2019年01月の記事


FRB利上げ休止に
これまで続けてきた緩やかな利上げを休止する方針を打ち出した。
米国の景気過熱を抑えるため利上げをしてきたが、米中貿易摩擦などで世界経済の減速懸念が強まり、金融引き締め路線を転換する。

紙面より
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歌は世につれ。消費税が始まった翌年の1990年流行ったのが、「一円玉の旅がらす」である。
3%の税率ゆえ、おつりでもらう1円玉が増えて、財布にたまってしまう。そんなころ、NHKのみんなのうたで流れていた。1円を旅人に見立てて、演歌調の曲に乗せた。<一円玉の旅がらす/ひとりぼっちでどこへゆく/一円玉の旅がらす/あすは湯の町港町>。聞いていると、小さな銀色の効果がいとおしくなってくる。
そんな1円の出番が、だんだん少なくなっているのかもしれない。日本銀行によると、昨年の1円硬貨の流通残高はピーク時に比べ8%ほど減っている。クレジットカードや電子マネーなどの普及が影響しているとの見方がある。
買い物で現金を出すことはほとんどない、という方もおられよう。お賽銭も電子マネーでどうぞ、という神社すらある。そのうちに、お年玉やお小遣いも同じ道をたどるのだろうか。
キャッシュレス派か、現金派か。昨年の企画記事で、こんな声を拾っていた。「財布の中をかき回し、1円玉を何枚も出す人が何人もいるレジに並んでいると、『失敗した』と思う」。カード1枚ですます習慣が広がれば、なるほど効率的であろう。一方で、使いこなせないお年寄りなどへの配慮もいる。
お金のことを「おあし」と呼ぶのは、まるで足があるように、どこかへ逃げていくからだ。電子マネーやカードとなると、さらに足早に、旅へと急ぐかもしれない。気をつけないと。

 天声人語より
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英国のEU離脱問題
英議会下院は一度否決した政府案を一部変更すれば支持するとの動議を、可決した。
これを受けメイ首相はEUとの最高賞に意欲を示したが、EU側は即座に否定した。

紙面より
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「インナーピース」。直訳すれば「内側の平和」だが、語感としてはむしろ「平常心」に近いだろうか。
テニスの大坂なおみ選手が口にした言葉である。心が穏やかなときに、いいプレーができるのだという。
「どうしたら、いつもそんな状態になれるのか、学ぼうとしているんです」。メルボルンで開かれていた全豪オープン女子シングルス。大坂選手は大会の途中では悔しさのあまり、ラケットを投げる場面があった。一方で、くるりと後ろを向いて気持ちを立て直す瞬間もあった。
心の成長率と、技の成長。それが同時に進むさまを見せてくれた大会であった。全米オープンに続く制覇である。世界ランキング1位にのぼりつめるという快挙もなしとげた。
きのうの夕方からの決勝戦では、テレビの前で大坂選手と一緒にこぶしを握りしめた方も多かっただろう。タイブレークを制した1セット目。集中力が途切れかけた2セット目。あわや涙かと思われた場面にも、はらはらした。
2014年には、世界ライキング406位の少女だった。恵まれた体格。ずば抜けた身体能力。そんな才能も、心を磨くことなしには十分に発揮できない。テニスでなくとも、スポーツではなくとも、通じる真理であろう。
「自分のメンタルは3歳児並み」。そう語っていた大坂選手が、4歳になったとおどける場面も大会中にあった。精神面で成人したと彼女が言うとき、一体どれだけ強くなっているのだろう。成長物語から、まだまだ目が離せない。

 天声人語より
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犬も食わぬ。
立憲、国民の主導権争い。
野党同士、角突き合わせる熱があるなら、政権チェツクに費やしてこそ。
素粒子より
これが野党の現実だ。そんな党に日本を任せられるのか。
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つらい時、壁にぶつかった時だからこそ、胸の奥深くにしみいる言葉がある。
今年で4回目となる「私の折々のことばコンテスト」に、全国の中高生から2万7千件もの作品が寄せられた。
「頑張った匂いがする」。中1の佐藤彩羽さん。つらかった小学校のころ、お母さんから何度もかけられた言葉だ。涙の跡を残して帰宅すると、何も訪ねずギュッと抱きしめてくれた。
視覚に障害のある高2沢田絢香さんは、お母さんの言葉に涙がこぼれた。「障害のことで親を責めたことがないね」。困難な発音訓練も幼いころから親子でやり通した。耳の手術の前日、「あなたは耳のせいにして諦めたこともないね」とも。
お父さんの口癖も、聴く人を得れば名言になる。「まずは根拠の無い自信から」。中1阿部りつ禾さんのお父さんは、何か初めてのことに挑むとき、家族の前で自分をそう鼓舞する。サケをさばく。エプロンを縫う。失敗してもいい、まずは自信をもって、その気にさせられるひと言である。
高2の将積紗矢香さんが挙げた言葉もお父さんから。「『どうせ』ってもったいないで」。大嫌いな数学の難問を「どうせ私なんか解けへんもん」と投げ出した日のこと。「どうせ」という言い訳の沼にはまると、前に進めなくなる。そう教えてくれた。
友だちのこと、勉強のこと、部活のこと、家族のこと、夢のこと----。受賞作の一つひとつに10代の感性がきらめく。これら珠玉の言葉は、世代を超えて私たちを支えてくれる。

 天声人語より
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新戦力の台頭
テニスや囲碁・将棋では若鮎、大相撲のいぶし銀。
角界で次々躍り出る新たな力。
政界に新風は吹かないけれど。

素粒子より
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つい先日、通勤の電車内でくしゃみをしてしまった。マスクを着けていたが、たちまち冷たい視線を浴びる。
無理もない。だれもがインフルエンザを警戒しつつ、人ごみを早足で通り抜ける季節である。
人とインフルエンザの歴史は長い。感染症に詳しい岡部信彦・川崎市健康安全研究所長によると、中世の欧州では、星の光が人体に流れ込んで起きる病気と目された。江戸時代の医学書は、インフルエンザに「印弗魯英轍」の字をあてた。まるでインド、フランス、ロシア、イギリスが撒き散らした病かのようである。
正体が分かったのは1933年、英医師らが原因となるウイルスを特定した。研究が進み、その恐るべき変わり身の早さも解明された。わずか8時間で子孫を作ることができ、性質や構造をめまぐるしく変える。
「インフルエンザウイルスは、絶えずモデルチェンジする車に似ています」。たとえば塗装を変え、屋根を付け、馬力を上げるようにウイルスは変貌を重ねる。人間にこれを新車と勘違いさせ、体内に取り込ませる。
徳川時代、インフルエンザとおぼしき病気が猛威をふるうと、人々は稲わらで疫病神の人形を作り、鉦や太鼓を打ち鳴らして追い払おうとした。ワクチンや抗ウイルス薬の開発が劇的に進んだいまでも、撲滅までの具体的な道程は描けていない。
まさに変幻自在の怪物と言うべきだろう。近い将来、何か決定的な弱点が発見され、不安なく冬場の満員電車に乗り込める日が来ないものか。

 天声人語より
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物忘れをすれば新しいものが入りやすくなる。
集めた情報で身の回りを固めていると、人間は干からびていく。情報はどんどん捨てる方がいい。
といっても人の記憶はままならない。「覚えようとするものは忘れがちなものだが、忘れようとするものはなかなか忘れられない」。自分の記憶ですらこうだから、人様の記憶などおよそ思い通りにいかないと考えるのが普通だろう。
ところが最近、「忘れられる権利」が話題になる。自分に関する不都合な情報をネット上から消させる権利、つまりは人様に忘れてもらう権利だ。欧州では、以前のトラブルについて新聞記事がずっとネットに残り、不利益を被った人が訴えて、5月に検索結果の削除が認められた。
日本でも似た争いがある。自分の名前を検索すると犯罪に関わっているかのような結果が出て、生活が脅かされている。そんな申し立てに東京地裁は先日、人格権の侵害を認め、削除を命じた。検索最大手のグーグルが、この命令に従うと表明した意味は大きい。
仮想世界を漂う「記憶」は時に凶器になる。その適切な取り扱い方を確立すべく、試行錯誤が続く。

