽出・分離に初めて成功。大豆や牛乳のたんぱく質と比べて消化されにくく、大腸まで届くことを明らかにしていた。大腸には500兆個以上の腸内細菌がすみ、食物繊維などを餌に腸内環境を整えている。
菓子メーカーの明治と共同で、便秘気味の女性31人を2群に分け、カカオ分72%の高カカオチョコと、カカオたんぱく質を含まないホワイトチョコを、それぞれ毎日25㌘、2週間食べてもらった。
すると、ホワイトチョコの群は変化はあまりなかったが、高カカオチョコの群は排便回数が週2.8回から4.9回に、1回の排便量も2倍以上増加。便秘解消が裏付けられた。「結果にびっくり」と古賀さん。女性たちの腸内細菌を調べると、「フィーカリバクテリウム」が約2.5倍増えていた。この菌はあまり知られていないがビフィズス菌、乳酸菌と同様に善玉菌だ。
この菌から作られる酪酸は大腸の粘膜を刺激し、便通改善の効果がある。古賀さんは「カカオたんぱく質が善玉菌の餌になり、腸内環境が改善した」と話す。
厚生労働省の13年の調査では便秘に悩む人は約470万人で女性に多い。高カカオチョコの機能を研究する愛知学院大の大沢教授は「日常の食事習慣の中で少しずつ食べることが大切」と助言する。少量でも様々な効果が出るので、カロリーも気にするほどではないという。

 続・元気のひけつより
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1962年、千円札の肖像画が伊藤博文に決まるまでには、有力なライバルがいた。実業家の渋沢栄一である。
ぎりぎりまで候補に残ったものの、らくせんした。容貌がお札向きでないことが理由の一つだったと、当時の新聞にある。
容貌とはつまり、渋沢の写真にヒゲがなかったことか。今ほど偽造防止技術が高くなかったその頃、ヒゲのあるなしは重要な要素だった。細かな毛の一つ一つが描かれれば、それだけ偽札づくりが難しくなる。お札の伊藤は白く豊かなヒゲが目立っていた。
政治家や文化人の多かった紙幣の肖像に、ビジネス界からの起用が決まった。20年ぶりの刷新で、1万円札には渋沢が選ばれた。聖徳太子、福沢諭吉に続いて3代目となる。
時代の潮流を見極めた人だった。明治初年、若くして政府から民間に転じた。「金銭に眼が眩み、商人になるとは実に呆れる」と友人から言われたが、日本を豊かにするためには商売が大切だという信念を貫いた。なるほどお札にふさわしい人かもしれぬ。
潮流といえば、キャッシュレスの流れが進む現代である。新紙幣が世に出る2024年には現金の肩身はもっと狭くなっているかもしれない。「財布に栄一を----」との言い方が果たして定着するかどうか。
渋沢はお金について「よく集めよく散ぜよ」と書いた。お金は貴いが、むやみに惜しんでは社会が活発にならない。乱費ではなく、善用せよ。お札の人に納得してもらえるような使い方ができれば。

 天声人語より
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韓国の水産物輸入禁止容認
WTOの紛争を処理する上級委員会が日本の逆転敗訴となる判断を示した。
勧告に是正を求めた第一審を破棄し、輸入規制を容認。

紙面より
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政治家の迷言は数あれど、これは横綱級であろう。20年近く前、無党派層について当時の森喜朗首相が口にした。
「関心がないといって寝てしまってくれれば、それでいいんですけれど---」。
投票を棄権してくれた方がありがたい。そうとしか聞こえない発言は世の批判を浴びた。無党派の票が野党に流れないかと、自民党が常に気をもんでいた時代である。さて今回の統一地方選前半。誰にも言わずとも、有権者が「寝て」いるしかない地域が多かったようだ。
41道府県議選で4割の選挙区が無投票になった。定数を上回って立候補する人がいなかったためで、議員の4人に1人が選挙なしに当選した。記録が残る1955年以降、最もひどいことになった。
ひどいと書いたのは、投票の機会を奪われた側からの話。議員たちから見れば、選挙運動の苦労がなくてよかったということかもしれない。無投票当選者の7割近くは自民党である。対立候補を立てられなかった野党の力不足を示している。
「多くの人に名前を書いてもらう」。政治家の誇りであり、正当性の源であろう。それを経ない議員が多数を占める日が来るかもしれない。無投票当選議員が47%となった岐阜県、46%の香川県を見ていると心配になる。どうか異常値であってほしい。
勝ち負けが最初から見えている選挙を「無風」という。風の吹きようもない無投票当選は「真空」か。民主主義が、じわじわと窒息していく、。そんな兆候でなければいいが。

