2018年03月の記事


代謝をアップ、ウォーキングで脂肪燃焼。
代謝を高めるために大事なことは、ウォーキングなどの有酸素運動です。読者のみなさんの中にも、歩いている方が大勢いらっしやるでしよう。筋トレで基礎代謝量を上げ、さらに有酸素運動で脂肪を燃やすことで、健康で美しく、疲れにくい体をつくることができる。
ウオーキングは、肥満の解消になるほか、心肺機能が高まり持久力が増す。
▽毛細血管が増え、血流がよくなる。
▽動脈をやわらかくして動脈硬化を防ぐ---
などの効果が期待できる。もっとも手軽で、もっとも高い効果を上げられる健康法といえる。
さまざまな研究で、1日8千~1万歩くらい歩かないと健康効果が引き出せないことが分かってきた。1万歩はハードルが高いので、まずは1日8千歩、1週間で5万6千歩を目指します。多少の「歩きだめ」がききますので、あまり歩けない日があっても、別の日にたくさん歩いていれば補うことが出切る。
まとまった時間をとってウォーキングしなくても、日常生活の短い時間で歩数を稼ぐ方が何かと好都合。ひと駅前で降りる。ちょっと遠くのスーパへ行く、エスカレーターの代わりに階段を使うなど、生活しながら歩数を稼ぎましょう。
ただ、歩くだけで足腰の筋力の低下を防ぐことはできません。併せて筋トレもすることが不可欠です。運動を続けるために、歩数計と、筋肉量がどれくらいついたかを確かめられる体組織計が自宅にあるとよい。

 きょうもキレイより-----筑波大教授・久野譜也
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早春の佐渡を訪ねた。
目当ては、マジックミラー越しに間近でトキのつがいを観察できる施設「トキふれあいプラザ」。開園5年の今年、入居ペアが入れ替わったばかりだ。
昨年まで暮らしたのは16歳のオス雄太と8歳のメスすみれ。飼育係は年の差を心配したが、相性はよかった。3年続けて卵を産み、7羽を巣立たせた。エサも食べずに抱卵に励む雄太のかいがいしさが光った。
亀裂が生じたのは昨春、雄太がすみれを巣から追い出すそぶりを見せた。「抱卵に熱が入らず、気まぐれに巣を離れるすみれに、雄太の堪忍袋の緒が切れたようです」とは獣医師の本間穂積さんの評。
川って入居したのが勇気とさくらだ。勇気は堂々たる体格で営巣意欲も満々である。さくらは移り気。飛来する野性のオスと鳴き交わこともあり、す飼育係は恋の行方に気をもむ。
トキは繊細で警戒心が強い。肉眼で観察できるよう開設されたのがプラザである。3㌔離れた施設では、人工飼育されたトキを野に放つための訓練を施す。田植えの姿を見せ、車の音を聞かせ、人里に慣らす。住民たちは巣に近づかないよう気を配る。
<白き鳥、智慧の鳥、幻の鳥>。新潟県出身の歌人宮柊二が絶滅の危機を悲しんで詠んだ長歌である。官民挙げた半世紀の努力が実を結び、いまや野生と飼育下で450羽を超えた。この季節、トキは気に入った相手にくちばしで小枝を贈る。トキたちが一斉に恋の花を咲かせる佐渡の春に安堵した。

 天声人語より
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東証続伸
一時約1週間ぶりに2万1400円を超えた。
前日の米国株高が追い風に。
最近売られていた米ハイテク株が買い戻しが入り相場全体を押し上げている。

 紙面より
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大戦末期、9歳だった福田康夫元首相は米軍による前橋空襲を疎開先で目撃した。
後に知人に頼まれ、焼け野原となった前橋の写真を探すが一向に見つからない。戦災写真を発見したのは空襲から41年後、米国立公文書館を訪ねた日だ。日本の記録が日本になく、米国ですぐ手に入ることに驚いた。
その後、福田氏は日本にも公的な記録を保管する制度を設けたいと奔走する。首相退任の翌2009年に成立したのが公文書管理法である。公務員に文書を残す義務を課し、公開のルールを定めた。
しかし不都合な書類を隠したがるのは役人の性らしい。その後も防衛省は「戦闘」を記した日報を隠し、文科省は「総理のご意向」と書かれた文書の存在をなかなか認めない。そして財務省は国有地に関する決裁文書を改ざんする。
その焦点だった佐川宣寿・前財務省管財局長が国会で証言した。官邸の関与はなかったと言い切る一方で、「刑事訴追の恐れ」を前面に掲げ、頑として子細を語らなかった。残念でならない。
公文書は時を超えて引き継がれる国民共有の資産ではないのか。英国立公文書館では、牛馬の飼育数まで記録した千年前の土地台帳がいまも公開されている。ノルウェーでは、千年先まで重要文書を保管できる施設が凍土の地に建設された。
日本の公文書史に昨日、モヤモヤの募る証人喚問録が新たに加わった。改ざんの動機は。首相夫人の影響は。後世に残したいのは全容がすっきりと解き明かされた公文書である。

 天声人語より
書いている貴方は刑事訴追されている身でも、何もかも話しますか。
やはり人間なら保身を図るのが当然ではないのか。
分かりきっているのに証人喚問で解決できると野党の議員を含めて考えいたのでしょうか?
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桜の名所の一つ、横浜市南区の大岡川沿いをきのう歩いた。
咲き誇る染井吉野の白の向こうに神代曙の薄紅の花が見える。
八重紅枝垂れ桜はまだつぼみが多い。一口に桜と呼ぶが、樹種によって咲く時期も色も花弁の形もことなる。
区によると両岸に計500本。明治末に住民が植え、戦時中は伐採されて薪にされたが、戦後に植え直される。区は樹齢60、70年をすぎて衰えた木に治療を施す。回復の見込めぬ木は切り分けて住民に提供してきた。
「さくらの記憶」と命名された事業で、10年間に計2千もの幹や枝が引き取られた。桜の生木は硬くて重い。十分に干さないと加工できず、乾かしすぎれば割れる。花は可憐だが、材としては頑固で扱いにくい。
それでも親しんできた桜を自分で加工したい。手もとに置きたいと望む住民は、区の予想を上回った。朽ちた桜が、額縁、座卓、箸置き、植木鉢、靴ベラなどに生まれ変わる。彫刻を作る人がいれば、糸や布を染色する人もいる。
<さくら舞い散る中に忘れた記憶と君の声が戻ってくる>。大岡川に近い京浜急行の井土ヶ谷駅は、電車到着時にケツメイシの人気曲「さくら」の旋律を流す。メンバーの一人がかつてこの街に住んでいたことにちなむ。
桜並木を歩くとふいに記憶がよみがえる。祖父に手を引かれて歩いたこと、一人で足早に通り抜けた10代、恋人と歩いた記憶-----。自分の半生を早送りで見るような思いがする。視界が桜色に染まるこの季節ならではの感覚かもしれない。

 天声人語より
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正恩氏訪中
リムジンの主は北京を離れてからわかる。
北朝鮮を巡り中国もかけひきに乗り出す。
相変わらず蚊帳の外の日本。

