2018年01月の記事


仮想通貨問題
流出のNEMが別の口座に送金された。
10口座が20口座になり監視の目が届くのか。
今後も監視する口座が増え続けるのでは?

 紙面より
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先日亡くなった野中広務さんの額には小さな傷があった。
赤ん坊の頃、子守の女性にキセルでたたかれた痕である。「私や弟妹5人の子守は前科の或る人や朝鮮半島から来た人。家族のようになつきました」と述懐した。
対談集『差別と日本人』によると、京都府園部町の自宅近くに軍需工場があった。篤志家だった父母が身寄りのない人々を家に引き取った。寝起きをとにしたが、家の外では半島出身の労務者が無智で打たれるのを見た。
国鉄を辞め、25歳で故郷の町議選に挑む。「青年団仲間が無断で選挙ポスターを貼り、かつぎだされた」町長や府議をへて衆院選で初当選したのは57歳。異例の遅咲きだが、官房長官や自民党幹事長として国政を担う。
強みは政敵を射る力。小沢一郎氏を「悪魔」と呼び、細川護煕氏を「民を食い物にする殿様」と批判した。小泉純一郎氏の支持に回った同僚を非難した「毒まんじゅう」は流行語にもなった。
近年、これほど毀誉褒貶の激しい政治家も珍しい。「10年若ければ首相を狙えた」と評されたかと思うと、「抵抗勢力の本丸」と嫌われもする。それでも弱者に注ぐ視線の温かさは一貫していた。ハンセン病患者や基地負担に苦しむ沖縄の人々の声に耳を傾けた。地元では障害者福祉に晩年まで携わった。
地方に根をすえ、社会の底を見つめる姿勢は際だっていた。「広く社会に務めるように」と授けられた名の通り、反戦・反差別の信念を貫き、広く社会に尽くした。

 天声人語より
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有効求人倍率1.5倍の高水準
2017年度の平均求人倍率は前年を0.14㌽上回る1.50倍となり、1973年以来44年ぶりの高い水準を記録した。
17年度の平均完全失業率は前年比0.3㌽減の2.8%で、93年以来24年ぶりの低さだった。

 紙面より
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1919年の記事を、歴史人口学者の速水融氏が著書で紹介している。
「湯屋も床屋も流行感冒の話ならざるはなく湯冷めがしたと急いで帰るのや急に外套の襟を立てゝ床屋から飛出すものもあって----」。スペイン風邪と呼ばれたインフルエンザが大流行していた。
世界的に猛威をふるい、日本でも人口の約4割が病にかかった。当時の首相、原敬も発症した。熱は下がったが、かかって1週間が経っていないので枢密院の会議に出席しなかったと、日記にある。周りにうつさないようにとの配慮だろう。
この冬、インフルエンザにかかる人が急増している。最新の1週間の患者数は統計を取り始めた1999年以降で最大という。確かに周りでこれほど発症の話を聞く年も珍しい。電車でも街でもマスク姿が目立つ。
A型に加えて広がったB型は、熱がそれほど出ない場合がある。最初は本人も気がつかず「隠れインフルエンザ」と言われることも。記録的な寒波も、拡大を後押ししたか。米国やフランスなどでも大流行だと聞く。
「近寄るな----咳する人に」「鼻口を覆へ----他の為にも身の為にも」。スペイン風邪の流行を抑えようと当時の内務省が作った標語である。治療法は進歩しても、予防法にそれほど違いはないということか。手洗い、十分な睡眠----。できることをせずに、寝込みたくない。
そして、かかったらとにかく安静である。「自分がいないと、あの会議が、あの仕事が----」などと、ゆめゆめ思わぬように。

 天声人語より
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金融庁業務改善命令出した
コインチェックで一部の仮想通貨がマネーロンダリングに使われる恐れがあると再三警告していた。
内部統制に大きな問題があると判断。

紙面より
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立ちすくむ多元社会。ポピュラーのもとで進められているのが、移民と難民への規制。
日本では移民と難民の受け入れに対する懸念が共有されていない。従来、移民も難民も制約する政策をとってきたからである。
日本における植民地帝国の解体は独立運動を前にした撤退ではなく、敗戦による帝国解体というかたちで進んだ。日本は単一民族が居住する国家であるという観念もその過程で強まった。出生率の低下が経済に影響を与えた後も、移民規制は厳しく、難民受け入れはさらにわずかであった。
在日コリアンに対するヘイトスピーチのような深刻な問題を無視してはならないが、現在の日本は、すでに多くの移民が居住し、難民受け入れが争点となっている欧米諸国とはやはり状況が異なるというべきだろう。アメリカやヨーロッパでポピュリストが移民排斥を求めるとき、日本は移民も難民も少ない社会を既に実現していた。
移民が少ないから移民排斥も争点になりにくい。欧米におけるポピュリズムと日本との違いがここから生まれる。民族や宗教の異なる人々がどのように共存できるかという問いは、単一民族の国家という観念が先に立つとき、脇に追いやられていまう。そこから住まれるのは日本国民の結束と優位を自明の前提とするナショナリズムの高揚でる。
多文化の共存を試みた社会ではその枠組みが動揺し、「単一民族」の保持に勤める社会が安定を誇る。多元社会に厳しい時代が始まっている。

