2018年10月の記事


米国抜きのTPP
やっと今年12月30日に発効する。
オーストラリアが31日に批准し、発効に必要な過半数の6カ国で国内手続きが終わったため。
太平洋を取りまく巨大経済圏が誕生する。

紙面より
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中国の人びとが豊かになるのを手伝う。とこか誇らしげな気持ちが当時の経済人にはあつたのだろう。
松下幸之助の言葉である。「私個人としてはできるかぎり応援せねばいかんなと思いました。応援するという言葉を使うことは、少し生意気かもしらんけれども」。
40年前の10月、中国の鄧小平副首相が来日し、松下電器産業など何社かの工場を訪れた。このときに近代化のために支援をとか請われたことが、松下はじめ日本企業の中国進出につながった。
戦争を知る世代の経営者たちには、中国への贖罪意識が強かったに違いない。教える側、助ける側としての余裕もあったかもしれない。企業に限らず、対中感情の極めて良好な時期が続いた。今や想像するのも難しい。
日本の首相による中国への公式訪問が7年近くも行われない。そんな異常な状態がようやく終わり、日中の首脳が経済分野の協力を約束した。教え、教えられる対等の関係であろう。
米国から貿易戦争を仕掛けられる中国が日本に近づこうとしたとも言われる。トランプ大統領にも三分の理というべきか。中国が国際ルールをよそに外国の特許を侵害してきたのは確かだろう。日本は静かに改善を促したい。
松下幸之助は中国でこんな言葉も残している。「皆さんは必ず日本に追いつき、また日本にはない新しい技術を開発することでしょう。最初に松下にその技術を売りに来て下さい」。日中の企業がお互いに高め合う。その地点へ行き着くことはできるだろうか。

 天声人語より
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現代社会の変貌
世界がぎすぎすしてゆく。
ブラジルにも差別発言連発の極右の新大統領が誕生。
メルケル独首相は党首を辞任へ。

素粒子より
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3本の弦が奏でる音色は、聴く人の心にしみわたる。あでやかにチントンシャン。荒ぶる心でベベン、ベン。
虫の鳴き声から恋にゆれる心まで一丁の三味線で表現できるのだから奥が深い。
絶妙な響きのカギを握るのが、バチが触れる胴の部分だ。木製の枠に犬や猫の皮をはるのが最も音の鳴りがいい。業界の常識である。
神奈川県相模原市の三味線メーカー「小松屋」はこの常識に挑む。社長の小松英雄さんが天然皮革にかえて合成繊維でできた人工の皮をはる試みを続けてきた。狙いは海外進出にある。「動物愛護の意識が高い欧州各国では、犬や猫の皮を使っているとそっぽを向かれます」。10年近くの試行錯誤の末、英国で来月開かれる日本文化の展示会に人工皮の製品を出品する。
天然と人工と、実際に聞き比べた。当方のような素人の耳には同じ音に囲Lが、30年以上三味線を鳴らしてきた小松さんは、「今でも犬猫の皮と100%同じ深みのある音は出せていません」。研究をさらに深めるという。
業界では賛否両論とも聞くが、温故知新。衰退が指摘される三味線文化にあって、伝統を尊びつつ時代に合わせて変わる必要もあるだろう。
小松さんの熱意に触発され、名人たちのCDを借りて聴いてみた。義太夫節の腹に響く低音。疾風怒濤の津軽三味線。地唄の香細井旋律は、世事でささくれだった心をなぐさめてくれる。この味わい深い音色が海を越えて広がっていくのを想像すると、心楽しい気分になれる。

 天声人語より
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ハロウィン騒ぎ
きょつとした。
ゆうべ、渋谷発の電車で血だらけの女に出くわせた。
隣りでゾンビが笑っていた。
何が面白いのか。

 素粒子より
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ドキュメンタリー映画「毎日がアルツハイマー」シリーズ3作を見た。
主役は認知症と診断されて横浜市で暮らす関口宏子さん。映画監督である娘の裕加さんが8年前から自宅で介護をしながらカメラを回した。
長く豪州で映画を作ってきた監督だが、母を被写体に選んだ理由をこう語る。「30年ぶりの同居で変化に驚いた。良妻賢母型のしっかり者だったのに、本心を解き放つ人に。発症してどんどん素直になる母が魅力的に見えました」。
誕生日を祝ってもらったことを忘れ、「ほけた、ぼけた~」と歌う。小学生の孫娘と頭をたたき合って大はしゃぎ。かと思うと、貯金通帳をなくして沈み込む。「なんでいちいち撮るの」。折々の怒声も拾った。
そんな日常の悲喜こもごもを描いたのが、2012年公開の第1作。第2作では欧州の専門家を訪ね、認知症ケアの道を探る。いま上映中の第3作は、「最期をどう迎えるか」を見る人に問いかける。
有吉佐和子さんの代表作『恍惚の人』が出版されたのは1972年。政府が「痴呆症」を「認知症」と呼び改めたのは2004年。病状への理解は進んだが、社会の目は介護する側の「負担」に向かいがち。介護される側の「尊厳」にまではなお十分な配慮が届いていないように見える。
政府の推計では、認知症の高齢者はまもなく700万人に達するという。自分の親がその一人と診断される日までに何を語り合っておくべきか。学ぶこと、考え込むことの多い映画である。

 天声人語より
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健康コンビニごはん、塩分減らす工夫を
厚生労働省の調査によると、50代は半数近く、60代は4割近く、70代以上は3割が習1回以上、コンビニなどの弁当や総菜を利用している。
高カロリーなものばかりだったコンビニ弁当も近年はサイズが小型化し、野菜を取り入れた総菜もぐんと増え、健康志向になってきた。
最大の課題は塩分です。特に50代以上は生活習慣病や高血圧の人が多く、塩分に注意すべき年代。解決策は、サラダや野菜を含んだ総菜を組み合わせることだ。多くの野菜に含まれるカリウムは、ナトリウムの排泄を促す効果があるからです。
また、ドレッシングや、麺類、おでんのおつゆを多めに残すこともお勧めします。
揚げ物もした味がしっかりついているので、ソースをひかえてもおいしく食べられます。

 きょうもキレイより-----平澤芳恵
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合唱とは花束のようなものだろう。さまざまな個性が一つに束ねられると、思いもよらない豊かさ、力強さを生む。
合唱の最高峰である全日本合唱コンクールの歴史をたどりながらそう感じた。
コンクールが始まったのは占領下の昭和23年秋。全日本合唱連盟の音楽資料室を訪ねて第1回のプログラムを開くと、酸化したのは運輸省合唱団、トヨタ自動車合唱団など。ワグナーやハイドンなど外国の曲がほとんどだ。
「昭和16年以後は、飛行機の音を聞き分けるために音感訓練を強いられ、合唱団も戦意昂揚一本にしぼられ、軍歌が幅をきかせた」。連盟30年史に、戦時下を嘆く声がある。仲間と自由に好きな曲を歌うことができる戦後の喜びが伝わる。
日本語の歌が花開くのは、戦後生まれの音楽家が第一線で活躍するようになってからだ。合唱連盟の露木純子さんによると、交通事故の増加が深刻だった時代には、事故死を描いた「日曜日」という曲が歌われた。
近年は詩や小説の名作を歌うことも多い。被爆詩人、原民喜の「水ヲ下サイ」は混声合唱曲に。妹を失った悲しみを歌う「無声慟哭」は宮沢賢治の詩から。水俣病に沈む村を歌う「しゅうりり えんえん」は石牟礼道子の情念を描き切る。
さて71回目となる今年の全国大会は27、28両日、名が市内のホールで中学・高校部門が開かれる。曲目リストには徒然草や方丈記、平家物語、古今和歌集など古典も見える。どんな歌の花束が舞台に並ぶのだろう。