 天声人語より
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EU離脱期限10月末まで延長
臨時のEU首脳会議で英国の離脱期限を現行の12日から欧州委員の任期が切れる、10月末まで延長するのを決めた。
EUが新体制に移る前までに英国が抜けるべきだとの判断。

紙面より
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水木しげるが世に出した妖怪になかでも「いそがし」には独特の怖さがある。
取りつかれた人間は、意味もなく忙しく働いてしまうのだ。昨年放送された「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場していた。しかし、なぜか寂しそうだった。
妖怪に悪さをされなくても、人々は自ら多忙を求めるようになった。「わしも昔はいろんな人間に取りついて楽しんではいたが、今はわざわざそんなことをする必要もない」。自分は不要な存在になったと妖怪が嘆いていた。
外からの力で強制されなくても、働きすぎが習い性になっている。そんな日本社会への風刺であろう。こびりついた習慣を破るには別の力がいる。働き方改革をうたう法律が今月施行された。
目玉は、残業時間に上限を設け罰則をつけたことだ。違反した雇い主には6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金が科される。今年は大企業に、来春からは中小企業も対象になる。こうした強制力が「ようかい"逆"いそがし」になってくれれば。
「仕事が減らないのに一体どうすれば」「管理職にしわ寄せがいく」などの声も聞かれる。最初は混乱があるやもしれぬ。しかしそれは日本を変えるための意味ある混乱であろう。今までが異常だったのだ。
近刊の『残業学』に、「残業麻痺」なる言葉があった。やたらと長時間働く人の一部に、健康が脅かされているにもかかわらず幸福感が増す傾向が見られるという。なるほど退治すべき妖怪は、いろいろいるようだ。

 天声人語より
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ステルス戦闘機墜落
1機100億円超。
トランプ氏の「バイ・アメリカン」に応えて、大量購入する最新鋭戦闘機F35.
いつたい何が。

 素粒子より
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バイトをしていて注文を受けたことすら忘れてしまう。財布や鍵をなくしてしまう。
yu-kaさんが、発達障害の一つである注意欠陥・多動性障害と診断されたのは大学3年のときだった。
悩んでいたことの原因がわかり、少しほっとした。しかし就職した会社でミスを重ねてしまう。精神的にきつくなり出社するのが難しくなった。最初から障害のことを話しておけばよかった。そんな思いを言葉にし、曲をつけた。
<御社の大事な物必ず失くす人材です---->。ほんとうのことを面接で言えなかった。〈あぁ嘘つきだ嘘つきだ/今日も言えずに/面接室の扉パタンと響いてく〉。学生時代のバンドの経験をいかし歌い始めた。シンガー・ソングライターとして関西を中心に活動している。
もっと正直に。もっと弱さを見せていいのでは。そんな気持ちが歌からあふれてくる。〈見せたい弱さ見せたいな/見せたくないなぁ/見せようか本当の私を〉。ありのままの自分を受け入れてきた軌跡でもあろう。
「発達障害は甘えだ」。心ない言葉がときにネット上に現れる。批判の応酬になる例も目にする。「曲なら、共感が広がるのでは。距離を埋めることができるはず」。yu-kaさんが歌を続ける理由である。
障害というよりも、発達に凸凹があると考えよう----。そんな声も広がっているという。だれでも得意なこと、苦手なことがある。凸と凹がうまくかみ合い、響き合う。そんな世の中になっていければ。

 天声人語より
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紙幣一新
お札のデザインが5年後に変わる。
2004年以来約20ぶりの刷新。
偽造防止のため20ごとに今までも変えてきたそうだ。