 天声人語より
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この冬は乾燥がこたえる。肌で感じるカサカサ度は例年の比ではない。
保湿剤や加湿器ではとても追いつかないほどだ。潤いが足りないのは人間だけかと思いきや、この時期、動物たちもかなり困っているらしい。
東京の上野動物園で聞くと、アジアゾウは4頭とも冬の間、保湿処理が欠かせない。飼育係の志田昌信さんは「今年はたしかに乾燥が目立ちます。放っておくとあかぎれやひび割れを起こし、表皮から出血します」。意外な繊細さである。
特に弱いのは、ほお、耳、爪、わき腹、しっぽの先あたり。飼育係は初冬から春先まで毎週、たっぷりのオリーブオイルを刷毛で塗る。なめても害はなく、塗るたびくすぐったそうなそぶりを見せる。目のまわりなど塗った跡がくっきり黒ずみ、パンダのようだ。三十数年前から続く冬恒例のお手入れである。
高温多湿の森や密林からやって来た動物たちゆえ、厳しい日本の冬の乾燥になかなか対応できない。ほかに西アフリカが生息地のコビトカバも、頭から足先まで全身にオリーブオイルを塗るそうだ。
さて、この冬は太平洋側で雨が極端に少ない。東海や近畿では河川に「瀬切れ」が起きている。水が干し上がり、流れが途切れてしまう現象だ。アユなどの遡上に影響が出ないか、漁業関係者は気をもむ。
大地ですら水分を失い、「乾燥肌」状態を呈するとは、乾きもいよいよ深刻である。やわな人類の一員としては朝晩、クリームやオイルでこまめに自衛するほかないだろう。

 天声人語より
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スマホの通信量節約、無線LANの活用を
携帯電話の通信費が政府レベルで問題になるこのごろ。長男が驚くようなことを言った。「すまをほ家でWi-Fiにつないでいない友達、けっこう多いと」。
動画や音楽のストリーミングなど、スマートフォンで人気のサービスの多くは、大量のデータ通信を必要とする。例えば国内最大規模の動画サービスdTVの場合、4段階中2番目によい画質を選ぶと、1時間ドラマを12話見たら約7?バイトの通信料になる。スマホの1カ月の通信料の一般的な上限だ。このためdТVやアマゾン・プライム・ビデオなどでは、作品を事前にスマホにダウンロードし、出先では通信をほとんど使わず視聴できる機能を備えている。その前提となるのが、家庭に無線LANがあることだ。
だが総務省の通信利用動向調査によれば、2014年末のブロードバンド回線接続世帯の無線LAN利用率は73.7%、これがスマホ保有世帯では68.9%に下がる。また家庭に無線LANがあっても、家族全員がスマホを接続しているとは限らない。「自分の家族はスマホで無線LANの設定をしない。携帯電話の通信量上限も知らないらしく、『スマホが遅くなる』と言っている」と嘆く人もいる。パソコンと違い、スマホは家庭内回線なしでネットに接続できてしまうためだろう。だがそれでは、スマホの通信量は天井知らずになる。
スマホの無線LAN接続は難しくない。
すでに無線LANルーター(親機)がある場合は、スマホの設定画面で「Wi-Fi」の項目をタッチすると、SSIDと呼ばれる親機の識別記号が表示されるので、それを選んでパスワードを入力する。SSIDとパスワードは親機のマニュアルなどに書いてある。これだけで家の中でスマホが通信し放題だ。無線LANがなくても、家にネット回線があれば、無線LAN親機を購入して回線に接続、同様の操作をすればいい。3~4部屋以上の家庭なら、1万数千円の高性能のものがよい。「11ac」という最新の高速通信規格に対応した製品がおすすめだ。
スマホの通信費の高さや通信料がすぐに上限に達することが問題になるが、無線LANを使っていないことが、その隠れた原因の一つかもしれない。この際、家族が自宅でスマホを無線LANに接続しているか、点検してみてはいかがだろうか。

 ネット点描より
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数年前、印象深い一首があった。<予想外まで息吐きて除雪せし翌日降り積みもとのもくあみ>沢口貞二。
せっかく除雪した翌日に無情の雪がまたどっさり。豪雪地帯の冬は木阿弥の嘆きの繰り返しである。
雪下ろしの重労働を何とか軽くできないか。新潟県燕市の金属加工業、坂井秋雄さんはそう考えて昨秋、独自の除雪装置「雪鍬」を試作した。棒の先端に四角い金属枠をつける。枠の先には細長いビニール膜が延びる。屋根に上がって鍬を引けば、枠に沿って雪が切れ、膜に乗って滑り落ちるしかけだ。
知り合いが愛用する「越中ふんどし」を見て着想した。鍬を手前に引いて雪をくりぬくだけ。スコップのように雪を持ち上げずに済む。狙い通りならば、腕や肩、腰がとびきり楽になるはずである。
長年温めてきたアイデアを設計図に描いてみた。今年度、新潟県が初めて開いた除雪コンクールに挑戦したところ、県内外44件の応募の中でみごと最優秀賞に輝く。雪の自重を利用するという発想が評価された。
昨冬は雪の事故がことのほか多かった。消防庁によると、16都道県で116人が死亡し、その大半が除雪や雪下ろし中の事故だった。同じ悲劇をこれ以上出さないよう知恵を集めねばならない。
坂井さんの暮らす燕市一帯にもまもなく本格的な積雪の季節が訪れる。鍬の素材は何がよいか、膜の滑りはどうか。実際の雪で試して改良を加えようと意気は高い。冬将軍の到来をいまかいまかと待っている。

 天声人語より
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沖縄の県民投票
土砂投入が続くいま「どちらでもない」は、結果として「黙認」と同義にならぬか。
沖縄県民投票は「3択」で。

素粒子より
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消費増税対策。
政府がまとめた消費増税対策は「手厚い」というレベルを超え、もはやポピュリズムと言ってもいいレベルだ。
10月に消費税率は8%から10%に上がる。国民の負担増は5.2兆円。これに伴って政府がふやす歳出は5.5兆円。つまり、増税の増収増より3千億円も多くバラまくことになる。
これではいったい何のための消費増税か。そもそもの目的は先進国で最悪の借金財政を立て直すことにあった。赤字のたれ流しに終止符を打ち、現役世代も将来世代も支えられる社会保障の基盤を築くはずだった。それなのに増税でかえって赤字がひどくなってしまってどうするのか。
バラマキ付き増税か、あるいは3回目の増税先送りか、と。結局、悲願の「10%」実現が優先されたということだ。
それでも、10月に必ず増税が実施されるという保証はない。世界経済には原則の兆しが出ており、米中貿易戦争が先行きに暗い影を落とす。この先、株価急落や円高の急進ということもありうる。

 波聞風問より-----原真人
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日韓問題
いらいらが募る今だからこそ、外相が直接会うことに意義がある。
たとえ「遺憾」と「憂慮」の応酬でも。

素粒子より
なぜ日本が下手に出なくてはいけないのか。
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中学受験を控えた息子から算数の手助けを頼まれ、自信満々の父親。
「月夜の池に鶴と亀があわせて16匹いる。足を数えると44本。鶴と亀はそれぞれ何匹か」。尋ねられて頭を抱える。XとYの方程式は中学入試には使えない。桂文枝師匠の落語「宿題」である。
実社会で鶴と亀を一緒くたに数える機会などまずないだろう。だが受験の準備ともなれば避けては通れない。ことまず全部を亀(あるいは鶴)と仮定しの詩のがミソだ。
和算に詳しい佐藤健一・日本数学史会長によると、鶴亀算の歴史は4世紀の中国にさかのぼる。登場するのは鶏(または雉)と兎。日本に伝わり、めでたくも鶴と亀に替わったという。
江戸時代の設問は創意に富む。せしめた反物を窃盗団で山分けする「盗人算」。大中小見つからないの器で油を2等分する「油分け算」。長方形の海苔を切って正方形に組み替える「断物一刀」。落語か剣術のような名が想像をかき立てる。
和算は江戸時代、都市から地方へ、支配層から庶民へと広がった。活躍したのは遊歴算家。各地を旅して算学を教え、ときには地元の算家に勝負を挑んだ。明治以降、学校教育に「洋算」こと西洋数学が採用されて、和算は表舞台を去る。
和算の例題は読むと舞台が身近で、一問一問に小さなドラマがある。古代中国や江戸の町で、子どもたちがこれらと同じ設問と格闘したかと思うと感慨を覚える。和算の世界はかくも奥深い。ちなみに冒頭の鶴亀算の答えは、鶴10羽、亀6匹です。

 天声人語より
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貿易収支3年ぶり赤字
2018年度の貿易収支は1兆2033億円の赤字となった。
赤字は3年ぶり。
通年で原油高による輸入増加の影響が大きいが、年後半は自然災害に加え、米国と中国の貿易摩擦で中国経済が低迷したため輸出が急減速しており、景気の先行きの不透明感を示す内容だ。

