2018年11月の記事


米ロ首脳会談中止?
トランブ大統領はG20首脳会議に合わせ、ろいぁのプーチン大統領との首脳会談を中止するとツイッターで表明。
ウクライナ艦船の拿捕が理由に挙げた。突然の中止通告にロシア側は猛反発している。

紙面より
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作家の宇野千代の随筆に、山火事を起こしかけた話がある。
山小屋で執筆をしていたとき、書き損じた原稿などを外で焼いた。火が枯れ草に燃え移り、あっという間に広がった。バケツの水をかけるが、追いつかない。
村の人たちが、手に手に竹ぼうきを持って駆け上がってきてくれた。たたいて火を消してくれたのだ。恐縮する宇野に村人は言った。「お気におしんされな。ちょくちょく山火事はあるが、わしらア、消し馴れておるけえのう」。
ところ変わって、毎年のように山火事に見舞われている米国カルフォルニア州である。しかし今月の火事は、この州にしても経験したことのない被害であった。80人以上の命を奪い、1万9千棟のたてものをのみこんだ山火事が25日、ようやく鎮圧された。
発生から2週間余り、そのあいだに報じられた映像は山火事のイメージから遠かった。火がまちなかにまで及んでいるのだ。歌手のレディー・ガガさんの自宅から避難し、SNSに煙があがる画像を投稿していた。
ここでもまた、地球温暖化の影響が指摘されているのだという。空気が乾燥して、草木に火が燃え広がりやすくなっているのか。温暖化に関連した山火事やハリケーンにより、2015年以降で4千億㌦近くの被害が出ている。そんな分析も米国にはある。
相手が地球温暖化だとすれば、竹ぼうきはおろか、最新の消防設備でも太刀打ちできまい。世界がなかなか鎮圧できずにいる難題が、またも顔をのぞかせた。

 天声人語より
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元徴用工判決
三権分立なのでそうなのかもしれないが、まったく分からない国だ。
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大相撲の数ある名勝負のなかで、突き押しだけで場内を沸かせた一戦がある。
1975年、麒麟児と富士桜の取り組みである。両者が繰り出した突っ張りは、合わせて100発を超えたという。当時の小紙には「まるでヘビー級のボクサー」の言葉がある。
相撲の極意として、「押さば押せ、引かば押せ」との言い伝えもある。それを地でいく22歳の小結、貴景勝が九州場所で初優勝した。一切相手と組むことなく、突き押しだけで一場所を沸かせた力士は珍しいのではないか。
身長は175㌢と決して高くはないが、170㌔の体をつくってきた。立ち合いで突っ込んでいくさまは、大砲の弾が撃ち込まれたかのようであった。その速さと重さが、小気味いい。
初日にあたった横綱稀勢の里に、まわしを取らせなかった。10㌢以上背の高い横綱をしたから何度も突き上げ、一歩も引かない。土をつけられた稀勢の里はここから負けを重ね、休場に追い込まれる。横綱不在の場所で、貴景勝は首位を走っていった。
横綱などの上位陣が力をふるう「確実性」を楽しむか。誰が優勝争いにのぼってくるか分からない「不確実性」を面白がるか。後者の方には、これからの相撲を背負う人材がくっきりと見えてくる。そんな興奮がある。
「弱い自分が何度も出そうになった」と貴景勝は優勝後に語っていた。自分に打ち勝って手にした賜杯である。準優勝となった高安も、大関としての重圧に耐えながら戦った。世代交代へのたしかな動きであろう。

 天声人語より
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玉城氏首相と会談
玉城氏が米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設の断念を求めたのに対し、首相は「米国との計画通り、今の移設作業を進めていきたい。そのことについて理解を求めたい」と表明。会談は平行線に終わった。

紙面より
マスコミは平行線というが、もともと政府はやめる気がないのに会談で代わるわけがないのだから、当然平行線だ。
釈然としない書き方である。
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大阪の海岸にちなむ歌が、百人一首にある。<住の江のきしにる波よるさへや夢のかよひ路人めよくらむ>・
夜、夢の中であなたに会いに行くのに、どうして人目をはばかってしまうのだろう---。大阪の人工島「夢洲」は、この歌から名付けられた。
悲しい恋の歌に似て、夢洲も不遇が続いた。大阪で五輪を開き選手村にしようとしたが、招致に失敗した。大規模なビジネス街にする計画を立てたが、うまくいかなかった。長い苦難の末の万博である。
2025年の万博が大阪に決まり、夢洲が会場となる。「二度と負の遺産なんて言わせない」とは、大阪府の松井一郎知事の言葉だ。人工島がお荷物でなくなるのが、よほどうれしかったのだろう。55年ぶりの大阪開催となる。
今となっては古き良き思い出のような前回の大阪万博だが、投じも疑問の声はあった。「財界と政府だけが独走して、いつのまにか開催がきまり、いつのまにか会期がせまってくる。これだけの莫大な金を、もっとましな公共事業に注ぎこんだら----」。
評論家の針生一郎氏が「朝日ジャーナル」に寄稿していた。高度経済成長のなか、かき消された批判かもしれない。むしろ現在の方が当てはまるか。万博を喜んでいいのかどうか。正直いって分からない。
インフラや会場の整備に2千億円ほどかかり大半は税金だという。万博が終われば、夢洲の主役はカジノに変わりそうだ。「いのち輝く未来社会のデザイン」。そんなテーマの裏にある現実である。