 時事小言より----藤原帰一
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体の「老化」と心の「老い」は別物
男女とも平均寿命は80歳を超えました。高齢化社会で問題になるのが、「平均寿命」と「自分で自分のことができる健康寿命」との差です。男性ではほぼ9年、女性では13年近く介護を受けたり、あるいは寝たきりで過ごしたりしています。この期間をいかに短くするかが、医療従事者の課題です。
一概に「老い」といっても、生物学的な「老化」と、人間的な「老い」は別物です。人間として抗しきれない老化の中で、いかに生命の意味を見いだしていくか。「土の器」とも例えられるもろい人間の身体は、ひび割れたり壊れたりもします。それでも私たちは与えられた時間の中で、その器に何を入れていくか、模索し続けるのです。
もし社会が老人を疎んじ、ポンコツ車のように見下すなら、それは真の文明社会とはいえません。必要なのは、社会がもっと交わりの中に高齢者を入れ、温かい心で包み込み、高齢者に「役割」を与えることです。私が日ごろから平和の重要性を語るのは、高齢者が居場所を得て輝くためには、社会がまず、平和であることが前提となるからです。
若い世代を含め、一人ひとりが参与しなければ、本当の健康社会は日本に実現されない。

 私の証あるがまゝ行く----日野原先生
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担当の患者にもし何かあったら。心が休まることのない勤務医の日常を、医師の野田一成さんが書いている。
同僚に仕事をお願いして実現した一泊旅行でも、携帯電話がいつ鳴るか気が気でない。電話をビニールで包んで温泉に持ち込んだ。
映画館ではすぐに外に出られるよう、一番端の席を予約する。夜間や早朝の電話でも、ワンコールで反射的に目が覚める。「つねに緊張している状態は自分の健康に良いとはいえません」と『患者はしらない医者の真実』で述べている。
医師の長時間労働の実態が相次いで判明している。著名な大学病院が違法な残業をさせていたとして労働基準監督署の指摘を受けた。休日のルールもない病院があり、「過労死ライン」を超えた残業が野放しだった病院がある。医療の現場が疲弊しているのかと思うと不安になる。
働き方改革をめぐる厚生労働省の検討会では「医師が健康であることが重要」との声が出た。当然のことから確認しなければならない状態か。主治医を複数にする。医師でなければできない仕事を絞り込む。できる所から手をつける以外にない。
「先生」と呼ばれ、ときには「仁術」とまで持ち上げられる。忙しくて当然だと、社会の側が甘えてこなかったか。人々の健康を担うのは、疲れもするし弱音も吐きたい生身の人間である。
そういえばもう一つの「先生」、学校の教員も長時間労働が問題になっている。宣誓の敬称は、誰かに無理を押し付けるためにあるわけではない。

 天声人語より
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理想的な健康長寿の姿、それに近づくための心の持ち方
まず「健康」という言葉そのものについて考えます。「健」の字には、建物の「健」が含まれます。地震で倒れない、しっかりした建物を建てるように、「人間の体を健やかに保つにも、強い土台が必要だ」と解釈できそうです。
次に「康」というと、260年続いた江戸幕府の礎を築いた、徳川家康の名が思い浮かびます。「啼くまで待とうホトトギス」と詠んだ、という逸話があるほど、家康は気長で心に余裕のある人物だったと言われています。漢和辞典を調べると、康には「すこやか」「やすらか」といった意味があるようです。健やかに、安らかに。気長に、余裕を持って。そんな心の持ち方が長生きのコツでしょうか。「人生50年」と言われた時代、家康は70年以上、生きたことが分かっています。
では、長生きしたら、毎日をどう楽しむか。「今までやったことがないことをやってみる」。それに尽きます。挑戦するかしないか、迷う前に、「新しいことに挑戦する毎日」を習慣化してしまえばいいのです。

 あるがまゝ行くより---日野原重明
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すざましい思想弾圧だった。
明治後期、1910年の大逆事件では、全国の社会主義者ら数百人が摘発され、12人が死刑となった。天皇暗殺を企てたとされたが、大半はでっちあげだった。刑死した一人が名誉市民になると聞き、和歌山県新宮市を訪れた。
その人、大石誠之助は、米国で学んだ医者であった。「ドクトル大石」の表札を掲げ「毒取るさん」と慕われた。貧しくて治療費が払えない人には、口に出さずとも窓をトントントンと3回たたけばいいと教えた。そんな言い伝えに人柄を思う。
日露戦争で非戦論を訴え、人道的立場から公娼に反対した。そんな彼が、親交のあつた幸徳秋水や地元の仲間とともに弾圧される。いわれなき共謀罪の罪だったが、周囲の眼差しは一変した。
「ある日突然、親族まで石もて追われるようになった。そういうことが今後も起きないとは限らない」。市議会で名誉市民の提案をした一人、上田勝之さんは言う。「共謀罪」法、そして改憲への動きが市議たちの背中を押したようだ。
大石の命日の24日、名誉市民の表彰がなされるという。「平和・博愛・自由・人権を訴えた活動は、現在にも通じる先覚的な取り組み」だと決定の理由にある。そうした考え方が断ち切られた先に、日本の息苦しい時代があった。
大石は獄中で詠んだ。<わがむくろけぶりとなりてはてしなきかの大空にかよひゆくかも>。彼の遺志を継ごうとする人たちが、紀伊半島にいる。投げかけられた思いを受け止めたい。

