2018年04月の記事


老いを遅らせるには--心がけが大切
「アンチエイジング」という言葉が注目を集めている。アンチエイジングと
は、できる限り老いを遅らせて若さを保とうという試みだ。
若さ、アンチエイジングというと、スキンケアやサプリメントなどを思い浮
かべる人は多いが、一番大切なのは「気持ち」だ。やりたいことをやること
。無理をし過ぎないことを心掛けると良い。自分を責めないで、いい加減に
、気ままに生活することがお薦めだという。
また、適度な緊張感、ストレスも刺激につながる。ある程度の年齢を過ぎた
ら仕事をしないで家の中で閉じこもっている人は少なくない。だが、ボラン
ティアでも良いので「誰かの役に立っている」という実感を感じられること
を意識的に行うことが大切だ。
そして「きれいになりたい」と願い、行動を起こすことは、世界を広げ自分
を内面からも輝かせる。
たばこと紫外線はなるべく避けよう。特にたばこは肌に悪く、体の循環に悪
影響を与える。
アンチエイジング5カ条
◆いくつになっても男と女
  「美しさ」に磨きをかけよう
◆肌の若返りは心の若返り
   メークアップは外見、心も若返らせる
◆バランスの良い食事と適度な運動
   アンチエイジングの効果は食事と運動が9割
◆よく笑い、よく話し、よくかむ
   笑いは免疫力を高め、かむことは脳の活性化になる
◆長生きこそ最大の誇り
   いくつになっても積極的に社会貢献を
 
 北里大名誉教授・塩谷信幸
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江戸後期の日本に石鹸を量産する技術はなかった。
近代的な手法で石鹸製造に初めて挑んだのは、蘭学者のウダガワ榕菴である。今春、生誕220年を迎えた。
「単なる蘭学者ではなく化学者としても一級でした」と話すのは、大阪市立科学館の小野昌弘学芸員。榕菴は西欧の先端化学を紹介しただけでなく、理論が正しいかどうか手ずから実験して確かめている。
小野さんがこの春、格闘しているのは石鹸水から生まれる神秘の泡、シャボン玉である。来月末までほぼ連日、手品師よろしくシャボン玉を手にのせ、こいのぼりのように中空を泳がせる。子どもたちの目をひきつけながら、表面張力や光が七色に輝く仕組みといった理科の基礎を解説する。
シャボン玉と言えば、昭和育ちの当方としては麦わらやストローが真っ先に浮かぶ。先端に切り込みを入れて大きさや浮遊時間を競った。だが小野さんによると、いまの子どもたちには市販の吹き棒が当たり前。「ストローや針金の輪で飛ばした経験は乏しい。その分、シヨーでは驚かせ甲斐があります」。
勧められて榕菴の評伝を読み進めた。感嘆するのはその造語の才である。酸素、水素など元素名のほか、酸化、還元といった用語も編み出した。私たちが使い慣れた化学の言葉のいかに多くを彼の独創に負うていたことか。
<しやぽん玉底にも小さな太陽持つ>篠原梵。陽光を浴びて鮮やかな虹色に輝く。もとより旬などないけれど、シャボン玉にはこの季節がよく似合う。

 天声人語より
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救命につなげるために、AED使用をためらわずに
新潟県の高校で野球部の女子マネージャーがランニング直後に倒れ、先月死亡した事故は、いつAEDを使えばいいのか、現場での判断と実行の難しさを問いかけた。
女子生徒は、死の間際に脳への血の流れが止まりかけ、あごや肩、胸や腕が、途切れ途切れにあえぐように動く「死戦期呼吸」の状態だったと思われる。(ギャスピングと現場や医療機関では言う)実際に空気は吸えていないが体が動くので、周囲の人たちは心臓が動いていると思い、AEDを使わなかったのかもしれない。息をしているかのように見えてしまう死戦期呼吸のことを多くの人に知ってもらいたい。
息が止まっていれば、すぐに心臓も止まる。現場に居合わせた人は、あえて患者の脈に触れる必要はなく、息をしているかどうか、だけを目で見たり耳で聞いたりして判断すればいい。講習会でも死戦期呼吸を教えるときは動きが大げさになりがちだが、実際には分かりにくい場合もある。突然の事態に直面した一般の人たちに冷静な判断を求めるのは無理だろう。息をしていないことが疑われるときは、一刻も早く胸骨圧迫をしたり積極的にAEDを使ったりすることが大切だ。
日本のAEDの普及率は世界でもトップクラスだ。的確な設置場所やきちんとした保守管理など課題はあるが、使い方はよく知られるようになった。消防白書によると、2015年に病院外でAEDが実際に使われたのは約1100件で600人ほどの究明につながった。だが、蘇生措置を行えた可能性のある人は数万人とみられ、市民の的確な判断と行動なくして救命率の向上はない。
人が倒れた現場は混乱し、AEDの音声支持も聞き取りにくいだろう。電気ショックのボタンを自ら押すことをためらう心理も働く。居合わせた人がAEDの電極を患者に貼り付けさえすれば、ボタンを押す必要もなく、自動的に除細動をする「全自動」AEDを開発し、早く導入すべきだ。技術的には可能で、間違って放電されることや救助者の感電を防ぐ方法もある。メーカーや行政は積極的に取り組んでほしい。
胸骨圧迫やAEDの使用では、衣服を破ってでも脱がすなど患者のプライバシーが守れない場合がある。
一般の人が処置をためらったり、蘇生がうまくいかなかったりした時に責任を問われることを恐れるという気持ちも考える必要がある。
こうした背景には100%の安全と結果責任を追及する最近の日本の風潮があると思う。市民の善意を生かし救命率を上げるためには、米国やカナダなどのように「緊急事態に直面した善意の処置者は、その結果に対して責任を負わされない」という「よきサマリア人の法」の整備が必要だ。

 私の視点より----聖路加国際大学院特任教授・宮坂勝之

善きサマリア人の法(よきサマリアびとのほう、英:Good Samaritan laws
とは
「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。誤った対応をして訴えられたり処罰を受ける恐れをなくして、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による傷病者の救護を促進しよう、との意図がある。
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北朝鮮の先代の指導者、金正日氏はめったに自分の声を自国メディアに流させなかった。
筆者が初めて肉声を聞いたのは2000年6月、初の南北首脳会談を報じるニュースだ。気取らない話し方、しやがれた声が記憶に残った。
当時は正日氏の妻がどこの誰なのか詳細を知らずにいた。国営メディアがその姿を伝えることはなく、実像はベールに覆われていた。
正日氏が亡くなって6年あまり、後を継いだ正恩氏の妻、李雪主氏の動向はかなり知られている。夫婦で腕を組んで歩き、最近も歌謡やバレエの公演を連れだって楽しむ様子が報じられた。
もう一人、実妹の与正氏も注目の的である。今年2月の韓国訪問では兄の新書を文在寅大統領に手渡した。いまの北朝鮮では事実上、兄に次ぐ実力をもつらしい。韓国メディアはその筆跡から、「社交的」「自己統制できる」などと性格を推理している。
韓国発のそんな記事を読みながら、ふいに浮かんだのは『女の平和』。アリストファネスの喜劇である。古代ギリシアの戦乱期に書かれた作品で、登場する女性たちは賢く美しくたくましい。男たちの戦争好きに業を煮やして策を練り、平和を取り戻す過程が痛快である。
さて、11年ぶりとなるきょうの首脳会談には与正氏も同席する。夫人を同伴するか否かも焦点だ。遠目には、いまの正恩氏が書く耳を持つのはこの2人のように見える。70年に及ぶ分断が終わるかどうか、2人がふだん正恩氏と交わす言葉もカギを握る気がする。

 天声人語より
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「健康づくりのための身体活動基準2013」は身体活動を「運動+生活活動」と定義
日々のちょつとした動きもスポーツ並みの健康効果があり、ちょっと体を動かすことを増やす「プラス10」を推奨。そうすれば、がんや認知症を減らせるという。
では、どうすれば生活活動を増やせるのか。まず起床から就寝までに、どこで体を動かせるか1日を振り返ることだ。
通勤時に早歩きしたり、掃除や洗濯でキビキビと動いたり。そんな小さな動きが「ちりも積もれば山」。1日10分でも、1週間で合計1時間でもいいし、途中でやめても三日坊主を繰り返すつもりでも構わない。
自分の身体活動レベルを知るときには活動量計が役に立つ。
歩数計の機能に加え、家事などの生活活動で1日に体を動かして消費したカロリーが示される。活動量が基準や目標に対して十分なのか下なのか客観的に教えてくれる。
いわば自分の現在地を示すナビ。最近は結果をパソコンやスマホに送って確認できる。
注意点は、体を動かす次官は一気に増やさず、体調が悪いときには無理をしない。痛みが出たら、医師や運動の専門家に相談を。夏場などは炎天下を避け、熱中症に気をつけよう。