 天声人語より
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映画館に行くと「次の回は応援上映です」と言われた。観客が歌ったり叫んだりしていいのだという。
映画は、英ロックバンド・クイーンの軌跡を描いた「ボヘミアン・ラプソディ」。曲になると、歌詞がカラオケよろしく画面が現れた。
最初はみんな遠慮がちだったが、中盤からは口を開けて歌う人が増えてきた。「フレディ!」とボーカルに声援が飛ぶ。足踏み。手拍手、拍手。知っている曲が流れてくると、やはり自然と声を上げたくなる。
こんな形式は少しずつ増えているらしい。「アナと雪の女王」では一緒に歌おうと呼びかける上映があり、「シン・ゴリラ」でも叫んでいい回があった。動画を見るだけならパソコンやスマホですむ時代。観客をひきつける試みなのだろう。
映画評論家の淀川長治は終戦直後、米兵向けの映写会に潜り込んだことがある。フランク・シナトラが歌い出す場面になると、場内が総立ちになったと著書にある。口笛を吹いたり踊ったり。顔見知りの米兵は騒がしさを恥じたが、淀川は「すばらしい」と口にした。
かつて日本のやくざ映画でも、主演の高倉健の身を案じ「健さん危ないっ」と声が飛んだと聞く。「応援上映」と言われずとも、自然に応援していた。そう思うと、御ぜん立てがあって初めて声を出せるのは寂しい気がしないでもない。
クイーンに戻れば、24日は若くして亡くなったボーカルの命日だ。観客を熱狂させたミュージシャンには、やはり歌い騒いでの追悼がふさわしいか。

 天声人語より
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過少記載
50億円を「少」と言われても。
ゴーン前会長は容疑を否認。

素粒子より
容疑者が認めないのは普通のことだ。
何も驚くことはない。
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先日の本紙4コマ漫画「地球防衛家のヒトビト」で、会社のおじさんが悩んでいた。
パワハラにならない「バカ」の言い方はないものかと。バカー、バカもん、しまいには「バカならどーだ!?」と口走る。数年前まで中間管理職だった私も、気持ちはよくわかる。
注意するときは仕事の内容に即して、人格を攻撃しないようにと心がけてきた。問題は怒鳴るときだ。バカッと言いたいのをこらえ、「君は何やってるんだっ」と口にしていた。これなら傷つけまい。
しかしハラスメント問題に詳しい弁護士の新村響子さんに聞くと「いや、そもそも怒鳴るのは極力やめた方がいいと思います」。声を荒げれば相手は委縮する。親心で「あえて叱ってやろう」と思ったとしても、部下や後輩はそうは受け止めないかもしれないと。
なるほど、自分が叱られる立場ならどうかと考えればいいんですね。しかしそれも「自分基準」に陥る危険があるという。「自分なら奮い立つと思ってしまうかもしれない。むしろ相手をよく見ることが大事です。震えていないか。しゅんとしていないかと」。企業がパワハラの防止策に取り組むのを法律で義務づける。そんな方針を国が固めたという。どんな行為がパワハラに当たるかの具体例も示す。NG行為に気を配るのと同時に必要なのは、相手の苦痛に気づこうとする構えなのだろう。

 天声人語より
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がん予防も運動から
日本人のがんによる死亡は1960年代から増え続けています。がん統計によると、2005年の患者数は67万人、死亡数が34万人と、約半数の方が亡くなっている。74歳までにがんになる確率は47%で、74歳までにがんで死亡する確率は21%。2人に人のはがんになるということだ。
米ハーバード大の有名な研究では、がんの要因はたばこが30%を占め、食事や肥満など生活習慣による影響も大きい。日本人では、たばこによるがんは、年間約9万人に上る。そして肥満もがんのリスクになる。私も14年ほど前は、不摂生で体重が85㌔ぐらいあった。血圧も180ぐらいで、コレステロール値も300近く。思い立ってダイエットを開始。約半年間で25㌔減らし、今もその体重を維持している。
その方法は、低炭水化物ダイエット。海外の論文を読んでこれだと考えた。徐々にご飯、パン、麺類を減らしておかずをメーンにするもの。カロリーはタンパク質で取った。自分で自分を褒めながら続けた。ジョッキングを始め、マラソンにも挑戦している。
がんを防ぐにはまず、適度な運動に加えて、禁煙、健康な食事、検診だ。日本のがん検診受診率は2割を切る状況で、先進国で最低だと言われている。
ただ、それでもがんになってしまう人は多い。その時は、医師とコミュニケーションをよくとって信頼できる情報を得て、自分を責めず、頑張りすぎず、あきらめないで欲しい。