 天声人語より
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インフル患者過去最大に
患者数が前週に比べて2倍に急増した。
警報レベルの20人を大幅に上回った51.93人に。
現在の調査方法になった1999年以降で最多となった。

紙面より
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日本最古の歴史書である古事記は、いにしえの火山活動をも描いているかもしれない。
地球物理学者の寺田寅彦が、とりわけスサノオの神話について「火山現象を如実に連想させるものがはなはだ多い」と書いている。
スサノオが泣きわめき、その激しさで青々とした山が枯れ木の山となり、海や川の水が干上がる箇所がある。寺田に言わせれば噴火のために草木が枯れ、降灰で海や川が埋まったことを思わせるという。古事記の編纂は約1300年前。私たちの祖先が長く火山災害と向き合ってきた証なのか。
実に約3千年ぶりの噴火だという。群馬県草津白根山の「本白根山」が噴き上がり、スキー場に石を降らせた。身を隠す場所のないゲレンデである。けが人が相次ぎ、訓練中の陸上自衛隊員1人が命を奪われる痛ましい事態となった。
火山の寿命は約十万年といわれる。3千年ぶりといえど、人の一生に例えれば1年あるいは数カ月ほどか。山からすれば「1年ぶりに癇癪を起した」というようなものか。火山の時間と、人間の時間。そのあいだの隔たりを思う。
富士山や桜島など全国には111カ所の活火山がある。世界の活火山のうち約7%が日本にあり、狭い国土にひとめあっている。おかげで豊かな伏流水に恵まれ、温泉があり地熱発電もできる。一方で噴火や地震にさらされる。
予測や予知の難しさが、またしても浮き彫りになった噴火だった。静かな山が突然動き出すことがある。そう心にとめ、備えたい。

 天声人語より
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円急伸
24日のNY市場で円相場が1㌦=108円台後半まで急伸した。
米政権がドル安を容認したとの受け止めが市場にひろがり、円など主要通貨に対してドルが売られた。
急激な円高の流れをうけて東京市場は一時250円安を付けた。

紙面より
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雨は「しとしと」降る。風は「ぴゅうぴゅう」吹く。では雪は。
「しんしん」か。いやいや「こんこん」だろう。<雪やこんこん>と歌うではないか。そう思われた方もおられるか。しかし、こんこんの意味にはどうも諸説あるようだ。
国語学者の若井勲夫さんが、著書『唱歌・童歌・寮歌』で、「こんこん」を擬態・擬音語と考えていいのか、と疑問を呈している。「雪や」と呼びかけているのだから、「来む来む「が正しいと。なるほど「雪よ降って来い」の意味だと思うと、雪だるまや雪合戦に興じる子どもの実感に沿うかもしれない。
小さい頃にあれほどうれしかった雪が、大人になるにつれて邪魔者になるのは、いたしかたのないことか。関東は大雪に見舞われた。
東京23区では4年ぶりに大雪警報が出て、早めの帰宅した方も多いだろう。きょうの入試の時間が繰り下げになる高校もあるそうだ。すでに記録的な積雪となった日本海側からは、雪下ろしや除雪作業の苦労が伝わる。
解説書に学べは、新設がふわふわと軽いのは、雪の結晶同士がつくる隙間に空気を多く含むからという。結晶が崩れると「しまり雪」となり重みを増す。溶けたり凍ったりを繰り返せば、さらに思い「ざらめ雪」。暖かくなって「なごりの雪」となるのは、まだ少し先か。
何もかも覆い尽くす白さに、大人であっても心引かれる瞬間はある。<山も野原も/わたぼうしかぶり>の歌とは違い、住宅地やビル街でみる純白であっても。

 天声人語より
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貿易収支2年連続の黒字
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆9910億円の黒字となった。
黒字は2年連続だが、黒字額は前年より25.1%減少した。
原油高が黒字額を押し下げた。

紙面より
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東京市場をリードする業種は
今年の大発会で、26年ぶりに終値で2万3000円台を回復した日経平均株価。その後も、海外市場の好調や北朝鮮リスクの後退などを受けて、堅調に推移しています。
実は今、それ以外にマーケットに影響を及ぼしているのが、原油価格の高騰です。世界経済の好転による需要増などを背景に、国際的指標のWTI原油先物価格は2017年央に43㌦前後だったのが、17年末には56㌦となりました。足元では約3年ぶりの高値となる64㌦まで急上昇しています。
原油高と株価の関係は、マーケットの動きを業種別に分析すると裏付けられます。東証1部の33業種別株価指数の過去1カ月の上昇率で、1位は19%上昇の石油・石炭瀬品、2位は17%上昇の鉱業。以下、非鉄金属、証券、卸売りと続きます。
上位の石油・石炭製品や鉱業、卸売りといった業種の株価上昇の背景には、「原油高が業績の追い風になる」という投資家の期待があります。
このように株価上昇の鍵を握るのは、なんといっても企業業績の先行き動向です。3月期決算の会社を対象に、現時点の業績予想を業種別に集計すると、18年度の営業増益率トップは海運の41%増で、2位はその他製品の26%増。以下、パルプ・紙製品24%増、石油・石炭製品20%増となりました。海運は、大手3社のコンテナ船事業統合が主な要因。その他の製品は、大幅増益予想の任天増が影響大です。
「冬来たりなば春遠からじ」。この先、春に向け、どの業種の株価が東京市場のリード役となるのでしょうか。