紙面より
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先月来、元号史を調べる必要から『易経』など漢籍をたびたび開いた。難解ながら現代語訳は何とわかる。
きのう探したのは「忖度」。『詩経』の中ほどにあった。<他人心有らば予之を忖度す>。拙訳では、人の邪心を推量するのはたやすいの意か。
「インスタ映え」と並んで「忖度」が流行語大賞に選ばれたのは、おととしのこと。森友・加計問題をめぐる国会審議で幾度となく使われた。野党の追及も下火になり、昨年の後半からはこの語を聞く機会が減る。
「私、すごく物わかりがいいんです。すぐ忖度します」。そう述べた塚田一郎・国土交通副大臣が辞任した。首相と財務相の歓心を買うため、両氏の地盤を結ぶ橋を架けてみせると大見えを切ったのである。「厳重注意」で済まされる話ではない。
気になって「忖度」の用例を調べてみた。菅原道真や福沢諭吉も使っているが、例は多くない。推量や斟酌の意で、善悪の含みはない。現在は悪いニュアンスが前面に出て、しかも頻繁に使われる。『詩経』以来、数千年に及ぶ忖度史上、初めてのことではないか。
自分や派閥領袖の選挙区に道路や港湾、、空港を誘致するような政治家の厚顔なふるまいは、今に始まったことではない。我田引水ならぬ我田引鉄、我田引港である。それにしても今回ほどあからさまな我田引道の発言は珍しい。
関門海峡を結ぶこの道路、いつしか思惑通りに完成したとして何と呼ばれるのだろう。「安倍麻生道路」か。はたまた「忖度道路」か。

 天声人語より
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日産の臨時株主総会
ゴーン体制からの完全な決別へ。
ゴーン前会長とケリー前代表取締役を取締役解任を総会にかけた。

紙面より
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<いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな>。
詩人山村暮鳥に限らず、菜の花は人々を魅了してきた。小ぶりな花が野原を黄一色に染め上げるさまを見れば、どこの地にいても春を実感する。
「いま野に咲く菜の花のほとんどはセイヨウアブラナ。繁殖力が強く、堤防の土手を傷めています」と国交省利根川上流河川事務所の大杉昌己管理課長は話す。栃木県南部を流れる巴波川の堤防で、菜の花を減らす実験を進めている。
セイヨウアブラナの根は大根のように太い。その根は土中で枯れ、微生物やミミズなどが集まり、モグラが盛んに巣を作る。巣が増えすぎれば、堤防の保水力は低下する。「浸水や決壊から街を守るため、菜の花をいつ、どう刈り取るべきか試行錯誤中です」。
長い堤防斜面のうち片側3㌔区間で、セイヨウアブラナを集中的に刈って変化を調べてきた。実験も3年目、花の数は減り、丈は伸びず、根も細くなつたことが確かめられたという。
刈り取り作業が済んだばかりの斜面を歩くと、黒い穴がそこここにぽっかり。穴に腕を入れると、奥で空洞が四方八方に延びている。付近の土はフワフワと頼りなく、知らずに歩けばズボッと足をとられてしまう。
<菜の花といふ平凡を愛しけり>富安風生。堤防の維持の面では妨げになりうる存在と知ったいまも、川風を浴びて一斉に揺れる黄色の波には目を奪われる。<いちめんのなのはな>を見ずに春をやり過ごすのはどうにも寂しい。