紙面より
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札幌市に住む大坂谷吉行さんは高校3年生のときに受け取った一通の手紙を今も大事に持ち続けている。
送り主は東京大学。黄ばんだ紙にはこう書かれている。「まことに不本意ながら、今年度の入試を中止することといたしました」。
今から50年前、東大は学生運動のうねりに揺れていた。学生に占拠された安田講堂が機動隊の突入で「落城」したのが1969年1月19日。翌20日、前代未聞の入試中止が決まった。
東大を目指して必死に勉強していた受験生からすれば、不条理な決定だった。当時の新聞を見ると、入試実施を求める浪人生やデモや訴訟騒ぎも。「結局、受験生という一番弱い立場の人間に混乱のツケが回された」。大坂谷さんは怒りの感情とともに何もする気がなくなったと振り返る。
地元の北海道大学に進んだが、もやっとした気持ちが残った。「自分の実力を証明したい」と東大の大学院に進学し、博士号を取得。室蘭工業大学の教授などを務めた後、昨年、自らが苦汁をなめた入試中止の歴史をもっと知ってほしいと小説の形にして自費出版した。
19日大学受験のセンター試験が始まった。これまでの努力が試される緊張のとき。うまくいった人には祝福を。そうでなかった人も悲嘆するのはまだ早い。
そもそも人生は寄り道、回り道。「時には想定外のこともある。でも悪いことばかりじゃないさ」と大坂谷さんも力強く言っている。君たちを応援する人は案外多い。もちろん筆者もその一人である。

 天声人語より
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トランブ大統領ウソを多発
就任してから2年間で、虚偽の発言や誤解を招く主張が計8158回に及んだという。
2年目に入ってペースが上がり、1日平均16.5回、ウソや間違いを言っているという。
ワシントンポストの調査による。
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「将軍たちは一つ前の戦争を戦う」という格言がある。
指揮をとる者は、どうしても前回の戦争での経験をもとに戦略を立ててしまいがちだ。時代とともに技術や有効な戦い方などが変わっているのに、ついていけない。待っているのは敗北である。
現代日本にも、前の戦争を戦おうとしている人たちがいるようだ。原発メーカーや首相官邸、經濟産業省に。2000年代、世界で「原発ルネサンス」と言われた時代が忘れられないか。
スリーマイルやチェルノブイリなど事故の記憶が薄れたためか、原発建設が息を吹き返したときであった。各国の原発産業が活気づき、日本も一角に食い込もうと、官民あげて原発輸出の旗を掲げた。東日本大震災の後も、あろうことか旗を振り続けた。
福島の事故の影響が海外に及ばないとでも思ったのだろうか。事態は全く逆で、安全のための規制が強まり建設費は高騰した。輸出計画は次々と頓挫し、日立製作所による英国での計画も凍結された。3千億円の損失が、年間の利益の大部分を吹き飛ばした。
それにしても事故を起こした国の産業と政府が、変化にここまで鈍感だったとは。あるいは世界で通用するビジネスが見つからないがゆえの思考停止なのか。
日立の中西宏明会長は経済連のトップでもある。最近の会見で「原発再稼働はどんどん進めるべきだ」と述べ、耳目を集めた。輸出が進まぬ焦りがあるか。原発リスクに敏感な国内世論も見えていない。なるほど彼が、当の将軍か。

 天声人語より
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南米最高峰登頂
マスコミが入れ込んで報道していたが、やはり歳には勝てなかった。
なぜ、そんなにマスコミが入れ込んだのかが不思議だ。
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相撲はどうして「国技」なのか。誰かが決めたわけでも、法律で定めているわけでもない。
どうも「国技館」で催されるから国技となったようだ。ノンフィクション作家の高橋秀実さんが『おすもうさん』で書いている。
明治期に常設の相撲場を建てるにあたって名称が検討され、「尚武館」の案も出た。しかし、開館の挨拶分にたまたま「角力は日本の国技」のくだりがあり、それが名前に使われたという。以来、国技の語が一般的になった。
もしも尚武館だったら、今の日本に国技というこだわりはなかったかも、と思うと興味深い。国技なのに横綱が外国勢ばかりではないか。そんなフラストレーションも生まれなかったかもしれない。
「久しぶりの日本出身横綱」という重圧が、その人の背中にどれほどのしかかっていたことか。このところ休場が重なり、表情も硬くなっていた稀勢の里である。かつての輝きを取り戻せぬまま現役引退を発表した。
せんないことと知りつつ、横綱昇進の2年前に戻って考えてみたくなる。もしも日本出身横綱の誕生を誰も焦ることなく、大関のままだつたら。けがをおして出場を続けることがなかったら。左から攻める力強い相撲をもっと見られたかもしれない。
「相撲ってやっぱり楽しいですよね。やめられないですよ」。場所前、出稽古に来た力士に稀勢の里が語ったという。引退会見の「悔いはなし」との言葉に、逆に無念さを感じる。それもこれものみ込んで、いい親方になってほしい。

 天声人語より
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夜型生活取り戻すには、朝日を浴びる。
乱れた睡眠のリズムを取り戻すにはどうすればいいのか。
①朝に日光を30分ほど浴び、睡眠ホルモンに関わる体内時計をリセットする
②日中に適度な運動をし、夜とのメリハリをつける。
③胃や腸を休めた状態で眠るために、就寝の3時間前には食事を終わらせる。
④夜は強い照明を使わないで過ごす--などが効果的という。
また、乱れた体内時計を整えて規則正しい生活リズムを手に入れるために、毎日の睡眠時間を記録することを勧める。起床・就寝時刻や寝ていた時間、途中で起きた時間・回数を振り返り、できるだけ毎日同じリズムを繰り返すようにする。休日だけ起床時間が遅くなる場合は注意が必要だ。平日の起床時間と2時間以上ずれると翌週の前半は時差ボケの状態となり、心身への負担が増えるという。
体内時計が乱れたままだと、睡眠時間帯が日常生活に支障を及ぼす「概日リズム睡眠障害」になる恐れもある。「朝起きられないなどの症状は『やる気がない』『だらしない』と見られがちだが、治療が必要な場合もある。受診をためらわないでほしい、と話している。

 はぐくむより
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阪神・淡路での地震が起きた翌日のこと。
「西宮市役所に到着して見たものは、被災者と市職員とボランティアが、区別もつかずに右往左往している光景だった」。ボランティアに駆けつけ、後にまとめ役となった伊永勉さんが書いている。
地震は1995年1月17日の早朝に起きた。その後の60日間を記録した『ボランティアはいかに活動したか』を開くと、手探りの様子が伝わってくる。市役所の1階に勝手に陣取り、テーブルクロスを切って腕章を作った。
問題が次々と起きる。支援物資のおにぎりが腐り始める。日本語の不自由な外国人にケアが届きにくい。「ボランティア元年」と呼ばれたこの年から20年余り。東日本大震災も経て、災害ボランティアは特別のことではなくなった。
防災の備えも一歩一歩進んできた。小中学校の校舎は99%が耐震構造になり、住宅の耐震化率も8割を超えた。慢心は避けねばならないが、日本社会はあの時とは違ってきている。
しかし実際に自然災害となると現地で聞かれる声がある。「まさかここで起きるとは思わなかった」。まさかもよもやも許さないのが、この地震列島である。食品や水の備蓄など日頃からできることがある。
震災を伝える「人と防災未来センター」でいただいた絵はがきが手元にある。東京・銀座が強い揺れに襲われる様子が描かれている。ビル街から火が上がり、負傷者が路上にあふれる。自分の住む場所でもし起きたなら。想像を働かせる日にしたい。

 天声人語より
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老後の健康、歩いて外出できる体力を
「団塊世代」が、10年足らずで75歳以上の「後期高齢者」となる。その後の人生の明暗は「歩いて外出できる体力の維持」にかかっている。家事をこなし、公共の乗り物で移動し、スーパーで買い物ができれば、一人暮らしも可能だ。外出できれば、近所の人とも交わり、草花や風のそよぎに季節を感じ、心も豊かになる。買い物をすれば計算もする。歩けなくなると一挙にそれらを失い、医療、介護の対象になる。
心身を動かさないと老化は加速する。そのターニングポイントは、男性の場合、定年退職時にある。ここで手を打つには、いわば「大人の義務教育」のように場が有用と考える。「定期的に歩いて外出する場」を提供し、地域とのコミュニケーションの構築、健康・調理などの知識と技術を習得することを目標とした授業をしてはどうだろうか。
歩いて通えることが前提なので、65歳前後の1~2年間、半日程度のコースで週に2回ぐらい学区の小中学校の空き教室に集まってもらう。
全員参加は、ホームルームと健康講座くらいにしておいて、パソコン、園芸、手芸などカリキュラムは工夫次第、講師もメンバーの中から出てくるだろう。栄養の整った学校給食を食べれば、筋力低下予防にも効果があるはずだ。
自治会などで対象者全員に声がけするが、親や孫の世話、仕事や趣味を理由とする不参加は可とする。だが、出欠届は義務とする。元気だけど、自ら積極的に出向かない人々を集めることで、点と点がつながり面となれば、子育てや介護、防災の一助にもなり、地域に飲み仲間やゴルフ友むだちもできるだろう。終了後は自主活動が継続すれば成功だ。地域差はでるだろうが、医療費や介護費の削減に向けて、市町村でこのような「大人の義務教育」に取り組むことはできないだろうか。