 紙面より---勝俣範之
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今の国会で最も目立つ閣僚は桜田義孝五輪相であろう。汗を拭いな~、答弁書を読みながら危なっかしい受け答えが続く。
東京五輪の基本コンセプトを即答できない。1500億円と答えるべきところを「1500円」と言ってしまう。
しかし五輪相に選ばれた理由を問われた時には、自分の言葉できっぱりと語っていた。「総理が適材適所と思って選んだ。その選んでいただいた人に、立派に任務をはたすように、しっかり取り組んでいる」。えっ、働くのはもっぱら総理のため? 国民のためじゃなく?。
そういえば少し前、財務省の理財局長から似たような答弁があった。「公務員として、お仕えした方に一生懸命お仕えすることが仕事だ」。ここでも目が向く先は国民ではなく、大臣など上司のようだ。
自分たちは国民に奉仕する公僕である。そんなことは桜田さんも役人のみなさんもご存じのはずだ。建前としては。それが無田手前にとどまり、信念や原則になっていないから、とつさのときに口から出てこないだけなのだろう。
体に染みついたのはむしろ「忠誠」の方か。かつて武士たちに求められた倫理が思い起こされる。「君、君たらずとも、臣、臣たらざるべからず」。主君が立派でなくとも、家臣は忠誠心を持たねばならない。絶対服従の教えである。
家臣としての資質は、しっかりお持ちの方が多い。そんなあうに思えてしまうのが、昨今の永田町・霞が関である。重責を担う資質があるかどうかは、また別の問題である。
 天声人語より
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老いを遅らせるには--心がけが大切
「アンチエイジング」という言葉が注目を集めている。アンチエイジングと
は、できる限り老いを遅らせて若さを保とうという試みだ。
若さ、アンチエイジングというと、スキンケアやサプリメントなどを思い浮
かべる人は多いが、一番大切なのは「気持ち」だ。やりたいことをやること
。無理をし過ぎないことを心掛けると良い。自分を責めないで、いい加減に
、気ままに生活することがお薦めだという。
また、適度な緊張感、ストレスも刺激につながる。ある程度の年齢を過ぎた
ら仕事をしないで家の中で閉じこもっている人は少なくない。だが、ボラン
ティアでも良いので「誰かの役に立っている」という実感を感じられること
を意識的に行うことが大切だ。
そして「きれいになりたい」と願い、行動を起こすことは、世界を広げ自分
を内面からも輝かせる。
たばこと紫外線はなるべく避けよう。特にたばこは肌に悪く、体の循環に悪
影響を与える。
アンチエイジング5カ条
◆いくつになっても男と女
  「美しさ」に磨きをかけよう
◆肌の若返りは心の若返り
   メークアップは外見、心も若返らせる
◆バランスの良い食事と適度な運動
   アンチエイジングの効果は食事と運動が9割
◆よく笑い、よく話し、よくかむ
   笑いは免疫力を高め、かむことは脳の活性化になる
◆長生きこそ最大の誇り
   いくつになっても積極的に社会貢献を
 
 北里大名誉教授・塩谷信幸
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季節は秋。雨上がりの静かな森で、貧しい農村の娘が恋人を待っている。
やがて訪れた若者はつれないそぶり。「明日、都会に出る」のひと言で娘をあっけなく捨て去る。ロシアの作家ツルゲーネフの『あいびき』はこんな物語である。
明治21年、二葉亭四迷が訳して発表すると、たちまち文学青年たちの注目を集めた。田山花袋、国木田独歩、島崎藤村らを夢中にさせた。
実際に二葉亭訳を読み返すと、その自然描写の豊かさに驚かされる。陽光を浴びた落ち葉が黄金色に輝き、シジュウカラの鳴き声が聞こえる。読むほどに五感を刺激される。
現代の少年少女にも読まれているのだろうか。「初めて恋を知るにはうってつけの本です」。東京都内の公立中学校で英語を教え、司書教諭の資格ももつ村田知子さんはそう話す。4年前、世界文学の短編集『恋の終わりは、いつも同じだけれど---。」の編集にかかわった。その一章にこの名作を加えた。
村田さんは中3の男子に「先生、人を好きになるってどういうことですか」と聞かれたことがあるという。好きな人に思いを伝える、相手の気持ちをおしはかる。古典を通して人と心を通わせる難しさ、大切さを学べると話す。
『父と子』『初恋』「煙」「貴族の巣」。64年の生涯で生み出した名作は数多い。9日は、ツルゲーネフ生誕200年の節目の日。読書週間の最終日でもある。ふだんは詠むことのない古典を手にとるよい機会かもしれない。

 天声人語より
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やっと遍路からもどった
歳には逆らえないことがよくわかりました。
しかし、今回卒寿の記念に夫婦で歩く遍路さんにお会いしました。
そこまではとても私では無理かな----。
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今年の冬は
エルニーニョ現象で、ことしは暖冬になりそう。
2月の北陸豪雪のような市民生活の混乱は避けられますように。