 東洋経済の眼より
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東京の雪
それぐらい毎日だよと雪国の人にあきられそうだが。
関東は残雪がぬかるんだり凍ったり。
足をとられぬよう。

素粒子より
雪が降るといっているのに冬タイヤに替えない人が多くいるの分かった東京の混乱。
もしかしたらバスもそうなのか?
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地下鉄サリン事件の翌年、哲学者の森岡正博さんが著書で述べていた。
「私には、一歩間違えれば、オウム真理教に入っていたかもしれないという切迫感がある」。麻原彰晃なる教祖が座禅で空中に浮揚する。そんな写真の本を見つけ、興奮したことがあると。
立ち読みにとどめたのが自分で、買って熟読したのが信者だと書いている。犯罪を引き起こした彼らと自分の間に、どれだけの違いがあるか。そんな自問である。
20年余りにわたるオウム真理教の刑事裁判が終結する。入信の同期は様々に語られてきた。「科学の無限の進歩が信じられなくなった」「超常現象を体験できるなら」。孤独や劣等感との理由も。ヨガ道場ゆえに近づきやすかったか。
そんな彼らが犯罪集団と化す心理が公判でのぞいた。地下鉄サリンの実行犯、林邦夫受刑者はホームで女性や子どもを見て葛藤を感じた。しかし「これは戦いだ」という麻原の言葉にすがって実行したという。「かわいそうだと思うのは帰依が足らないから」と岡崎一明死刑囚は語った。
外から見たらいかに理不尽でも、閉じた集団の中だけで通用する理屈がある。それがときに引き起こす。宗教に限らず、集団の内部で物が言えなくなるとき陥りがちな罠であろう。
グル、ボア-----。オウムをめぐっては奇異に響く言葉があった。「テロリスト集団」「カルト集団」には違いない。しかし、そう呼んで異質なものと片付けるだけなら、教訓はこぼれ落ちる。

 天声人語より
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やっと決まるか連立内閣
ドイツの社会民主党は臨時党大会を開き、メルケル首相ひきいるキリスト教民主・社会同盟との連立に向け、正式交渉に入ることを決めた。

紙面より
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トランプ米大統領を憤慨させた本と聞いて『炎と怒り』を読んだ。虚実ないまぜとされる暴露本である。
米国で今月初めに刊行され、話題を呼んだ。東京都心の書店に訪ねたが、どこも品切れ。電子版を購入した。
眉につばをつけつつページを繰ると、意外にも描写は丹念である。たとえば大統領は就任早々、ホワイトハウスの寝室に、警護陣の異論を退けてカギを付けさせ、1台だったテレビを3台に増やしたとある。ののしるわりにはテレビが好きらしい。
「歯ブラシに触るな」。清掃担当者にはそう命じた。毒物を警戒してのことという。マクドナルドのチーズバーガーを好むのも「安全な作り置きで狙われにくい」から。それほど恨みを買っているという自覚があったのか。
政権発足からあすで1年。内幕ものが話題を呼ぶのは、はたしてこの人で世界は大丈夫かという不安の裏返しだろう。最近も中米やアフリカの国々を「シットホール」呼ばわりした。訳せば「肥だめ」「屋外便所」か。人前では使わぬ言葉である。
衰退する超大国で、反知性主義の波に乗って当選した人ではある。「国父」を思わせる過去幾人もの大統領たちとは違って、発言に徳が乏しいのは織り込み済みという見方もできるだろう。
それでも米国では最近、彼の精神面を懸念する声が強まっている。ご当人はこう反論した。「私の二大資産は精神的安定と非常に賢いこと。賢いというより天才。とても安定した天才だ!」。いよいよ先が思いやられる。

 天声人語より
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高齢者の肺炎予防。5年に一度はワクチン接種を
高齢化が進み、肺炎による死者数が急増しています。2011年には、がん、心臓病に次ぐ、日本人の死因の3位になり、年間約12万人が命を落としています。65歳以上になると、肺炎による死亡リスクはぐんと高くなるためです。
高齢者の肺炎は、命を奪う危険な病気だという認識を持ち、予防が重要だ。
肺炎は主に、肺炎球菌やマイコプラズマなど様々な最近の感染が原因で起こる。若いうちは、抗菌薬による治療ですぐ良くなり、命を落とすことはほとんどない。
一方、高齢者はいったん発症すると何度も再発を繰り返す人が多く、命にかかわる。薬が効かない場合もあり、まずはかからないようにすることが大切だ。
もっとも有効とされるのが、原因の3割を占める肺炎球菌のワクチン接種だ。65歳以上では5年に1度、接種することが望ましい。
特に、インフルエンザにかかった後は肺炎にかかりやすいので、肺炎球菌とインフルエンザのワクチンをあわせて接種しておくとさらに効果的という。
今のところ公的な定期接種の対象ではないが、自治体によっては接種費用の助成もある。
口のなかを清潔に保ち、入れ歯の調子を整えるなどのケアも重要だ。高齢になると、食事のときにむせたり、寝ている間に唾液が気管に入ってしまったりして、口のなかにいる細菌が肺に入って肺炎を起こすリスクが高まる。
粗食を好み、肉や動物性脂肪をとらない人は要注意。たんぱく質などの栄養が足りない状態になると体力が落ち、肺炎にかかりやすくなる。高齢者は積極的に脂質、たんぱく質を取るべきだ。喫煙者や糖尿病の人も、肺炎のリスクが高い。
高齢者の肺炎は、素人目には一見、ただの風邪と区別がつかないことが多い。あまり熱が高くなくても、ぼんやりしているなど、周囲の人が見て少しでも「おかしいな」と感じるところがあれば、積極的に医療機関を受診させるようにしたい。