 オピニオンより-----健康運動指導士・山田佐世子
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思いを寄せる人がいるだけで世界は変わる。新潟の高校2年生、菅沼麻沙さんが下校時を詠んだ。
<月曜は19時半の越後線1号車には君が居るから>。岩手の高2、菅原凪さんの描く切なさは誰でも覚えがあるだろう。<すぐそこに君がいるのに喋れない心がうるさい破裂しそうだ>。
毎年この時期、「現代学生百人一首」が東洋大学から届く。32回目の今回は、5万7千首超の応募があった。切り取られた瞬間が迫ってくる。
<志望理由何度も唱えノックする心臓の音聞こえていますか>高3藤谷まりも。面接の直前だろうか。その緊張に声援を送りたくなる。<溶接で火花を散らす鉄を見て幻想的だと感じる実習>高2田畑裕斗。目を奪われる美はどこにてもある。
<十八歳二年もはやい選挙権ふと足止める駅前の声>高3逸見侑可。大人への階段を上がっていく日々がある。それはときに寂しさを伴う。<朝起きるただそれだけではしゃぐ犬私はいつから変わったんだろう>中1塚田あこ。
友達づきあいにスマホが影を落とす。スタンプと呼ばれるイラストが言語のように飛び交う。<伝えたい言葉はいつもスタンプでどこかに消えた私の言葉>高1功刀菜柚。
長く過ごした巣を離れる時も、やがて訪れる。<「地元出る。」決意を伝えたその時の涙溢れた母の表情>高3佐藤優花。いつでも母は見守っている。早くも親元を離れ、詠まれた歌であろう。<ありがとうLINEではなく電話する母から届いた荷物眺めて>高1太田洋輔。

 天声人語より
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公的年金引き上げに
2019年度の公的年金の支給額を0.1%引き上げると発表した。
物価や賃金が上昇したためで、15年度以来4年ぶりの増加となる。

紙面より
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哲学者の梅原猛さんは少年時代、部屋に閉じこもり、一人遊びに熱中していた。
将棋盤と駒を使った「野球将棋」である。雑誌でやり方を知り、早慶戦と称しスコアまでつけた。他のスポーツでも将棋遊びを考案し、盤上での水泳や陸上競技に没頭した。
狂気にも似た空想の世界。そこから脱却したのは大学に入ってからだったと梅原さんが著書で述べている。「現実世界以外の別の世界を、私はなぜ必要としたのか。この空想世界への耽溺は、現在の学問への耽溺と、どこかでつながっていはしないか」。
梅原さんが93歳で亡くなった。哲学から日本古代、さらには仏教の研究へと進んだ道のりは枠やジャンルとは無縁だった。通説や常識に逆らう学説を次々と世に問うた。
法隆寺は聖徳太子の怨霊を鎮めるために建てられたと主張し、万葉歌人の柿本人麻呂は刑死したとの仮説を投げかけた。専門家から批判も浴びたが、梅原古代学が全国の読者を熱狂させたのは間違いない。我が高校時代も、その凄さを熱く語る級友がいた。
東日本大震災にあたっては、その本質を「文明災」だと指摘した。先進各国が原発をエネルギーとするのだから、現代文明そのものを再考する必要があるのだと。スケールの大きな発想を常にする人であった。
88歳で出版した本の題名は「人類哲学序説」である。西洋哲学をさらに研究して、これから本論を書くから「序説」なのだと。知識人としての幅と熱量に比べ、その人生の時間はおそらく短すぎた。

 天声人語より
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あれから24年
5時46分、阪神・淡路大震災の記憶と教訓を刻み直す。
<倒・裂・破・崩・礫の街寒雀>友岡子郷。

純で不器用で。
ここ一番に弱いところが心配。
記録より記憶に残る横綱・稀勢の里、最後の最後まで泥臭く引退。

素粒子より
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ひとりぼっちのハリネズミが手紙を書いた。ゾウやカメ、モグラたちのことを考えながら。
「親愛なる動物たちへ ぼくの家にあそびに来るよう、キミたちみんな正体います」。そして付け加えた。「でも、だれも来なくてもだいじょうぶです」。
誰かに訪ねてきてほしい。でも本当は、会うのが怖い。そんなふうに考えが行きつ戻りつするのがテレヘン著『ハリネズミの願い』の主人公である。書いた手紙を出さないまま、動物たちが来たらどうなるか、家に閉じこもって想像を続ける。
彼の心配は、尖ったハリがみんなに嫌われることだ。ハリが比喩するものは、誰かを傷つけるかもしれない自分の性格か。あるいは誰からも傷つけられたくないという防御の姿勢か。ハリネズミの孤独は、意外とありふれたものかもしれない。
成人の日に書くには、場違いの話か。しかし子どもから大人になる時期は、親元から離れたり仕事に就いたりと、ひとりになる時間が増える。孤独とうまく付き合うやり方を手にする道のりでもある。
孤独の象徴として「心の殻」という言葉が使われる。多くの場合、破るべき、壊すべきものとして。しかし、つらいときに逃げ込める小さな殻は、持っておいた方がいい。無心になれる音楽でも、繰り返し読んだマンガでもいい。いつでも閉じて、開くことのできる柔らかい殻を。
ハリネズミの物語はどうなるかって? 心配しなくていい。彼は心の殻も最後には、柔らかく開くことになる。

 天声人語より
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EU離脱案大差で否決
3月29日にEUから離脱する予定の英国下院議会が、メイ首相とEUが合意した離脱協定案の採決があり、大差で否決された。
メイ首相は21日までに議会に代替え案を示すが、打開策は見えず、先行きは一段と不透明になった。

紙面より
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明治政府において統計の大切さを訴え、「統計伯」のあだ名までついたのが、大隈重信である。
統計院を設立し、その院長に納まったが、経費削減の折ゆえ「大隈の道楽」との非難もあったそうだ。
統計への理解が、いまだ十分でない時代である。いったん下野した後、外相や農商務相に就いた大隈は驚いたという。水産物にしても塩の生産にしても、統計の間違いやウソが多いのだ。「羅針盤を持たずに航海するようになっているのが嘆かわしい」。大隈の述懐である。
話は、統計の重要性が広く理解されているはずの現代日本である。厚生労働省が賃金などを調べる。「毎月勤労統計」で15年間にわたり、おかしな手法で調査がなされていた。
大規模な事業所はすべて調べるのが本来のルールなのに、東京都内は3分の1にとどまっていた。統計の上では日本全体の平均賃金が下がってしまい。失業や育児休業などの給付金が過少に払われることになった。延べ2千万近い人に不足分の支払いが必要というから、大失態である。
何らかの意図を持った行為だったのか。まさかとは思うが、統計の仕組みをそもそも理解していないがためのミスなのか。官僚による悪知恵が働いたなら腹が立つ。しかし単なる無能が原因だったとしたら---背筋が寒くなる。
厚労省ではほかにもずさんな調査が相次いでおり、ざいむではしこうぶんのし改ざんまでなされた。壊れた羅針盤はいったい、どこにどれだけあるのか。