 天声人語より
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「何なんだこれは」。1970年、大阪万博の会場で、小学生だった私は「太陽の塔」に心を射抜かれた。
周囲の近未来的な雰囲気はない。大きさも規格外れで、屋根を突き破る。一瞬「失敗作か」と疑ったほどの異形だった。
「優等生の答案みたいなものを作っても仕様がない。日本人に欠けているものはベラボウさだ。スットン狂にぬけぬけした魅力を発揮したい」。捜索したのは芸術家の岡本太郎氏で、そんな気概を塔に込めたと知るのは後年のことだ。
塔は構想段階から騒動を招いた。科学や進歩の見本市のはずの万博にはなじまない。建築家丹下健三氏の設計した「大屋根」を台無しにしてしまう。芸術作品として「キワモノ」という冷評も浴びた。
いまにして思えば、国威発揚色の濃い行事ではあったが、戦後25年目の日本に高揚感をもたらしたのは事実だ。「月の石を見た」「人間洗濯機がすごい」「外国人としゃべった」。来場者は6400万人。19世紀に欧州で生まれた万博史の記録を塗り替えた。同じ大阪で万博誘致が再び大詰めを迎えている。
先月末、塔の内部を初めて見学した。極彩色の巨木がうねうねと幹を伸ばす。アメーバ、三葉虫、クロマニョン人が、果実のようにぶら下がる。生命力がみなぎる。
会場はいま丘陵公園となっている。丹下氏の大屋根は小さな記念碑と化した。取り壊されるはずの太陽の塔は長く愛され、補修もされて、強烈な存在感を放つ。当時の小学生としてうなずくところ大である。

 天声人語より
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老いを遅らせるには--心がけが大切
「アンチエイジング」という言葉が注目を集めている。アンチエイジングと
は、できる限り老いを遅らせて若さを保とうという試みだ。
若さ、アンチエイジングというと、スキンケアやサプリメントなどを思い浮
かべる人は多いが、一番大切なのは「気持ち」だ。やりたいことをやること
。無理をし過ぎないことを心掛けると良い。自分を責めないで、いい加減に
、気ままに生活することがお薦めだという。
また、適度な緊張感、ストレスも刺激につながる。ある程度の年齢を過ぎた
ら仕事をしないで家の中で閉じこもっている人は少なくない。だが、ボラン
ティアでも良いので「誰かの役に立っている」という実感を感じられること
を意識的に行うことが大切だ。
そして「きれいになりたい」と願い、行動を起こすことは、世界を広げ自分
を内面からも輝かせる。
たばこと紫外線はなるべく避けよう。特にたばこは肌に悪く、体の循環に悪
影響を与える。
アンチエイジング5カ条
◆いくつになっても男と女
  「美しさ」に磨きをかけよう
◆肌の若返りは心の若返り
   メークアップは外見、心も若返らせる
◆バランスの良い食事と適度な運動
   アンチエイジングの効果は食事と運動が9割
◆よく笑い、よく話し、よくかむ
   笑いは免疫力を高め、かむことは脳の活性化になる
◆長生きこそ最大の誇り
   いくつになっても積極的に社会貢献を
 
 北里大名誉教授・塩谷信幸
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「いま米国で保守とリベラルが一つ屋根の下で暮らすのは泣きたくなるほどむずかしい」。
数年前、サンフランシスコ郊外に住む夫婦からそんな嘆きを聞いた。夫は警察官で筋金入りの保守派。妻は反戦が信条のリベラルな作家である。
外食先で食べるのは、妻が有機野菜で夫はステーキ。休日に妻が美術館行きを提案すると、夫は釣りに誘う。犬をしつけるのに、しゃがんで全身をなでる妻と、どやしつけて服従させる夫。リベラルと保守とでは暮らしの趣向がかくも異なるものかと驚いた。
米国の有権者の間で青と赤の対立が深刻化している。かつてはお互いに寛容さもあったのに、近年は嫌悪の情が前面に。ついに増悪にまで至ったというのが米中間選挙を見ての偽らざる感想でる。
震源はむろんトランプ大統領自身の弁舌だろう。民主党を敵視し、「民主候補への投票は恐ろしい社会主義政策への一票」と不安をあおる。民主党幹部らに小包爆弾を送った男はトランブ氏の信奉者だったと伝えられる。
開票の結果、民主党が8年ぶりに下院を奪還した。とはいえ大統領がこの先、態度をやわらげるとは到底思えない。むしろ扇動的、排外的な姿勢を強めはしないかと心配になる。
「分裂して争う家は立っていることができない」。いまから160年前、リンカーンは演説で聖書の一節を引いた。奴隷制度をめぐって対立した賛否両派に結果を訴えるためだ。山根かながらいまの米国にリンカーンの姿は見えない。