 天声人語より
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スマホ老眼を防ぐには? 目を休め、筋肉の疲労回復を
メールやネット検索などに便利なスマートフォン。ただ、長時間使うと目の焦点が合わなくなることがある。そんな症状を「スマホ老眼」として、注意を呼びかける医師らに対策を聞きました。
「老眼」と言っても、中高年がなる老眼とは異なる。老眼は、ピント調整の役割を果たす水晶体が加齢によつて硬くなることが原因だ。通常、水晶体は弾力性があり、厚さを変えることで遠近を調節しているが、硬くなると調節できない。
一方のスマホ老眼は、目の使いすぎによる疲労が原因だ。通常、水晶体の厚さは毛様体筋が緊張したり緩んだりすることで変わる。だがその筋肉が疲れると、遠近調節ができなくなる。そのため、目を休めれば回復する。
医者が進める対策は「チラ見エクササイズ」。オフィスなどで仕事をするとき、窓からようやく判断できる距離にある目印を決め、1時間に1~2回、じっと見る。毛様体筋が緩み、休まる。
風呂に入ったとき、40度ほどのお湯で温めたタオルを目に当てるのも良い。毛様体筋の疲労が回復し、ドライアイの防止にも役立つ。

 続・元気のひけつより
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自宅の押し入れの奥には用済みの家電製品が各種そろっている。
携帯電話にパソコン、リモコン、カメラ、電子辞書、愛着があるからではない。捨て方がわからず、放置しているだけである。
無精者には朗報と言うべきか。家庭や職場で眠る家電を分解し、金銀銅の五輪メダルを作る事業が進行中という。パラリンピック分も含めてすべてをリサイクルでまかなおうという試みは史上初と聞く。
きのう大会組織委員会が発表した進捗状況は少しばかり以外だった。銅については目標量を早々と確保できたが、金は5割、銀は4割にとどまっている。2年後の大会に間に合うのだろうかと余計な心配をしてしまう。
政府は自治体や企業、学校に協力を求めてきた。お上から「金属を出せ」と迫られると、戦時中の金属類回収令を思い出すという向きもなくはない。それでも天然資源に乏しい日本である。「都市鉱山」と呼ばれる電子ゴミからメダルを作るという発想は試みるに値しよう。
調べてみると、アテネで開かれた初の近代五輪に金メダルはなかった。優勝者には銀メダルが贈られた。メダルが円形でなく長方形だった時代もある。さらにさかのぼれば、古代オリンピックではシュロの木の枝や月桂樹むで作られた冠が贈られたそうだ。
勝者をたたえる品は古代、近代、現代と変化してきた。世界70億人の暮らしをスマホやパソコンが支える中、メダルが都市鉱山という名の廃品から作られるのはいかにも今の時代っぽい。

 天声人語より
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グローバルな世界
米国第一とトランプ政権が仕掛けた対中貿易摩擦。
グローバル経済のもと、地球のだけもが無縁ではすられない。
小さな地球、小さなアジアでそっぽを向き合ってどうする。
一直線にはいくまいが、日中は知恵と根気で協調を。

 素粒子より
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ノーベル賞につながる青い光は流し台で輝いていた----・
化学者の下村脩さんは米国西海岸の小島に何十年も通い、来る日も来る日もオワンクラゲを採集した。計85万匹。抽出した液が偶然にも流し台で海水と反応。光る仕組みを解き明かしてくれた。
前日まで研究は暗礁に乗り上げていた。仮説は崩れ解明の糸口は尽き、米国人教授との中も険悪に。思考を乱されぬよう妻子とすら何日も口を利かず、小舟でひとりこぎ出し、波の上で考え抜いた。
クラゲ、ホタル、イカ、ヒトデ、キノコ----。地球に自ら光を発する動植物は多いが、発光生物の研究に生涯を捧げる学者は少ない。なぜあれほど長く、あれほど一心に打ち込むことができたのか。90歳で亡くなったと聞き、自伝や講演録を開いてみる。
「皮肉にも原爆が私に化学者としての第一歩を与えました」。長崎県諫早市内で閃光を見たのは16歳の夏。白いシャツが「黒い雨」に染まる。顔半分がケロイドに覆われた友人、うずたかく積まれた遺体の山が網膜に焼き付いた。
その夏、少年の人生観は一変する。「偉い有名な人になりたいとか、金持ちになりたいとかの願望は消え失せた。人生についての野心がなくなった」。残った夢はただ一つ。未知のこと、新しいことを学びたい。知的な研究心だけだった。
最晩年まで研究一本を貫く。「私の研究分野は狭い。でも私ほどいろいろな種類の発光動物を化学的に研究した者はいません」。光に導かれ、光で貫かれた人生であった。

天声人語より
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株安
東証は、前日の米国市場でダウが608㌦急落したのを受けて、大幅安となり終値で822円安となった。
アジア市場も軒並み下落している。
子カ月11日に続いて、米国発の世界同時株安の様相だ。

紙面より
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カラリと晴れた日に飛び出すくしゃみ、鼻水、目のかゆみ。今月初めから症状が抜けない。
もしやと思って外出時にマスクを着けてみると、ムス゜ムズ感がやわらぐ。どうやら秋の花粉症らしい。
「春に比べると患者さんの数は5分の1か7分の1ほどですが、秋にも発症する人が増えています」。大久保公裕・日本医科大教授によると、この時期、花粉を飛ばすのは、ススキやヨモギ、ブタクサ、ムグラなどである。
真冬を除けばほぼ通年、列島を何らかの花粉が飛散している。スギやヒノキなど高い木が猛威をふるう春とは違って、秋の主役は草たちだ。花粉は遠くへ飛ばす、大量に降ることもない。その代わり、粒子粉を異物ととらえ、体外へ押し出そうとするのは、免疫のなせるわざだ。「抗生物質の投薬を受け、保存料や甘味料など添加物を摂取して、私たちの免疫は大きく変わりました」。人類はかつてムグラやススキに接しても「花粉症」とはならなかったようである。
<八重葎しげれる宿のさびしきに、人こそ見えね秋は来にけり>。平安歌人恵慶法師は、生い茂るヤエムグラに秋の到来を知る。百人一首でおなじみの名歌だ。ムグラに囲まれてもくしゃみ一つ、せき一つしなかったとしたら、法師が少しばかりうらやましく感じられる。
さしずめ現代の秋ならこうか。<八重葎飛び散る花粉は見えねども、わが気管支に秋は来にけり>。当面、秋のマスクは欠かせそうにない。

 天声人語より
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シリアに入国後不明の安田さん解放
政府は身代金を払っていないというが、そんな不思議なことが現実としてあるのだろうか。
お金儲けの為の記事をうめるため、危険な国に入ってそれで国税を使われては困ったものだ。
還ったら記事にしてまた本でも出すのだろうし?
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シーズンを通してみればバントや盗塁、ヒットエンドランの成功率は低く、自滅行為----。
大リーグの常識を覆したのは、野球の素人たちが持ち込んだ統計学的手法だった。
セイバーメトリクスと呼ばれ、蓄積された大量の数値をコンピューターで解析する。戦術や選手の評価の指標を否定され、現場の監督やスカウトは猛反発した。その潮目は2000年に変わった。貧乏球団のアスレチックが新しい指標で低年俸の選手を集め、優勝争いの常連となったからだ。
最近は軍事用レーダーと高性能カメラの仕組みを全球場で導入し、データを利用できるよう公開している。興味深い一般の研究を吸い上げる仕組みだ。投手なら玉の速度や回転数、軌道の変化をチェックできる。技術の上達に加え、投げ込みに頼らない効率的な練習やケガ防止の研究も可能だ。
同じ取り組みは国内でも進む。データスタジアム社は契約した球団に独自の指標で分析したデータを提供する。かつてどんぶり勘定だった選手のひょぅかや年棒交渉に活用されている。
金沢慧さんはそんなアナリストの一人だ。野球は高校まで。大学は経済学部で統計を学んだ。アルバイトで野球のコラムを書いた。野球と統計分析、伝える力。「一つの分野では平凡でも、異なる領域を三つ持てば活躍できる」。そう考えたという。
セイバーメトリクスを推進したのも、野球の専門家ではなかった。ビック゜データの大海原では、多様な人材が活躍する。そこが面白い。