 元気のひけつより
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法律の勉強に身が入らない。好きな文学を読みふけり、成績表には「不可」もある。
昭和29年春、のちに作家となる東大法学部生、加藤廣さんは焦燥にかられていた。
まれにみる就職難の年だった。朝鮮半島で砲声がやみ、日本から戦争特需が去った直後である。「父とは死別し、母と祖母を支えるため就職せざるを得ない。夢見た文学の道をあきらめました」。縁あって発足まもない中小企業金融公庫に職を得た。
だが枢要なポストは大蔵省などの役人たちに独占され、たたき上げ組には夢が見えなかった。50代で経営コンサルタントに転じたが、本懐を遂げた気がしない。文学の海へこぎ出したのは60歳を過ぎてからである。
そんな歩みを取材でうかがったのは加藤さんが75歳の秋、デビュー作『信長の棺』が話題をさらったころだ。次作や次々作、次々々作まで構想を楽しげに語る。メモをとるこちらの手が追いつかないほど軽快な早口だった。
『信長の棺』は、主君の人格を怪しむ従者の視線が鮮烈である。『信君家康の密書』では、天下をとつた後の家康の専横ぶりを描く。「サラリーマン時代の人間模様が執筆の役に立っています」。代表作を再び手にとると、加藤さんの言葉がふいによみがえった。
享年87.古希を過ぎて文壇に名乗りを上げ、卒寿を祝われる年になっても力作を世に出し続けた。何歳になろうと、情熱さえ絶やさなければ人はかくもまぶしく輝けるものと敎わった。

 天声人語より
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南北首脳会談
北朝鮮をいかに国際社会に結びつけるか。
米中はじめ関係国の長い「道程」が始まる。
安倍政権も道普請役を果たせるかが問われる。
心配なのは近い国ほど疎遠な現状だ。
中国、韓国そして北朝鮮。

素粒子より
この機会に電撃訪問でもしない限り、浮かび上がる手立てはないのでは。
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ヤマ場で主軸打者が三振すればファンはむろん怒る。ため息もつく。だがカープの衣笠祥雄選手の三振は違った。
むしろ球場が沸く。「衣笠なら仕方がない」。赤いヘルメットを宙に飛ばしながらのフルスイング。生涯に1587もの三振を記録した。
独特の三振哲学を持つ。巧打より長打にこだわり、勝負に出たときの空振りを自ら「攻撃的三振」と呼んだ。見逃しの三振は「情けない」と嫌った。
死球を受け骨折した翌日も痛みをこらえて出場した。スランプに陥れば、「連続出場記録のためだけに出ているのか」とヤジを浴びた。それでも「カラリとはれ上がる青空は必ず来る」と自分に言い聞かせ、2215試合連続出場の偉業を打ち立てた。
引退後、本紙嘱託としてコラム「鉄人の目」を担当した。左右の人差し指だけでキーをたたく独特の打法。ひらがなが多い。句読点は少ない。ただその原稿は、後輩を勇気づける言葉であふれていた。
「来たらクビだ」。二十数年前、衣笠さんの険しい表情を大写しにしたポスターが朝日新聞社内に貼り出された。休日消化を促す呼びかけだった。骨折しても出場を選んだ当人に「休め」と言われると、素直に「休まなきゃいけないな」と思うから不思議である。
球界でも、連続出場記録よりむしろ、休むことの大切さが言われるようになって久しい。「選手に無理をさせるな」「故障に泣く人を減らせ」。オンとオフの重要さを球界に訴え続けた鉄人は、そんな言葉を残して旅立った。

 天声人語より
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北朝鮮問題
本番・米朝に向け、あすの南北は協調ムード。
トランプ氏も金正恩氏に一転の賛辞。

素粒子より
日本の安倍氏は何もしないでいいのか?
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東京・下北沢の骨董品店で、大学生らしき男性が黒電話と格闘していた。
「指を突っ込んで回してごらんよ」と店主が教える。回すべきはダイヤル盤。だが男性は穴の一つに入れた指そのものをクルクルと回し、あきらめたという。
この目撃談は、大阪市住吉区内で私設の「てれふぉん博物館」を運営する稲谷秀行さんに敎わった。ダイヤル式の電話を見なくなって久しい。スマホでも携帯でも指先で数字に触れれば足りる。「数字ごとに右へジーコジーコと盤を大回転させるとは夢にも思わないようです」。
稲谷さんが電話器の収集を始めたのは30年ほど前。買い集めた電話器をいつか展示したいと考えた。夢を母に打ち明けると、「んなもん作ったらアホや言われる」。一念発起して大学の通信課程で学芸員の資格を得て、5年前に開館させた。
収集総数700台強。館内を歩くと、明治期に輸入された大仕掛けの電話から、昭和世代には懐かしい赤や黄、緑の公衆電話までアナログ電話全史が一覧できる。
戦前の古い電話器を試させてもらった。だがダイヤル盤はなく、最初の一手がわからない。送話口と受話口の区別もできない。一世代前の技術にこれほど難渋するとは。黒電話にてこずる下北沢の若者と同じである。
通信機器の進化はめまぐるしくも慌ただしい。四半世紀前にあれほど欠かせなかったポケットベルも姿を消した。いまから半世紀もすれば、骨董品店で買者がスマホに四苦八苦する姿を見かけるのだろうか。

 天声人語より
戦前の古い電話器を試して分からなかったと書かれているが、筆者の年齢は幾つかな?
相当の年齢と思っていたので書かれたことが不思議だ。
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ダウ一時619㌦安
24日のニューヨーク金融市場では、インフレペースが速まるとの見方が強まり、金利高と株安、ドル高が急速に進んだ。
債券市場では10年物米国債の利回りが、約4年3か月ぶりに心理的節目となる年3%に達した。
株式市場では幅広い銘柄が売られ、ダウ工業株平均が大幅に続落。
終値は前日比424.56㌦安い2万④024
13㌦。
一方、米金利上昇で金利差が拡大し、円を売ってドルを買う動きが広がり、一時、1㌦=109円20銭まで下落。

 紙面より
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戦時中は「敵」という言葉がひんぱんに使わた
日常生活にも及び、英語が「適性語」とされ、サイダーは噴出水、フライは洋天になった。学校では青い目をした人形が、「適性人形」と言われ焼かれた。「ぜいたくは敵だ」の標語もあった。
いま日常語で敵を使うとすれば、スポーツでの「好敵手」「敵失」などだろうか。それだけに、ざわっとする言い方であった。「お前は国民の敵だ」。30代の幹部自衛官の男性が路上で、民進党の小西洋之参院議員に対して浴びせたという。
小西氏は安全保障関連法に強く反対してきた。議員活動を念頭に置いた暴言だとすれば、慄然とするほかない。さらに気になるのは、小野寺防衛相が一方でしゃざいしながら「若い隊員なので様々な思いもある」と発言したことだ。気持ちは分かる、とでも言いたかったか。
実力組織である自衛隊には、強い中立性が求められている。一人の暴言にすぎないと、見過ごすわけにはいかない。日本には軍部が暴走し、国家を牛耳った暗い歴史があるのだ。
政治学者の石田雄氏が、1930年代の小学校時代のことを書いている。学校に配属されている将校から、「あそこに国賊が澄んでいるから毎日にらんで通れ」と朝礼で言われたという。軍部が非難の矛先を向けている学者の家だった。
国賊や非国民という言葉が、有無を言わせぬ暴力となった時代があった。そして残念ながら、似たような言葉をもてあそぶ人が今もいる。

 天声人語より
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セクハラ事件
首相には一筋の救いとも見える。
野田総務相が女性記者招きセクハラ語る場を、と。

素粒子より
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300万本のチューリップが北陸の春を彩る。富山県砺波市を訪ねた。
この地で商用栽培が始まったのは1世紀前の大正7年。ある青年が植えた10球が花を咲かせ、思わぬ高値をつけたのが始まりだった。
チューリップの父、水野豊造である。砺波郷土資料館の渡部礼子学芸員によると、幼いころは病弱でやせっぽち。割りばしとあだ名された。徴兵検査に落ち、望んだ出稼ぎもかなわず、地元でチューリップに賭けた。
30代後半から挑んだのは対米輸出。現地で人気の濃い色の品種を育てて軌道に乗せた。かと思うと、大口の輸出話が唐突に消えたこともある。戦時体制下の日本に対して米国が経済制裁を加えたからだ。
そのころ国内でもチューリップはぜいたく品とされた。栽培農家が非国民扱いされることもあった。「戦争は永遠に続かない。平和な世が来れば花は欠かせなくなる」。豊造はそう信じて田畑の隅に隠すように植え、球根を守った。戦後に育成した新品種には「平和」と命名している。
砺波でのフェアは1950年代から続く。今年も色鮮やかな果弾が観光客を楽しませる。白く輝く「綿帽子」、黄色がまぶしい「月浪漫」、赤と黄の交錯する「恋茜」。品種の改良が盛んで、花々の顔ぶれは年ごとに変わる。
豊造が亡くなって今年で50年。逆境を闘志と工夫で好機につなげ、チューリップ産業を砺波の地に根付かせた。ついたあだ名は機関車。「人間万事塞翁が馬」を地で行くような人生であった。