 天声人語より
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救命につなげるために、AED使用をためらわずに
新潟県の高校で野球部の女子マネージャーがランニング直後に倒れ、先月死亡した事故は、いつAEDを使えばいいのか、現場での判断と実行の難しさを問いかけた。
女子生徒は、死の間際に脳への血の流れが止まりかけ、あごや肩、胸や腕が、途切れ途切れにあえぐように動く「死戦期呼吸」の状態だったと思われる。(ギャスピングと現場や医療機関では言う)実際に空気は吸えていないが体が動くので、周囲の人たちは心臓が動いていると思い、AEDを使わなかったのかもしれない。息をしているかのように見えてしまう死戦期呼吸のことを多くの人に知ってもらいたい。
息が止まっていれば、すぐに心臓も止まる。現場に居合わせた人は、あえて患者の脈に触れる必要はなく、息をしているかどうか、だけを目で見たり耳で聞いたりして判断すればいい。講習会でも死戦期呼吸を教えるときは動きが大げさになりがちだが、実際には分かりにくい場合もある。突然の事態に直面した一般の人たちに冷静な判断を求めるのは無理だろう。息をしていないことが疑われるときは、一刻も早く胸骨圧迫をしたり積極的にAEDを使ったりすることが大切だ。
日本のAEDの普及率は世界でもトップクラスだ。的確な設置場所やきちんとした保守管理など課題はあるが、使い方はよく知られるようになった。消防白書によると、2015年に病院外でAEDが実際に使われたのは約1100件で600人ほどの究明につながった。だが、蘇生措置を行えた可能性のある人は数万人とみられ、市民の的確な判断と行動なくして救命率の向上はない。
人が倒れた現場は混乱し、AEDの音声支持も聞き取りにくいだろう。電気ショックのボタンを自ら押すことをためらう心理も働く。居合わせた人がAEDの電極を患者に貼り付けさえすれば、ボタンを押す必要もなく、自動的に除細動をする「全自動」AEDを開発し、早く導入すべきだ。技術的には可能で、間違って放電されることや救助者の感電を防ぐ方法もある。メーカーや行政は積極的に取り組んでほしい。
胸骨圧迫やAEDの使用では、衣服を破ってでも脱がすなど患者のプライバシーが守れない場合がある。
一般の人が処置をためらったり、蘇生がうまくいかなかったりした時に責任を問われることを恐れるという気持ちも考える必要がある。
こうした背景には100%の安全と結果責任を追及する最近の日本の風潮があると思う。市民の善意を生かし救命率を上げるためには、米国やカナダなどのように「緊急事態に直面した善意の処置者は、その結果に対して責任を負わされない」という「よきサマリア人の法」の整備が必要だ。

 私の視点より----聖路加国際大学院特任教授・宮坂勝之

善きサマリア人の法(よきサマリアびとのほう、英:Good Samaritan laws
とは
「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。誤った対応をして訴えられたり処罰を受ける恐れをなくして、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による傷病者の救護を促進しよう、との意図がある。
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端正な山容から南部小富士と呼ばれる青森県の名久井岳のふもと、鮮やかな黄色のじゅうたんが輝く。
食用菊「安房宮」の畑だ。収穫作業がまさに最盛期を迎えた。
「食用菊は色が命です」と栽培農家の東司さん。透き通るような黄色に育った花だけが出荷される。花びらが茶色くくすんでいないか。シミを浮かせる「白サビ病」にやられていないか。菊農家は摘み取り直前まで色に神経を注ぐ。
今夏の暑さは人にも菊にも過酷だった。標高300㍍にある東さんの菊園にも、熱波が長く居すわった。「土中の水分が奪われ、背丈は平年の8割しか伸びませんでした」。それでも葉名の付き方や大きさは良好で、胸をなでおろしたという。
食用菊の出荷量では愛知県が群をぬく。「秋月」「こまり」「豊の秋」といった小ぶりな菊が、刺し身のツマなどに使われる。山形県の「もってのほか」、新潟県の「かきのもと」は大ぶりで、淡い紫色が特徴だ。青森・南部地方の安房宮は江戸時代から栽培されてきた。名は秦の始皇帝が築いた未完の大宮殿にちなむという。
ゆでたての安房宮はシャキッとした食感が絶品。意外に苦みはなく、かむほどに香気が広がる。さっと湯を通して、お浸し、酢の物、みそ汁に。畑直送の黄色で食卓が華やぐ。
暦を見ればきょうは立冬。名久井岳の中腹では、菊の収穫と出荷が済むとまもなく霜が降りる。東京暮らしの肌感覚ではいままさに秋たけなわの候だが、北国では一足早く初冬へと移りつつある。

 天声人語より
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他国が騒いでも変わらぬ米国
司法と独立と報道の自由。
気に入らぬ司法長官と記者を排除したトランプ氏が゛破壊する、民主主義の二つの柱。
権力に「国民の敵」と罵倒されることは恥ではない。
恥じずべきは、なすべき時に「権力の敵」たりえない報道だ。

素粒子より
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秋の盛りのイチョウの美を先週、この欄で取り上げた。「私の街ではイチョウの黄葉が見られません」。
愛知県と和歌山県の読者の方から電話をいただいた。台風による塩害で枯れてしまったという。
24号は9月末、列島を低速で縦断。その影響が鹿児島や兵庫、静岡など各地にイチョウに表れた。「これほど広範囲で被害を受けるのは珍しい。10年か20年に1度という現象です」と樹木医の小林明さんは話す。
典型的な「風」台風だった。海の水を巻き上げ、沿岸各地に吹き散らす。台風の去った直後から雨が降らず、イチョウの葉から塩分が洗い流されなかった。このため葉が「脱水症状」を起こし、色づく前に枯れ落ちたという。
イチョウの美しい神奈川県鎌倉市をきのう歩いた。例年ならまもなく黄葉する時期である。だが今年は違う。1本の木で、海風を浴びた側の葉だけが茶色くしおれ、反対側は夏の緑色まま。木々に広がるまだら模様が痛々しい。
残念ながら、塩害をこうむった葉に秋の彩りはもはや望むべきもない。鶴岡八幡宮の境内では、生気を失った葉の間から新芽が吹いていた。季節をたがえて顔をのぞかせたらしいが、冬はとても越せそうにない。
それでもイチョウはたくましい。幹は太く、根はどっしりと大地に張っている。樹齢100年、200年という大木なら、塩害などこれまで幾度も乗り越えてきたはずである。来年のいまごろは、黄金色を全身にまとい、秋を実感させてくれるにちがいない。