 天声人語より
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労働力2040年には18.8%減に
経済が成長せず、働く高齢者や女性が増えなければ、2040年の労働力人口は17年の実績から減って5460万人になるとの推計を、厚生労働省が発表した。40年は高齢者人口のピークを目前に控えた時期で、推計を出すのは初めて。
酷春から外国人労働者のうけいれかくだいや、せいふがけんとうしているきぎょうに継続雇用を求める年齢の65歳から70歳への引き上げは推計に加味されていない。
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幸せな結婚をしているか、何人子どもがいるか、嫌いな話題は何か---。
五輪開催都市を決める国際オリンピック委員会の委員たちの人柄について、五輪コンサルタントは徹底して調べ上げる。精度の高い立候補都市に売るのが仕事だという。
1998年、米ソルトレーク冬季五輪の招致をめぐる買収工作が発覚した。高価な土産、子息の奨学金、あるいは現金など桁外れの「恩恵」を受けた大勢のIOC委員が辞任に追い込まれた。
騒動を受けてIOCは委員の候補地訪問を禁じる。直接の攻勢がむずかしくなった分、コンサルの活動の場が広がったのは皮肉な話だ。「コンサルなくして招致なし」。それが常識化と化した。
来年に迫った東京五輪の招致をめぐり、買収騒動が再浮上した。日本オリンピック委員会の竹田恒和会長が仏当局の捜査を受けていた。シンガポールのコンサル企業に支払った資金は委員への賄賂だったという疑い。昨年12月にはパリで聴取もされた。
「復讐は冷まして食べる料理だ」。美食の国フランスのことわざである。敵をとるならじっくり策を練ってからと教える。ルノー会長として、かの国で尊敬を集めてきたカルロス・ゴーン容疑者に対する捜査の意趣返しか。一瞬、そんな疑念もよぎってしまったが、「江戸の敵を長崎で」式の単純な話ではあるまい。
いよいよ来年の夏は祭典本番かと思いきや、年明け早々この騒ぎである。五輪とは、つくづく一筋縄ではいかないものである。

 天声人語より
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こつこつ丈夫な体に スローペースで効果
超高齢社会になり、4人に1人は高齢者の時代。要介護・寝たきりの原因の1位は、骨折や関節が痛くなるなど運動器によるもの。運動機能は加齢とともに弱り、運動習慣がないとさらに落ちる。運動器の健康はとても大切。
ロコモティブシンドロームは、骨粗鬆症、変形性関節症、変形性脊椎症など運動器の病気や筋力低下などが原因で、歩行をはじめとする運動機能が徐々に低下していく状態を言う。早めに気づいて、早めの対策をすることが必要だ。
筋力を強くする。そうするとひざの痛みがよくなる。変形性膝関節賞は軟骨が減って進む。軟骨が減らないようにするために大きな手段が、筋肉を鍛えることだ。骨粗鬆症の予防・改善にもつながり、骨量が増える。腹筋・背筋を鍛えると腰痛も減る。筋肉による支えがよくなると脊椎の変形も進まなくなる。
ロコモ予防のため、どんな運動でもいいので週刊をつけること。ウォーキングもいいと、ジョギング、水中歩行もいい。日本整形外科学会ではスクワットと片足立ちを紹介している。スクワットは下半身の筋力を効果的に全般的に使うので、いい運動だ。これをゆっくりやる。5秒かけて下げ、5秒かけて上がる。
運動に関する注意。ゆっくりした動きのほうが、痛みが出にくくて効果も上がる。痛みが出たり増したりしても、運動後にすぐ収まるなら続けて構わない。痛みが翌日まで持ち越すようであれば、3日間ぐらい休んで、半分ぐらいの運動量から再開するといい。毎に津続けるといいが、最低でも週2回はやってほしい。90歳まで自分の足で歩く準備を、これから始めよう。

 健康・医療フォーラムより----石橋英明
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「中近東の砂漠にも温泉場があるんですよ。わたくし、びっくりしました」。
品のある語りで世界各地を紹介した兼高かおるさんが亡くなった。90歳。TBS系の「兼高かおる世界の旅」に31年間出演し、旅した距離は地球180周を超えた。
放送開始は1959年。パリやローマなど大都会をめぐるだけでなく、独立まもないガーナの実情を探ったり、インド独自の弁当文化に分け入ったり。深みのある取材が人気を集めた。
大量の機材とテープに、関税で「引っ越しですか」と尋ねられたこともある。現地では寸暇を惜しんでカメラを回した。鏡を見るのは朝の一度きり。「お手洗いの時間がもったいない。なるべくお水も飲みませんでした」。
番組が好評を博したのは、海外旅行がまだ高嶺の花だったことも大きい。渡航が自由化されたのは番組開始の5年後。欧州への旅には大卒初任給の30倍もの費用を要した。そんな時代に辺境の地から笑顔を届ける兼高さんはあこがれの的だった。
初期に放送された番組の一つを見直してみた。訪ねたのは激戦地のグアムとサイパン。旧日本軍の防空壕をたどり、指揮官の最期を語る。硬派な作りかと思うと、現地の島民の穏やかな暮らしも紹介していて、旅情を誘う。
「言葉が通じない」「苦労しに出かけたくない」。近年は海外に出るのをためらう人も珍しくない。兼高さんならこう語りかけるだろう。「あらあら、もったいない。ご自身の目でもっと世界をご覧になって」。

 天声人語より
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美しい宙返りを見た。高く素早く柔らかい。
15年前、アテネ五輪のレスリング会場で決勝を制した直後、吉田沙保里さんが見せた喜びの舞いである。
世界に敵なし、金を取って当たり前と言われ続けた。重圧に耐えてやっと手にした金メダル。父の栄勝さんの感極まった表情、母幸代さんの号泣をいまも覚えている。
レスリングを始めたのは3歳のころ。全日本王者だった栄勝さんから、三重県一志町の自宅で、2人の兄とともに手ほどきを受けた。練習で叱られるとどうしても涙がこぼれてしまう。「なかないでれんしゅうする」。決意を自分で書いて部屋に貼った。
初試合は5歳で臨んだちびっ子大会。優勝した男子が首にかけてもらう金メダルを見て、同じものをせがむ。「あれはがんばって強くなった人しかもらえない」。スーパーやコンビニでは売っていない」。栄勝さんが言い聞かせたという。
お金では決して買えない五輪の金メダルを沙保里さんは20代で三つも獲得する。四つ目が期待されたリオ五輪は銀で終わる。決勝で敗れた直後に口をついたのは、その2年前に急死した栄勝さんにわびる言葉だった。「ごめんなさい。お父さんに怒られる」。長年の連覇がいかに家族に支えられていたかを実感させた。
10日引退会見に臨む。36歳。考えに考えた末の決断だろう。これまでの鍛錬と、一家を挙げての奮闘に感謝の拍手を送りたい。アテネで拝見した勝利の宙返りがもう見られないのが寂しくはあるけれど。

 天声人語より
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代謝をアップ 筋トレで若々しさキープ
年齢とともに下がる基礎代謝を高めるために、大切なことが三つあります。
一つ目が、筋トレです。
基礎代謝のなかでも、多くのエネルギーを消費するのが筋肉です。そして、年をとるにつれ基礎代謝量が下がる一因が、筋肉の衰えです。
私たちの筋肉量は、40歳を過ぎると毎年1%ずつ減り続けます。筋トレをしないと、20年後には20%、30年後には30%の筋肉が減ってしまうのです。
筋肉は活力エネルギーを生み出す「工場」のようなもの。筋肉量が少なくなると、体の動きに影響が出るばかりではなく、生産されるエネルギーが減り、基礎代謝がグッと落ち込むことになります。筋肉量の維持は、若々しさを保つためにも不可欠です。
老化を止めることはできませんが、筋肉だけは例外。トレーニングをすれば、何歳からでも筋肉量を増やし、機能を高めることがてきます。
といっても、バーベルを上げ下げするようなきついものでなくて構いません。私は、朝起きたとき、夜寝る前に布団の上でする「寝ながらストレッチ筋トレ」をおすすめしています。
いくつかあるのですが、例えば朝は「両足伸ばしストレッチ」。太ももとふくらはぎを意識しながら、10回繰り返します。夜は「自転車こぎストレッチ」。おなかやふとももの前側に力が入るのを意識しながら、なるべくゆっくり足を回すのがポイントです。こうした筋トレを毎日続けていくことが大事です。

 きょうもキレイより---筑波大教授・久野譜也
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よく通る声だった。「ラブ・フォー・ニッサン」。日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者は、日産に注ぐ情熱を訴えた。
英語と日本語が飛び交う法廷で、ご当人や裁判官、弁護人よりも多く長く言葉を発したのは、法廷通訳の女性だろう。
法廷通訳は裁判所の職員ではない。語学講師らの兼業がほとんどだ。国内に38人。言語は62に上る。「ゴーン氏の後半は会計や法律の知識が求められ、準備作業が膨大。私にはとても引き受けられません」と話すのは静岡県立大学教授の高畑幸さん。これまで500軒もの裁判で通訳を務めてきた。
案件は民事刑事とも多岐に及ぶ。「加害者の通訳もあれば、被害者や証人の言葉も訳す。訳し方によっては人の一生を左右してしまう。大変な重圧である」。
隠語や下品な言葉、感極まっての涙声には骨が折れる。とりわけ手ごわいのは検察官の言い回しだ。早口。責め立てるような尋問。「絶対に記憶がないとは言い切れないですね」といった二重否定を頻用する。
法廷通訳は5年間で200人も減っている。いつ裁判所から依頼が来るか読みにくい。報酬の基準が判然とせず、事前の書面翻訳には対価が支払われない。それゆえ専業の人は少ない。重責に報いるには、雇用環境が不安定すぎはしまいか。
年ごとに多くの外国人が法廷に立つ時代である。肝心の通訳の成り手が細って大丈夫だろうか。通訳制度の先行きが心配になってきた。