 体とこころの通信簿より
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死の床で妹がせがむ。「あめゆじゅとてちてけんじゃ」。
雨雪取って来て。
兄は雪を椀に取って与える。宮沢賢治の詩「永訣の朝」である。妹は「おらおらでしとりえぐも」。私は私でひとり逝くから。
切なくも忘れがたい一節を題に掲げた小説『おらおらでしとりえぐも』が芥川賞に輝いた。作者若竹千佐子さんは賢治と同じ岩手県出身。豊穣な東北言葉を駆使し、孤独を生きる女性を描いた。
主人公の桃子さんは74歳。東北から身一つで上野駅に降り立って半世紀。そば屋や割烹で働き、同郷の男性と結ばれ、2子を育て上げる。だが夫が急逝し、愛犬を失う。子どもとも隔たり、孤独との対峙が始まる。
「人の心は一筋縄ではいがねのす」。飼いならしたつもりでも、孤独は時に暴れ出す。深まりゆく老い。かと思うと日常を穏やかに慈しむ時もある。沈む日は沼のごとく。晴れた日は天高く。ページを繰り、70代の心の揺れに引きこまれた。
若竹さんが文学に打ち込んだのは夫と死別した55歳から。テーマは一貫して晩年を生きる哲学という。人生を四季にたとえ青春、朱夏、白秋、玄冬と言うが、若竹さんは自身の作品世界を青春小説ならぬ「玄冬小説」と呼ぶ。
人生100年時代、老後の不安は尽きない。20年後には全世帯の4割が独居になるとの予測もある。健康や家計と並んで備えておきたいのは、孤独の飼いならし方、老後の慈しみ方ではないか。「玄冬小説」の広がりに期待したい。

 天声人語より
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胃潰瘍や動脈硬化などを防ぐ梅のパワー
梅干しは、昔から健康に良いというイメージが伝えられていますが、日本一の産地、和歌山県では最近、科学的な証拠が集まりつつあります。
「梅はその日の難逃れ」のことわざのように、梅干しを朝に食べると、病気などを免れると、昔の人は経験から伝えてきた。和歌山県立医大の宇都宮洋才准教授によると、梅の産地みなべ町などで聞き取り調査をしたら、「動脈硬化を防ぐ」「胃潰瘍になりにくい」「かぜをひかない」「疲れがとれる」など数え切れないほどの伝承があった。まるで「万能薬」だが、本当だろうか。
マウス実験では、梅エキスが動脈硬化を引き起こす血管の筋肉の肥大を防いでいることがわかった。
宇都宮准教授は梅に含まれるポリフェノールの一種「リグナン」に着目。胃潰瘍の原因となるピロリ菌の培養液の中にリグナンを加えたら、変形したりしてピロリ菌の働きが弱まった。
ピロリ菌の働きを半分に抑えるには、梅干し5個分相当のリグナンが必要だったが、「1、2個分でも効果はある」という。
また、インフルエンザウイルスが感染した培養細胞にリグナンを加えたら、ウイルスの増殖が抑制されることもわかった。
梅の有効成分はリグナンだけではない。近畿大生物工学部の三谷隆彦・元教授が見つけた別のポリフェノール「ヒドロキシ桂皮酸」にも、高血圧防止やウイルスの増殖を抑える効果があることが分かってきた。
ただ、数々の健康効果があるからといって、たくさん食べれば良いわけではない。梅干しには10%程度の食塩が含まれている。1個10㌘だと1㌘に上る。
厚生労働省が定める1日の塩分の摂取目標量は、成人男性9㌘未満、女性7.5㌘未満だ。
1日の食事全体で塩分を調節しなければいけない。梅干しは1日2個程度を目安に。増やす場合には他のメニューの塩分を抑える工夫が必要だ。
さて、観梅の季節。梅林の花の香りにも、梅パワーは秘められている。和歌山工業高等専門学校の奥野祥治准教授によると、香り成分のベンズアルデヒドに抗菌作用がある。梅干しにも同成分があり、「日の丸弁当が傷みにくい理由の一つではないか」とみている。