 天声人語より
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米の中間選挙
上下院がねじれた。
ならば聞き分けのいい日本との通商交渉に活路を、と。
トランプ氏、自動車関税で早速圧力。

素粒子より
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哲学者のような風情で、一点を凝視したまま身じろぎしない怪鳥ハシビロコウ。
原産地アフリカで絶滅が懸念される大型鳥を人工繁殖させる試みが、栃木県の那須どうぶつ王国で進んでいる。成功すれば世界で3例目という快挙だ。
漢字を当てれば嘴広鸛。くちばしの広いコウノトリの意である。これまで成功したのは米国とベルギーの動物園のみ。生態に謎が多く、繁殖技術は定まっていない。
この秋、那須で注目を浴びるのは雄のボンゴと雌のカシシ。カシシには夫がいたが、この夏、唐突に先立たれた。代わりに神戸市内の系列園から連れてこられたのがポンゴだ。
「前の雄は性格が穏やか。ボンゴは気が荒く、やたら威嚇する。カシシはなかなか警戒を解きません」と飼育係の松田英和さん。そもそもハシビロウは雌雄を問わず単独行動を好み、めったに接近しない。このため園は、まず2羽を網で隔てて「お見合い」させ、先月ようやく「同居」に踏み切ったところだ。
微動だにしない鳥という印象があるが、近くで観察すると意外に動く。2羽とも頭をふり、水辺を歩き、バサッと音を立てて翼を開く。ただ常に別行動。ボンゴが近づくとカシシは飛んで逃げる。優しかった前夫が忘れないのか。あるいは粗野な新郎が気に入らないのか。
飼育係は工夫に工夫を重ねる。ニジマスのえさで精をつけたり、原産地の雨期を模してホースで水を降らせたり。努力が実を結び、那須高原をヒナがよちよち歩く日を待ちたい。

 天声人語より
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トランプ共和党
上院は過半数維持。
下院は民主党が勝利。
上下院でねじれに。

紙面より
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日本人と結婚した母親と一緒に、カメルーンから来たのは4歳の頃。
流暢な関西弁を話すようになった星野ルネさんが、マンガ『アフリカ少年が日本で育った結果』で戸惑いの数々を描いている。外国人と言えば英語ができると思われる。箸を使うだけで感動される。
運動会の短距離走では、死ぬほど緊張したという。黒人は身体能力が高く、足が速いという「暗黙の期待」がのしかかるからだ。「声を大にして言いたい。黒人全員が超人的に運動神経がいいわけではないんです!」。
外国にルーツを持つ人が増えている。外国人、○○人と枠にはめるのではなく、人として付き合ってほしい。当たり前の願いがマンガから伝わってくる。
外国人労働者の受け入れを拡大する。そんな狙いの出入国管理法改正案が2日、閣議で決まった。労働力ではなく人として受け入れ、付き合っていく備えは、どこまであるのだろう。
滞在は原則5年と詩、家族の同体も認めない。「それは人をロボット扱いしていることになる」と鈴木康友・浜松市長が紙面で述べていた。外国人の多い自治体から見れば日本はすでに移民国家である。それにふさわしい教育や福祉が必要だが、国は腰が引けている。もっともな批判であろう。
今や30代の星野さんは日本にすっかりなじんだらしい。日本人かカメルーン人かと聞かれれば「心臓と脳みそ、どちらか一方を選べと言われているよう」と答える。そこまで日本に愛着をいだく人が、ひとりでも増えてくれれば。

 天声人語より
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アメリカの問題
対決をあおり立てる大衆迎合主義。
国際協調を侮る単独行動主義。
大統領の言動が、分断をいっそ深めていく。
大型減税で絶好調の米経済に、対中貿易摩擦の影が忍び寄る。
保護主義の害は回り回って結局、自らに跳ね返る。
移民キャラバン阻止に米軍を送る排外主義が、真の「強い米国」なのか。
中間選挙の審判に、世界の目が集まる。

 素粒子より
他の国が騒いでも、現実のアメリカは今のままなのではないのか。
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手塚治虫は、その嫉妬ぶりでも知られる。
ベテランになってからも、人気マンガが出るごとに「ああ、また若手に追いぬかれたか」という思いに駆られたそうだ。猛烈に悲観し、頭をかかえて転げ回ったと、著書で述べている。
アシスタントたちを片っ端からつかまえ、こうも聞いたという。「どうだ、おれの絵、このごろどう思う? 古くないか? マンネリか? 見飽きたか? はっきりいってくれ、おれの絵はもうおしまいなのか?」。
強い焦りは、「マンガの神様」のイメージとはかなり違う。しかし、それがあの膨大な作品を生む原動力だったのだろう。「原稿料は絶対に上げないでください」。仕事がこなくなります」とマネージャーの松谷孝征氏に語ったとされる。高さが理由になり、発表の場が減ってしまう恐怖からか。
あすは手塚が生誕して90年にあたる。存命でもおかしくない年月であり、60歳で去ったことの早さを思う。権力の腐敗、差別、平和の貴さ-----。手塚から多くのことを学んだのは筆者だけではないだろう。
繰り返し開く作品に『鳥人大系』がある。突然賢くなった鳥が、人間の文明に取って代わるSFである。鳥人たちが人間の轍を踏む悲劇を描いている。軍事技術を手にしようと争う。羽の色つやなどによる差別が社会が生まれる。
一方で愛に生きようとする鳥、文明を疑い自然に返ろうとする鳥もいる。手塚の描こうとしたことが詰まっているように思える。いっこうに古くならない作品群がある。