 天声人語より
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口の健康維持。かむ力や飲み込む力を保つ。
最近、食べこぼしが増えたり、むせてしまったりするなどの症状はありませんか。加齢とともに口の機能が衰える「オーラルフレイル」の兆候を早めに発見し、対処することが大切です。
「フレイル」とは「虚弱」を意味する英語が語源で、高齢になって筋力や心身の活力が衰えた状態を指す。「オーラルフレイル」は、口の機能の衰えが、食欲の低下や栄養状態の悪化をもたらすという懸念で、近年注目されている。
口の健康を維持するためには、歯の本数だけでなく、かむ力や飲み込む力、舌の力を保つことも欠かせない。「硬いものがかめないと、やわらかいものばかり食べて、かむ機能が低下するという悪循環に陥る。放っておくと、誤って食べ物などが気管に入る誤嚥を招きかねない」と指摘する。
例えば、さきイカやたくあんなどの硬い食べ物がためない場合、かむ力や口の筋力が弱まつている可能性がある。お茶や知るものでむせることがあれば、飲み込む力が低下している恐れがある。これらの症状を予防するには、次のような体操が有効だ。
一つは、唾液の分泌を促す唾液腺マッサージ。奥歯の周囲の耳下腺、あごのエラの下にある顎下腺、あご裏の中央にある舌下腺を指で優しく刺激する。「唾液が出ることで、食べ物が飲み込みやすくなる」。もう一つは「パタカラ体操」。「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」「パタカラ、パタカラ、パタカラ」と大きな声で繰り返す。パは唇、タは舌の先端を使うといったように、口の周囲の筋力を向上させることができる。
「普段の食事でたくあんやにんじんなど、かむと音のする物を一品入れるだけでも効果がある」という。今年4月から、口腔機能の低下が疑われる65歳以上を対象に、かむ力の検査などが保険適用になった。「かかりつけ医をもって、定期的に歯科検診することも大切」

 続・元気のひけつより------佐藤建仁
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顔が汚れ、ボロをまとった少年は親も家も失った戦災孤児。ギラギラした瞳が「生き抜いてやるぞ」という覚悟を伝える。
焼け跡から復興をへて五輪を迎えるまでの十数年間の首都をとらえた写真展「東京わが残像」が世田谷美術館で開催されている。多彩な表情に見入った。
写真家田沼武能さんが若き日に撮った180点。初詣の寺社でさい銭箱をのぞき込む男児女児の目に、ひもじさはあっても暗さはない。紙芝居がヤマ場に至れば、子どもたちは引きこまれ、そろって忘我の表情を見せる。
建設中の東京タワーで働くとび職人は高所で会心の笑顔。歴史に残る現場に立っているという高揚感だろう。隅田川を行き来する観光舟の乗客たちは川面の悪臭に顔をしかめる。工業化の弊害が指摘された時代が映る。
田沼さんは東京・浅草の写真館に生まれ、故木村伊兵衛の助手を務めた。写真家として70年の節目を迎えた。「昭和20、30年代は撮るのが無性に楽しかった。私の写真熱中時代でした」。
これまで120カ国以上を訪ね、子どもたちを撮影してきた。狙うのは日常の表情である。「このごろ日本の子どもたちは表情が優等生風。昔は何がほしい、何がいやだと本心が顔に出ていました」。
敗戦から立ち上がる日本の姿を描いた映画やドラマは数知れない。それでも、あの時代を駆け抜けた生身の人々の表情や顔つきとなると、じっくり見ることのできる機械は意外と少ない。一瞬の表情の雄弁さを堪能した。

 天声人語より
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筋肉とアミノ酸。高齢者はたんぱく質を意識して摂取しょう。
加齢に伴う筋肉量と筋力の低下を防ぐためには、日々の食事でたんぱく質を十分に摂取することが鍵を握っています。最近では、たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、筋肉を作るのに重要な役割を果たす種類も分かってきました。
 筋肉は合成と分解が繰り返され、そのバランスで筋肉量が維持される。だが、高齢者は筋肉を合成する力が低下するため、バランスが崩れて筋肉量が減ってしまう。一般成人が1日に必要なたんぱく質の量は、体重一㌔グラム当たり0.8㌘。だが、高齢者の場合は1㌘程度を取った方が良いそうだ。
BCAAと呼ばれる、ロイシン、イソロイシン、バリンというアミノ酸が重要だ。特に、体内でロイシンの濃度が高まると、筋肉の元になるたんぱく質の合成が進むことも分かってきた。
筋肉量と筋力が低下した「サルコペニア」の状態にある80歳ぐらいの高齢者155人を対象に、アミノ酸と運動の効果を検証した。運動に加えてロイシンを高配合したアミノ酸をサプリメントで取る群、運動だけ群、アミノ酸を取るだけ群、座学の健康教育だけ実施した群、の4群に分けて3カ月後に効果をみた。すると、健康教育群以外では下肢の筋肉量が有意に増加。ただし、運動をした2群では筋力も高まったが、アミノ酸を取るだけの群では高まらなかった。
高齢者は、歩行が不自由になると社会活動が低下するなどの悪循環に陥るため、特に筋力の低下予防が重要だ。「アミノ酸を取るだけではだめ」、運動を心がけるように勧める。
 ロイシンは
牛肉の赤身や鶏のむね肉、納豆などに多く含まれ、食事で十分摂取できる。ただし、「若い時より食べる量が減っている高齢者は、意識してたんぱく質を取るひつようがある」。
サプリメントで補うことも効果的だ。