 素粒子より
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春の陽気と好カードに恵まれて甲子園では、25日、30年ぶりの満員通知が出された。
90回を迎えた選抜大会の話題の一つは、滋賀県から3行が出場したことだろう。その分、どの県が涙をのんだかと出場校一覧を見直して驚く。甲子園の地元兵庫県から1校も出ていない。
「昨秋の近畿大会で他府県に歯が立たなかった。出場が厳しいのは覚悟していました」と兵庫県高校野球連盟の福留和年理事長は話す。意外なことに3年前の春も出場を逃がしている。
春夏合わせて兵庫は優勝13回、準優勝7回。通算勝ち星は最多の大阪に次ぐ。プロで活躍したした選手も多い。投手では村山実鈴木啓示、長谷川滋利。野手では別当薫、土井正三、古田敦也ら各氏がいる。兵庫出身者で球団を作ってみたいほどの顔ぶれである。
「投手力と守備力を鍛え上げ、不用意な失点をしない。それが伝統的な兵庫スタイルでしたが、近年は県外チームに打ち負けることが増えました」。県内各地の高校に戦力が分散し、その分、県外の有力校に苦戦するようになったという。
強豪、名門、常連校----。過去の栄光を後輩たちが永遠に保つことはおよそ不可能である。兵庫に限らず、野球に限らず、盛者は必ず衰える。
兵庫県高野連は再起に向け、一歩を踏み出した。若手の部長や監督ら約20人を1月末、四国の高松商と松山商に派遣したばかりだ。しせつや練習がどう違うか見て回った。伝統に安住せず、謙虚な姿勢で臨む限り、強豪復活の日はさほど遠くない。

 天声人語より
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初めから分かっている話だ
捜査を受けている身ですので答弁をひかえ差し控えさせていただきます。
一日で何度聞くことになろうか。
佐川氏、核心に触れず。

素粒子より
そんなこと分かり切っていたことではないのか。
書いている記者さんも自分が訴追されているのなら、この答弁になるのは当然ではないのか?そう思いませんか。
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春は出会いと別れの季節。
沖縄の空港や港ではこの時期、新天地へ旅立つ若者を送り出すシーンが続く。握手を交わし、手を振る笑顔に涙がにじむ。那覇高1年の伊礼日向子さんも1年前、そうやってふるさとを離れた。
生まれ育った伊平屋島は、沖縄本島からフェリーで80分。小さな島にはコンビニがない。大きな病院がない。そして高校がない。だから中学を卒業すると、みな「15の春」で島を出る。
那覇市内の学生寮で一人暮らしをしている。6畳一間。朝夕の食事は出るけれど、食器洗いや洗濯は自分でこなす。本人は「離島出身の高校生には、それが当たり前。友達もいっぱいできて、楽しい毎日です」と快活に笑った。でも学業との両立に、押しつぶされそうなこともあるに違いない。<今君が見上げる空はどんな色に見えていますか>。ゆずの曲「友」を合唱した卒業式の動画が宝物だ。
空や星にふと、ものを思う。希望、焦り、ためらい。青春とはそういう期間なのだろう。夜。外灯でオレンジ色に染まり、星の見えない寮の空を仰ぐと、月の光で自分の影さえ見えた島の日常を思い出すという。
離れて初めて、地元の良さに気付くことがある。でも、さらに広い世界に羽ばたいていこうとする。若者ゆえの特権だ。大人の役割とは、その背中を押し、見守ってやることかもしれない。
「努力すればどんな道にも行ける。そんな気がしています」と伊礼さん。春の柔らかな風に吹かれて、若い芽がぐんぐん膨らんでいく。

 天声人語より
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米の銃規制
私には夢がある---キング牧師の孫があの公民権運動の時代を呼び覚ます。
銃規制を求める行進が全米に広がる。

 素粒子より
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主人公はごく普通の会社員。彼の日常が突然、日々のニュースになってしまう。
「次は国内トピックス。森下ツトムさんは今日、会社のタイピスト美川明子さんをお茶に誘いましたが、ことわられてしまいました」と、NHKが流し始める。
かと思うと新聞の一面に゛森下ツトム氏ウナギを食う!一年四カ月ぶりのぜいたく」と載る。「全調査!森下さん一週間の食生活」「森下さん今日、月給日」までもが報じられる。主人公は訳が分からず発狂しそうになる。
筒井康隆さんの往年の短編『おれに関する噂』である。荒唐無稽な話だと思われたか。しかし考えてみれば「わたしに関する噂」を自分でせっせと発信しているのが現代ではないか。どこへ行き誰と会い何を食べたと、SNSに写真を載せ書き込みをしている。
ちょっと怖いのは「わたしたちに関する噂」を大量に欲しがる人たちがいることだ。広告を効果的に届けたい企業だけではない。米大統領選ではトランプ陣営についたコンサルタント会社の不正が明るみに出た。フェイスブックから5千万人分の個人情報を入手、選挙運動に役立てたという。
ひとに消息を伝えるのが専ら手紙だった時代から、世の中は大きく変わった。便利に、迅速に。しかし、もしかしたら「誤配」の可能性は郵便より高まっているかもしれない。意図しないところに届き、意図しない形で読まれる。
警戒は怠れない。でも、どうやって。発信するのは易しいが、回収するのは難しい現代の噂である。

 天声人語より
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救命につなげるために、AED使用をためらわずに
新潟県の高校で野球部の女子マネージャーがランニング直後に倒れ、先月死亡した事故は、いつAEDを使えばいいのか、現場での判断と実行の難しさを問いかけた。
女子生徒は、死の間際に脳への血の流れが止まりかけ、あごや肩、胸や腕が、途切れ途切れにあえぐように動く「死戦期呼吸」の状態だったと思われる。(ギャスピングと現場や医療機関では言う)実際に空気は吸えていないが体が動くので、周囲の人たちは心臓が動いていると思い、AEDを使わなかったのかもしれない。息をしているかのように見えてしまう死戦期呼吸のことを多くの人に知ってもらいたい。
息が止まっていれば、すぐに心臓も止まる。現場に居合わせた人は、あえて患者の脈に触れる必要はなく、息をしているかどうか、だけを目で見たり耳で聞いたりして判断すればいい。講習会でも死戦期呼吸を教えるときは動きが大げさになりがちだが、実際には分かりにくい場合もある。突然の事態に直面した一般の人たちに冷静な判断を求めるのは無理だろう。息をしていないことが疑われるときは、一刻も早く胸骨圧迫をしたり積極的にAEDを使ったりすることが大切だ。
日本のAEDの普及率は世界でもトップクラスだ。的確な設置場所やきちんとした保守管理など課題はあるが、使い方はよく知られるようになった。消防白書によると、2015年に病院外でAEDが実際に使われたのは約1100件で600人ほどの究明につながった。だが、蘇生措置を行えた可能性のある人は数万人とみられ、市民の的確な判断と行動なくして救命率の向上はない。
人が倒れた現場は混乱し、AEDの音声支持も聞き取りにくいだろう。電気ショックのボタンを自ら押すことをためらう心理も働く。居合わせた人がAEDの電極を患者に貼り付けさえすれば、ボタンを押す必要もなく、自動的に除細動をする「全自動」AEDを開発し、早く導入すべきだ。技術的には可能で、間違って放電されることや救助者の感電を防ぐ方法もある。メーカーや行政は積極的に取り組んでほしい。
胸骨圧迫やAEDの使用では、衣服を破ってでも脱がすなど患者のプライバシーが守れない場合がある。
一般の人が処置をためらったり、蘇生がうまくいかなかったりした時に責任を問われることを恐れるという気持ちも考える必要がある。
こうした背景には100%の安全と結果責任を追及する最近の日本の風潮があると思う。市民の善意を生かし救命率を上げるためには、米国やカナダなどのように「緊急事態に直面した善意の処置者は、その結果に対して責任を負わされない」という「よきサマリア人の法」の整備が必要だ。