 天声人語より
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韓国の大統領は
さあ改めて、日本外交の腕の見せどころ。
人ごとのような韓国大統領と話し合い、打開するしかないのだから。

素粒子より
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ほおづえをつく男、首筋にからみつく吸血鬼---。北欧の画家ムンクの絵は見る者を鬱々とさせる。
葛藤に苦しみ、孤独にさいなまれる姿が浮かぶ。だが東京・上野の都美術館で開催中の「ムンク展」では、別の一面が見えた。
幼くして母と死別し、まもなく最愛の姉も亡くす。恋人から結婚を迫られて銃が暴発、中指を失う。アルコール依存症の時期も長い。その歩みは代表作「叫び」の暗い色調と重なる。
ただ年譜をたどると、「国民画家」への階段は意外と順調だったようである。20代でノルウェー政府から奨学金を得てパリに学ぶ。ときに酷評もされたが、若くして名は欧州一円にとどろく。40代で勲章を授けられた。
「自分を売り出す才能にも恵まれていたようです」と学芸員の小林明子さん。絵の価値を高めるため自ら解説文も書いた。<夕暮れに道を歩いていた。私は自然を貫く叫びのようなものを感じた。叫びを書いたと思った。色彩が叫んでいた>。「叫び」に沿える文章は展示のたび改訂を重ねた。コピーライターとしても一級である。
会場で目を引くのは、自画像の多さ。生涯に200点を描いたという。中年期にはカメラで自らの裸像を撮りためている。大量の「自撮り」にはナショナリズムの香りも漂う。
創作意欲は晩年まで衰えず、作品を「子どもたち」と呼んで工房に飾った。1944年、80歳で没。苦悩に満ちたイメージとは違い、実は幸福な画家人生であったと言うべきだろう。

 天声人語より
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戎講
商売繫盛で笹持ってこい。
きょうは本戎。
宝恵駕行列に笑顔が咲く。
<たよりない政治家よりもえべっさん>政寛
 
素粒子より
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お正月気分が抜け、職場や教室がにわかに忙しくなる時分、新年恒例の「歌会始の儀」が催される。
皇居から中継されるその行事は、ゆったりとした独特の節と旋律で際立つ。
あの空間で朗々と歌うのはどんな人たちなのか。「全員が宮内庁から嘱託を受けた非常勤です」と話すのは、歌を紹介する「披講諸役」のひとり、園池公毅さん。本業は光合成を研究する植物学者。早稲田大学の教授である。
大学生のころ、元華族というつながりから、宮中の歌会に加わることになった。古今和歌集、後撰和歌集、拾遺和歌集の「三代集」は言うまでもなく、新古今和歌集や千載集などを加えた「八代集」もよく読みこんでおくよう求められたという。
旋律は「和歌披講譜」なる譜面を介して現代へ受け継がれてきた。楽譜とはいえ五線譜はない。すべては漢字と棒線だけ。「神」はド、「壱」はレ、「平」はミを意味する。暗号のようである。
どの歌も独唱から始まる。途中から数人が加わり、男声合唱団を思わせる重厚な音があふれだす。聴き始めこそ、のんびりした進み方にとまどうが、岸に寄せる波のようなリズムに身をゆだねるうち、数百年前の文人たちと同席したかのような不思議な感覚が身に染み込んでくる。
和漢の素養を動員し、風景や情感を三十一文字で表現し、それを一定の音律に乗せて披露する。和歌とは言ってみれば、文学と音楽の境界線あたりで栄えた総合芸術なのだろう。今年の歌会始は来週16日に開かれる。

 天声人語より
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世界銀行の今年の見通し
今年の世界全体の経済成長率を2.9%と見込んだ。
昨年の6月時点から0.1㌽引き下げた。
米中通商紛争の激化や金融市場の混乱への懸念からリスクの状況はより悪い方へ傾いてきたとしている。
日本については、前回見通しから0.1㌽引き上げて0.9%を見込んだ。悪天候や自然災害の影響があった18年から回復が見込まれるという。

紙面より
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日本が初めて五輪に参加したのは1912年、ストックホルム大会である。
マラソンに挑んだ金栗四三は、炎暑で過半数の選手が棄権する中、行方不明に。「消えた日本人選手」と現地で報じられた。
今夜から始まる大河ドラマ「いだてん」の主人公は、金栗である。五輪に3度出場し、箱根駅伝の創設にも奔走した。「日本マラソンの父」と呼ばれるゆえんだ。
出身地はいまの熊本県和水町。「金栗四三生誕の街」「大河ドラマ主人公」と書かれたのぼりが町内にたなびく。築200年という生家は補修され、駐車場とトイレが新設された。
「タイガは青天のへきれき。観光振興の好機ですが、何から手をつけるべきか見当がつきませんでした」と町商工観光課の鍋島忠隆さん。一昨年の大河「おんな城主 直虎」地元浜松市へ赴き、NHKからも助言を受ける。学んだとは放送2週目から一気に人が押し寄せること、そして番組が終わると客足が止まることだった。
観光客は呼び込みたい。しかし町の予算は限られている。新設のミュージアムは廉価なプレハブ建てとし、放送が済めば閉じることに決めた。地に足の着いた判断と言うべきだろう。大河を迎えるのは相当な難事のようである。
さて、五輪本番で脱落した金栗は半世紀後、現地に招かれて走る。ゴールを切ったのは75歳。「金栗選手、タイムは54年8カ月6日5時間32分20秒3」という音声が場内に響く。ドラマではきっとそんな一代の名場面も描かれることだろう。

 天声人語より
地震で大変なことは何も書かれていないが、筆者は何を考えて書いているのだ。臨機応変に応援のメッセージも入れるべきではなかったのか。
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北朝鮮の
訪中の後は米朝会談だな。
焦点は非核化の工程を確定できるかどうか。
金正恩氏に注目。
日本は蚊帳の外だけど。

 素粒子より
二人と非核化の工程などどうでもよく、会うことに徹しているのではないのか。
それを当然と記事にするマスコミも変だ。
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すでに仕事始めの方には申し訳ないが、正月気分をまだ味わいたくて寄席に行った。
いい初夢が見られるよう願う話や、黒豆をこっそりつまむ話など、いかにも新年らしい。江戸の旦那衆が猪鍋を食う話も。
火の用心の夜回りをする合間に、こっそり酒を飲み鍋を煮る。一膳しかない箸で順番につつく様子が、またうまそうだ。猪肉やネギ、鍋の火まで見えてくるような芸である。「二番煎じ」というこの演目、亥年にあわせて選んだか。
イノシシという動物は十二支の中でも、あまり身近とはいえぬ存在だ。ぼたん鍋とも呼ぶ猪鍋をいつも食べている人はそういないだろう。山の中で暮らす彼らが、野性の姿を見せることも少ない。
そんな印象も変わってきたか。イノシシ被害の報道が目につく昨今である。農作物を荒らすだけでなく、市街地のごみ置き場にも出没していると。「イノシシを見かけるので、塾帰りの子どもが心配」との声は切実だ。
猪突猛進と聞くと、走り出したら止まらない印象である。ところが実際のイノシシは、危険が迫ると水の中に入って逃げることもあり、臨機応変な面も。山から下りてきた背景には、どんな環境の変化があるのか。
「山より大きなイノシシは出ない」との言い方がある。辞書によれば「入れ物より大きな中身はないという例え」だが、それほど心配しなくてもいい、との意味でも使われる。人への励ましにもなること言葉、今年ほもっと口にしていいかも。

 天声人語より
今時、豚コレラの話がないのは何か抜けているのでは。
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東証700円超値上がり
週明けの東京株式市場は、先週末のNY市場の急騰した流れで大きく上昇。
2営業日ふりに2万円台を回復した。