 天声人語より
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G7外相会議核実験中止に歓迎
初日は北朝鮮問題を中心に話し合われ、核実験と大陸間弾道ミサイル試射の中止を表明したことについて「前向きな動きとしてかんげいする」との認識で一致。
さらに、北朝鮮の大量破壊兵器と、全ての射程のミサイル廃棄の実現を目標とすることでも一致した。

紙面より
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首相の深まる内憂外患
北朝鮮への強硬姿勢や、トランプ大統領との蜜月関係など「安倍外交」が揺らぎ始めた。米フロリダ州での日米首脳会談で、日本との貿易不均衡に不満を募らす米側が日米二国間の貿易協定の早期協議を強く迫り、首相もそのための新たな枠組み設置で合意した。
「TPPには戻りたくない。二国間の協議が望ましい」。2度目の首脳会談を終え、共同記者会見に臨んだトランブ氏は、そう強調した。同氏は、会談前のワーキングランチ冒頭から「米国は非常に多額の対日貿易赤字を抱えている。それを取り除き、均等にしたい」とアクセルを踏んだ。
会見で安倍首相が「自由で公正な』貿易と語ったのに対し、トランブ氏は「互恵」という観点も大事だと強調。米国の労働者にも利益のある貿易でなければならないと念押しした。日本は米国にTPP復帰を促す考えだったが、トランブ氏にあえなく拒まれた。
一方、懸案の北朝鮮問題でも、日本側の成果が大きいとは言い難い。ポンペお米中央情報局長官が極秘訪朝し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談したことが明らかになり、「対話のための対話は意味がない」と訴えてきた首相は、出し抜かれた格好だ。拉致問題を米朝首脳会談で議題として取り上げることの約束は取り付けたが、首相のいう「拉致問題の解決」への道筋が描けるのか、他国任せではおぼつかない。
今回の外遊は、首相にとって厳しいものになり、「内憂外患」は深まりそうだ。

 解/説より
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胃潰瘍や動脈硬化などを防ぐ梅のパワー
梅干しは、昔から健康に良いというイメージが伝えられていますが、日本一の産地、和歌山県では最近、科学的な証拠が集まりつつあります。
「梅はその日の難逃れ」のことわざのように、梅干しを朝に食べると、病気などを免れると、昔の人は経験から伝えてきた。和歌山県立医大の宇都宮洋才准教授によると、梅の産地みなべ町などで聞き取り調査をしたら、「動脈硬化を防ぐ」「胃潰瘍になりにくい」「かぜをひかない」「疲れがとれる」など数え切れないほどの伝承があった。まるで「万能薬」だが、本当だろうか。
マウス実験では、梅エキスが動脈硬化を引き起こす血管の筋肉の肥大を防いでいることがわかった。
宇都宮准教授は梅に含まれるポリフェノールの一種「リグナン」に着目。胃潰瘍の原因となるピロリ菌の培養液の中にリグナンを加えたら、変形したりしてピロリ菌の働きが弱まった。
ピロリ菌の働きを半分に抑えるには、梅干し5個分相当のリグナンが必要だったが、「1、2個分でも効果はある」という。
また、インフルエンザウイルスが感染した培養細胞にリグナンを加えたら、ウイルスの増殖が抑制されることもわかった。
梅の有効成分はリグナンだけではない。近畿大生物工学部の三谷隆彦・元教授が見つけた別のポリフェノール「ヒドロキシ桂皮酸」にも、高血圧防止やウイルスの増殖を抑える効果があることが分かってきた。
ただ、数々の健康効果があるからといって、たくさん食べれば良いわけではない。梅干しには10%程度の食塩が含まれている。1個10㌘だと1㌘に上る。
厚生労働省が定める1日の塩分の摂取目標量は、成人男性9㌘未満、女性7.5㌘未満だ。
1日の食事全体で塩分を調節しなければいけない。梅干しは1日2個程度を目安に。増やす場合には他のメニューの塩分を抑える工夫が必要だ。
さて、観梅の季節。梅林の花の香りにも、梅パワーは秘められている。和歌山工業高等専門学校の奥野祥治准教授によると、香り成分のベンズアルデヒドに抗菌作用がある。梅干しにも同成分があり、「日の丸弁当が傷みにくい理由の一つではないか」とみている。

 元気のひけつより-----野中良祐
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もう少し何とかならないか。そう思いたくなる名前を持つ植物がある。
小さな白い花を咲かせるハキダメギクは、東京・世田谷の掃き溜めで見つかったことに由来する。植物学の牧野富太郎博士が大正期に付けた名が、変わらず用いられてる。
フランス語の「豚のサラダ」が訳されたブタナというのもある。タンポポに似るが、茎はすらりと長い。群生すると、たくさんの黄色い点が空中に浮いて居るかに見える花である。きのうの朝、駅へと向かう道の端に二つ三つと咲いていた。
少し前から街路を彩っているハナミズキも、英語では「犬の木」と呼ばれるそうだ。樹液の煮汁で犬を洗うと皮膚病が治ると言われたためだ。こちらは直訳されなくてよかった。
<薄紅色の可愛い君のね/果てない夢が----->。一青窈さんが歌う「ハナミズキ」の通りの可憐さである。米国に桜を贈った返礼として日本に来て、各地で街路樹となった。ソメイヨシノが散ったあとの寂しさを慰めてくれる花でもある。
終末の春の嵐が収まり、穏やかな気候となった。進学や就職で新しい環境にある人たちも、ようやくみんなの名前を覚え、自分の名も覚えてもらった頃か。親しくなり、ニックネームを授かった方もおられよう。
<記憶より見慣れし花の名を一つ引き出さんとぞアから始める>。かつて歌壇にそんな歌があった。名前を知らなくても思い出せなくても花に目を奪われるのは楽しい。しばらくは落ち着いた日々が続いてくれれば。

 天声人語より
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般若心経とは
般若とはすばらしい知恵のこと。そして波羅密多とは六波羅密多、すなわち
自分よりも他人の救いを先にする「大乗の菩薩」という考え方による実践の
徳目です。
人間は生前の行いによって、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天という6つ
の世界に生まれ変わります。人間よりも下に落ちるのを救うためには、布施
、持戒、忍辱(にんにく)、精進、禅定、智慧という6つの修行をして、成
仏しなければなりません。
布施とは、僧にお経をあげてもらったときや寄付をする際に差し上げるお金
などの財物のことです。布施はお金に限りません。相手の不安をなくす、や
さしいまなざしや言葉などもあります。
持戒とは、戒を持つこと。これを十戒といい、具体的には十戒善を差します。
不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋
恚、不邪見。
忍辱とは、辛抱すること。
精進とは、一生懸命努力すること。
禅定とは、坐禅を組んでこころを落ち着けることです。
6つの修行をすると、智慧が出てきます。これが"般若"です。
仏様の場合、「智慧」と書きます。"知"の下の"日"は、宇宙の真理を指しま
す。
この6つのことを修行することを「六波羅密多行」といいます。こうするこ
とで自身が成仏する助けになります。
お仏壇に水、塗香(ずこう)=塗香(ずこう)は非常に細かい粒子のお香で、
塗香入(ずこうい)れに入れて用います。小麦粉にも似た触感があり、少量を
手に塗り、その香りを吸い、仏前で自らの心身を清めるために使用します。
花、線香、飯、ローソクの6品をお供えするのは、六波羅密多行を知らずに
亡くなったご先祖様に、6つの修行をすることで成仏できることを知らせる
ためです。
水は布施(感謝する気持ち)、塗香は持戒(よいことに励む)、花は忍辱
(怒りやすいこころを鎮める)、線香は精進(怠けごころをなくす)、飯は
禅定(こころを落ち着かせる)、ローソクは智慧(人間の悩めるこころを智
慧の光で明るくする)を表しています。これら6つをお供えすることを六種
供養といいます。お仏壇にお供えをして、お仏前でお経を唱えます。こうす
るこによってご先祖様が成仏できるのです。
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「書かれざるルール」というのが、米大リーグには数多くある。
かつたは、一つのチームの黒人選手の人数は「偶数が望ましい」とされたそうだ。白人選手に「黒人選手と同室になってくれ」と頼まなくてもすむように。
人種差別が激しかった1940~50年代の事例として、ディクソン著『メジャーリーグの書かれざるルール』で紹介されている。白人よりはるかに良い成績でなければ大リーグに昇格できず、すぐに力を出さなければ解雇されるのが黒人選手だったと。
様々な人種の選手が活躍する現状を見ると、差別は過去の話と思いたくなる。それでも時折、大きな事件が起きるのが米国社会である。スターバックスコーヒーの店内で黒人男性2人が逮捕された。
待ち合わせのため店に入り飲み物を買わずに居続けたというが、逮捕に発展するような話だろうか。「私たち白人が同じことをしても、こういうことが決して起きないのはなぜか」との投稿がSNSにあり、抗議が広がった。
公民権運動の指導者キング牧師の暗殺から、今月で50年を迎えた。当時より社会はどこまで公平になったか。とう問いかける報道が相次いでいる。心にとどめて自問しない限りなくならないのが、差別であり偏見なのだろう。
謝罪したスターバックスは5月29日午後、全米8千超の店を一斉に閉じる。差別を防ぐための研修を従業員に施すためだ。「人種差別は許さない」は移民国家の根幹ともいえるルールであろう。その強靭さが試されるている。