 私の視点より----聖路加国際大学院特任教授・宮坂勝之

善きサマリア人の法(よきサマリアびとのほう、英:Good Samaritan laws
とは
「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。誤った対応をして訴えられたり処罰を受ける恐れをなくして、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による傷病者の救護を促進しよう、との意図がある。
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2015年に公開された「映画ちびまる子ちゃん 
イタリアから来た少年」は文部科学省がタイアップし、全国の学校にポスターを配った。
外国の子どもと仲良くなる物語ゆえだろう、「友達に国境はな~い!」とある。その表現にかみついた国会議員がいた。
彼はブログで「私は、このポスターを見て、思わず仰け反りそうになりました」と書いている。「国家意識なき教育行政を執行させられたら、日本という国家はなくなってしまう」のだそうだ。文科省の担当課には猛省を促したという。
子ども向けの宣伝文句も見過ごすことなく、国家意識の危機をかぎつける。鋭敏な感覚の持ち主なのだろう。この議員、自民党の赤池誠章氏は、前文科事務次官の前川喜平氏が名古屋市の中学校で講演したときも素早く動いた。
赤池氏らからの問い合わせをきっかけに、文科省が市教委に書き送った文書のひどさは報じられた通り。前川氏に講演を頼んだ判断について「具体的かつ詳細にご教示ください」、録音データなどを「ご提供ください」など言葉は丁寧、圧力は十分。
文書で目を引くのは、「道徳教育が行われる学校の場に」との表現だ。どうも前川氏が不道徳だと言いたいらしい。天下り問題で辞職したことなどを挙げているが、加計学園問題で首相を批判する急先鋒になったことも視野に入っているか。
さて議員と文科省の今回のタイアップ、成果はいかに。「国境はな~い」どころか、行政と学校現場の亀裂が深くなりそうだ。

 天声人語より
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「健康づくりのための身体活動基準2013」は身体活動を「運動+生活活動」と定義
日々のちょつとした動きもスポーツ並みの健康効果があり、ちょっと体を動かすことを増やす「プラス10」を推奨。そうすれば、がんや認知症を減らせるという。
では、どうすれば生活活動を増やせるのか。まず起床から就寝までに、どこで体を動かせるか1日を振り返ることだ。
通勤時に早歩きしたり、掃除や洗濯でキビキビと動いたり。そんな小さな動きが「ちりも積もれば山」。1日10分でも、1週間で合計1時間でもいいし、途中でやめても三日坊主を繰り返すつもりでも構わない。
自分の身体活動レベルを知るときには活動量計が役に立つ。
歩数計の機能に加え、家事などの生活活動で1日に体を動かして消費したカロリーが示される。活動量が基準や目標に対して十分なのか下なのか客観的に教えてくれる。
いわば自分の現在地を示すナビ。最近は結果をパソコンやスマホに送って確認できる。
注意点は、体を動かす次官は一気に増やさず、体調が悪いときには無理をしない。痛みが出たら、医師や運動の専門家に相談を。夏場などは炎天下を避け、熱中症に気をつけよう。

 元気のひけつより
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雨が降ると、むしょうに出歩きたくなるとすれば、ちょっと変わり者かもしれない。
京都に住んでいた随筆家の故大村しげさんは、雨の日に清水寺の舞台に立ち、墨絵のような景色をながめるのが好きだった。
こんな日は傘まで差して訪れる人は少ない。だからよけいひっそりとしていて、立ち去るのが惜しいくらいだと書いている。清水寺に限らず、「雨が降ると、どこへ行こうかと迷うほど、わたしは雨の京都が好きである」。色とりどりの蛇の目傘も買い集めた。
傘の花が開いた春分の日だった。21日は寒さが戻り、全国で広く雨が降った。春をおあずけにされた気になるが、菜の花が咲くころの長雨を指す「菜種梅雨」の響きを聞くと、心が穏やかになるから不思議である。花の黄色いじゅうたんに雨は意外と似合うかもしれない。
春に花の咲くのを促すという意味で「催花雨」の言葉もある。まちを歩くとソメイヨシノの桃色のつぼみに、雨粒が光っていた。例年より何日も早く開花が宣言された桜である。この寒さで少しゆっくりほころぶことになるかもしれぬ。焦ることはない。
東京の都心では雨がときおり雪に変わり、吹き付けた。春に降る雪は「名残の雪」というのだけれど、「なごり雪」だとずっと思い込んでいた。あの流行歌ゆえである。<「東京で見る雪はこれが最後ね」とさみしそうに君がつぶやく>。
歌が奏でるのは、旅立ちと別れである。そんな季節がまためぐってきた。そして新しい出会いのときも。

 天声人語より
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米中摩擦懸念で東証大幅値下げ。
米中貿易戦争を懸念し、世界で株価が急落している。
NYでは700㌦超下落し、1か月半ぶりに2万4000ドルの節目を割り込んだ。
東証も終値で972円安に。

紙面より
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未来の長距離トラック運転手の話である。
運転は完全に自動で、目的地に着くまで寝転がって本でも読んでいればいい。仕事らしい仕事は荷物の積み下ろしだが、それもかなり機械化されている。きわめて楽な職業だ。
それでもなぜ人間が乗らなければならないかと言えば----深刻な事故ほ起こしたときに逮捕されるためだ。運転するのは機械だが、機械に責任能力はない。SF作家の森岡浩之さんがショートショート「姉さん」で描いた懸念である。それは、はや現実になりつつある。
米国アリゾナ州で夜、自動運転の試験をしている車に女性がはねられ、命を落とした。完全な自動運転による死亡事故は初めてらしい。
車の運転には人為ミスがつきまとう。将来、自動運転が主流になれば道路はずっと安全になるはずだ、という理屈はわかる。だからといって拙速に公道を走らせていいわけではない。事故原因の究明が待たれる。
思えば自動車の歴史は、強烈な副作用との格闘である。日本も「交通戦争」と言われるほど事故に苦しんだ高度成長期から、歩道や信号機を増やして車も改良するなど一歩一歩進んできた。自動運転も、そんな努力の一つであろう。
「自動車は町の凶器だっていうけど、まったく、爆弾が日本刀をふりかざして走っているようなものだと思うわ」。交通戦争の時代、作家の阿川弘之さんが登場人物に語らせている。その凶暴さを新技術でどこまで飼いならせるか。携わる人たちの責任はきわめて大きい。