 続・元気のひけつより
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〈二つなき 恋をしすれば 常の帯を 三重結ぶべく わが身はなりぬ〉。
万葉集研究者の中西進さんは子ども向けにこう解説する。「恋の病でウエストがが三分一になる」。万葉人を身近に感じてもらう工夫である。
2年前、富山市の「高志の国文学館」に中西館長を訪ねた。週末の夕方だったが、取材は予定時間を大幅に超えた。文学に疎い記者に何とか万葉の魅力を伝えたいという熱意を感じた。
中西さんはまず音読を勧める。「声に出して。リズムを楽しんで」。読み進むにつれ輪郭が浮かぶのは、かなわぬ恋、単身赴任のつらさ、中間管理職の悩み、老いのさびしさ、有名人のゴシップ---貴族も漁師も防人も喜怒哀楽はいまを生きる私たちと変わらない。そう教えられた。
万葉集が中国文学から受けた影響を研究してきた。各地の小中学校を回って授業し、ファン層の拡大にも労を惜しまない。万葉研究ではまぎれもない第一人者だろう。
そんな中西さんが新元号「令和」の考案者ではないかと報じられている。政府が明らかにしないが利、ご当人からは、そうとも違う友言い出しにくいはずである。万葉集が脚光を浴びるいま、その普及に尽くしてきた中西さんが、窮屈な立場に追い込まれてはいないか。
安倍首相はテレビ局をはしごして新たな元号に込めた思いを説いた。だが、ほんとうに聞きたのは碩学による奥行きのある解説だ。考案者であろうとなかろうと、いまこそ「中西万葉学」の出番だろう。

 天声人語より
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花見
ゆうべ、上野で花見酒。
月別の訪問客の「最多は4月」を体感した。
<枝垂桜夢のかよひ路描きけり> 渡辺恭子

素粒子より
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 〈なかなかに人とあらずは酒壺に成りにてしかも酒に染みなむ〉。いっそ人間をやめ、ずっと酒に浸れる酒壺になりたい。
突拍子もない願望を歌にした人がいたものである。大伴旅人。奈良の昔、公卿(くぎょう)にして一流の教養人だった。
旅人は天平2年春、九州・大宰府の公邸で宴を催している。招かれたのは九州一円の役人や医師、陰陽師ら31人。庭に咲く梅を詠み比べる歌宴だった。「初春の令月にして、気淑く風和ぎ」。旅人の書き残したとされる開宴の辞から執られたのが、新元号「令和」である。
辞には続きがある。「天空を覆いとし、大地を敷物として、くつろぎ、ひざ寄せ合って酒杯を飛ばす。さあ園梅を歌に詠もうではないか」。枝を手折り、雪にたとえ、酒杯に浮かべる公卿らの姿が浮かぶ。
「令和」にどのような感想をお持ちになっただろう。令や和の字を名に持つ方は、これからしばらく話題に事欠くまい。ここを商機と万葉集コーナーを設けた書店もある。お祭り騒ぎはしばらく続きそうだ。
さて、万葉の昔に戻れば、60余年の大伴旅人の生涯に、元号は驚くほど頻繁に代わっている。やれ吉兆の亀が発見されたと言って「神亀」。奇跡の水が見つかったと「養老」。ほかに「朱鳥」「大宝」「慶雲」「和銅」「霊亀」「天平」。まるで改元のインフレ期のようである。
そんな時代を知る旅人だが、酒席で述べた挨拶が1300年後の元号になってしまうとは。二日酔いの夢にも想像しなかつたことだろう。