 天声人語より
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対中国ODA終了
今年度を最後に中国へのODAを終了する。
改革開放政策が始まった1979年以降、円借款、無償資金協力、技術協力といったODAを約40年間で計3兆6500億円余り拠出。

紙面より
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人間の行動を研究するため、米国でこんな実験がなされた。
大学生たちに算数の問題を解かせ、正解の数に応じて賞金を与える。ただし監督の目は緩く、ごまかすことも可能だった。
実験の前、一つのグループには高校時代に読んだ本10冊を書き出させた。別のグループには旧約聖書の十戒を思い出させる範囲で書かせた。「汝、殺すなかれ」などで知られる戒律である。10冊グループと違い、十戒グループはまったく不正をしなかったという。
当たり前だと思われたか。興味深いのは、十戒のうち一つか二つしか思い出せない学生にも効果があったことだ。「なんらかの道徳基準に思いをめぐらすだけで十分だった」と実験をした行動経済学者アリエリー氏が『予想どおりに不合理』で述べている。
そんな話を持ち出したのは、企業によるデータ改ざんがまたも発覚したからだ。油圧機器大手KYBで、免震装置の検査データがごまかされていた。装置は、役所や病院など多くの建物で使われているという。
深刻なのは、2003年から少なくとも8人の検査員が、不正を引き継いでいたことだ。検査をやり直すと時間がかかり、納期に間に合わない。そんな事情が優先されてブレーキがかからなかったのは、他の多くの不祥事と同じである。
組織に身を置けば、そこにだけ通じる論理に染まりがちだ。十戒でなくても、自分なりの戒めの言葉を持ちたい。たとえば寅さんの名セリフなどは、どうだろう。「おてんとうさまは見ているぜ」。

 天声人語より
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東証続落
前週末に米ナスダックが続落したことや、サウジアラビアの国際的孤立への懸念などが要因。

紙面より
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秋の夕暮れは、ときに郷愁を誘う。
俳人の西東三鬼は虫の声を聞き、いわし雲の空を見ながら、小学生の頃の風景を胸に描いた。学校の上の城跡から鐘か鳴り響いたこと。暮れゆく空にカラスが胡麻をまいたように群れ騒いでいたこと。
鳴き声を聞きながら思い思いに家に帰ったことも、随筆にある。耳で目で肌で感じる夕暮れである。日を追うごとに夜が長くなる。それを植物たちも感じ取っていると最近知った。葉っぱが夜の長さをはかつていると植物生理学者の田中修さんが書いていた。
季節が変わるのを前もって知り、花芽をつる時期を逃がさないためらしい。太陽を浴びて光合成をするだけが仕事かと思っていたが、どうやら葉っぱを見くびっていたようだ。
いまあちこちで季節外れの桜が咲いているのも、葉っぱの仕事に関係があるという。この時期は、花芽の成長を抑制する植物ホルモンが葉からでている。しかし、台風により塩分を含む暴風にさらされ、多くの葉が落ちてしまった。気温の高い日が続いたこともあり、花芽の成長が止まらなくなった。
秋のさわやかな空気のなかで桜の花がみられるのかなと思い、東京の目黒川沿いを歩いた。よく探すと1輪、2輪と白い花がある。ほとんどの花芽は、春まで待ってくれるのだろう。
季節外れの開花を「狂い咲き」という。植物たちの方がおかしくなったような言い方で、かわいそうでもある。異常続きのこの国の気象に、私たちと同じように、木々も振り回されている。

 天声人語より
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ノルディックウォーキングのススメ。全身を使って歩く。
ポールをついて歩くノルディックウオーキングは、クロスカントリースキーの夏場の練習用だったものを一般向けに改良し、1997年にフィンランドで発表された。両手にも力が分散するためひざや腰への負担が小さく、全身の筋肉をバランスよく使える。
歩き方にはコツがいる。ポールは前ではなく体の横につき、後ろに押し出す。その際、ひじはまっすぐ伸ばし、手で握っていたグリップを離す。腕で地面を押して前進するため、二の腕や背中など普段意識しない筋肉を使い、慣れると歩幅が広がって股関節周りも鍛えられる。歩いてみると、上半身主導の動きだと実感する。20分ほどで汗がにじみ、心地よい疲労感だ。前進の90%の筋肉を使いますが、おしゃべりしながら歩けば顔の筋肉も使って100%になります。
カロリーの年収率は通常の歩行の1・2~1・4倍と有酸素運動としても効果的。時速7㌔で約20分歩いた場合の心拍数は歩行だと一定なのに対し、ノルディックウォーキングだと途中から上昇に転じる。走るのはきついが、歩くだけでは物足らない人向け。1日10~20分、週3日程度行うといい。姿勢もよくなります。
離したグリップをすぐに握り直せる専用のポールが必要で、スポーツ用品店などで1万円前後で購入できる。ポールの長さは、ストラップの付け根がへその位置に来るよう調整する。
ひざを痛めているなど歩行が難しい人は、ポールを前につく運動量の小さい歩き方から始めるといいという。一度講習を受け、自分に合う歩き方を選んで欲しい。初心者向けの各地の講習会の日程は日本ノルディックウォーキング協会のサイトで。

 続・元気のひけつより
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賊に襲われて夫が死に、妻が行方をくらます事件が起きた。
しかし当事者たちの証言が食い違い、誰が本当の下手人かも分からない。そんな芥川龍之介の短編『藪の中』を思い出す。原発事故をめぐり東京電力の旧経営陣の責任を問う裁判が続いている。
福島の原発近くで最大15・7㍍の津波が起きる可能性がある。そんな指摘が、東日本大震災の3年ほど前に東電内でなされた。しかし防潮堤建設などの対策は取られなかった。なぜか。社員らは、武藤栄・元副社長が先送りを指示したためだと証言した。
対策を進めると思っていただけに「力が抜けた」と話す社員もいた。そんな元部下の証言に武藤氏は反論した。「根拠があいまいだった。先送りと言われるのは心外だ」「分からないことが多すぎて情報を集める必要があった」。
問題の先送りか、慎重な検討か。真相は藪の中と言いたくなるが、これだけははっきりしている。組織として大津波の可能性が重く受け止められることはなかった。指摘された通り、15㍍の津波が原発を襲った。
武藤氏らが危険を認識しながら対策を怠ったとすれば、過失は重大である。責任を経営陣に求めるのが無理だとなれば、それほどコントロールの難しい設備だということになる。地震の多発するこの国で、今後も原発を動かし続けることができるのか。そもそもの疑問にどうしても行き着く。
深い藪をかきわけて、見えなかったものを見せる。そんな任務を帯びた裁判である。

 天声人語より
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口の健康維持。かむ力や飲み込む力を保つ。
最近、食べこぼしが増えたり、むせてしまったりするなどの症状はありませんか。加齢とともに口の機能が衰える「オーラルフレイル」の兆候を早めに発見し、対処することが大切です。
「フレイル」とは「虚弱」を意味する英語が語源で、高齢になって筋力や心身の活力が衰えた状態を指す。「オーラルフレイル」は、口の機能の衰えが、食欲の低下や栄養状態の悪化をもたらすという懸念で、近年注目されている。
口の健康を維持するためには、歯の本数だけでなく、かむ力や飲み込む力、舌の力を保つことも欠かせない。「硬いものがかめないと、やわらかいものばかり食べて、かむ機能が低下するという悪循環に陥る。放っておくと、誤って食べ物などが気管に入る誤嚥を招きかねない」と指摘する。
例えば、さきイカやたくあんなどの硬い食べ物がためない場合、かむ力や口の筋力が弱まつている可能性がある。お茶や知るものでむせることがあれば、飲み込む力が低下している恐れがある。これらの症状を予防するには、次のような体操が有効だ。
一つは、唾液の分泌を促す唾液腺マッサージ。奥歯の周囲の耳下腺、あごのエラの下にある顎下腺、あご裏の中央にある舌下腺を指で優しく刺激する。「唾液が出ることで、食べ物が飲み込みやすくなる」。もう一つは「パタカラ体操」。「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」「パタカラ、パタカラ、パタカラ」と大きな声で繰り返す。パは唇、タは舌の先端を使うといったように、口の周囲の筋力を向上させることができる。
「普段の食事でたくあんやにんじんなど、かむと音のする物を一品入れるだけでも効果がある」という。今年4月から、口腔機能の低下が疑われる65歳以上を対象に、かむ力の検査などが保険適用になった。「かかりつけ医をもって、定期的に歯科検診することも大切」