 元気のひけつより-----野中良祐
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「がれきの街で生まれた奇跡の赤ちゃん」。
神戸市の会社員中村翼さんは23年前、阪神・淡路大震災の当日に生まれた。成長する姿をテレビが追い、小学生になるとプロ野球の始球式に招かれた。
「思春期にはそれが負担で悩んだ。何千人も亡くなった日に僕は単に生まれただけ。何もやり遂げていない。誕生日を隠すようになりました」。大学で防災教育を学び、心境が変わる。東北の被災地でボランティアをし、仮設住宅の人々と話をした。両親に生まれた日のことを訪ねたのはその後である。
揺れた瞬間、父が母に覆いかぶさったこと。火の手が見え、家を出たこと。避難先の小学校で破水したこと。見ず知らずの女性が車で休ませてくれたこと。病院へ向かう道が渋滞し、警官に頼み込んで車線の脇を誘導してもらったこと。
4時間かかってたどり着いた病院が停電していたこと。父の懐中電灯に照らされて生まれたこと。倒壊の恐れから病院を出たこと。深夜まで産湯を使えなかったこと----。
自分が生きているのはまさに奇跡だと思った。
先週、神戸市内の小学校で中村さんの講演を聴いた。震災を伝える「語り部KOBe995」に加わって初めての活動だ。黒煙を上げる神戸の街並みの写真に児童ら250人といっしょに見入った。
中村さんはいわば巨大地震の前と後の境界線で生を受けた人である。揺れの記憶はなくとも、鮮やかに体験と思いを語り得ている。聴衆の中から次の世代の語り部が生まれるよう祈った。

 天声人語より
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ビットコイン規制か
G20財務相会合でフランスとドイツが国際的な規制を呼びかける。
仮想通貨への投機が過熱し、価格の乱高下で取引リスクが強まっているため。

紙面より
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北海道沖で超巨大地震の起きる可能性が高いというニュースが流れたのは昨年末であった。
ナマズが機嫌を損ねるのは、春から秋までとは限るまい。厳冬期の避難生活で何が起きるのか。日本赤十字北海道看護大の演習に参加して、体育館で一夜を過ごしてきた。
屋外の最低気温は零下10度。骨身に染みる寒さである。各地の被災地で見てきたように、床に寝転び、配られたピンクの毛布1枚にくるまった。冷蔵庫の白菜にでもなった気分だ。眠れない。
避難所では、土ぼこりによる健康被害などを防ぐために土足禁止が原則とされる。でも氷のような床に靴下で立つと、足裏のしびれがとまらない。屋外の仮設トイレは、高齢者の使用を想定して洋式も設置された。狭い空間でやっとの思いで厚着を脱いで便座に腰掛け、冷たさに飛び上がった。
大切なのは、先例にとらわれるのではなく、避難生活を人間らしく保つことなのだろう。あの日、被災者たちは着の身着のまま集まり、湯気のあがる食事を待ち望んだ。阪神大震災からあすで23年。<ローン残るわが家の瓦礫拾いきて暖とりおれば粉雪の舞う>神尾鞠子。
残念ながら、避難所の光景はあれからあまり変わっていない。少し改善されても、新たな土地で災害があると振り出しに戻って関連死を生んでしまう。
被災者は体育館の床で雑魚寝するもの。非常時にはぜいたくを言わず我慢しなければいけない----そんな「常識」からいったん脱する必要があるのではないか。

 天声人語より
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株の値上がり
東証は一時、26年2カ月ぶりの2万4000円台に値上がりした。
一方、NYダウは史上初の終値2万⑥000円台に。

紙面より
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明治後期の1906年、作家の徳富蘆花は外遊に出る。
日露戦争から間もない時期で、トルコでは、東洋人が白人の鼻を折ってくれたと歓迎された。しかし蘆花の紀行文からは戸惑いがにじむ。日本の勝利が刺激になり、武力に頼る動きが強まることを憂えた。
帰国後に書いた「勝利の悲哀」では、日本のことを爾と呼び、武力をたのむ姿勢を改めよと訴えた。「一歩を誤まらば、爾が戦勝は即ち亡国の始とならん、而して世界未曽有の人権的大戦乱の原とならん」。
その後の日本と世界の運命を考えるなら慧眼というべきだろう。蘆花の願いがかなうことはなく、日本は植民地獲得の競争にひた走った。泥沼の日中戦争があり、無謀な対米開戦から敗戦にいたった。
今年は明治元年から150年となる。政府は「明治の精神に学ぶ」として、国の行事に「150年」の冠をつける方針だ。列強から国を守るため近代化を進めたと礼賛ムードが漂い始めている。ただ明治という時代に、当初から膨張への志向があったことを忘れてはなるまい。
尊皇攘夷の思想家、吉田松陰が幕末に書いたのは、海外侵略のすすめだった。「蝦夷地を開墾し、カムチャツカ、オホーツクを奪い取り、琉球を参勤させ、朝鮮に貢納させ、満州の地を割き、台湾・ルソンの諸島を収める」。彼は明治を見ずしてたおれたが、不気味くらい日本の針路を暗示している。
先人たちの偉大さに学ぶ。同時に限界や危うさにも目を向ける。そんな1年にしたいと思う。

 天声人語より
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相続制度の見直し
残された配偶者が自宅に住み続けられる権利をつくる。
法律もおひとりさま時代にあわせて。