 天声人語より
大伴旅人(たびと)は大伴家持の父であり、大伴安麻呂の子どもだ。
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春めめく
あすは二十四節気の清明。
夜桜の下で、一献、傾けますか。
<花を照らし月又花にくもる哉> 三浦樗良

素粒子より
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「ここ一帯では毎春、ヤマザクラが2度咲く。最初は紅色の花、次は白い花」。
紀伊半島の南端に近い和歌山県古座川町では、古くからそう語り継がれてきた。
森林総合研究所のサクラ保全チーム長、勝木俊雄さんが現地で調査したところ、種類の異なるサクラだったことが判明。最初に咲く紅色の方が新種とわかり、「クマノザクラ」と昨年命名された。国内の野生種としては103年ぶりの発見である。
その調査に協力したのが地元の樹木医矢倉寛之さん。研究の標本とされた大木を保護し、地元の小学校で価値を訴えるほか、遠来の見学者のガイド役を務める。「国内のサクラはほぼ研究し尽くされたと思っていました。新種と認められたのはうれしい驚きです」。
その開花は際立って早い。今年は3月半ばが見ごろだった。外観の似たヤマザクラに比べると、クマノザクラの花は紅色が濃く、葉は小ぶり。調査は始まったばかりだが、和歌山、三重、奈良の3県に数万本が自生すると見られる。
地元の自治体には、観光資源に育てようとの機運が高まりつつある。早くも写真集やTシャツが商品化され、名を冠した日本酒の販売も始まった。来春以降、さらに多くの観光客が見込まれる。
近世になって人が作り出し、津々浦々に植えられたソメイヨシノが「人に近い花」だとしたら、太古から山野にあって命をつないできたクマノザクラは、「人から遠い花」と言うべきだろう。熊野の峰を眺めつつ、人と桜の距離を思った。

 天声人語より
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政権体質
まるで安倍麻生道路。
首相と財務相の地元を結ぶ道の調査を国直轄で。
国交副大臣が「忖度」を明言した。

 素粒子より
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だれもが幸せに健康にと願いをこめた「幸健」。被災地の復興を祈る「福光」。
福岡県大野城市の公共施設「心のふるさと館」ではいま、来館者投じた元号案を展示している。「自分の名から1字を取りました」とする「唯一」という案もある。
大野城市が元号案を募集するのは、晩年を地元で暮らした目加田誠・九州大名誉教授の業績を知ってもらう狙い。昭和末、新元号案を挙げるよう政府に求められた中国文学者である。
『詩経』をはじめとする古典をもとに「修文」など20を超す案を作った。素案を記した自筆のメモがいま同館で公開されている。無数の傍線や返り点が思案と推敲の跡を伝えて生々しい。
「平成」に敗れたが、「修文」は最終の3案に残った。「武器をしまい、学を身につける」という意味を込めたという。「目加田案には平和を願う思いが強い。せんじ、ち大陸で日本軍の横暴に心を痛め、わが子を亡くし、戦後は住まいも失った。そんな体験からでしょう」。メモの分析に加わった舟山良一・元市課長は話す。
新しい元号が1日に発表される。日常の用はすべて西暦で足りてしまうし、政府が時代の呼び名を改めたからといって急に世の中が動くわけでもない。それでも、この春の元号ブームは思いのほかにぎやかである。
元号とは何なのかと考えつつ、目加田氏の案をたどってみる。「和平」「敬冶」「修和」「長道」。日の目を見ることはなかったものの、そこには未来に託した願いが凝縮されていた。

 天声人語より
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改元お祭り気分の余話
外務省は元号使用を原則的にやめて、基本は西暦を使う方針への転換を検討中。
原案は英弘、広至、万和など六つ。「安」の文字なし。
改元した内閣は半年以内に崩壊してきた歴史あり。明治から大正への第2次西園寺、昭和への第1次若槻、平成への竹下。
単なる偶然だけど。