 続・元気のひけつより------佐藤建仁
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自分の身を海外に置く人にとって、大士官や領事館は頼りになる存在だ。
大正期の無政府主義者、大杉栄にとっても同じだった。日本の官憲の目を盗み、国際無政府主義者大会に出席するため、フランスに渡った。しかし現地の警察に逮捕されてしまう。
警察と話をつけ、帰国船の切符を手配してくれたのがマルセイユの日本領事館だった。うまくいけば1等の切符をもらえるはずだったが、パリの大使館から反対意見が出て2等になったと、大杉が残念そうに書いている。
自国民を保護するどころか、命を奪ったのか。トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館で持ち上がっている疑惑である。サウジ国籍のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が、入館後行方不明になった。
サウジ紙の元記者で、米国を拠点に米紙に記事を寄せていた。サウジ当局による識者の逮捕を批判する。政府の実権を握るムハンマド皇太子を論す。「建設的な批判すら弾圧されている。現代的なリーダーをめざすことの障害になっている」。
そんな言論を人間ごと消し去ろうとしたのか。30代の皇太子が主導する政府のこのところ、女性の運転を解禁するなど改革姿勢を示してきた。その裏で蛮行があつたとすれば、戦慄するしかない。
トルコ捜査当局は総領事館の捜査に踏み切った。英仏独も「重大な懸念」を示す共同声明を発表した。国際社会の圧力にさらされるサウジである。口を閉ざし続けることは絶対に許されない。

 天声人語より
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障碍者雇用19年中に4千人増に
中央省庁が障碍者の雇用数を水増ししていた問題で、中央省庁での法定雇用率を満たすため、統一試験による採用制度を導入するなどし、2019年度末までに約4千人を新たに雇用する目標。

紙面より
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何度も聴いた曲なのに、こんな歌詞だったのかと思うことがある。
シンガー・ソングライター、松任谷由美さんが男女の別れを描いた「翳りゆく部屋」。〈どんな運命が愛を遠ざけたの/輝きはもどらない/わたしが今死んでも〉。今死んでも?
破局の末の自死の匂い。他の人が詞を書いたなら、もっと重苦しく、湿っぽくなるかもしれない。松任谷さんは「湿度を抜く」ことの天才なのだ。そう書いたのはエッセイストの酒井順子さんだ。
死にしても性的なことにしても、松任谷さんが手がけると「サラリとした空気感がそこに流れる」という。生活感のあふれる従来のフォークソングとは異なる音楽を世に送っていった。
ユーミンの名で愛される松任谷さんが今年の菊池寛賞に選ばれた。広く文化活動をたたえる賞である。「日本人の新たな心象風景を作り上げた」という受賞理由にふれると、いくつかの曲が浮かんでくる。悲しいことがあると、開く皮の表紙。「卒業写真」である。
滑走路のような道路を走る「中央フリーウェイ」。2人で風を見たという「埠頭を渡る風」。「ラブソングを書いているとは思ってないの。ラブソングという設定をかりて、もっと他の風景とかをいいたいの。日の光や、水の影や」。松任谷さんが、著書『ルージュの伝言』で述べている。
重さや湿り気のない風景ゆえに、ひとは自分の恋を投げ入れることができるのだろう。いま手の中にある恋、壊れた恋、そしていつか手にするであろう恋も。

 天声人語より
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みお水星探査機打ち上げ
太陽に最も近い水星を調べる日本の探査機「みお」が、20に南米から打ち上げられる。

紙面より
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失恋して旅に出るという歌謡曲は少なくないが、向かう先のイメージはやはり北であろう。
「津軽海峡・冬景色」や「北の宿から」では、寒風に悲しみが重なる。それに対して新婚旅行は南へ行くのが定番だったと白幡洋三郎著『旅行ノススメ』にある。
海外旅行が一般化する前、新婚旅行といえば宮崎という時代があり、1970年代半ばには結婚したカップルの3分の1が訪れた。隣の鹿児島も人気だった。陽光が注ぐ明るい場所が新婚にふさわしいと考えられた。
九州に太陽光発電のパネルが増えたのも、そんな日差しゆえだろう。喜びたいところだが、九州電力からはそんなにいらないと待ったがかかった。涼しくなって冷房の需要が減ったため、一部の太陽光発電を停止させた。
発電量が多すぎるとバランスが崩れ、停電してしまうのが理由という。電力が余って停電するとは初めて聞いたが、複雑な仕組みなのだろう。一方で原子力発電を優先する国のルールがあり、4基は発電を続けている。
福島の原発事故の反省から、太陽光発電の普及へと旗が振られ初めて7年がたつ。そんな再生可能エネルギーを受け入れるための準備を電力会社はずっとさぼっていたのか。会社を超えて電力を融通できるよう電線を増強する。必要のない原発は止める。対応は待ったなしであろう。
もちろん太陽光発電は南国だけではなく全国に広がっている。北の方には風力発電に適しているところも多い。育ってきた若木を枯らしてはいけない。

 天声人語より
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ブックバスという名前のそのバスのなかに入ると、いろんな人の本棚をのぞき込んでいるような気がしてくる。
食べ物の本を集めた棚があり、自然へのこだわりを感じる棚がある。移動図書館ならぬ移動古本屋である。
運営しているのは、アマゾンで古書をネット販売している「バリューブックス」。書店のないまちに出向くこともあれば、被災地に無料で届けることもある。会社のある長野県上田市では古本カフェや小さな図書館もつくっている。
でもネット書店がどうして? そう尋ねると、倉庫の外のコンテナを見せてくれた。値段がつかず、古紙回収に回る本で埋まっていた。全国から毎日2万冊が送られてくるが、1万冊ほどは本としての生命を終えてしまう。
「まだまだ活かせるんじゃないか。そう思う本があるんです」と社長の中村大樹さんは言う。完璧に見えるネット市場でも、一時代前のベストセラーなど値のつかないものはある。まだ読めるのに捨てられる「古本ロス」を減らそうと、試行錯誤を続ける。
古本は「残す意志」の連鎖であると、書評家の岡崎武志さんが書いていた。廃業したくないという意志をこめて古本屋に持ち込む。その意志が金額に換算されて引き取られ、売られる。願わくば、残す意志が少しでも尊重されれば。
取材しながらバスやカフェで何冊かに自然と手が伸びた。詩集や学術書、旅のエッセー。ネットや新刊書店では、おそらく一生出合うことのなかった本たちである。

 天声人語より
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消費増税の再々延期を否定
「税」と「納」。
その使い道に納得できなければ、すんなり納める気にはなれない。
ならばこそ、増税分の行く先にしつかりと目を凝らそう。

素粒子より
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公園を散歩していてドングリをみつけると、つい拾いたくなる。コナラ、シラカン、マテバシイ---。
形や色で種類を見分けていると、あっという間に童心に帰る。
埼玉県朝霧市の西村浩一さんがクヌギの実を拾ったのは昨秋のことだ。卒業した高校のすぐ隣にあった大クヌギが伐採される、という新聞記事を読んだ。さびしくなり、休日に行ってみた。
高さ20㍍超のなつかしの巨木はすでに枝を落とされ、瀕死の状態だった。根元に転がる丸々とした茶色の実を三つポケットに入れて持ち帰り、ベランダの鉢に埋めた。芽が出るかどうか、半信半疑で。
およそ半年後、かわいらしい黄緑色の眼が顔を出した。「やっぱりな。立派に育つ。大丈夫だ」。思ったのは、小学4年になる娘のことだ・。生後まもなく、脳が難病に侵されていることが分かった。けいれん発作が続く。10時間におよぶ手術を経て、ようやく震えがやんだ。
つらいリハビリに耐え、少しずつ体を動かせるようになった。いまも左手の指は動かしにくいが、歩いて登校し、水泳も習う。芯の強い元気な女の子になった。息災の喜びをかみしめ、娘とともにベランダに立つ。今秋、クヌギの茎は30㌢ほどの伸び、大小10枚ほどのみずみずしい葉を茂らせた。「大きくなれ」。西村さんはどちらにともなく語りかけている。
手のひらを転がるドングリが、天を突くような巨木に育つ。生命の力強さ、むしなやかさ、一度は絶望のふちに立たされた人は、それを信じられる。