 天声人語より
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アメリカの中間選挙
敵をののしり、対立をあおるのが「強い米国」か。
共有する価値観をと尊び、対話を重んじるのが「強い米国」か。
かなた「強い米国」「偉大な米国」を。
こなた「強い日本」「誇りある日本」を。
何もそこまであやからずとも。

素粒子より
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「健康づくりのための身体活動基準2013」は身体活動を「運動+生活活動」と定義
日々のちょつとした動きもスポーツ並みの健康効果があり、ちょっと体を動かすことを増やす「プラス10」を推奨。そうすれば、がんや認知症を減らせるという。
では、どうすれば生活活動を増やせるのか。まず起床から就寝までに、どこで体を動かせるか1日を振り返ることだ。
通勤時に早歩きしたり、掃除や洗濯でキビキビと動いたり。そんな小さな動きが「ちりも積もれば山」。1日10分でも、1週間で合計1時間でもいいし、途中でやめても三日坊主を繰り返すつもりでも構わない。
自分の身体活動レベルを知るときには活動量計が役に立つ。
歩数計の機能に加え、家事などの生活活動で1日に体を動かして消費したカロリーが示される。活動量が基準や目標に対して十分なのか下なのか客観的に教えてくれる。
いわば自分の現在地を示すナビ。最近は結果をパソコンやスマホに送って確認できる。
注意点は、体を動かす次官は一気に増やさず、体調が悪いときには無理をしない。痛みが出たら、医師や運動の専門家に相談を。夏場などは炎天下を避け、熱中症に気をつけよう。

 元気のひけつより
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泣いたり笑ったりしながら、ドイツの難民問題を実感できるのが、最近上映された「はじめてのおもてなし」である。
ナイジェリアのテロ組織から逃れてきた青年を、ある家族が迎え入れ一緒に暮らし始める。きわどい場面も出てきて、どきりとする。
隣家の人が犯罪者を見るような目を青年に向け「敷地に入ったら警察を呼ぶ」と口にする。難民排除の小さなデモが家の前で始まる。歓迎したい思い。それでも消せない恐怖心。危うい均衡の上に難民受け入れが成り立っていることを教えてくれる。
その均衡が、ぐらりと揺らいだのか。難民への反発から、与党が地方選挙で劣勢となり、メルケル首相が党首を辞任することになった。首相の人気は3年ほど残るものの、指導力の低下が危ぶまれる。
難民が到着して間もなく、ドイツの地方都市で取材したことがある。熱心にドイツ語を教える人がいた。自宅に向かえる人がいた。受け入れの姿勢は、他国の比ではないと感じた。それでも100万を上回った人数が限界を超えてしまったのだろうか。
ドイツの受け入れ姿勢には、少数者を迫害したナチス時代の反省があるともいわれる。難民への姿勢が手のひらを反すように変わるとは考えにくいし、考えたくない。すでに各地で仕事に就き、定着し始めた人たちがいる。
映画には、こんなセリフがあった。「今の危機を乗り越えたら、この国の姿や目指す方向が見えてくると思う」。荒波の後に現れのは、どんな国のかたちだろうか。

 天声人語より
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代謝をアップ、ウォーキングで脂肪燃焼。
代謝を高めるために大事なことは、ウォーキングなどの有酸素運動です。読者のみなさんの中にも、歩いている方が大勢いらっしやるでしよう。筋トレで基礎代謝量を上げ、さらに有酸素運動で脂肪を燃やすことで、健康で美しく、疲れにくい体をつくることができる。
ウオーキングは、肥満の解消になるほか、心肺機能が高まり持久力が増す。
▽毛細血管が増え、血流がよくなる。
▽動脈をやわらかくして動脈硬化を防ぐ---
などの効果が期待できる。もっとも手軽で、もっとも高い効果を上げられる健康法といえる。
さまざまな研究で、1日8千~1万歩くらい歩かないと健康効果が引き出せないことが分かってきた。1万歩はハードルが高いので、まずは1日8千歩、1週間で5万6千歩を目指します。多少の「歩きだめ」がききますので、あまり歩けない日があっても、別の日にたくさん歩いていれば補うことが出切る。
まとまった時間をとってウォーキングしなくても、日常生活の短い時間で歩数を稼ぐ方が何かと好都合。ひと駅前で降りる。ちょっと遠くのスーパへ行く、エスカレーターの代わりに階段を使うなど、生活しながら歩数を稼ぎましょう。
ただ、歩くだけで足腰の筋力の低下を防ぐことはできません。併せて筋トレもすることが不可欠です。運動を続けるために、歩数計と、筋肉量がどれくらいついたかを確かめられる体組織計が自宅にあるとよい。