 天声人語より
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貿易摩擦
昔もあったな。
また米国から市場開放をごり押しされそう。
トランプ流が不気味だ。

素粒子より
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米国の歌手バリー・マクガイアさんの「明日なき世界」がヒットしたのは1965年。
ベトナム戦争に米軍が介入し始めたころだ。<東の平賀燃えているぜ/大砲のたまが破裂してるぜ>。アジアでの戦いを思わせる言葉がある。
選挙権もないような若者が戦場へ送られる。核のボタンが押されれば逃げる時間すらない。<でもよう何度でも何度でも俺らに言ってくれよ/世界が破滅の前夜だなんて嘘だろう>。核戦争の恐怖がすぐそこにあった米ソ冷戦の時代を映している。
「冷戦が戻ってきた」。国連のグテーレス事務総長がない戦果のシリア情勢をめぐり、そう述べたという。何を大げさなと思われるか。だが米国とロシアが角突き合わせるさまを見ると、指摘はあながち間違っていない。
米国が英仏とともに、シリアを攻撃した。アサド政権が化学兵器を使ったと断じ、後ろ盾のロシアにも非難の矛先を向けた。人体をむしばむ兵器がまたも使われたとすれば極めて深刻だ。しかし、まずは国際機関の現場調査を待つべきではなかったか。
「ロシア、準備しろ。来るぞ」など危なっかしい挑発も続く。限定的な攻撃だとしながら予想を超えて拡大した戦争は歴史上にいくつもある。
「地下で毛布をかぶり『もうすぐ死ぬ』と思っていた」。内戦から逃れた12歳の少女のことばが先日の紙面にあった。大国に求められるのは、人々が暮らしを取り戻せるよう手助けすることだ。人々を翻弄することではない。

 天声人語より
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19世紀後半の米国で「自転車ブーム」が起きたとき、ちょっとした社会問題になった。
この新しい移動手段が、あまりに速すぎたからだ。馬車を引く馬を驚かせ、事故を引き起こした。自転車派と反自転車派が対立し、殴り合いも起きたという。
多くの街で、人々は自転車を禁止しようとしたらしい。馬車ではないからと車道から締め出され、歩行者でもないからと歩道からも追い出された。初期の銀輪がもたらした摩擦である。
その速さは、現代でも問題になる。札幌市で先日、自転車によるひき逃げがあり、警察が捜査していると報じられた。歩道で小学生がはねられ、足の骨が折れたという。
少し前には川崎市で、左手にスマホ、右手に飲み物を持ちながら電動自転車に乗っていた女性が、歩行者にぶつかり死なせる事故もあった。自動車に比べれば弱い存在でも歩く人には脅威となる。
背景にあるのは「自転車は車道を走る」という原則を守ることの難しさだろう。自転車専用のレーンがない、路上駐車が多く走りにくい----。阻む要因を一つ一つ改善していくしかない。ヘルメットの義務化など、車道を走る際の安全策も足りなくはないか。
初めて自転車に乗れるようになった時の感激を覚えている方もおられよう。風を感じ、季節を思いながらペダルをこぐ。自転車ゆえに見えてくる風景がある。道路をともに使う人たちに目を配りつつ、春を楽しみたい。

 天声人語より
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CIA長官北朝鮮訪問
首脳会談の前に金正恩氏と会談していた。
首脳会談に向けて水面下の準備交渉。
また、トランプ大統領は物事がうまく運べなければ、会談を取りやめることもあり得るとも語っている。

紙面より
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〈震度7眠れぬ夜を車上泊 闇にヘリ音波打つ大地〉。1月に観光された『震災万葉集』である。
2度の激震に耐えた熊本地震の被災者たち延べ945人の詩歌3226点収められた。
〈またか、心で叫びその刹那 今度がでかい、と本震の夜〉〈「はよ乗って」息子は吾をせきたてる津波注意報出たる深夜に〉。胸の奥、腹の底からほとばしり出たような言葉が並ぶ。
「生活の再建に忙しい時期ですが、期待以上の数でした。常ならぬ天災に遭うと、人間は何か書き残しておきたい衝動にかられるようです」。編集したくまもと文学・歴史館の服部英雄館長は話す。貴賤の隔てなく4500首を収録した『万葉集』の心意気にならい、書名とした。
阿鼻叫喚だけではない。お国言葉を生かした肥後狂句にはユーモアも漂う。つらいを意味する熊本弁「のさん」という題に続く句を求めると、ある人は「農機野菜と添寝する」。別の人は「元彼がいる避難先」。相手も気まずかったことだろう。
短歌や俳句のほか、漢詩や随筆も寄せられた。五行歌のひとつに〈熊本城 一本足石垣の 補強のみ 本丸も いまだ無残〉。地の神の怒りをわが身で経験した人々の生の文芸作品には、巧拙など問わずに残す価値がある。
〈熊本の大地を恃み住み暮らす地震のありとも我らが山河〉〈復興にかかる歳月分からねど風よ光よ阿蘇よふたたび〉。震災から今日で2年、なお3万8千人が仮住まいのままだ。ページを繰るほどに勇気づけられる。

 天声人語より
あびきょうかん【阿鼻叫喚】とは。意味や解説、類語。1 仏語。阿鼻地獄と叫喚地獄とを合わせた語。地獄のさまざまの責め苦にあって泣き叫ぶようすにいう。2 悲惨な状況に陥り、混乱して泣き叫ぶこと。
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中国のGDP6.8%増
中国の2018年1~3月期の国内総生産は、実質成長率が6.8%だった。17年10~12月期と横ばい。

紙面より
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大阪・梅田から阪急宝塚線で北西へ約10分、庄内駅を降りてほどなく森友学園の小学校に着く。
校舎は未完成のままだ。雑草が伸び、「瑞穂の国記念小學院」と書かれた郵便受けの錠には赤茶けたさびが浮かぶ。
すぐ隣に音楽大学があり、楽器を抱えた学生が行き交う。「いい土地ですか、前に進めてください」。首相夫人の安倍幸恵氏の発言だとして財務省の公文書にあった一節を思い出す。
「トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか」。財務省の職員が学園側に口裏を合わせるよう働きかけていたことが判明した。敷地を一回りすれば、何千台もかけて土を搬出するほどの広さがないことは素人目にもわかる。
ごみを理由に8億円もの値引きがされたかと思うと、納税者としては改めてむなしさを覚える。色落ちした「国有地」の貼り紙が風に揺れていた。
学園をめぐる疑惑が初めて国会で取り上げられたのは昨年2月。全容はなお解明されていない。明恵氏の関与がナゾに包まれたままである。国有地払い下げに関わっていないのか。100万円の寄付はあったのか。首相や財務相、理財局長を幾度ただしても一向に真相が見えない。きのうの集中審議も成果に乏しかった。
北朝鮮の動向、米中の貿易摩擦、金融緩和の出口策など急いで取り組むべき課題は大和ある。まさに内憂外患である。明恵氏を国会に呼び、真相をつまびらかにしてもらう以外に局面打開の道があるだろうか。

 天声人語より
明恵氏を呼んでも今までの参考人招致と同じで、野党の納得できる回答が得られるとは思えない。
野党やメディアは何時までもほじくって長引かせようとしている。

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日中経済対話開催
経済閣僚が経済協力を話し合う「日中ハイレベル経済対話」が都内で始まった。
開催は8年ぶり。
米中の貿易摩擦が深刻化する中、自由貿易の重要性などを議論する見通し。