 素粒子より
出典が間違っていました。
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改元お祭り気分の余話
外務省は元号使用を原則的にやめて、基本は西暦を使う方針への転換を検討中。
原案は英弘、広至、万和など六つ。「安」の文字なし。
改元した内閣は半年以内に崩壊してきた歴史あり。明治から大正への第2次西園寺、昭和への第1次若槻、平成への竹下。
単なる偶然だけど。

 天声人語より
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歴史は夜つくられる。日本と同じように台湾でも、酒の席での密談が政治には欠かせないと思われていた
そんな夜の会合が大きく減ったのは、女性議員が増えて慣習が続けられなくなったからだ。昼間の議論がより重要になったと、2年ほど前に現地で聞いた。
変化をもたらしたのは、比例代表選挙で男女の候補者を同数にするよう義務づけたことだ。女性議員を増やそうと、多くの国がとり入れてきた制度である。日本でも努力義務ながら、候補者を男女均等にするよう求める法律が昨年できた。
法が施行されて初めて迎える大型選挙が、この統一地方選である。きのう告示された道府県議選の
候補者のうち女性は12.7%で、4年前をわずかに上回った。前へとは進んでいる。しかし、そのペースは決して速いとはいえない。
地方政治は子育てや介護など身近な課題を扱う。そんな場に、女性が議員としてなかなか関与できずにきた。地域の話し合いで候補者を選び、議員となれば夜の付き合いが欠かせない。おじさん中心にできあがった壁が阻んできた。
少し前、女性の政治参加をめざす集会をのぞいた。県議や市議の立候補予定者が全国から来ていた。シングルマザーの苦労を政治にいかしたいという人がいた。学童保育や子ども食堂での経験から、立候補を決めた人たちがいた。壁を破ろうとする女性たちである。
歴史はジグザグに進む。あとになって、あのときが転換点だったと気付くことがある。この選挙はどうだろう。

 天声人語より
日本も国会議員の比例代表は男女半数にすると決めるように、マスコミも提言すべきではないのか。傍観しているだけでは進みはのろい。これから始めるのが一番の方法だと思われるが。
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新元号
新鮮? お堅い? 語感は?
第一印象は人それぞれに。
元旦から改めた方が分かりやすかったのは確かだけど、号令一下、来月から役所は使うし世の中にもあふれる。
決まる前に初めて、大々的に「予想」が飛び交ったから定着も早いか。
天皇退位に伴う248番目は「令和」。

 素粒子より
採用されなかったものを見てみたい気がする。
国民が落ちたものの方が良かったと大多数が言うと困るから発表しないのかな---。
私は何か令とは言う入れがたい。
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落語家や役者が、舞台の上からお客さんに話しかけ、からかうことがある。
「こんな昼間っから、よっぽど暇なんだな」などと言って笑わせ、客席との距離を縮める。芸能界用語でいうところの「客いじり」である。
「からかう」という意味で「いじる」が一般的に使われるようになったのは、バラエティー番組の影響か。芸人が芸人をからかう映像がしょつちゅう流れてくる。それがうけるから、かれらは「いじっていただいて、ありがとうございます」とまで言う。
その「いじる」をいつの頃からか、いじめ問題で目にするようになった。いじめではなく、いじっているつもりだった----。言い訳なのか、本当にそう思い込んでいたのか。
大津市で7年前に男子中学生が自殺したのは、いじめが原因だったとの判決が先月あった。「いじる側といじられる側という上下関係が固定化した」構図があったという。口に粘着テープを貼ったり、蜂の死骸を食べさせようとしたり。いじるなどという言葉で言い表せる手口ではない。
人を踏みつける側はいつも鈍感である。踏みつけられる側の痛みを軽く見る。感覚をさらに鈍らせるのが、いじるという言葉ではないか。肉体的あるいは精神的な暴力を正当化する道具になってはいないか。
中学生や高校生の自殺について、いじめを認定する報告書がこのところ相次いでいる。死を選ぶほどの苦痛や孤独。あなたは誰かに、そんなことを強いてはいないか。遊びやいじりだと思い違いしながら。

 天声人語より
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