紙面より
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雪の降り積もった日だったのだろう。芭蕉が、訪ねてきた弟子を歓待して、こんな句を詠んだ。
<君火をたけよきもの見せむ雪まるげ>。君は火を焚いてくれ。そのあいだに私が、良いものを作って見せよう。雪の大玉だ---。
雪玉を転がし大きくする「雪まるげ」は、雪だるま作りに似る。無邪気にはしやぐ俳聖の姿が浮かんでくる。この年末年始は、北陸を中心に雪になった。帰省先で、雪だるまを完成させた子も多かったか。手伝う大人も意外に楽しいものだ。
同じような遊びは世界中にあり、英語ではスノーマン。その姿によく似た小天体に近づいたと、米航空宇宙局が発表した。地球から離れること64億㌔、無人探査機が写真を撮影した。大小二つの球がくっついている姿は可愛くもある。
天体の名前は「ウルティマ・トゥーレ」、最果ての地を意味する。太陽系の端っこにあり、人類が探査機で観測したなかで最も遠い天体だ。太陽系がどのようにできたか、ヒントが得られるかもしれないという。
新年に飛び込んできた宇宙のニュースは他にもあり、中国の無人探査機が月の裏側に着陸した。新たな発見が期待される一方、米国との覇権争いのにおいもする。遠い宇宙はロマンをかきたてるが、近い星の話になると、きな臭さも漂ってくる。人類の悲しい一面である。
小天体が雪だるまにも、鏡餅にも見えてしまうのは、この時節ゆえか。正月起分はつかのの間、今年もまた米中の摩擦にやきもきすることになるのだろうか。

 天声人語より
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やる気は脳の活動に変化を与え、効果的なリハビリにつながる。
病院などの現場では、患者本人のやる気が、リハビリの効果に影響することは知られている。生理学研究所などの研究チームはその仕組みの解明を進めている。
脊髄損傷から回復途上のサルで、やる気や意欲に関係する「側坐核」という脳の領域の活動を薬で止めたところ、治り始めていた手のまひが再び出て、イモをつまめなくなった。一方、健康なサルでは、側坐核の活動を止めても影響はなかった。研究チームは、けがの回復期に、側坐核が運動機能をつかさどる脳の領域の活動を活性化し、運動機能の回復を支えているとみている。
また、生理研の定藤教授らの研究チームは、褒められることの影響について研究している。他人に褒められると、意欲や意思決定に関わる「線条体」と呼ばれる脳の領域が反応することを確認。さらに、褒められた人は、指を使った運動技能の習得が上手になることも確かめたという。
定藤教授によると、これまでは教育の分野で、こうした意欲や褒めが学習にどう影響するかについて研究されてきた。最近は、脳神経学の分野でも研究が進み、成果はリハビリにも応用できるという。
定藤教授は「強い意欲を持ち続けるには、褒められることに依存せず『やればできるんだ』という経験に裏打ちされた自己肯定感が大切。リハビリでも、自ら取り組む意欲を高める試みが、周囲には重要になる」と指摘している。

 紙面より
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戦後日本と国際協調
なかでも、国連などの多国間枠組みを軸とする国際協調主義は、戦後日本の外交の芯とも言うべきものだ。
 強国が力で何かを決めるのではなく、多国間で話し合い、合意でルールを決めていく。戦争しいう最も露骨な力のぶつかり合いを経験した日本にとって、それは目指すべき国際社会の姿にほかならない。
 今、米国がその国際主義に背を向けるならば、日本はこれを正すべきである。角野対米依存を見直し、EUとの連携を深めたい。欧州の理念を「孤立」させず、共通の減速を守る責務を日本も果たさねばならない。
 安定的な平和秩序づくりが求められるアジア外交も、強化するときだ。多極化する世界に広く目配りし、筋の通った外交が紡げるかが問われている。
 民主主義と自由はいわば、理想社会の実現を信じる永遠の営みであり、実現の壁に屈しない挑戦の道程に価値がある。世界が変化の波に洗われる今だこそ、理念を見失うことのない日本外交を築きたい。

 
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人生の目的意識と死亡率
人生に対する目的意識の高い高齢者の方が長生きするという研究が報告され
ている。
人生の目的意識に関するテストは
1、私は人生に方向性と目的の感覚を持っている。
2、私は将来の計画を立て、それを実現させるために働くことを楽しむ。
3、人生を目的なしにさまよう人もいるが、私はそうした人々の1人ではな
い。
4、私は人生でなすべきことをすべて行なったように感じることがある。
など10項目からなる。
各質問への回答を5段階の選択肢から選び、合計点を質問数で割って一人ず
つ平均点を出した。平均点は3.7点だった。
その結果、人生の目的意識に関する5点満点の点数が下位10%の人と比べ、上
位10%の人では、死亡率が43%も低かった。
人生の目的意識に関するテストは、ナチの収容所を生き延びた精神科医ヴィ
クトール・フランクルの思想などに由来する。彼の思想とは、極度の逆境下
でも人生を意味あるものとするのは可能であり、人生に対する目的意識を持
つことが、心理的健康を維持する上で本質的である、とするものだという。

 やさしい医学リポートより---東北大教授・坪野吉孝
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中身は買ってのお楽しみ。それが福袋かと思っていたが、近頃はどうも趣が違う。
初売りのお店をのぞくと、衣類でも雑貨でも内容が表示されたものが目立つ。透明のビニール製の福袋もあった。わくわく感は減りつつあるか。
最近は図書館で、福袋を用意するところが増えているようだ。表紙が見えないように包装し、未知の本との出会いを誘う。始めて10年目となるのが兵庫県宝塚市の西図書館だ。子どもたちに向けて約130の包みを作り、新年最初の開館日に並べる。
昨年の暮れ、準備中のところへおじゃました。英字新聞を使った包みに本のヒントになる一文を添えていた。「ともだちっていいな」「おもいがけないおきゃくさま」「そんなばかな」「だれかを応援」大人でも開けてみたくなる。
「背表紙だけ見ても、手が伸びないかもしれない。でも開いてもらえば良さが分かるはずです。そんな本がたくさんあるんです」。本の福袋を発案した司書の野村京子さんは言う。子どものうちに、いろんな世界を見てほしいのだと。
考えてみれば、子どもにとって本との出会いは、いつも福袋のようなものだ。たまたま家にあった本、学級文庫にあった本、友だちが貸してくれた本。何が出て来るか、どんな豊かさを与えてくれるのか、開いてみるまでは分からない。
偶然の出会いの面白さは、大人の読書も同じだろう。その場所は近所の図書館かもしれないし、旅先の書店かもしれない。今年はどんな本にめぐりあえるだろう。

 天声人語より
鮪の初セリで大間産の鮪が3億円。やはり日本は景気がいいのだろうか。
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東証 年明け一時700円超安
前日三日の米NYダウが前日比660.02㌦下げたのを受けて、前年末の終値より359円64銭安い1万9655円13銭で取引が始まった。
前年比で下落のスタートとなるのは2016年以来3年ぶり。
外為市場で円高傾向となっていることから、自動車や電機など輸出関連の下げ幅がおおきい。
アップル関連とされる電子・半導体関連銘柄も売りが目立つ。

紙面より
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20世紀に発明された技術のうち最も重要なものは何だろう。コンピューター? 飛行機? いや、そうではない。
空気中から窒素を取り出すための工業技術である。そんな見方をノルベリ著『進歩』が紹介している。
窒素は植物の成長を促すが、かつての農業では、天然の窒素、すなわち鳥のふんなどに頼っていた。空気中の窒素を使って作られた化学肥料が、農業を劇的に変えた。1900年に16億だった世界人口が何倍にも増えたことに、大きく貢献した。
悲しいのは、開発者の一人がその才能を化学兵器にも用いたことだ。第1次生鮮でドイツ軍が使った毒ガスである。人類は前に向かって進んできた。しかしその道のりはいつも、ジグザグを描いている。
進歩は続いているのか、疑問を持ってしまう昨今である。国際ルールを無視する米大統領の出現。独裁のまま大国化する中国。地域紛争やテロもなくならい。核兵器廃絶の夢も、ずっと夢のままである。
人類史上、私たちは最も平和な時代に暮らしている---。米国の認知科学者スティーブン・ピンカー氏が著書で述べている。かつての狩猟採集社会や部族社会では、戦争と略奪は日常だった。人類は一歩一歩、暴力を減らしてきたのだと。止めてはいけない流れである。
多くの国が20世紀から引き継ぎ、育ててきたことがある。自由にものが言えること。誰もが教育を受けられること。国と国の垣根を低くしていくこと----。これからも世界が前へ進むための礎であろう。