 天声人語より
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米利上げに
政策金利を0.25%引き上げて「年1.50~1.75%」とすることを決めた。
追加利上げは昨年12月以来3か月ぶり。
今年の利上げの見通しは年3回で維持した。
しかし、景気の過熱を抑えるため、来年はペースを引き上げた。

紙面より
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桜の花に心が弾むのは、そこに初々しさや若さ、はなやかさを見るからだろう。
しかしこの花に魅せられ、多くの歌を詠んだ西行は、自らの老いすら投影した。<花を待つ心こそなほ昔なれ春にはうとくなりにしものを>。
桜を待つ気持ちは昔と変わらない。それでも人の世の春に疎遠となるのは老いゆえである。<わきて見む老木は花もあはれなり今いくたびか春にあふべき>では、老いた木の花にも風情があり、とりわけよく見ようと詠んだ。あと何度の春に巡り合えるだろうかと。
つぼみのほころびを待つ季節になった。開花の知らせが例年より早く届いている。一方で木々の老いは各地で確実に進んでいるとも聞く。いまや桜を代表するソメイヨシノは、戦後から高度成長期にかけて植えられた木が多いからだ。
此の桜は人の一生に似るかのように、40歳語路から枝の伸びに勢いがなくなる。「寿命60年説」もあるほどで60歳、70歳となれば高齢だろう。切り倒すのは忍びないと寿命を延ばす試みが各地でなされている。
東京都台東区はこの1月~2月、「若返り剪定」と称し太い枝を切っていった。若い枝を伸ばすためだ。桜は切り口から腐りやすいと「桜切るバカ、梅切らぬバカ」の言葉もあるものの、その逆をいく療法が広がりつつある。真新しい切り口を見ると、痛々しくも清清しくある。
木に青年期があり、壮年期、高齢期がある。それぞれが一生懸命に花を咲かせようとするのは、見る方も見られる方も同じであろう。

 天声人語より
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老後の健康、歩いて外出できる体力を
「団塊世代」が、10年足らずで75歳以上の「後期高齢者」となる。その後の人生の明暗は「歩いて外出できる体力の維持」にかかっている。家事をこなし、公共の乗り物で移動し、スーパーで買い物ができれば、一人暮らしも可能だ。外出できれば、近所の人とも交わり、草花や風のそよぎに季節を感じ、心も豊かになる。買い物をすれば計算もする。歩けなくなると一挙にそれらを失い、医療、介護の対象になる。
心身を動かさないと老化は加速する。そのターニングポイントは、男性の場合、定年退職時にある。ここで手を打つには、いわば「大人の義務教育」のように場が有用と考える。「定期的に歩いて外出する場」を提供し、地域とのコミュニケーションの構築、健康・調理などの知識と技術を習得することを目標とした授業をしてはどうだろうか。
歩いて通えることが前提なので、65歳前後の1~2年間、半日程度のコースで週に2回ぐらい学区の小中学校の空き教室に集まってもらう。
全員参加は、ホームルームと健康講座くらいにしておいて、パソコン、園芸、手芸などカリキュラムは工夫次第、講師もメンバーの中から出てくるだろう。栄養の整った学校給食を食べれば、筋力低下予防にも効果があるはずだ。
自治会などで対象者全員に声がけするが、親や孫の世話、仕事や趣味を理由とする不参加は可とする。だが、出欠届は義務とする。元気だけど、自ら積極的に出向かない人々を集めることで、点と点がつながり面となれば、子育てや介護、防災の一助にもなり、地域に飲み仲間やゴルフ友むだちもできるだろう。終了後は自主活動が継続すれば成功だ。地域差はでるだろうが、医療費や介護費の削減に向けて、市町村でこのような「大人の義務教育」に取り組むことはできないだろうか。

 オピニオンより-----健康運動指導士・山田佐世子
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<稼せぇでも稼せぇでもなんぼ稼せぇでも楽になんねァじィっと手っこ見っぺ>。
はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る。石川啄木の名歌100首を、岩手県の気仙地方に暮らす津波被災者らが地元ケセン語に訳して刊行した。
『東北おんば訳 石川啄木の歌』。新井高子埼玉大准教授が2年間、大船渡市内の仮設住宅などをめぐり、おんばと一語一語、翻訳した。講座は9回、延べ80人が協力した。
友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ。名高い1首はこう訳された。<友たぢがおらよりえらぐ見える日ァ花っこ買って来てががぁどはなしっこ>。音読すると「っこ」の韻が快い。
大海にむかひて一人七八日泣きなむとすと家を出でにき。<大海さ向がってたった一人で七、八日泣ぐべど思って家ば出てきたぁ>。参加者には津波で家族や友人、自宅をなくした人も少なくない。
もとは被災者を励ます集いだったのだが、次第に翻訳論議が熱を帯びていった。例えば<何か一つ大いなる悪事をしておいて>の「一つ」は「ひとっつ」か「ひとづ」か。重々しさを伝える「ひとづ」が訳語に選ばれた。
同書を開き、スマホでQRコードを読みとって生の声を聴く。歌が1首ずつ音楽のように流れ出す。ガ行ダ行の濁音が耳に温かい。盛岡地方で育った啄木の言葉とは違うようだが、きっと歌を詠むときの啄木の頭上にも、負けず劣らず豊かな韻律が流れていたことだろう。

 天声人語より
著者は何が言いたいのか分からない。もう少し読者全般を考えて書くべきだ。本の宣伝なのか
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自動運転で死亡事故
米ウーバーが試験運行中の自動運転車が歩行者をはねて死亡させる事故を起こした。
運転席には緊急時のためドライバーが乗っていたというが?

紙面より
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やっと治ったのか?
メンテナンス作業と言っていたが。ここ10日間ほど自分のページにたどり着けない状態が続いていたが、今日はあさならつながった。
eclatはまた運営会社が変わったようだ。
長く続きますように祈るしかないユーザだ。
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岩手県陸前高田市で3代続くそば店「やぶ屋」は、新店舗で初めての3月11日を迎えた。
仮設店舗での営業をへて昨秋、かさ上げ工事の済んだ新商業地区に念願の店を構えた。
「おかげさまで行列のできるほどお客さんに恵まれ、何とか走り出せました」と店主の及川雄一さん。父の信雄さんが津波にさらわれた7年前は、同時に店と家も失い、途方に暮れたと話す。
信雄さんは無口な職人だった。奇をてらわず、もり、かけ、天ざるなど定番の味を保つことに心を砕いた。「甘く濃厚な直伝のつゆでもってきた店。その味を父に教わっておくべきでした」。つゆの原液も、製法を書いた父の手帳も流された。
「父の味が再現できず、店を継げるか不安で胃に潰瘍ができました」。サバ節、しょうゆ、みりんなど配合を変えては、自らの舌に問う。母や親戚、常連客にうなずいてもらえるまで試作を重ねた。
雄一さんの案内で、震災前の商店街中心部を歩く。一帯は高さ十数㍍までかさ上げされ、なじみの店も知人の家も土中に埋もれた。買い物客が行き交い、子どもたちが歓声をあげた街が、丸ごと時を止めて地下に眠る。そう思うと、住民ならずとも何か夢を見ているような気がする。
11日で震災から7年。津波で何もかも流されたかに見えて、その実、まちがいなく残されたものがある。つゆの風味は舌に、街のたたずまいは目に耳に。父の店はもう見えなくなったものの、一日一日を継ぎ足しながら、店も街も続いていく。