素粒子より
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成人式というと、いまだに1月15日が浮かぶ。
祝日法の改正で「1月の第2月曜」とされる以前の古い感覚が抜けないせいだろう。
そもそも成人式はいつ始まったのか。「成人式発祥の地」を掲げる埼玉県蕨市によると、戦後まもない1946年11月にあった「青年祭」が起源だという。敗戦で沈んだ街を盛り上げようと地元の青年団が開き、冒頭の式典を「成年式」と呼んだ。祭りは3日に及び、音楽や漫才、野球大会でにぎわった。
郷土史によると、男性にはカーキ色の国民服が多く、女性にはもんぺ姿が目立った。会場の一角には、戦地から戻らない人の消息を探す復員相談室も設けられたという。翌々年の48年、祝日法が施行され、成人式は各地に普及していく。
市中心部の城址公園には「青春」という石碑が立つ。「青春とは人生の或る時期を言うのではなく心の様相を言うのだ」。米詩人ウルマン原作の「青春」である。「人は自信と共に若く、恐怖と共に老ゆる」。歯切れよく格調高い。
詩は地元出身の岡田義夫氏が訳して知られるようになった。岡田氏は戦前から羊毛工業界で活躍した紡績の専門家。終戦直後にこの作品を知り、自ら訳して座右の銘とした。今月で没50年になる。
さて筆者がこの詩に初めて接したのは20代の半ば、久しく忘れていたが、思いがけず公園で再会した。人影のないのをさいわいに、名訳をあえて声に出して読んでみる。30年前には理解のむずかしかった老いと若さの境界がはっきり見えた。

 天声人語より
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共通一次
しゃあスヌーピーはカリメロは。
入試でムーミンとビッケの舞台を問う。
「心の中」とフィンランド大使館の名答。

素粒子より
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インベーダーゲームが大好きで、盗んだ金の大半はゲーム代に使った----。
270万円の窃盗容疑で検挙された男の話が、1979年の新聞にある。別の記事では「過熱インベーダーゲーム」の見出しで、インチキ硬貨を作ってゲーム機に入れる中高生がいると書く。
インターネットもスマホもない時代、喫茶店にテーブル代わりに置かれたゲームである。侵略者たちを迎え撃つスリルを覚えている方もおられよう。今年は誕生から40年になるそうで、東京で記念イベントも開かれている。
草創期から現在まで、ゲームの世界は目まぐるしく変わった。画面の中の戦いや冒険は、映画と見まがうほど。プロスポーツ選手のように富と名声を得る競技者も出てきた。
魅力とともに、魔力も強まっているのか。インターネットゲームなどのやり過ぎで生活に支障をきたすことがあるとして、世界保健機関が「病気」に分類する方針という。
症状として「ゲームをする衝動が止められない」「問題が起きてもゲームを続ける」などをあげる。韓国では若者が86時間没頭した末にエコノミー症候群で亡くなっている。ネット依存はアルコール依存のように、脳の働きを大きく低下させるとの研究もある。
「1杯目は健康のため、2杯目は喜び、3杯目は心地よさ、4杯目は愚かさのため」「酒の神は海の神より多くの人を溺死させた」。痛飲を戒めることわざは世界に多い。ネットやゲームのための新たな金言が、求められるところだろう。

 天声人語より
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藤井4段
佐藤名人を破り「将棋をはじめたころからの憧れ」羽生竜王に挑む。
15歳の人生は目標到達も早指し。

素粒子より
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矛盾はらんだ日本の近代
今年は明治維新150年である。明治維新とは何だっのか、というテーマは、いまだにわれわれの関心を引きつけ、その評価も定着していない。
明治維新は日本の近代の始点であった。たとえ近代化の素地がすでに江戸時代に見いだせるとしても、西洋文明を手本とした近代化に着手したのは明治維新であった。
私にとって、明治維新のもっとも規程にるものはといえば、「壮大な矛盾をはらんだ苦渋の試み」といいたい。
まず、明治維新という言葉がある特徴を示している。英語でいえば「リストレーション」つまり「復古」である。「復古」としての「刷新」なのである。復古とは、天皇親政や神道の国家化など、日本独自の「伝統」を強く意識した国家形成を行うことを意味し、「刷新」の方は、徳川の封建体制を全面的に打ち壊して西洋型の近代国家へ造り替えることを意味している。
こう回だけで、すでに日本の近代化が内包する矛盾を見てとることができよう。明治の近代化は、日本独自の「国のかたち」や日本的な倫理や精神の覚醒を促すと同時に、西洋型の近代社会の建設という目標を掲げたものであった。
日本の近代化は、同時に日本の西洋化であるほかなかった。しかし、それに成功すればするほど、「日本」は溶解しかねない。少なくとも、福沢のいう「独立の気風」や「士道の精神」などというものは蒸発しかねない。そこで、近代化や西洋化から取り残されるものの不満は、ことさら「日本」を持ち出す方向へと向かうのである。西郷隆盛はその不満を一身に引き受けたが、それでことは片付いたわけではなかった。
戦後の第二の近代化は、西洋化というよりアメリカ化であった。今日、アメリカ型の文明がグローバリズムという名で世界を覆いつつある。私には、明治の近代化において日本が直面した矛盾が解決されたとは思えない。だが残念なことに、福沢を後継する「新・文明論之概略」はでてこず、彼の危惧した「独立の気風」の喪失も問題とされない。とはいえ、西郷どんがいまだに人気があるのは、日本の近代化の宿命的な矛盾をわれわれもどこかで気にかけているからではなかろうか。