 きょうもキレイより-----筑波大教授・久野譜也
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イチョウにはたくましさがある。そう書いたのは作家の円地文子である。
秋に黄色くなった葉は、「光沢があって節が強く、もろいところがどこにもない」。子どもの頃から、お寺の境内や近所の庭にある大木を眺めていたという。
円地さんの言うたくましさは、原始から変わらぬ姿に由来するかもしれない。イチョウは2億年ほど前から地球に存在しており、「生きた化石」とも言われる。あの扇のような形の葉に、原始植物の特徴が残っているという。
青い空。そのもとに並ぶ街路樹の黄色。鮮やかな色の取り合わせに、きのうはしばし見とれてしまった。かつては「銀杏」ではなく「公孫樹」の字もよくあてられた木である。ゆっくり育つので、苗木を植えても孫の代まで実がつかないからという。どっしりと長く生きる命である。
そんなイチョウもあれば、おだやかなモミジやカエデもある。紅葉の季節がまた巡ってきて、各地から色づきの便りが届いている。山で、渓谷で、庭園で。冬支度に入った木々が、このときだけの装いを見せてくれる。
こぞって紅葉狩りに出かけるのは、日本ならではかもしれない。しかし美しさをたたえる気持ちは、どこにでもあるのだろう。フランスの作家アルベール・カミュが残した言葉がある。「秋は2度目の春であり、すべての葉が花となる」。
今年はどこに出かけようか。そわそわしている方もおられよう。渋滞や人の多さも気になるが、それを押しても目に焼き付けたい美しさがある。

 天声人語より
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秋の連休
なにするあすから連休。
食べにゆきたし、あてはなし。
<松茸は皇帝栗は近衛兵>

素粒子より
この詩は私には意味不明だ。
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娘婿がユダヤ系で、イスラエルとの近さが指摘されるのが、トランプ大統領だ。
しかし多くのユダヤ教徒から支持されているかというと、どうも違うらしい。米ユダヤ委員会の昨年の世論調査では、77%がトランブ氏に反対という結果が出た。
大統領のあおる排外主義が、少数派である自分たちにもいずれ災いをもたらす。そんな懸念は、残念ながら的中した。ピッツバーグにあるユダヤ教徒の礼拝所で銃乱射事件が起きた。
拘束された容疑者はトランブ氏の支持者ではない。一方で「ユダヤ人は白人の敵だ」などとSNSに書いており「白人ナショナリズム」といわれる極端な立場がにじむ。移民やグローバル化で白人が困窮したとの意識に支えられ、トランプ政権の誕生により増幅された排外思想だ。
「この3年間、あなたの言葉と政策が白人ナショナリズムを鼓舞してきた」。ピッツバーグのユダヤ教指導者たちのが大統領にあてた書簡で述べている。その考え方を否定しない限り、ここに来ることは認められないとも。
銃による無差別殺人が横行した米国だが、いま目立つのは「差別殺人」ともいえる動きだ。先週はトランブ氏を批判する十数人にパイプ爆弾が送付された。商店で黒人が2人射殺された事件もあり、ようぎはし白人客は狙わずに「白人は白人を殺さない」と口にしたという。
銃撃された礼拝所は、赤ちゃんの命名式の最中だった。11人の命とともに幸せな空間が破壊された。この国を襲う排外主義の罪深さである。

 天声人語より
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列島は冬仕度へ
寒くなってきた。
全都道府県で今季一番の冷え込み。
きょうは「一の酉」。
<人波に高く漂う熊手かな>嶋田青峰

素粒子より
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ゴッホといえば、あの無強烈な個性である。耳を切った自画像があり、奔放なひまわりの絵がある。
しかし絵画を学ぶにあたり、有名画家たちの模写を数多く重ねてきた人でもあった。とくに農民を描いたミレーに入れ込み、いくつもの模写作品を残している。
欧州の絵画だけでなく、日本から輸入した浮世絵も描き写していた。ミレーの「種まく人「にそっくりな人物と、日本風の梅の木が一つの画面に収まる作品も、ゴッホにはある。心を惹かれた美を血肉にしていった。
模倣を重ねる先に、独自の美が生まれる。そう考えると、あるいは王道を行く作品かもしれぬ。幅広い年代の肖像画1万5千点を分析した人工知能が、男性の肖像を描いた。米ニューヨークの競売に出品され、4800万円の値がついたという。
報道された絵をみると、黒っぽい背景に輪郭のぼやけた人物がいる。どこかで見たような、いや新味があるような。いくぶん無機質に感じるのは、AI作品だという先入観のせいだろうか。
AI画家に欠けるものがあるとすれば、ゴッホが手紙に残したような情念であろう。「どんなにできが悪くっても、人間的なもののなにかを表現している作品をつくりたい」「そこに無限を描くのだ」
精神の高揚、直感、描く対象への没入---。芸術を芸術たらしめる心の働きは人間だけが持つはずだ。しかし、そんなふうに書きながらも、よぎってしまう疑問がある。本当に?

 天声人語より
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