 天声人語より
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スパイ合戦
ロシアより遺恨を込めて、か。
英国で元スパイが襲われる。
現実社会に007はおらず。
諜報戦の冷酷あるのみ。

素粒子より
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木、水、光など自然の恵みで再生を図る地域を描く映画「おだやかな革命」を見て、収録先の一つを訪ねた。
北陸と東海を隔てる白山連峰のふもと、岐阜県郡上市の石徹白地区。小水力発電に取り組み、活気を取り戻しつつある。
かつては白山信仰の拠点として栄えた。「上り千人、下り千人、宿に千人」と言われるほど参拝者でにぎわったが、若い世代が流出し、約110世帯270人に細った。
再生のきっかけは白山を源流とする水の流れ。岐阜市出身で外資系経営コンサルタントだった平野彰秀さんらが「水車で電気を作り、余った分を電力大手に売れば、地域経済が回り出す」と提案した。
首都圏で大型商業施設をいくつも成功させてきた。「でも突きつめて考えると集客や利益の奪い合い。空しさを覚えました」。助け合い、分かち合える仕事をしたい。そう考え、2007年から石徹白に通う始めた。
4年後に移住し、発電を本格化させる。休眠していた農産品加工場を生き返らせた。住民から出資を得て大型装置を導入。全過程の需要を満たし、売電益が得られるようになった。いまでは年間800人もの見学者が訪れ、移住の動きも続く。
農作物のようにエネルギーも地産地消する時代に近づきつつある。石徹白はこれから雪解けを迎える。三十数年ぶりという豪雪も例年以上の水量をもたらす天の恵みである。

 天声人語より
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このecletはどうなっているのですか
誰か教えてください。
今日も午前中アクセスできませんでした。
最近私のパソコンでのはなしですが。
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ディズニーがアニメ映画「ダンボ」を公開したのが第2次大戦中の1941年、「バンビ」は42年だった。
そして43年には可愛い動物など無縁の映画「空軍力による勝利」を世に送り出した。日本など敵国の都市を直接たたくべきだとあおる内容だった。
アニメ映像で圧倒的なのは、飛び立った爆撃機が東京を空襲する場面だ。大量の爆弾が軍需工場を炎に包み込む。ディズニーの狙いは政府や軍に爆撃の必要性を訴えることにあったと、映画評論家の町山智浩さんが『最も危険なアメリカ映画』で書いている。
描かれた東京大空襲は、現実となった。アニメと違うのは、おびただしい数の民間人が犠牲になったことだ。73年前の3月10日未明の爆撃により、10万人もの命が奪われた。
「風が吹くとバーナーの炎みたいになって降りかかる。髪に火がついて逃げ回る人もいた。人間が生きながら焼き殺される」。焼け出された女性の証言である。どんなに熱く、どんなに苦しく、どんなに怖かったか。歴史に刻まれた傷に思いをはせたい。
戦争が無辜の人々の命を奪う。懸念はけっして過去のことではない。もし朝鮮半島で軍事衝突が起きれば、日本も戦火に見舞われるかもしれない。そんな事態を避けることができるのか。米朝首脳会談が開かれる方向になった。
これまで世界を欺いてきた北朝鮮である。予断は許さぬが、緊張緩和へ向かう節目となってほしい。あのときのような熱さ、苦しさ、そして恐怖が、再び現実にならないように。

 天声人語より
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ページにたどりつけませんでした。
ゆうべと今朝早くは表示できないとさせ、たどりつけませんでしたが、いまやっとたどり着けるようになりました。どうなっていたのか、誰か知りませんか?
教えてください。
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夜型生活取り戻すには、朝日を浴びる。
乱れた睡眠のリズムを取り戻すにはどうすればいいのか。
①朝に日光を30分ほど浴び、睡眠ホルモンに関わる体内時計をリセットする
②日中に適度な運動をし、夜とのメリハリをつける。
③胃や腸を休めた状態で眠るために、就寝の3時間前には食事を終わらせる。
④夜は強い照明を使わないで過ごす--などが効果的という。
また、乱れた体内時計を整えて規則正しい生活リズムを手に入れるために、毎日の睡眠時間を記録することを勧める。起床・就寝時刻や寝ていた時間、途中で起きた時間・回数を振り返り、できるだけ毎日同じリズムを繰り返すようにする。休日だけ起床時間が遅くなる場合は注意が必要だ。平日の起床時間と2時間以上ずれると翌週の前半は時差ボケの状態となり、心身への負担が増えるという。
体内時計が乱れたままだと、睡眠時間帯が日常生活に支障を及ぼす「概日リズム睡眠障害」になる恐れもある。「朝起きられないなどの症状は『やる気がない』『だらしない』と見られがちだが、治療が必要な場合もある。受診をためらわないでほしい、と話している。

 はぐくむより
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地獄にも食堂があり、ごちそうが並んでいる。ただし、箸がとんでもなく長い。
一生懸命に食べようとしても、なかなか自分の口に入らない。たくさんの食べ物を前に、飢えるしかない。
極楽の食堂の箸も同じように長いが、みな穏やかに食事を楽しんでいる。なぜか。お互いが向かいにいる人に食べさせてあげるからだ。このお話、自分のことだけ考えてはいけないとの教訓で知られる。国際貿易にもいくぶん当てはまらないか。
防疫はもちろん利他的行為ではない。ときに収奪となるのは帝国主義以来の事実だ。だからこそルールを整え、各国の利益になるようにする。そんな努力の積み重ねをご破算にするかのように、米国が一方的に関税引き上げを宣言した。
すべての国からの鉄鋼製品の輸入に25%、アルミ製品にも10%の税を課すという。国産品の保護が狙いで、トランプ大統領は「貿易戦争はいいことだ。簡単に勝てる」とツイートした。言葉の乱暴さに慣れっこになってはいけない。
原材料があがれば困ると米国の自動車産業などは反発している。消費者は高い製品を買わされることになり、景気の足も引っ張る。そんな懸念は米政権内にもあるだろうが、経済ナショナリズムがまさった。
欧州連合は報復として、米国のハーレーダビッドソンのバイクやリーバイスのジーンズなどへ課税をにおわせ始めた。欧州車にも税をとトランブ氏は言う。地獄の例えに戻れば、長い箸を武器に突き合いが始まりそうな勢いである。