 紙面より
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道の両側からソメイヨシノが枝を伸ばし、淡い紅をたたえた花がトンネルのように空を覆う。
福島県富岡町の夜の森地区で今週末、春の恒例行事「桜まつり」が8年ぶりに開かれる。
明治30年代、原野を開墾した住民らが記念に植えたのが始まり。「桜のトンネル」は東北でも指折りの春の名所となったが、原発事故で一変する。町全体が避難を余儀なくされ、まつりも中断。再開後は「復興の集い」など別の名で続けられてきた。町の広範囲で避難指示が解除されてから1年。今春、慣れ親しんだ名に戻す。
「ようやく祭りらしい祭りを開けるようになりました」と実行委員長の大和田さんは喜ぶ。震災後は一家でいわき市に避難し、経営する看板製作会社は今も帰還困難区域内にある。
桜並木の一部も同じくバリケードの中だ。同じ町に根付いた桜ながら、人にめでられる花と人の目に触れずに散りゆく花がある。その無情を思う。
今年で各地でせき立てられるように桜が開花した。富岡町でも寒さの冬からいきなり汗ばむ春に移ってしまった。「まだ咲くな」「慌てるんでねえ」。まつりの時期に一輪でも多く枝先に残るよう声をすけて回る住民の姿も見られた。
富岡町ではこの春、小中学校にようやく子どもたちの歓声が戻った。町立図書館が再開し、はろも動き出した。たとえソメイヨシノが見ごろを過ぎても、夜の森地区へ足を運べば、少しずつ町が本来の姿を取り戻す過程が見える。再起の春である。

 天声人語より
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物忘れをすれば新しいものが入りやすくなる。
集めた情報で身の回りを固めていると、人間は干からびていく。情報はどんどん捨てる方がいい。
といっても人の記憶はままならない。「覚えようとするものは忘れがちなものだが、忘れようとするものはなかなか忘れられない」。自分の記憶ですらこうだから、人様の記憶などおよそ思い通りにいかないと考えるのが普通だろう。
ところが最近、「忘れられる権利」が話題になる。自分に関する不都合な情報をネット上から消させる権利、つまりは人様に忘れてもらう権利だ。欧州では、以前のトラブルについて新聞記事がずっとネットに残り、不利益を被った人が訴えて、5月に検索結果の削除が認められた。
日本でも似た争いがある。自分の名前を検索すると犯罪に関わっているかのような結果が出て、生活が脅かされている。そんな申し立てに東京地裁は先日、人格権の侵害を認め、削除を命じた。検索最大手のグーグルが、この命令に従うと表明した意味は大きい。
仮想世界を漂う「記憶」は時に凶器になる。その適切な取り扱い方を確立すべく、試行錯誤が続く。

 天声人語より
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主人公の安西こころは中学1年の女子。入学まもない4月、怖くて学校に行けなくなる。
同級生から一方的に敵視されて嫌がらせを受け、心に傷を負ったからだ----。辻村深月さんの長編『かがみの孤独』が本屋大賞に選ばれた。
昨春の刊行依頼、不登校の問題に取り組む人々に広く支持されてきた。「不登校の渦中にある生徒の思いは言葉にしにくい。その心境を丁寧にすくい取った小説だと思う」。20年ほど前から不登校の若者と向き合ってきた「不登校新聞」編集長の石井志昂さんは話す。
石井さん自身、中学時代に不登校を経験している。同級生の冷たい視線、高圧的な教師、両親の期待。それらが一挙に押し寄せた。代わりに通ったフリースクールで不登校新聞の創刊に携わった。
文科省によると、不登校の中学生はこの数年、増え続けている。「いま学校側は生徒を枠からはみ出させないよう必死。生徒も疲れ切っている」と石井さんは見る。
小説で主人公の救いとなったのは、自室の鏡の奥にある異世界の「城」だった。辻村さんも不登校新聞の取材に「私の人生で一番つらかったのは中学時代」と語っている。本の世界に居場所を見いだし、何とか通い続けそうだ。
作品を読み終えて思い出したのは、中学特有のあのヒリヒリした感覚である。教師や友人の心ないひと言に人格を全否定されたように感じ、孤独の淵に沈んだ。中学生たちが心穏やかに過ごせる多様な「城」をこの社会は提供できているのだろうか。

 天声人語より
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スマホの通信量節約、無線LANの活用を
携帯電話の通信費が政府レベルで問題になるこのごろ。長男が驚くようなことを言った。「すまをほ家でWi-Fiにつないでいない友達、けっこう多いと」。
動画や音楽のストリーミングなど、スマートフォンで人気のサービスの多くは、大量のデータ通信を必要とする。例えば国内最大規模の動画サービスdTVの場合、4段階中2番目によい画質を選ぶと、1時間ドラマを12話見たら約7?バイトの通信料になる。スマホの1カ月の通信料の一般的な上限だ。このためdТVやアマゾン・プライム・ビデオなどでは、作品を事前にスマホにダウンロードし、出先では通信をほとんど使わず視聴できる機能を備えている。その前提となるのが、家庭に無線LANがあることだ。
だが総務省の通信利用動向調査によれば、2014年末のブロードバンド回線接続世帯の無線LAN利用率は73.7%、これがスマホ保有世帯では68.9%に下がる。また家庭に無線LANがあっても、家族全員がスマホを接続しているとは限らない。「自分の家族はスマホで無線LANの設定をしない。携帯電話の通信量上限も知らないらしく、『スマホが遅くなる』と言っている」と嘆く人もいる。パソコンと違い、スマホは家庭内回線なしでネットに接続できてしまうためだろう。だがそれでは、スマホの通信量は天井知らずになる。
スマホの無線LAN接続は難しくない。
すでに無線LANルーター(親機)がある場合は、スマホの設定画面で「Wi-Fi」の項目をタッチすると、SSIDと呼ばれる親機の識別記号が表示されるので、それを選んでパスワードを入力する。SSIDとパスワードは親機のマニュアルなどに書いてある。これだけで家の中でスマホが通信し放題だ。無線LANがなくても、家にネット回線があれば、無線LAN親機を購入して回線に接続、同様の操作をすればいい。3~4部屋以上の家庭なら、1万数千円の高性能のものがよい。「11ac」という最新の高速通信規格に対応した製品がおすすめだ。
スマホの通信費の高さや通信料がすぐに上限に達することが問題になるが、無線LANを使っていないことが、その隠れた原因の一つかもしれない。この際、家族が自宅でスマホを無線LANに接続しているか、点検してみてはいかがだろうか。

 ネット点描より
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ランチに欠かさず水か果物を摂る。夕食時には必ず15分間走る。
そんな習慣を身につけるには何日を要するか。10年ほど前、英国の心理学者たちが実験で得た答えは66日だった。
被験者はユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの大学院生ら96人。1割以上が脱落したが、残りは食事や運動を続けた。66日を超えると苦ではなくなり、生活に根を下ろしたそうだ。
サッカーW杯の開幕が6月に迫る中、日本代表の監督が唐突に交代することになった。「選手との信頼関係が薄れてきた」ためという。それにしてもこれほど間近に指揮官を代えて大丈夫なのだろうか。心配になってカレンダーを見ると、ちょうど66日前だった。
代表チームを率いて3年。ハリルホジッチ氏が情熱をこめて選手たちに説いたのはフランス語で言う「デュエル」と「マラン」の大切さ。相手を撃破し、翻弄せよ。丁寧なパスでつなぐ「連係」重視の日本サッカー界に新風を吹き込もうとした。しかしそれは同時に、深刻なあつれきを生んだと聞く。
解任を告げられると「なぜこの時期に」と反論したそうだが、W杯の本番直前に監督が解任されるのは、さほど珍しいことではない。今大会でも豪州やサウジアラビア、セルビアで本選出場が決まった後に監督が交代している。
さて西野朗新監督に与えられた時間は残り66日。サムライブルーの士気を高め、勝ち癖をつけるには決して短くない。換算すれば570万2400秒である。

 天声人語より
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米TPP復帰検討へ
トランプ大統領は離脱したTPPについて、復帰に向けて再交渉すべきかどうかけんとうするよう指示した。
保護主義に反発する米農業界などへの配慮や、通商摩擦が続く中国への「カード」として示す狙いもあるとみられる。

紙面より
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日に日に暖かくなり、東京都心の皇居外周は、市民ランナーたちで賑わっている。
日ごろ運動不足の筆者もたまに走ってみるが、膝や脛がすぐに痛くなってしまう。多くの人にも同様の悩みがあると聞く。走り方の専門家を訪ねた。
高岡尚司さんは熊本国府高陸上部のコーチ。首都圏で市民ランナーも指導し、鍼灸マッサージ師でもある。この道を選んだきっかけは選手時代の苦い経験だ。高校・大学は陸上の強豪校だったが、大学4年でふくらはぎを負傷し、箱根駅伝のメンバー入りを逃がす。
治療家として、ランナーのけがの悩みを聞いてきた。走り方を根本的に見直そうと試行錯誤し、8年前、試しに裸足で走ってみた。足の裏は擦りむけ、ふくらはぎは何度も肉離れした。
だが同時に、体のあちこちに無駄な力が入っていたことに気づいた。「裸足だとフォームが悪いとすぐに痛みが出る。人間本来の自然な走りが身につきます」。裸足で走り始めてから2年後、けがは減り、マラソンを2時間45分39秒で完走した。
昨年、人気を呼んだテレビドラマの「陸王」は、「マラソン足袋」を作る零細企業が大手シューズ会社としのぎを削る物語だ。池井戸潤さんの原作小説のモデルになった会社に、「裸足感覚で走れる足袋を」と提案したのは高岡さんである。足が凍れる冬場には欠かせないという。
筆者もさっそく裸足で走りたいと考えてみたものの、たちまち足を痛めてくじけそうだ。まずは芝生を歩くことから始めようか。