 天声人語より
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消費増税を示唆
来年10月の消費税率10%への引き上げを示唆。
景気の落ち込み防ぐ経済対策の策定や軽減税率の準備を進めるよう閣僚に指示。
事業者などには今回も見送られるのではないかとの見方もあるので、準備の遅れを招いている面を心配している。

紙面より
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株価急上昇いったん調整局面へ
米国株は史上最高値をこのところ更新し続けており、さすがにスピードが速すぎた。今回の株安は、いったんその調整に入ったと考えるのが適当だ。歴史的にみても、米中間選挙の前は、株の動きがぐずつくことが多い。
米政府の減税や規制緩和などを好感した米国の企業マインドはよく、米国景気はなお好調が続いている。
今回の株安をもって世界が終わるわけではない。冷静に受け止めている。
ただ、米景気の回復局面は来年7月には戦後最長の120カ月連続となる。好景気が後半部分に差し掛かり、「成熟段階」に入ったのは確かだ。金利や資源価格の上昇など、成熟段階でみられる現象が散見され始めている。
こうした状況では、ちょっとした金利の上昇などでも市場は相場の変動にさらされやすい。
景気がいいからこそ金利が揚がる側面もあるわけだが、今後もある程度の動揺が市場では起こりやすいとの認識を持った方がいいだろう。

 紙面より-----みずほ総研・高田創氏
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ノルディックウォーキングのススメ。全身を使って歩く。
ポールをついて歩くノルディックウオーキングは、クロスカントリースキーの夏場の練習用だったものを一般向けに改良し、1997年にフィンランドで発表された。両手にも力が分散するためひざや腰への負担が小さく、全身の筋肉をバランスよく使える。
歩き方にはコツがいる。ポールは前ではなく体の横につき、後ろに押し出す。その際、ひじはまっすぐ伸ばし、手で握っていたグリップを離す。腕で地面を押して前進するため、二の腕や背中など普段意識しない筋肉を使い、慣れると歩幅が広がって股関節周りも鍛えられる。歩いてみると、上半身主導の動きだと実感する。20分ほどで汗がにじみ、心地よい疲労感だ。前進の90%の筋肉を使いますが、おしゃべりしながら歩けば顔の筋肉も使って100%になります。
カロリーの年収率は通常の歩行の1・2~1・4倍と有酸素運動としても効果的。時速7㌔で約20分歩いた場合の心拍数は歩行だと一定なのに対し、ノルディックウォーキングだと途中から上昇に転じる。走るのはきついが、歩くだけでは物足らない人向け。1日10~20分、週3日程度行うといい。姿勢もよくなります。
離したグリップをすぐに握り直せる専用のポールが必要で、スポーツ用品店などで1万円前後で購入できる。ポールの長さは、ストラップの付け根がへその位置に来るよう調整する。
ひざを痛めているなど歩行が難しい人は、ポールを前につく運動量の小さい歩き方から始めるといいという。一度講習を受け、自分に合う歩き方を選んで欲しい。初心者向けの各地の講習会の日程は日本ノルディックウォーキング協会のサイトで。

 続・元気のひけつより
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何年か前、京都の清水寺で、観光客の自撮りにハラハラしことがある。
「清水の舞台」に立った自分を写そうとするあまり、柵に足をかけ、身を乗り出し、自撮り棒を高く伸ばす。危ないことのうえない。
古都に限らず、当節は観光地のあちこちで同じ光景に出くわす。いかにも楽しげな様子で、説教するのはやや気が引ける。
自撮りを意味する新語「セルフィー」が英国で「今年の言葉に選ばれたのは、2013年のこと。撮影中の事故も急増している。絶景の山頂から転落したり、列車にはねられたり。米国では2年前、「自撮り中の死者が、サメに襲われて亡くなる人を上回った」と騒ぎになった。
「多くは10代か20代。SNSで目立ちたいと撮影熱が高じた結果です」。インドの医学研究者アガム・バンサルさんは、英語で報道された自撮り事故の死者数を調べ、米医学誌に発表した。6年間で259人が死亡していた。
規制に乗り出した国もある。ロシアでは、政府が「100万回の『いいね』より大切なあなたの命」というスローガンを掲げ、無謀な撮影をしないよう訴える。インドは、危険度の高い観光地16カ所を「自撮り禁止地区」に指定し、警察の巡回を増やした。
自撮りはテクノロジーをいかした人類共通の楽しみであり、事故はその過熱がもたらした悲劇だろう。断崖絶壁に立ったり、列車に近すぎたりしたら、スマホが感知してシャツターを封じる。そんなテクノロジーが世に出るのはいつだろうか。

 天声人語より
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やる気は脳の活動に変化を与え、効果的なリハビリにつながる。
病院などの現場では、患者本人のやる気が、リハビリの効果に影響することは知られている。生理学研究所などの研究チームはその仕組みの解明を進めている。
脊髄損傷から回復途上のサルで、やる気や意欲に関係する「側坐核」という脳の領域の活動を薬で止めたところ、治り始めていた手のまひが再び出て、イモをつまめなくなった。一方、健康なサルでは、側坐核の活動を止めても影響はなかった。研究チームは、けがの回復期に、側坐核が運動機能をつかさどる脳の領域の活動を活性化し、運動機能の回復を支えているとみている。
また、生理研の定藤教授らの研究チームは、褒められることの影響について研究している。他人に褒められると、意欲や意思決定に関わる「線条体」と呼ばれる脳の領域が反応することを確認。さらに、褒められた人は、指を使った運動技能の習得が上手になることも確かめたという。
定藤教授によると、これまでは教育の分野で、こうした意欲や褒めが学習にどう影響するかについて研究されてきた。最近は、脳神経学の分野でも研究が進み、成果はリハビリにも応用できるという。
定藤教授は「強い意欲を持ち続けるには、褒められることに依存せず『やればできるんだ』という経験に裏打ちされた自己肯定感が大切。リハビリでも、自ら取り組む意欲を高める試みが、周囲には重要になる」と指摘している。

 紙面より
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1964年の秋、冬季五輪の開会式で世界の目を集めた聖火台には、外観も寸法も同じ台がもう一つある。
同じ工房で作られ、型枠も同じ。いわば聖火台の兄弟ながら、先に作られた兄の方は失敗作だった。
「型枠のボルトが飛び、溶かし入れた鉄がこほれだした。致命的でした」。事故をふりかえるのは埼玉県川口市の鋳金工芸家、鈴木昭重さん。いまから60年前の2月のことだ。
もとは58年のアジア大会用にと発注された。鋳物としては破格の大きさで「納期3カ月、世さん20万円」。各社が尻込みする中、父の万之助さんが「鋳物仕事は損得ばかりじゃない」と引き受けた。
梵鐘や天水鉢の名品を手がけてきた万之助さんにとって、事故は一代の不覚だった。心労から床につき、亡くなったのは事故の数日後、68歳だった。残された型枠を使い、三男の文吾さんが後を引き受け、家族総出で間に合わせた。
そちらの聖火台の囲碁の活躍はつとに知られている。五輪で人びとの目を釘づけにし、長く国立競技場を見守った。いまは被災地・宮城県石巻市で復興を励ます。建設中の新国立競技場の一角に飾られることも決まっている。一方の兄はというと、補修され、生を受けた川口市内の小さな公園にひっそりとたたずんでいる。人に運と不運があるように、鋳物に運と不運があっても不思議はない。
さて次の東京五輪が2年後に迫った。聖火は列島をどう運ばれ、開会式でどんな台に灯されるのか。関心は尽きない。