 天声人語より
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老後の健康、歩いて外出できる体力を
「団塊世代」が、10年足らずで75歳以上の「後期高齢者」となる。その後の人生の明暗は「歩いて外出できる体力の維持」にかかっている。家事をこなし、公共の乗り物で移動し、スーパーで買い物ができれば、一人暮らしも可能だ。外出できれば、近所の人とも交わり、草花や風のそよぎに季節を感じ、心も豊かになる。買い物をすれば計算もする。歩けなくなると一挙にそれらを失い、医療、介護の対象になる。
心身を動かさないと老化は加速する。そのターニングポイントは、男性の場合、定年退職時にある。ここで手を打つには、いわば「大人の義務教育」のように場が有用と考える。「定期的に歩いて外出する場」を提供し、地域とのコミュニケーションの構築、健康・調理などの知識と技術を習得することを目標とした授業をしてはどうだろうか。
歩いて通えることが前提なので、65歳前後の1~2年間、半日程度のコースで週に2回ぐらい学区の小中学校の空き教室に集まってもらう。
全員参加は、ホームルームと健康講座くらいにしておいて、パソコン、園芸、手芸などカリキュラムは工夫次第、講師もメンバーの中から出てくるだろう。栄養の整った学校給食を食べれば、筋力低下予防にも効果があるはずだ。
自治会などで対象者全員に声がけするが、親や孫の世話、仕事や趣味を理由とする不参加は可とする。だが、出欠届は義務とする。元気だけど、自ら積極的に出向かない人々を集めることで、点と点がつながり面となれば、子育てや介護、防災の一助にもなり、地域に飲み仲間やゴルフ友むだちもできるだろう。終了後は自主活動が継続すれば成功だ。地域差はでるだろうが、医療費や介護費の削減に向けて、市町村でこのような「大人の義務教育」に取り組むことはできないだろうか。

 オピニオンより-----健康運動指導士・山田佐世子
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くまのプーさんはハチミツとなると、周りが見えなくなる。
友だちのロバへ誕生日の贈り物として持って行くのだが、途中で全部なめてしまう。猛獣を捕まえるエサにしようとするのだが、確認のためと称し大半をなめてしまう。
プーさんは言う。「なぜ、世のなかに、ミツバチなんかいるかっていえばだね、そりゃ、ミツをこさえるためにきまってるさ」「なぜ、ミツをこさえるかっていえばだね、そりゃ、ほせくが、たべるためにきまっている」。
ほほえましい言葉も、権力者が口にしたらと思えばまるで違うものになる。権力をハチミツに、恰幅のいい習近平・中国国家主席をプーさんに例える絵が、ネット上に表れたそうだ。絵はほどなく中国では見られなくなった。
2期10年とされた国家主席の任期を無制限にする動きへの皮肉だろう。習氏が終身主席になる懸念もあるという。民主主義なき「党治」を抜け出すどころか、権力者の意向がすべての「人治」に戻るかのようだ。
中国は高い経済成長をたてに、言論の不自由を押し付けてきた。しかし成長にも陰りが見える。人びとの不満に向き合う以外にないと思うのだが、事態は逆に進む。昨年施行の「インターネット安全法」により、大学や職場を追われる人が増えているという。
受難はプーさんだけでなく、「私は反対」「不同意」「終身制」などの言葉も一時はSNSで検索できなくなった。体形だけは似る権力者に、プーさんのおおらかさはうかがえない。

 天声人語より
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偽ニュース
ネットでは悪貨が良貨を駆逐する。
偽ニュースの方が早くより広がるとの調査。
正しい情報の価値ますます高く。

素粒子より
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偽ニュース
ネットでは悪貨が良貨を駆逐する。
偽ニュースの方が早くより広がるとの調査。
正しい情報の価値ますます高く。

素粒子より
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仕事の内容は「北朝鮮の金正日総書記になりきること」。そんな男がかつて、韓国政府にいた。
出勤するとまず北朝鮮の労働新聞を読み、前夜に録画した北朝鮮のテレビを見る。求められるのは金正日氏のように話し、考え、行動することだった。
相手の動向を予測するための「影武者」である。2000年には南北首脳会談に向けた練習台として、金大中大統領と向き合った。本番さながらの緊張したやり取りを伝える。
今もこうした役回りの人がいるのかは分からない。ただ相手の出方について、いっそう綿密な検討が必要になろう。韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が4月末に会談する方向になった。
韓国側によれば北朝鮮は非核化について米国と対話する用意があり、対話が続く間は核実験もミサイル発射もしないという。従来の強硬姿勢からすれば眉につばをつけたくなるが、悪いニュースではない。
北朝鮮の脅威を除くための外交の試みは20年余りの経緯がある。核やミサイルの開発を許した失敗の歴史にすぎないとの見方がある。一方で、成功に至る好機はあったという見方もある。狭くとも戦争を避ける道をたどってほしい。
「外交とは、相手の感情を損なうことなく明白な真実を伝える技術である」とは英首相だったチャーチルの言葉だ。最終的には核をあきらめる以外の道はない。それを理解させ実現へ歩み出せるか。国際社会の正念場である。

 天声人語より
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原発停止
電気を産まない原発に5年間で5兆円も吸い込まれていった奇々怪々。
現場では何千人もにシジフォス的不条理。

素粒子より
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私が音楽家だったら「芽たちの行進曲」をつくるだろう。
チェコの作家カレル・チャベックが3月にちなんで、そう書いている。ライラック、ナシ、サクランボ----。木々の芽吹きを、軽快なマーチに載せて行進する連隊になぞらえた。
小さな芽から若い葉が伸び、花がつき始めた木がある。一方で堅い芽のままの木もあり、「地中から、あるいは、空から発せられる『始め!』という号令のようなものを待っている」。そんな号令で一気に芽吹き、春が開幕するのだと。
号令がかかったのかも。そう思いたくなるほどの陽気が、各地に訪れた。鳥取市や福島市など気温が20度を上回る地域も目立ったという。散歩しながら木々に顔を近づけると、小さな芽に緑の色が添えられていた。6日はもう啓蟄。
冬のあいだ葉を包み込み、つぼみを堅く守ってきた芽である。「越冬芽」や「休眠芽」の呼び名もあるそうだ。厳しかった寒さが和らぎ、厚い布団から出て外へ向かう感じだろうか。
春は人の世も芽吹くときである。4月から新しい学校に入り、仕事に就く人がいる。転勤や転居も集中する。若葉やつぼみゆえの苦労もあるだろう。願わくは未熟さを楽しむくらいの心持ちで。
「はにかむ破、恥ずかしがるな」「うぶ毛につつまれて眠るものたちよ、背をのばせ」と、チヤペックは書いた。春だから、そんなふうに自分を応援してみたい。若葉やつぼみはもちろん、ややくたびれた身であつたとしても。

 天声人語より
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北朝鮮問題
信じるわけにはいかない。
といって乗らないわけにもいかない。
北朝鮮の対話姿勢。
時間稼ぎとわかっていても。

素粒子より
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「三月三日のおひなまつりの夜でした。よっちやんがおばあさんとねているとガタガタと大きな地震が」。
岩手県宮古市田老で暮らした田畑ヨシさんが紙芝居で再現するのは、1933年に三陸地方を襲った地震と津波である。
主人公よっちやんは当時8歳のヨシさん。赤い着物で転びながら裏山に走る。からくも命をつないだのは明治三陸津波で家族全員を奪われた祖父の教えのおかげだ。「命てんでんこ」。命は各人が授かったもの。大切な命は自分で守れ、津波はまた来る。何度もそう言われた。
ヨシさんが紙芝居を作ったのは50代半ばのこと。内陸育ちの孫が近くへ越してきた。ならば祖父にならい、生き抜く知恵を伝えねばならない。
津波はやはりやってきた。東日本大震災である。86歳のヨシさんは再び高台を目指した。自宅は流され、わが家の土台にはよその家が流れ着いた。ヨシさんの語り部活動はいっそう忙しくなる。頼まれれば他県へも出かけた。
演じ方は際立っている。とつとつと低い声で読み進める。「棒読み丁なのに引きこまれる。不思議な迫力がありました」と親しかった山崎友子岩手大教授。感情を封じた読み方は、津波で亡くなった母を思い出すのがつらなったからではないかと話す。
おととい93歳で亡くなった。晩年まで一人で演じた。祖父と母の運命を暗転させた津波を、孫や曽孫、玄孫の世代に伝えたい。「命てんでんこ」。素朴な絵と飾らぬ語りが、幾人の胸に刻んでくれたことか。