 天声人語より
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大麻摘発初の3千人超え
昨年の大麻に絡んだ逮捕・書類送検したのは前年より472人多い3008人。
初めて3千人を超えた。
10代から30代の若い世代への広がりが目立つ。

紙面より
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重要政策論の不在 残念
事実も想像力も、また様々な政治的思惑も推測もごちやまぜになったマス・センティメントであり、この大衆民主政治というものなのであろう。その時その時の不安定なイメージや情緒によって政治が右に左に揺れ動くのが大衆民主政治というものだから。
わたしがもっとも残念に思うのは、今日、国会で論じるべき重要テーマはいくらでもあるのに、そのことからわれわれの目がそらされてしまうことなのである。トランブ氏の保護主義への対応、アベノミクスの成果、朝鮮半島をめぐる問題、米朝首脳会談と日本の立場、TPP等々。
 私は安倍首相の政策を必ずしも支持しないが、それでもこうした問題について安倍首相は、ひとつの方向を打ち出しており、そこには論じるべき重要な論点がある。問題は、野党が、まったく対策を打ち出せない点にこそある。だから結果として「安倍一強」になっているのだ。
 日本社会は今日、大きな岐路にたたつれていると私は思う。麻生財務大臣が「森友学園問題はTPP問題より大事なのか」と言って物議をかもしたが、当事者の発言としては不適切だとしても、当事者でないメディアが述べるのは問題ないであろう。財務省の文書改ざんの「真相解明」はそれでよいとしても、それ一色になって、重要な政策論が見えなくなるのは残念である。安倍首相の打ち出す方向に対する代替的なビジョンを示して政策論を戦わせるのもまた、いやその方が大新聞やメディアに課せられた役割であろう。

 異論のススメより------佐伯啓思
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大分で土砂崩れ
雨も降っていないのにどゃくずれが発生。
山の斜面に近いところの住宅はこんな危険が潜んでいるのだと改めて感じている。
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重要政策論の不在---その一
昨年の今頃、米国のトランプ大統領が空母を日本海方面へ派遣し、米朝戦争が勃発しかけていた。ところが日本の国会はといえば、戦争の危機などほとんど話題にもならず、ひたすら森友学園問題一色であった。
 それから1年、国会の予算委員会では、また森友学園で大騒ぎである。この1年、国会で論じられた最大のテーマは何かと世論調査でもすれば、たぶん、森友・加計学園問題だということになるであろう。両社は、今日の日本を揺るがすそれほどの大問題だったのか、と私など皮肉まじりにつぶやきたくなる。
 朝日のスクープした財務省の文書改ざん問題は、森友学園問題というよりも、まずは財務省の問題であり、官僚行政の不法行為に関わる問題である。私は、この問題の重要性を否定するつもりは毛頭ない。しかし、当然ながら野党は朝日のスクープを安倍政権打倒の格好の材料とみなし、その後、対新聞もテレビの報道番組もワイドショーも、連日のように、「真相究明」をうったえ、このひと月、日本の政治は財務省、森友一色になり、安倍政権の支持率は一気に下降した。
財務省の文書改ざん問題と、昨年来の森友学園問題はいまのところ別問題である。しかし、野党や多くのメディアもまた大方の「識者」も、官僚行政がせいじによって(特に首相の私的事情によって)歪められたことは民主主義のは会だ、と言っている。だが、私には、現時点でいえば、この構造そのものが大衆化した民主政治そのものの姿にみえる。
 今、この問題はおおよそ月のように論じられている。「財務省のなかで、森友学園に対する国有地払い下げ問題についての決裁文書が書き替えられた。日本を代表するエリート集団であり慎重にも慎重を期すはずの財務官僚がこのようなことをするとは考えられない。とすれば、強力な政治的圧力がかかったのであろう。それだけの政治的圧力をかけるのは官邸か財務大臣であろう。にもかかわらず、さがわ前理財局長にすべての責任を負わせて幕引きをはかろうとしている」。
 おおよそこれが、野党の主張であり、テレビのワイドショーや報道番組も含めた大方のメディアの報道姿勢であり、まさしくその方向で世論が醸成されている。
しかし、現時点で確かなことは、ただ財務省内部での改ざんの事実であり、官邸の関与はなかったと佐川氏が発言したことであり、森友学園問題は現在、検察が捜査中、ということだけである。官邸が関与したという事実は何もでていない。財務省内部で「忖度」があろうがなかろうが、首相夫人が安易なリップサービスをしようがしまいが、それは官邸の関与を示す証拠にはならない。
現時点では証拠はない。だが証拠がないから、野党は、財務省も官邸も「真相」を隠そうとしている、と主張する。多くのメディアがそれに同調し、連日のテレビや新聞報道を通してそれが世論になる。ひとたび世論となれば、国民は「真相解明」を求めている、ということになる。こうして、あたかもかんていや財務大臣が財務省に圧力をかけ、「事実」を隠蔽しようとしているかのようなイメージが作られる。だがそれが事実かどうかは現時点ではまったくわからないのだ。

 異論のススメより-----佐伯啓思
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シリアの化学兵器使用問題
米国は国連安全保障理事会の緊急会合で正義 果たすべき時期と述べ、軍高度にでる可能性を示唆。
一方のロシアは拒否権行使で擁護。
拒否権を使えばそれを口実に実力行使に踏み切る可能性がある。

紙面より
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財務省悪玉論に走る愚。
欧米諸国では近年さまざまな予算改革が実施されている。主要国最悪の借金大国である日本もそこから学び、採り入れるべきものはあるかもしれない。とはいえ、いまような「財務省悪玉論」に乗って同省の権限を弱めることを目的に機構改革に乗り出すのでは、いかにも危うい。
 財務当局とはいわば「宴会幹事」のようなものだ。出席者たちがみな泥酔してしまっても、ひとり冷静に勘定を終え、会費を徴収しなくてはならない。無粋で、嫌われ者になったとしても、欠かせない大切な役回りなのである。
 かつて自民党税制調査会のドンと呼ばれた故山中貞則氏は会が紛糾すると、「黙れ」と制して幹部たちをこう論したという。「ここにいる大蔵省主税局の諸君の話も聞きたまえ。聞かずに決めたら、国を誤るぞ」。
 改ざん問題の余波で、来年10月予定の消費増税の実施が難しくなったとの見方も出ている。財務省にお灸をすえたいと思うあまり、世論がそんなムードに乗ってしまえば、まさに国を誤る。
 消費増税は財務省のためでなく、国民生活の安定のために欠かせないものだ。冷静な世論が求められる。

紙面より
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貿易摩擦
戦争、報復、歯には歯を。
米中2大国の危うい貿易摩擦。
両国含め、勝者不在のチキンゲームを止められぬ不合理。

素粒子より
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アニメ監督、高畑勲さんの住まいの周りには、東京でありながら畑や雑木林が少し残っていた。
スズメの声がにぎやかな竹やぶもあったが、あるとき切り払われて駐車場になった。スズメたちはどうしたのだろう。そんな思いが映画の着想につながったと著書にある。
1994年公開の「平成狸合戦ぽんぽこ」である。高度成長期、ニュータウン開発ですみかを奪われるタヌキたちが立ち上がり、人間に対抗する。
わくわくするのにスカッとはしない。不思議な味わいが印象に残っている。タヌキは化ける能力を使って人間を脅し宅地開発を断念させようとする。そんなことで止まるはずはなく、仲間は散り散りに。人間に化け都市生活を始める者もいる。
高畑さんが82年の生涯を閉じた。児童文学に新たな命を吹き込んだ作品があり、戦時下の子どもを描いた映画がある。そして何より自然と人間はどうあるべきかを考えさせてくれた。
「おもひでぼろぼろ」では農村風景について登場人物にこう語らせている。「人間が自然と闘ったり、自然から色んなものをもらったりして暮らしているうちに、うまいことできあがってきた景色なんですよ」。自然と人間の共同作業があるのだと。
「平成狸合戦」の終盤、タヌキたちは開発された殺風景な団地に、失われた山村の幻影をよみがえらせる。持てる念力のすべてを使った。そんな風景を忘れたくない。自然と人間のつながりを失いたくない。高畑さんが映画にこめ続けた念力である。