 天声人語より
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株価下落
そもそも変だ。
世界1、2位の大国が貿易紛争をして、なぜ株価が上がるのか。
そろそろ目覚めよ、トランブ氏。

 素粒子より
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「猫舌なもので」と言うはずが「猫背なもので」。「コレクトコール」のつもりで「コレステロール」。
筆者が子どものころ、相撲好きの間で輪島の迷語録をまねるのが流行した。土俵上の強さが圧倒的で、珍妙な言い間違えも魅力のように感じられた。
貴乃花(故二子山親方)と同時に大関の座へ駆け上がり、「貴輪時代」が到来すると盛り上がったころである。横綱にのぼり、5歳下の北の湖と「輪湖時代」を築いた。まわしは派手な金色、取り口も個性的だった。「上手を取るのが王道。下手では勝てない」という常識をを覆し、左下手から強烈な投げを放った。
派手な私生活も話題の的だった。高級外車で場所入りし、東京・銀座のクラブで湯水のようにお金を遣った。「自分の金でやったこと。何が悪いのか」と平然と語った。
まげを落とししてからの姿は、時に痛々しかった。金色のパンツでプロレスのリングにのぼったり、タレント業に精を出したりしたが、その背に横綱の風格はなかった。元ファンには寂しさがぬぐえなかった。
一代の横綱が亡くなった。享年70.晩年まで出身地の石川県を大切にした。現役時代からしばしば訪ね、子どもたちに相撲の魅力を伝えてきた。母校の小学校に土俵を寄贈し、中学では合宿で後輩を鍛えた。
苦境続きの後半生でも明るさをうしなうことはなかった。本紙に語ったことばが忘れがたい。「逆境という言葉は好きじゃない。人生なんてご飯と一緒。おいしいときもまずいときもあるんだからさ」

 天声人語より
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中国の人権問題
「異質な中国」に世界があきれた。
ICPO中国人トップが、突然の失脚。
どらま顔負け、法治なき国の権力闘争。

素粒子より
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遠くから見ると巨大な毛糸玉か、マリモの群れのよう。
ぶっくりと丸いコキアが650本、一斉に色彩を緑から赤へ変えていく。栃木県小山市のコキア畑を歩いた。
「遊休農地が増えてもったいない。元気の出る草花を育ててみっぺと、形の面白いコキアを試しました」と発案した農業福田芳男さん。育ててみると拍子抜けするほど手がかからない。肥料も要らない。見た目と違ってかなり強靭な植物らしい。
コキアの名になじみがない高齢の住民たちも、別名の「箒木」「箒草」と聞くと顔がほころぶ。「昔はこれでよく箒を作ったよ」と懐かしがる人も、30人ほどで苗を植えた。
丸々と育った姿がこの夏、新聞で報じられ、SNSでも話題に。問い合わせが重なり、慌てて案内板を立てた。「インスタ映えすると喜ばれています。観光地にするつもりはなかったのに、見学の人が多くて」。久々に箒を作ろうか、実を塩漬けにして「どんぶり」も作ってみたい。育てた住民の間で活用話に花が咲く。
顔を寄せてみると、枝はごく細い。なのに全体の形はこんもりと丸い。畑を見て連想したのは、腹をかかえて笑う肥えたタヌキのご一行。眺めているだけで気持ちが丸くなる。<天と地の間に丸し帯草>波多野爽波。
8日は二十四節気の「寒露」、葉先に結んだ露にも冷たさが感じられる時候である。今年のコキアの紅葉はこれからが本番。炎暑をしのぎ台風にも耐えた分、ふだんの年以上に濃く鮮やかな赤で列島を染めていく。

 天声人語より
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就活ルールの変更
60年以上続く就活ルールが変わる。
「集団見合いから自由恋愛へ」。
自分なりの物差しを信じて。

素粒子より
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給油先探しにまごつくことが増えた。当てにしていたスタンドへ行ってみると閉店の貼り紙が。
高速道路で「次の給油所は150㌔先です」という掲示を見て慌てたこともある。
石油流通に詳しい東洋大の小嶌正稔教授によると、国内のガソリンスタンドはこの四半世紀で実に半減した。最盛期の1994年には6万軒を超えていたのが、いまや3万軒に。廃業は年に1千軒ペースに達したというから驚く。
「マイカー離れでガソリン需要が落ち込んだ。老朽化した地下タンクの改修が義務づけられて、経営を断念する人が増えました」。今後、電気自動車やハイブリッド車が普及すれば、従来通りのガソリン頼みの商法では立ちゆかなくなると指摘する。
かつてスタンドは各国の若者があこがれる最先端の職業だった、と教授は言う。1964年公開の仏映画「シェルプールの雨傘」でも、別れの哀しみが港町の給油所を舞台に描かれる。「日本で給油所が急増したのも同じ60年代でした」。
震災のたび、スタンドには長蛇の列ができる。飲料や食料と同じように燃料を確保できないとだれしも不安になる。「4時間も行列して給油した」「いまでも燃料計が半分を指すと怖くなる」。緊急時はもちろん、平常時の暮らしも給油所に支えられている。
離島や山間部では近年、給油拠点をどう確保するか試行錯誤が続く。「津々浦々にあって当たり前」という長年のガソリンスタンド観が揺さぶられる時代である。

 天声人語より
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世界経済の見通しは悪化
国際通貨基金は、最新の世界経済見通しを発表。
2018年の世界全体の成長率は前年比3.7%。
前回7月時点の3.9%から引き下げた。
米中通商紛争かの激化などが背景にあり、見通しの下方修正は2年3か月ぶり。

紙面より
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地震と津波に苦しめられた地域には、身を守るための言い伝えがある。
三陸地方の「津波てんでんこ」は家族も逃げていると信じ、それぞれが生き延びようとの教えだ。インドネシアのシムルという小さな島では、戒めを歌にして伝承している。
「自身の後に水が引いたら、津波が来る。すぐに高いところに逃げろ」。1907年の地震では水が引いたところに魚を拾いに行き、多く人が波にのまれた。教訓を忘れぬよう、車座になって太鼓をたたき歌い継いでいるという。
大地の揺れをもたらす苦難が続くインドネシアである。この夏のロンボク島の地震では550人以上が犠牲になった。1週間前にはスラウェシ島中部がマグニチュード7.5の地震に襲われ、1500人を超える命が失われた。
地震による津波は最大6㍍に達したという。海岸沿いや道路に遺体が並んでいる様子が報じられていた。道が破壊され、支援物資も届きにくい。「ダムが決壊した」などの流言飛語も、出回っているという。
島国、火山国、地震国。日本とインドネシアが重なる点は少なくない。日本の技術協力による津波警報システムもこの国にはあるという。それが今回はうまく機能しなかったと報じられ、心が痛む。自然の脅威に備えるため、さらなる支え合いが求められる。
1カ月前に大きな地震の被害があった北海道では5日に、震度5弱の揺れに見舞われた。ふだんは穏やかな大地が突然、牙をむく。その現実に向き合う二つの地震国である。