 天声人語より
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東証急反発
一時500円余り上昇し、2万1500円をこえた。
米与党共和党内からも貿易戦争を懸念する声明が出たことで、輸入制限が骨抜きになるとの期待が広がり、前日のダウが大幅高に転じた。

紙面より
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いわゆる御三家の一つ、尾張徳川家はいまの東京都新宿区に東京ドーム10個分もの広大な庭園「戸山荘」を構えた。
「すべて天下の園地はまさにこの荘をもって第一とすべし」。11代将軍家斉を感嘆させた。
造園には贅を尽くした。池を掘って橋を架け、、蛙や蛍を放つ。残土を積んで山を築き、玉を伏せた形に整えて「玉円峰」と命名した。圧巻は小田原宿を模した一角。米や、茶店、酒屋など三十数軒を並べ、将軍お成りとなれば売り子、駕籠かきもそろえた。
小寺武久著『尾張藩江戸下屋敷の謎』によると、入園が許されたのは武家の中でも限られた者のみ。体裁を気にする武士たちも園内でははめを外した。武家専用のテーマパークである。
先日、権勢の跡を歩いてみたが、池や泉も礎石の跡もわからない。戸山荘は江戸末期に地震や大火で荒廃した。明治政府は屋敷跡を陸軍用地とする。戦後、一角が都立公園となった。
玉円峰の名は忘れ去られたが、山はそのまま残った。「私たちは箱根山と呼んできました。架空の小田原宿にちなんだ名です」と地元の町会連合会長、桑島裕武さんは話す。愛着は深く、8年前に町内会で始めた行事にも「箱根山駅伝」と名を付けた。今年は4日に開かれる。
箱根山の標高は、わずか44㍍。「東京23区内最高峰」「無事に下山ください」。大仰な説明板につられて殿様気分に浸ろうとしたものの、栄華をしのぶよすがは見つけられなかった。徳川の世が去って151年目の春である。

 天声人語より
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雪解け
ゆるみ方が偏っていないか。
韓国特使団が北朝鮮へ。
あちらはまだ核もミサイルもかたいまま。

 素粒子より
文大統領の勇み足にならなければいいのだが。
なぜそんなに急ぐのか。
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成長の「その次」の価値観
戦後の先進国の経済成長率は、明らかに傾向的な低下を示してきた。とりわけ日本の場合、1960年代の10%ほどの高度成長から、2000年代以降のほとんどゼロに近い水準まで傾向的に低下している。しかも今日の人口減少を考慮すれば、多少の変動があっても、この成長率が大きく跳ね上がるとは思えない。
しかし、そのことは決して悲観することではない、と私は思う。年率10%も成長した60年代とは、明らかに社会の構造も消費者の欲求も違う。新しい家電製品や新車が市場へ出回ると同時に、人々がそれに飛びついた時代とは違っている。今日、モノは溢れている。われわれは物質的に豊かになり、経済は成熟した。
ただ、それが社会の成熟であり、われわれの生活が真の意味で快適になったのか、というとそうではない。今日、われわれは、市場や金銭の尺度では測れないものを求めている。GDPでは測定できないものを求めている。それは、生活の質の向上、長期的に安定した仕事の場所、文化的な生活、教育、医療、介護、それに、人々の間の信頼できる関係であり、それを可能とする社交の場である。多様な地域の維持も含まれるだろう。家族や友人と過ごす時間や場所も求められる。もう少し大きな次元でいえば、長期的な防災を含む国土計画である。
これらは、基本的に、公共的なものであり、社会的なものである。ロボットやAIもドローンも、本来は教育や医療や介護や、地域の活性化などといった公共的な場所で大きな効果を期待されるものであろう。
アベノミクスの第一の矢は、オカネを刷れば、将来のインフレ期待が生まれ、消費が増え、それが企業の投資を刺激し、経済成長につながる、という想定にたっていた。しかし、これほどモノが豊かになった社会では、金融緩和によって消費を喚起するのは難しい。人々が求めているのは、公共的で社会的な次元での豊かさである。それは容易にGDPの成長に反映されるものではない。ということは、ひとつの価値としての経済成長主義はもはや限界だということである。「その次」の価値観が求められているのである。

 異論のススメより----佐伯啓思
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どちらもおなじみの果物ながら、みかんとりんごは役どころが違う。
<君と僕二人で囲む冬の夜「こたつ」と「みかん」はベストカップル>近藤史紀。
みかんには暖かい色のもたらす「安定」のようなものがある。
片やりんごは、たとえば歌人の故・河野裕子さんの一首を思い出す。<青林檎与えしことを唯一の積極として別れ来にけり>。同じ「ふたり」のことを詠んだ歌ながら、淡い孤独と硬さをたたえる。実体験にせよフィクションにせよ、双方の歌でみかんとりんごの交換はできまい。
日の色に染まったみかんは、安らげる「人の間柄」の暗喩のようでもある。暖かい色に家族の記憶を呼びさまされる向きもあろう。冬の団欒の名脇役だが、消費の低迷が聞こえて久しい。
ピークだった1975年の約5分1に減っているという。「日本人が最も多く食べる果物」の座は10年前にバナナに奪われた。茶の間からこたつが減ったから-----などと理由には諸説あるようだ。
思えば、テレビのチャンネルをまだ回していたころがこたつの全盛時代、すなわちみかんが胸を張っていた時期だった。みかんの低迷とともに、人どうしの円居が減りつつあるのなら、寂しいことである。
役どころの話に戻って、みかんが向き合って食べる果物なら、バナナには個々で食するイメージがある。多忙なときは食事代わりにもなってありがたい。果物もまた、世につれ。個々が孤々にならないか、心配ではあるが。

 天声人語より
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世紀の難工事を描く映画「黒部の太陽」に忘れがたい場面がある。
巨大なドリルがギュンギュンと音を立てながら岩盤をうがつ。順調に進むかに見えて一転、轟音を立てて岩盤が崩れ出す。大水がトンネルを破壊し、作業員たちを押し流す。
掘っては固め、固めては掘るのがトンネル工事の鉄則である。江戸の昔のノミやツルハシから、現在の油圧式の削岩ドリルへと後方は進化を遂げたが、安全の要諦は変わらない。
「岩盤規制にドリルで穴をあける」。農協改革や獣医学部新設など、ことあるごとに安倍晋三首相が同じたとえを持ち出す。4年前の冬、世界のリーダーが集うダボス会議ではこうも言い切っている。「岩盤を打ち破るドリルの刃になる。いかなる既得権益といえども私のドリルから無傷ではいられません」。
首相は昨日、働き方改革関連法案の提出を遅らせる考えを示した。裁量労働制の対象が拡大されれば、過労に追い込まれる人が増えるという不安は一向にぬぐえない。数百もの異常値のある調査資料を示されても納得できない。
トンネル工事の世界では「岩盤に聴け」という言葉がある。水圧や地圧の変化で岩盤が発するかすかな予兆を聞き逃すなという教えである。
「黒部の太陽」が公開されたのは50年前のいまごろだ。三船敏郎演じる現場責任者が切々と訴える。「事故が起きて犠牲者が出たら嘆くのはその家族です」。働く者の命を守るのはリーダーの使命だろう。ドリルの刃になられてはたまらない。