 天声人語より
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老後の健康、歩いて外出できる体力を
「団塊世代」が、10年足らずで75歳以上の「後期高齢者」となる。その後の人生の明暗は「歩いて外出できる体力の維持」にかかっている。家事をこなし、公共の乗り物で移動し、スーパーで買い物ができれば、一人暮らしも可能だ。外出できれば、近所の人とも交わり、草花や風のそよぎに季節を感じ、心も豊かになる。買い物をすれば計算もする。歩けなくなると一挙にそれらを失い、医療、介護の対象になる。
心身を動かさないと老化は加速する。そのターニングポイントは、男性の場合、定年退職時にある。ここで手を打つには、いわば「大人の義務教育」のように場が有用と考える。「定期的に歩いて外出する場」を提供し、地域とのコミュニケーションの構築、健康・調理などの知識と技術を習得することを目標とした授業をしてはどうだろうか。
歩いて通えることが前提なので、65歳前後の1~2年間、半日程度のコースで週に2回ぐらい学区の小中学校の空き教室に集まってもらう。
全員参加は、ホームルームと健康講座くらいにしておいて、パソコン、園芸、手芸などカリキュラムは工夫次第、講師もメンバーの中から出てくるだろう。栄養の整った学校給食を食べれば、筋力低下予防にも効果があるはずだ。
自治会などで対象者全員に声がけするが、親や孫の世話、仕事や趣味を理由とする不参加は可とする。だが、出欠届は義務とする。元気だけど、自ら積極的に出向かない人々を集めることで、点と点がつながり面となれば、子育てや介護、防災の一助にもなり、地域に飲み仲間やゴルフ友むだちもできるだろう。終了後は自主活動が継続すれば成功だ。地域差はでるだろうが、医療費や介護費の削減に向けて、市町村でこのような「大人の義務教育」に取り組むことはできないだろうか。

 オピニオンより-----健康運動指導士・山田佐世子
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もしも、こんなアナウンスがあったら----。
「機内に急病の方がいます。お客さまの中に、お医者さまはいらっしやいますか。ただし男性のお医者さまに限ります」。そんなばかな。しかし実際、似たようなことが起きた。相撲の土俵で。
ところは京都府舞鶴市、大相撲の春巡業である。あいさつしていた市長が倒れ、客席から看護師の女性が土俵に上がり心臓マッサージを施した。称賛すべき行動だと思うが、行司はマイクで「女性の方は土俵から降りて下さい」と制した。3回も。
「不適切な対応だった」と日本相撲協会の責任者が謝罪している。「土俵は女人禁制」の伝統に縛られず、柔軟に対応すべきだったと言いたいのだろう。ただ、相撲協会こそ自らを伝統に縛り付けてきたのではないか。
女性官房長官が内閣総理大臣杯を手渡したいと言った時も、女性知事が知事賞の授与に意欲を示した時も、協会は「どうぞ土俵の上に」と言わなかった。一方に例外なしで守られてきた伝統があり、一方に緊急事態があった。闇に挟まれ動転した行司の心理も分からなくはない。
江戸時代は女性の相撲観戦には制限があり、自由に観られるになったのは、明治以降である。伝統は固定したものではなく変わりうる。そういえば記紀に初めて「相撲」の文字が登場するのは、日本書紀にある女同士の対戦だそうだ。
女性首相が誕生したら、内閣総理大臣杯の授与はどうするのだろう。気持ちが動転する前に、考えておいた方がいい。

 天声人語より
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夜型生活取り戻すには、朝日を浴びる。
乱れた睡眠のリズムを取り戻すにはどうすればいいのか。
①朝に日光を30分ほど浴び、睡眠ホルモンに関わる体内時計をリセットする
②日中に適度な運動をし、夜とのメリハリをつける。
③胃や腸を休めた状態で眠るために、就寝の3時間前には食事を終わらせる。
④夜は強い照明を使わないで過ごす--などが効果的という。
また、乱れた体内時計を整えて規則正しい生活リズムを手に入れるために、毎日の睡眠時間を記録することを勧める。起床・就寝時刻や寝ていた時間、途中で起きた時間・回数を振り返り、できるだけ毎日同じリズムを繰り返すようにする。休日だけ起床時間が遅くなる場合は注意が必要だ。平日の起床時間と2時間以上ずれると翌週の前半は時差ボケの状態となり、心身への負担が増えるという。
体内時計が乱れたままだと、睡眠時間帯が日常生活に支障を及ぼす「概日リズム睡眠障害」になる恐れもある。「朝起きられないなどの症状は『やる気がない』『だらしない』と見られがちだが、治療が必要な場合もある。受診をためらわないでほしい、と話している。

 はぐくむより
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米国との貿易交渉がいかに厄介だったか。1990年代に通産相だった故橋本龍太郎は、こんなふうに例えている。
柔道の試合のつもりで交渉に臨んだが「向こうがやってきたのはアメリカン・フットボールだった」
80~90年代に火花が散った日米貿易摩擦の一場面である。自動車部品をこれだけ買えというのが米国の要求だった。柔道のような駆け引きは通用せず、こちらが下がれば向こうがどんどん前に出てくる。自分もアメフト流にやり方を変えたと、橋本氏が回顧録で述べている。
当時がアメフトなら、今回はボクシングの連打か。米政府が新たな関税をかける中国製品1300項目を発表した。鉄鋼ーの高関税に続く措置で、電子機器から医薬品まで幅広い分野に及ぶ。「米国第一」を掲げるトランプ大統領の姿勢が次々と形になっている。
中国も対抗して大豆や自動車などに報復関税をかけるという。摩擦でも交渉でもなく、「貿易戦争」のことばが飛び交うのは、とても穏当とは言えない。
80~90年代に比べ、国をまたぐ経済活動はずっと広がっている。米企業が製品を中国で組み立て、世界に輸出する例は珍しくない。貿易の垣根を一方的に高くすれば混乱は自国にも及ぶのだ。分かっちゃいるけど、目先の人気取りが優先する。それが米国の現状なのか。
トランブ氏は日本との貿易にも不満を口にしている。いつ誰にパンチを繰り出すのかすら読めない。レフェリーも見当たらずルールがあるのかも怪しい競技場である。

 天声人語より
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貿易摩擦
トランプ大統領は中国に対して1千億㌦分を上乗せする検討を示唆。
中国が米国の関税案への報復を発表したことへのさらなる対抗措置。

紙面より
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小さな子どもの言葉がいざなってくれる世界がある。
飛行機雲を見上げて「ひこうきが、お空にらくがきしてる!」。夏の日に朝顔を見て「あさがおってどうして朝だけさくの。ひるまになると小ちゃくなっちゃうの。早起きしたからおひるねしているの」。
いずれも口にしたのは3歳児である。保育の現場に詳しい今井和子さんが著書『子どもとことばの世界』で紹介している。心が対象と一つになっている姿が、詩人と共通しているように思えてならないと。
そんな3歳児から義務教育を始めると聞けば早すぎると感じられるか。フランスから届いたニュースである。現在は日本と同じく6歳からだが、来年秋に引き下げる。
子どもたちの格差を是正するのが理由だという。欧州メディアによると、日本の幼稚園にあたる保育学校には現在も3歳児の97%が通っている。それでも場所によりばらつきがあり、貧困地域では割合が低めだという。明確に学校と位置づけ人生のスタートラインをそろえる。
生まれた家庭の差が教育の差につながり、格差が再生産される。先進各国で指摘される懸念である。公教育の力を使い、溝を埋めようとするフランスの姿勢は価値あるものだろう。願わくは苗木たちを無理にまっすぐにしたり、競わせたりすることのないよう。
今井さんによると3歳は「こんこともできる」「あしたもやる」などの言葉が目立つ頃でもある。将来へと続く意欲をどう育むか。日本の幼児教育にとっても課題であろう。

 天声人語より
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株価の乱高下
ダウは悲観と楽観が入りまじって前日の終値を挟んで785ドルも値動きした。
結局、230㌦あまり高い2万4264.30㌦で取引を終えた。

紙面より
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そこは爆撃にさらされるシリアのまちである。
崩壊した家屋の下から、若者たちが本を掘り出そうとしている。命がけで。汚れをぬぐい、敗れたところを繕う。いったい何のため? 図書館をつくるのだ。
民主化の動きをアサド政権が弾圧したところから始まったのが、シリア内戦である。政権軍に抵抗して戦うダラヤのまちに、手作りの図書館があった。フランスのジャーナリストがネット回線を通じて取材し、書き上げた『シリアの秘密図書館』で知った。
歴史から心理学、児童文学まで蔵書は1万5千冊に及んだ。戦場で本にかじりつく若者の多くは、それまで読書が好きではなかったという。「本を読むのは、何よりもまず人間であり続けるためです」との言葉が突き刺さってくる。
シリアの各地で戦闘が起きてから、この春で7年となる。犠牲者は35万人にのぼり、民間人が3分の1を占めるともいわれる。「今世紀最大の人道危機」と言いながら、何もできていない国際社会があり、私たちがいる。
シリアの人々の前にあるのは、あまりに過酷で不条理な現実であろう。そのなかで正気を保ち、未来を思い描くために書物が求められたのか。異常な環境下でも息づく精神の営みがある。そんな人たちを押しつぶす暴力が続いている。秘密の図書館は今はもう存在しない。
図書館に本を収めたとき、若者たちは元の持ち主の名前を書いていったという。戦争が終わったら所有者の手に戻るようにと。そんな日が来ることを祈る。