 天声人語より
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どちらもおなじみの果物ながら、みかんとりんごは役どころが違う。
<君と僕二人で囲む冬の夜「こたつ」と「みかん」はベストカップル>近藤史紀。
みかんには暖かい色のもたらす「安定」のようなものがある。
片やりんごは、たとえば歌人の故・河野裕子さんの一首を思い出す。<青林檎与えしことを唯一の積極として別れ来にけり>。同じ「ふたり」のことを詠んだ歌ながら、淡い孤独と硬さをたたえる。実体験にせよフィクションにせよ、双方の歌でみかんとりんごの交換はできまい。
日の色に染まったみかんは、安らげる「人の間柄」の暗喩のようでもある。暖かい色に家族の記憶を呼びさまされる向きもあろう。冬の団欒の名脇役だが、消費の低迷が聞こえて久しい。
ピークだった1975年の約5分1に減っているという。「日本人が最も多く食べる果物」の座は10年前にバナナに奪われた。茶の間からこたつが減ったから-----などと理由には諸説あるようだ。
思えば、テレビのチャンネルをまだ回していたころがこたつの全盛時代、すなわちみかんが胸を張っていた時期だった。みかんの低迷とともに、人どうしの円居が減りつつあるのなら、寂しいことである。
役どころの話に戻って、みかんが向き合って食べる果物なら、バナナには個々で食するイメージがある。多忙なときは食事代わりにもなってありがたい。果物もまた、世につれ。個々が孤々にならないか、心配ではあるが。

 天声人語より
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今年の流行語大賞ならぬ暴言大賞がもしあるとすれば、どちらがふさわしいか迷う。
「セクハラ罪って罪はない」と語った麻生財務相と、同性カップルについて「生産性がない」と書いた過ぎた衆院議員である。
麻生氏の発言は、部下の財務事務次官にセクハラ問題が持ち上がった時に飛び出した。「はめられた可能性がある」とまで口にしている。女性を追い込むような言葉に、自民党内からも批判が出た。
その毒舌が同僚議員から「麻生節」と持ち上げられる重鎮である。しかしこの件で感じるのは、セクハラ告発の流れから組織を防衛しようとする必死さだ。財務省のみならず、政界や官界の男性優位社会を守ろうとしたか。
となると暴言というよりは、むしろ「防言」。杉田氏が書いた文章も、性の多様性を容認する流れを止めようとするものだ。「生産性」のくだりがなければ注目もされるはずもない内容だが、思わず防御姿勢に力が入ったか。
2018年はおそらく、性暴力や性差別の問題に光があたった年として記憶されるだろう。世界的なセクハラ告発運動#MeTooのほか、男性同士のラブコメディードラマ「おっさんずラブ」が入った。セクハラを擁護したり他人の正にけちをつけたりするのとは違う世界が、ここにはある。

 天声人語より
杉田氏の生産性はその通りではないのか。子どもを産むことを生産と言ってはいけないのだろうが。
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ノルディックウォーキングのススメ。全身を使って歩く。
ポールをついて歩くノルディックウオーキングは、クロスカントリースキーの夏場の練習用だったものを一般向けに改良し、1997年にフィンランドで発表された。両手にも力が分散するためひざや腰への負担が小さく、全身の筋肉をバランスよく使える。
歩き方にはコツがいる。ポールは前ではなく体の横につき、後ろに押し出す。その際、ひじはまっすぐ伸ばし、手で握っていたグリップを離す。腕で地面を押して前進するため、二の腕や背中など普段意識しない筋肉を使い、慣れると歩幅が広がって股関節周りも鍛えられる。歩いてみると、上半身主導の動きだと実感する。20分ほどで汗がにじみ、心地よい疲労感だ。前進の90%の筋肉を使いますが、おしゃべりしながら歩けば顔の筋肉も使って100%になります。
カロリーの年収率は通常の歩行の1・2~1・4倍と有酸素運動としても効果的。時速7㌔で約20分歩いた場合の心拍数は歩行だと一定なのに対し、ノルディックウォーキングだと途中から上昇に転じる。走るのはきついが、歩くだけでは物足らない人向け。1日10~20分、週3日程度行うといい。姿勢もよくなります。
離したグリップをすぐに握り直せる専用のポールが必要で、スポーツ用品店などで1万円前後で購入できる。ポールの長さは、ストラップの付け根がへその位置に来るよう調整する。
ひざを痛めているなど歩行が難しい人は、ポールを前につく運動量の小さい歩き方から始めるといいという。一度講習を受け、自分に合う歩き方を選んで欲しい。初心者向けの各地の講習会の日程は日本ノルディックウォーキング協会のサイトで。

 続・元気のひけつより
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築75年は経とうかという狭い民家。赤茶けたトタン張りの2階で洗濯物が揺れている。玄関の看板はごく小さい。
「サポートハウス」。金沢市で山本実千代さんが営む子ども向けの「駆け込み寺」である。
兄の暴力から逃れた中学生。自傷行為をやめない10代の女性。ハウスでの暮らしを丹念に取材した『サポートハウスの奇跡』を読むと、福祉の手が届かない子どもたちの実相が浮かび上がる。
「うちを頼ってくる子は、大人はみんな敵やと思っている。先生も信用してない、市役所とか児童相談所とかこわくて行けない。そういう子を『開く』には時間がかかります」と山本さんは話す。大阪府出身で、障害の長男の子育てに苦労を重ねてきた。
ハウスを開いたのは2002年。顔見知りの障害児や、親が急に入院した子らを頼まれて預かったのが始まりだ。困っている人を見ると放っておけない。夫を避けて車中で暮らす母子、認知症の高齢者まで拒むことなく受け入れてきた。
特別な活動をするわけではない。何はともあれ一緒に食事をする。「おなかがすくと、だれでも心がトゲトゲする。食べ終えてフーッと一息吐けば、トゲトゲが取れる。小さい子でもそう。食べ盛りはもっとそう、大人だってそう」。
資金も人手もないハウスが十数年続いてきたのは、この明快な「食」哲学のたまものだろう。食べることはあらゆる生の出発点。同じ食卓に着いて一緒に箸を動かせば、心は少しずつほぐれていく。

 天声人語より
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スロージョギングのススメ。鼻歌を楽しめるほどのペースで
健康のために体を動かしたいけれど、きつい運動はちょっと苦手。そんな人にお勧めなのが「スロージョギング」です。息切れしないペースでゆっくりと走るジョギング方法で、並走する人どうしが笑顔で会話できる速度が目安。
「足の指の付け根から着地するように」かかとから着地するのに比べて衝撃が3分の1になり、体の負担が少なく走れる。
スロージョギングは、小刻みな走り方が特徴。20~30㌢の歩幅で走る練習をした。ただ、頭では分かっていても、慣れないとつい大股になり、スピードが出てしまう。「歩幅を小さく」「もう少し上を向きましょう」とコツを伝授した。
実際にやってみて、長い時間走っても疲れないことに気づいた。「こんなに楽な運動でいいのかな?」というのが正直な感想だ。体力をつけ、減量をめざすなら1日に計30~60分が目安。初心者の場合は、スロージョギングの合間にウォーキングをはさのも良いという。継続することで、高齢者なら加齢に伴う筋肉量の減少を抑える効果も期待できる。
スロージョギングの消費エネルギーは、通常のウォーキングの約2倍。ウォーキングに比べて多くの筋肉を使う体。
生活習慣病の対策にスロージョギングを活用しましょう。息が上がらず、鼻歌を楽しめるくらいのペースで続けると良い。

 続・元気のひけつより
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一年でいちばん好きな日は、たぶん大晦日だと思う。作家の津村記久子さんがエッセーにそう書いている。
お正月はとても楽しい。けれども2日はもうただの休みだし、3日なんか明日から会社かと、げんなりする。
しかし大晦日は違う。「待つ」ことの楽しさが凝縮されているのだ。「たかが新しい年になるだけだ。三十数年も生きると、べつに新しい年になっても何かが劇的に変わるということがないのも知っている。それでも、待つことそのものを味わうのだ」。
家の掃除をし、お正月の買い物をし、年賀状を書く。そんなこんなをこなして迎える、何げないひととき。新年を待つだけの不思議な瞬間である。
人間には二通りの時間の感じ方がある。一つは、未来に向かって直線的に進んでいく時間。もう一つは、毎年毎年、循環する時間である。「直線」の感覚からすれば、新年は通過点にすぎない。しかし「循環」すると思うなら、年が明ければ自分も新しくなるような気がする。
さて新年を待ちながら、「来年あるかも」ということを一つか二つ、思い描いてみるのはどうだろう。「恋人が現れるかも」「孫ができるかも」「有名人にどこかで会うかもけ----。目標ではなく、待っているとやつて来るかもしれない良いことを。
除夜の鐘は「ごくろうさん」にも、「ほらもう寝なさい」にも聞こえると、津村さんは書いている。うきうき、そわそわとも違う。かといって厳粛というほどでもない時間である。どうか良いお年を。

 天声人語より
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