 天声人語より
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スマホ老眼を防ぐには? 目を休め、筋肉の疲労回復を
メールやネット検索などに便利なスマートフォン。ただ、長時間使うと目の焦点が合わなくなることがある。そんな症状を「スマホ老眼」として、注意を呼びかける医師らに対策を聞きました。
「老眼」と言っても、中高年がなる老眼とは異なる。老眼は、ピント調整の役割を果たす水晶体が加齢によつて硬くなることが原因だ。通常、水晶体は弾力性があり、厚さを変えることで遠近を調節しているが、硬くなると調節できない。
一方のスマホ老眼は、目の使いすぎによる疲労が原因だ。通常、水晶体の厚さは毛様体筋が緊張したり緩んだりすることで変わる。だがその筋肉が疲れると、遠近調節ができなくなる。そのため、目を休めれば回復する。
医者が進める対策は「チラ見エクササイズ」。オフィスなどで仕事をするとき、窓からようやく判断できる距離にある目印を決め、1時間に1~2回、じっと見る。毛様体筋が緩み、休まる。
風呂に入ったとき、40度ほどのお湯で温めたタオルを目に当てるのも良い。毛様体筋の疲労が回復し、ドライアイの防止にも役立つ。

 続・元気のひけつより
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人工知能による同時通訳は実用に堪えるのか。
平昌五輪の取材中、スマホの無料アプリを挟んで韓国人と対話し、プロの通訳に判定をお願いした。試したのは米グーグル翻訳と日本の政府系の情報通信研究機構の開発したボイストラの二つ。
「乗車券を2枚下さい」といった会話ならお手のもの。差が現れるのは長い文だ。「肥大化した今日の五輪は開催国に負の遺産をもたらす」。この日本語を吹き込むと、グーグルは「膨らむ今日のオリンピック開催国に否定的な遺産を持って」という意味の韓国語訳を出す。ボイストラは「今日は五輪が開催に悲劇的遺産を招く肥大した」。このあたりが限界らしい。
得意不得意はある。グーグルは訳が早い。語彙も豊かだが、文法の精度は高くない。ボイストラは構文を整えるのが巧み。言い回しも丁寧だ。反応はやや遅い。
「日本語を介した通訳では実力世界一を自負しています」とNICTの隅田英一郎さん。たとえば胃の痛みを外国人医師に伝える場合、話すような「チクチク」と締め付けられる「シクシク」を訳し分ける。
ライバルはグーグルやマイクロソフト、百度といった世界的企業である。「グーグルは2年前、訳が劇的に向上した。先を行かれぬよう常に他社アプリを試しています」。
隅田さんは2年後の東京五輪を実用化のゴールに据える。通訳力を競う国際的なレースは、スポーツに負けず劣らず熾烈である。もう一つの五輪の見どころとして注目したい。

 天声人語より
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国民栄誉賞
困った時の国民栄誉賞か。
安倍政権が羽生結弦選手に授与へ。
リンクにあふれるくまのプーさんにあやかりたく。

素粒子より
一大会で金2ケは。また金銀銅は。
基準が何がおかしいのでは。
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サワラと聞くと西京焼きが浮かぶが、木の名でもある。漢字では「椹」。
おひつや湯船に使われてきた。だが軽くて柔らかい分、柱や梁、桁には向かないと言われてきた。
埼玉県秩父地方では戦前に植えられたサワラが伐採期を迎えた。祖父の代から製材業を営む金子真治さんはサワラで棺を作れないかと考えた。「木棺市場は中国製が席巻していますが、地産地消でやれないか。地元の木に抱かれて旅立てるなら喜びもあると考えました」。
支援するのは秩父市だ。かねて地元の木に親しむ「木育」施策に力を入れてきた。地元の職人が地元材で作った玩具を赤ちゃんの誕生祝いに贈ってきたほか、林業への就労促進にも取り組む。
金子さんが試作すると、市職員が棺内に身を横たえて感触を確かめた。燃焼実験には公営火葬場を借りた。めざしたのは火の回りがよく、煙が少なく、燃えかすのない製品。改良を重ねた。
木育を全国に広めている東京のおもちゃ美術館の馬場清・副館長によると、生まれてすぐ木の製品に触れてもらう活動を「
ウッドスタート」と呼ぶ。30を超す自治体が参加しているが、地元産の木で終末を迎える試みはごく珍しい。「ウッドエンド」と命名された。
製材所でサワラの棺を拝見した。全体が白くすがすがしい。手触りも温かい。顔をのぞく小窓の窓の扉には伝統織物「秩父銘仙」の布が貼られ、絹ならではの光沢を放つ。各地の林産資源をいかした「ご当地棺おけ」が並び立つ時代は来ないものか。

 天声人語より
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韓国の大統領
記念式典で竹島については、帝国主義侵略への反省を拒むことにほかならないと批判した。
慰安婦問題では、加害者である日本政府が「終わった」と言ってはならないと述べた。

紙面より
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文を読み、書きながら、比喩の力を思うことがある。
ものごとをいきいきと描く言葉があり色や形を与える語句がる。歌人の小島ゆかりさんは、おなかの赤ちゃんを手紙にたとえた。<身の奥にまだ開けられぬ一通の手紙あり遠く産月おもふ>。
どんな子かなと気をもむ時期が過ぎると、「もうしゃべるかな」「立つかな」の時が来る。<いましばし言葉をもたぬをさなごに青き樹のこゑ洌き水のこゑ>。言葉にならぬ幼子の声を自然界の音に重ね合わせたのだろう。
子を持つ喜びへの道筋を奪う。本人の意思とは関係なく。その行為には、たとえるべき言葉も三つからない。知的障害などを理由に強制的な不妊手術が施されていた問題である。60代の女性が国に謝罪と慰謝料を求め、全国で初めての訴訟を起こした。
1996年まで続いた優生保護法の下、1万6千人以上の男女が手術を受けたという。「不良な子孫」の出性防止が掲げられ「育児能力がない」なども理由とされた。
先日の本紙に16歳で手術をされた70代女性の話があった。知能検査を受けさせられ、翌年、内容を知らされないまま手術を受けた。結婚したが、離婚した。「子どもを産めないことに引け目があった」の言葉がある。人生は償えない。しかし、せめてもの救済に向かうことはできるはずだ。
「当時は適法だった」というのが国が謝罪しない理由である。時代には特有の限界がある。現在の地点から考えないなら後ろを向いたまま歩いているのと同じだ。

 天声人語より
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