 天声人語より
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カジノ法案
「3カ所」「入場料6千円」で自公が合意。
回る回るルーレット。消えてなくなる金、金、金。

素粒子より
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あなたは会社員で、新規事業を社内で認めてもらいたいとする。
ただ、内容に不安が残り、大勢にうまく説明する自信がない。
その場合、承認のハンコをもらう上司は少ないほどありがたい。付け届けをして取り入る手もある。
同じことは原子力発電にも言えるのではないか。国や電力会社は、原発の立地する自治体を交付金や寄付で丁重にもてなし、反対意見を抑え込もうとする。大事故があれば周辺自治体にも被害が及ぶのに、彼らの声は聴かない。
そんな振る舞いに待ったがかかるか。茨城県東海村の東海第二原発で、水戸市など周辺5市の発言権を強める安全協定が結ばれた。
再稼働する場合、従来は東海村と茨城県の了解ですんだ。今後は5市も、実質的に拒否権を持つ。
東海村の前村長、村上達也さんを訪ねた。福島の事故のあと、広大な無人の地ができることに愕然とし、周辺自治体の声も反映すべきだと訴えてきた人である。東海村だけに利益が入り、発言権のあったのは「不正義だった」と言い切る。「原発は福をもたらす。そんな考え方に立地自治体は安住しがちだ」。周辺の視線が必要となるゆえんである。
脱原発一色とはいわないまい゛も、原発のリスクに人々は敏感になっている。問題は、それを受け止める制度や政治が乏しいことだ。茨城の協定は大きな一歩となろう。
各地の電力会社もよもや、ハンコを押す人の増加を恐れることはあるまい。安全対策に力を尽くし人々を納得させる自信があるならば。

 天声人語より
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NYダウ大幅下落
2日のニューヨーク株式市場は、知勇語句が米国への報復関税を決めて貿易戦争の懸念が強まったとして、大幅に値下がりした。
終値で前日比458.92㌦安い2万6344.19㌦。
東証も一時300円超値下がりした。

紙面より
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季節は春、そして満月の晩というから、ちょうど31日の夜くらいだろうか。
13歳の魔女キキが知らない町へと旅立つ日が近づく。周りの心配をよそに、キキは元気に言う。「贈りもののふたをあけるときみたいにわくわくしているわ」。
児童文学者、角野栄子さんの『魔女の宅急便』である。ほうきで飛ぶ魔法を使い、新天地で小さな宅急便屋を始める物語は、各国で読まれている。角野さんは先週、「国際アンデルセン賞」の作家賞に選ばれた。
アニメ映画でご存じの方もおられよう。政策に関わった鈴木敏夫さんは作品を読んだ時、読者はむしろ若い女性ではないかと感じた。「田舎から都会に出てきて働く女性たちのことを描いた本」だと思ったと取材で述べている。
忙しそうに歩く人を見て、理由もなくおびえる。町の何もかもが知らんぶりした顔で動いているように見え、なじめない。「こんなことじゃいけない。何かあたしにできるものを見つけなくちゃ」。キキの焦りは、痛々しくもまぶしくもある。
就職や進学で新天地に赴く。ひつようなのは、小さな魔法の力かもしれない。怖がらずに話しかけられる魔法。寂しいときにもめげない魔法。ひとりの時間を大切にできる魔法------。新生活の助けになってくれれば。
読んでいてキキの両親に目が行くのは我が年齢のせいか。厳しく励ます母親、「うまくいかなかったら帰ってきてもいいんだよ」と言う父親。日本のあちこちにキキとその親たちがいる。4月がまた巡ってきた。

 天声人語より
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新入社員
なにごとも最初が肝心だ。
職場で学校で地域で。
春は期待と不安がないまぜに来る。
けさ、駅にスーツ姿で硬い表情の青年あり。
初出勤か。

素粒子より
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飼育の世界に40年、元上野動物園の小宮輝之さんの近刊『動物園ではたらく』を読んだ。
飼育係として感じた喜びや悩み、数々の失敗談にひかれ、自宅を訪ねた。
東京生まれ。幼いころ上野で見たゾウに心を奪われ、ゾウの絵の服をせがんだ。小学校の遠足先では伝書バトを放つ帰巣実験を成功させる。高校では魚類に、大学では野鳥にのめり込んだ。念願の職を得て、最初に勤めた園では、存分に観察のできる宿直を率先して引き受けた。
夜の動物園は異世界だ。見物の人波が去ると動物たちは地金を隠さない。チンパンジーは駆け出しの小宮さんをあなどり、給餌スプーンを奪い、寝具の麻袋を隠した。
脱走となれば一大事である。小宮さんの担当ではヤクがかんぬきを外して逃げ出した。従順な性格に油断した。クジャクが近くの線路で羽を広げ、電車を止めたこともあった。「死なれるのは無性に悲しい。ですが逃げられることの方が恥なんです」。
上野の園長時代に忘れがたいのは東日本大震災の日。揺れの直前、アイアイが枝から枝へ激しく跳ねた。ゴジラの父親は妻子を抱きかかえる。キジの仲間コジュケイは余震のたび、顔を外に向けて円陣を組む。翌日の園内には、交通が絶えて上野周辺で朝を迎えた人々の姿も見られた。
飼育係も多様である。動物がなつかず自信を失う人、指をかみ切られてもへこたれぬ人。次に動物園に行く時は動物のみならず、飼育係の方々の動きや表情にも目が行ってしまいそうだ。

 天声人語より
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がん予防も運動から
日本人のがんによる死亡は1960年代から増え続けています。がん統計によると、2005年の患者数は67万人、死亡数が34万人と、約半数の方が亡くなっている。74歳までにがんになる確率は47%で、74歳までにがんで死亡する確率は21%。2人に人のはがんになるということだ。
米ハーバード大の有名な研究では、がんの要因はたばこが30%を占め、食事や肥満など生活習慣による影響も大きい。日本人では、たばこによるがんは、年間約9万人に上る。そして肥満もがんのリスクになる。私も14年ほど前は、不摂生で体重が85㌔ぐらいあった。血圧も180ぐらいで、コレステロール値も300近く。思い立ってダイエットを開始。約半年間で25㌔減らし、今もその体重を維持している。
その方法は、低炭水化物ダイエット。海外の論文を読んでこれだと考えた。徐々にご飯、パン、麺類を減らしておかずをメーンにするもの。カロリーはタンパク質で取った。自分で自分を褒めながら続けた。ジョッキングを始め、マラソンにも挑戦している。
がんを防ぐにはまず、適度な運動に加えて、禁煙、健康な食事、検診だ。日本のがん検診受診率は2割を切る状況で、先進国で最低だと言われている。
ただ、それでもがんになってしまう人は多い。その時は、医師とコミュニケーションをよくとって信頼できる情報を得て、自分を責めず、頑張りすぎず、あきらめないで欲しい。

 紙面より---勝俣範之
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スプリングクリーニングと言えば、米国では3月、4月の大掃除を指す。
暖炉の季節が過ぎたいま時分、人々は冬の服や物を片付け、住まいと気持ちを切りかえる。
「講演や取材の依頼が増えるのはやはり春ですね」。そう話すのは「こんまり」こと米国在住の片付けコンサルタント近藤麻里恵さん。7年前に刊行した『人生がときめく片づけの魔法』は世界42の言語に訳された。
「ときめきを感じない物は思い切って捨てる」「部屋の乱れは心の乱れ」「捨てる品には感謝の言葉を添えて」----。整理整頓の極意を書いた本だが、国によっては哲学書や自己啓発本の売り場に並ぶ。
英米では近藤流の核心の「ときめく」はSPARK JOYと訳される。姓のkondoが「片づける」「捨てる」を意味する動詞として使われる。「禅とからめて紹介されるので驚きますが、片付けを通して内面を見つめるという考え方は理解されました」。
台湾やポーランドからも講演に招かれ、名は広まる一方だ。米誌タイムは今年初め、「新たなkondoか」と題する記事を載せた。老年を迎えたら思い出の品々は潔く捨てようと呼びかける本がスウェーデンで刊行され、その方法を新たな片付け術として紹介された。
近藤さんと話して感じるのは、自分の所有物に圧迫される人々の多さである。いとも簡単に物が手に入る半面、誰もが持ち物にからめとられている。各大陸で「こんまり」ニーズは止まりそうにない。

 天声人語より
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