 天声人語より
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代謝をアップ 筋トレで若々しさキープ
年齢とともに下がる基礎代謝を高めるために、大切なことが三つあります。
一つ目が、筋トレです。
基礎代謝のなかでも、多くのエネルギーを消費するのが筋肉です。そして、年をとるにつれ基礎代謝量が下がる一因が、筋肉の衰えです。
私たちの筋肉量は、40歳を過ぎると毎年1%ずつ減り続けます。筋トレをしないと、20年後には20%、30年後には30%の筋肉が減ってしまうのです。
筋肉は活力エネルギーを生み出す「工場」のようなもの。筋肉量が少なくなると、体の動きに影響が出るばかりではなく、生産されるエネルギーが減り、基礎代謝がグッと落ち込むことになります。筋肉量の維持は、若々しさを保つためにも不可欠です。
老化を止めることはできませんが、筋肉だけは例外。トレーニングをすれば、何歳からでも筋肉量を増やし、機能を高めることがてきます。
といっても、バーベルを上げ下げするようなきついものでなくて構いません。私は、朝起きたとき、夜寝る前に布団の上でする「寝ながらストレッチ筋トレ」をおすすめしています。
いくつかあるのですが、例えば朝は「両足伸ばしストレッチ」。太ももとふくらはぎを意識しながら、10回繰り返します。夜は「自転車こぎストレッチ」。おなかやふとももの前側に力が入るのを意識しながら、なるべくゆっくり足を回すのがポイントです。こうした筋トレを毎日続けていくことが大事です。

 きょうもキレイより---筑波大教授・久野譜也
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「また、あちらでね」「あっちでも、よろしく」。きのうの朝、東京の築地市場を歩くと、そんな言葉が耳に入ってきた。
市場が移転する先の豊洲でもお付き合いを、お得意さん同士、声をかけあっているのだろう。
そこにある物の豊富さ、多様性、並べ方の美しさ----。「世界の博物館のすべてに匹敵する」と築地を評したは文化人類学者のシヴィ=ストロースである。あまたの魚介を見るだけで楽しいと多くの人に足を運ばせた市場も、5、6日のセリを残すだけになった。
築地にある小社は、いわばお隣さんだ。原稿につまって窓を眺めると、いつも目に入るのが築地市場である。それがもうすぐ「であった」になる。まあ、うまい魚を食わせる「場外市場」がなくなるわけではないし、と思い直す。
築地市場に隣接する場外市場は商店街から始まり、いまや外国からの観光客でにぎわう飲食店街だ。「築地が移っても場外は残ります」との宣伝を最初に聞いた時には意外な気がしたが、考えてみればまちとは、そんなふうに続いていくのだろう。
本屋や出版社の集まる東京・神田にはもともと、東京大学や一橋大学などの前身があった。学生が集まれば書籍の需要があり、学校が去った後も本のまちであり続けたい。築地の魚のまちとして、さらに発展するかもしれぬ。
安全をめぐる議論が続き、遅れに遅れた移転である。築地市場の通称である「魚河岸」は豊洲に引き継がれるのだろう。食を支えるプロたちの活気とともに。

 天声人語より
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コーヒーや緑茶が長寿のカギ
コーヒーや緑茶を日常的によく飲んでいる人は、そうでない人に比べて死亡するリスクが低いとする調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。コーヒーに含まれるポリフェノール、緑茶に含まれるカテキンが血圧を下げ、両方に含まれるカフェインが血管や呼吸器の働きをよくしている可能性があるという。
全国に住む40~69歳の男女約9万人に対し、コーヒーや緑茶を1日どれくらい飲むかを、ほかの生活習慣などと合わせて質問し、経過を約19年間追った。この間に約1万3千人が亡くなった。
コーヒーや緑茶をよく飲む人は死亡率が低く、コーヒーを1日に3~4杯飲む人ではほとんど飲まない人に比べ、死亡リスクが24%低かった。緑茶は1日1杯未満の人に比べ、1日5杯以上飲む男性で死亡リスクが13%、女性で17%低かった。どちらも、死亡のリスクにかかわる年齢や運動習慣などは影響しないように統計学的に調整した。
コーヒーにはクロロゲン酸というポリフェノール、緑茶にはカテキンが含まれ、両方に欠陥や呼吸器の働きをよくするカフェインが含まれている。こうした成分が心臓病や脳卒中による死亡を減らしたことが考えられるという。
一方、カフェインは健康維持につながる可能性があるが、心臓病を抱えた人では摂取で急に血圧が上がるといった影響も考えられる。妊娠中や肝臓病の人も注意が必要である。

 紙面より
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人類にとって幸運だったのは、その夏、生物学者フレミングが片付けもせず実験室を離れたことだ。
そのまま夏休みに入り、戻ってみると、ブドウ球菌の培養皿にアオカビが侵入していた。皮膚を化膿させる菌をカビが殺していたのだ。
1928年、世界初の抗生物質ペニシリンにつながる発見は、そんな偶然に導かれた。第2次大戦で多くの兵士の命を救い、肺炎や結核などの感染症にも用いられた「奇跡の薬」である。
ペニシリンに匹敵する。そんな声も聞かれる業績に、ノーベル医学生理学賞が贈られることになった。人がもともと持つ免疫の力を発揮させ、がん細胞を退治する。新しいタイプの治療薬「オプジーボ」につながる発見をしたのが京都大の本庶佑特別教授だ。
ペニシリンほどの偶然ではないが、この発見も最初はがんに関係するとは思わなかったという。別の研究で見つかった謎の物質を調べるうちに、がん治療の鍵を握ることがわかった。
「多くの人が石ころだと思って見向きもしなかったものを拾い、10年、20年かけて磨き上げ、ダイヤモンドにする」。それが研究の喜びだと、本庶さんは述べる。ダイヤの原石を求める好奇心。納得できるまで調べる頑固さ。華やかな業績の裏側である。
ペニシリンの後には多くの抗生物質の開発が続いた。免疫治療薬の歴史は始まったばかりだ。がんが脅威でなくなる日が「遅くても今世紀中には訪れる」と、本庶さんは語った。若い研究者たちへのエールでもあろう。

 天声人語より
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口の健康維持。かむ力や飲み込む力を保つ。
最近、食べこぼしが増えたり、むせてしまったりするなどの症状はありませんか。加齢とともに口の機能が衰える「オーラルフレイル」の兆候を早めに発見し、対処することが大切です。
「フレイル」とは「虚弱」を意味する英語が語源で、高齢になって筋力や心身の活力が衰えた状態を指す。「オーラルフレイル」は、口の機能の衰えが、食欲の低下や栄養状態の悪化をもたらすという懸念で、近年注目されている。
口の健康を維持するためには、歯の本数だけでなく、かむ力や飲み込む力、舌の力を保つことも欠かせない。「硬いものがかめないと、やわらかいものばかり食べて、かむ機能が低下するという悪循環に陥る。放っておくと、誤って食べ物などが気管に入る誤嚥を招きかねない」と指摘する。
例えば、さきイカやたくあんなどの硬い食べ物がためない場合、かむ力や口の筋力が弱まつている可能性がある。お茶や知るものでむせることがあれば、飲み込む力が低下している恐れがある。これらの症状を予防するには、次のような体操が有効だ。
一つは、唾液の分泌を促す唾液腺マッサージ。奥歯の周囲の耳下腺、あごのエラの下にある顎下腺、あご裏の中央にある舌下腺を指で優しく刺激する。「唾液が出ることで、食べ物が飲み込みやすくなる」。もう一つは「パタカラ体操」。「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」「パタカラ、パタカラ、パタカラ」と大きな声で繰り返す。パは唇、タは舌の先端を使うといったように、口の周囲の筋力を向上させることができる。
「普段の食事でたくあんやにんじんなど、かむと音のする物を一品入れるだけでも効果がある」という。今年4月から、口腔機能の低下が疑われる65歳以上を対象に、かむ力の検査などが保険適用になった。「かかりつけ医をもって、定期的に歯科検診することも大切」

 続・元気のひけつより------佐藤建仁
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大きなくしやみをした時、近くにいる人が「クスックエー」と声をかける。
そんな古い習わしが沖縄にはあり、「くそくらえ」の意味とも言われる。しかし原型はそうではなく「休息万命」だと言語学者の外間守善さんが『沖縄の言葉と歴史』に書いている。
くしやみき災いをもたらすと考えられていた。それを打ち消す言葉として鎌倉時代の故実書にも出て来るという。沖縄の方言、いわゆるウチナーグチには日本の古語と深くつながる豊かな世界がある。
共通語が奨励され、方言はだんだん使われなくなる。そんな郷土の言葉を多用し、人気を集めたラジオDJがいた。玉城デニーさんである。初当選を果たした沖縄知事の選挙でもよく口にしていた。
「トゥーヌイービャ、ユヌタケーネーラン」。人はそれぞれ違うから意味がある、との言葉だ。玉城さんは米兵の父親を持ち、10歳まで養子に出され、その後も母子家庭で育った。そんな自分の体験を語りながら、格差や貧困に向き合うと訴えた。
辺野古に新基地が建設されるのはいやだ。県民の意思が明確になつた選挙結果である。報復のように、国が沖縄への支援を補足するようなことは絶対にあってはならない。子どもの貧困も所得水準も全国最悪で、対策は待つたなしなのだ。
チムグクルは心を強調する方言で、真心といった語感か。「チムグクルを大切に、誰一人取り残されない社会にしよう」。玉城さんの言葉をかみしめる。

 天声人語より
国の政策に反抗すればお返しが来るのは、昔からである。農業の減反政策でも従わない人には補助金が出ないし、改良組合にも出てこない。沖縄だけの問題ではないのだ。
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東京五輪
やっぱり五輪の経費は膨らむんだ。
舛添前知事は「3兆円かかる」と言っていたな。
祭典のあとの請求書が怖いぞ。

素粒子より
今の知事はだんまりを決め込んでいる。
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ソウル大学の学生が取り調べ中に死亡した。
拷問を隠蔽しようとする警察に対し、検事や記者、民主化運動家らが、真実を暴こうと動き出す。公開中の映画「1987、ある闘いの真実」は独裁政権末期の韓国が舞台だ。
痛々しいのは、良心に従い行動する人々に対する暴力である。デモの学生を殴打する。市民を水責めで尋問する。それでも救いを感じるのは、その先に韓国の民主化という歴史があるからだ。
独裁の終わるハッピーエンドが見えないのが、現代の中国である。ノーベル平和賞の劉暁波氏が自由を奪われたまま死亡したのが1年余り前。人権派弁護士への圧力は続いているとあった。習近平国家主席に似ている「くまのプーさん」の映画も上映できない。
経済が発展すれば中産階級が生まれ、彼らが担い手になって民主化が進む。韓国など多くの国で見られた流れである。中国もそうなると期待する人がかつては多かったが、今は失望ばかりが広がる。
だからだろう、最近の外交誌に載った論考にはっとした。韓国・峨山政策研究所の咸在鳳院長が、独裁が強固だった70年代の韓国を引き合いに出して述べていた。当時、この国がいずれ民主国家になると考えた者は、ほとんどいなかった。中国も民主化の例外ではなく、時間がかかっているだけかもしれない---。
冒頭の映画に戻れば、社会を変えたのは人々のささやかな良心と小さな勇気だった。中国にも存在するはずだ。いつか来るハッピーエンドを待ちたい。

 天声人語より
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NYダウ続伸し最高値を更新
2日のニューヨーク株式市場は、北米自由貿易協定の再交渉妥結を好感し買いが続いた。
終値は2万6773.94㌦。

紙面より
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ポカリスエットが海外に進出し始めた頃の苦労話である。
インドネシアでは当初、さっぱり売れなかったという。スポーツの後や風呂上がり、二日酔いの時などに飲もう。そんな宣伝が通用しなかったと川端基夫著『消費大陸アジア』にある。
熱帯の気候では運動して汗を流そうとは思わないし、湯につかる習慣もない。飲酒が禁じられているイスラム教徒が人口の大部分を占めている。方針を変えて「断食の後の渇きに」と売り込んだことで、受け入れられていった。
食べ物も飲み物も暮らし方との相性がある。こちらは現代の習慣に合わなくなったか。森永製菓の「チョコフレーク」の製造が、来年夏までに終了することになった。販売が不振になった理由は、スマホだという。
チョコで手がべとついてスマホを操作しにくいのが響いたと、森永は説明する。指をなめなめという味わい方は、もう流行らないのか。周りの若い人に聞くと、ポテトチップスを割り箸で食べることもあるそうだ。
1960年代に生まれたチョコフレークは、テレビを見ながら菓子をつまむ「ながら族」を狙った商品だった。目だけでなく指先も常に忙しい現代のながら族には、受け入れられなかったか。
思えばスマホにより退場を迫られるものは少なくない。腕時計をする人が減った。地図を持ち歩かなくなり、ついでに道も覚えなくなった。スマホが視野に入るだけで集中力が落ちるという研究もある。ものを考える力まで、はじき出されないといいが。

 天声人語より
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ノーベル賞
本庶さん賞金は若手支援の基金の元手に。
今、もうかっているところに投資するのは後れをとる。研究で得られた『果実』は大学に返し、後進を育てることに使いたい」と。

紙面より
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強力な台風24号が北上している。被害が出ないよう祈るばかりである。
台風と聞くと、上陸して猛威をふるう姿ばかり思い浮かぶが、専門家によると列島を悩ませる台風はすでに老境に入ったものだという。
横浜国立大学の筆保弘徳准教授は「生まれと育ちをみれば、老年の姿がおおむね描ける」と話す。台風のタマゴが生まれる太平洋は、東方からの貿易風と西方からの季節風が吹いている。日本にとって最もこわいのは東西の気流がぶつかる場所で生まれたタマゴだ。力強く成長し、列島を直撃する確率も高い。
その後の勢力を左右するもう一つ大きな要素は、育ち方だ。フィリピンの東方に専門家たちが「魔の海域」と呼ぶ暖かい海がある。幼い頃にここを通ると急速に力をつける。
日本で5千人超の規制がでた伊勢湾台風は気流のぶつかる場所で生まれ、魔の海域で強力になった。今月上旬の21号も同じ海域を通り、近畿地方などに大きな被害をもたらした。成育歴をより深く分析できるようになれば、コースや規模をさらに早く予測できるそうだ。
とはいえ、ユニークな生まれ方もあるし、予想外にふるまうこともある。「いまだに謎が多いことが研究者には魅力的です」と筆保さんはいう。波乱万丈、行く末が見通せないのは人間と同じかもしれない。
今年の台風はいつになく多い。少なくとも10月末までは警戒が必要だろう。さらに解明が進むことを期待しつつ、まずは今日の備えを万全にしたい。

 天声人語より
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またまた最高値更新
今日の東証は続伸。
一時約27年ぶりの2万4300円を上回り、取引時間中でのバブル経済崩壊後の最高値を更新。
米景気は今後も大型減税をてこに堅調だと期待。
円安の進行も好感された。

紙面より
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「フーム、においますね」。見た目がお尻そのものの名探偵が、難事件を解決していく。絵本「おしりたんてい」だ。
アニメ化され今年、NHKで放映された。「お尻」の連呼はきっと子どもたちを沸かせただろう。
放送の世界で、「お尻」が大手を振って歩けるようになったのはいつ頃からか。私見では、「おしりだって、洗ってほしい」という温水洗浄便座のCMが転換点だったように思う。
TOTOに尋ねてみると、CMが始まったのは1982年の秋。手のひらに絵の具を塗った人気俳優が、紙ではぬぐえない、水で洗ってと訴えた。「ナニを隠そう、おしりもきれい」など続編も好評を博した。
それまで、CMで「お尻」を強調するのは、いわば禁じ手だった。トイレを想像させるからだ。当初のCMは、空飛ぶカモメにクジラが海から潮を噴き上げるという無難なメルヘン調の作り。「これでは需要を掘り起こせない」。社内から声が上がり、思い切って「お尻」を前面に出すことになったそうだ。
江戸の絵師・葛飾北斎は、武士が用を足す板張りのかわやの不潔さをユーモアをこめて描いた。「雪隠」「ご不浄」「はばかり」などと異名で呼ばれることも多く、トイレには不遇の時代が長かった。
朝から尾籠な話をしてしまったが、今ふりかえっても「おしり」CMから受けた衝撃は大きい。温水洗浄便座はじわじわと普及し、トイレは不浄な空間ではなくなっていく。それとともに「お尻」も日の当たる言葉となった。

 天声人語より
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