 異論のススメより-----佐伯啓思
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代謝をアップ、ウォーキングで脂肪燃焼。
代謝を高めるために大事なことは、ウォーキングなどの有酸素運動です。読者のみなさんの中にも、歩いている方が大勢いらっしやるでしよう。筋トレで基礎代謝量を上げ、さらに有酸素運動で脂肪を燃やすことで、健康で美しく、疲れにくい体をつくることができる。
ウオーキングは、肥満の解消になるほか、心肺機能が高まり持久力が増す。
▽毛細血管が増え、血流がよくなる。
▽動脈をやわらかくして動脈硬化を防ぐ---
などの効果が期待できる。もっとも手軽で、もっとも高い効果を上げられる健康法といえる。
さまざまな研究で、1日8千~1万歩くらい歩かないと健康効果が引き出せないことが分かってきた。1万歩はハードルが高いので、まずは1日8千歩、1週間で5万6千歩を目指します。多少の「歩きだめ」がききますので、あまり歩けない日があっても、別の日にたくさん歩いていれば補うことが出切る。
まとまった時間をとってウォーキングしなくても、日常生活の短い時間で歩数を稼ぐ方が何かと好都合。ひと駅前で降りる。ちょっと遠くのスーパへ行く、エスカレーターの代わりに階段を使うなど、生活しながら歩数を稼ぎましょう。
ただ、歩くだけで足腰の筋力の低下を防ぐことはできません。併せて筋トレもすることが不可欠です。運動を続けるために、歩数計と、筋肉量がどれくらいついたかを確かめられる体組織計が自宅にあるとよい。

 きょうもキレイより-----筑波大教授・久野譜也
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イタリア人と結婚し、異国での暮らしを多くの随筆に残した須賀敦子さんが書いている。
あるとき姑から、こう言われたという。「ひとりの人を理解するまでには、1トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ」。
たくさんの塩を舐めるということは、数多くの食事をともにすること。伴侶であれ友人であれ、たくさんのうれしさや悲しさを一緒に経験することなのだろう。須賀さんの姑も昔、自分の姑から聞かされたというから、かの国で長く伝わる例え話なのか。
人間が生きる上でいかに塩が大切で、かけがえのないものか。それがにじむ言葉は少なくない。キリスト教で「地の塩」とは、不正や腐敗を見過ごすことのできない人物を指す。食べ物が腐るのを塩で防ぐからだ。変わることのない誓いは、「塩の契約」である。
きょうは塩の日。戦国時代、塩の供給を断たれて困っていた武田信玄に、ライバルだった上杉謙信が塩を送ったとの言い伝えにちなむ。もっとも最近は塩の語感にマイナスの印象がつきまとう。このところ耳にするようになった「塩対応」は、冷淡で愛想のない態度を指す。
塩はもはや貴重品ではなく、どちらかというと嫌われ者。そんな現代社会を映し出しているのだろうか。スーパーには減塩をうたう商品が並び、自治体が減塩の指導に乗り出す。
一方で、熱中症対策には塩分が不可欠だとも言われる。
過ぎてもいけないし、たりないのもいけないのは、塩に限らない。いい塩梅、という言葉もある。

 天声人語より
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救命につなげるために、AED使用をためらわずに
救命につなげるために、AED使用をためらわずに
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有罪か、無罪か。判断を神に委ねていた時代があった。
そのための儀式があり、古代の「盟神探湯」では煮立った熱湯に手を入れた。やけどを負った者が有罪である。戦国時代から江戸初期にも、焼けた鉄を手にのせる「鉄火起請」なる過酷な審判があった。
無実の罪を着せる「濡れ衣」も、一説には神による審判に由来があるという。濡らした衣類が速く乾けば無罪、乾かなければ有罪。非合理な裁きに苦しんだ人が大勢いたかと想像する。
まったくの濡れ衣により、選手生命に取り返しのつかない傷が付くところだった。カヌーの鈴木康大選手が、ライバルの小松政治選手の飲み物に禁止薬物を入れたことが発覚した。
ドーピング検査で引っかかれば長期の出場停止になる。そうすれば自分が東京五輪に出る可能性が高まる----。どうもそんな計算をしていたらしい。邪さに仰天する。チームメイトでもある選手によくそんなことをと思うが、同じチームゆえに飲料ボトルに近寄りやすかったのだろう。
動機について鈴木選手「私の愚かな点、私の弱い部分のために」と語っているという。競技への情熱は、どこで暗転したのだろう。日本で開かれる五輪という重みが、彼の人間性を狂わせてしまったのか。
思えば、きしみや歪みが目につく東京五輪である。招致活動に対する疑惑、エンブレムの盗作騒動、さらには競技場の工期を急ぐゆえの過労自殺まであった。日本開催の魔力から、もう少し距離を置けないものか。

 天声人語より
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はれのひ問題
本当の「晴れの日」を。
振り袖が着られなかった人に成人式再びの動き。
そう若者はいくらでもやり直しがきく。

素粒子より
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自分で未来を切り開く。
働くことは、お金を得るための手段ではない。人間の価値を高めるための営みであり、仕事を通じて学び、成長していくことに意義がある。企業規模は関係ない。それなのに、学生の就職希望先は大企業ばかり。著名な企業に入ることが目的化し、何のために働くのか、という問題意識が希薄だ。大学や学生、そして企業は、まずはその点を考え直すべきだ。私の講義に触発され、中小企業で活躍している若者は何人もいる。「若い時から責任のある仕事を任される」「社長との距離が近い」「海外営業にやりがいを感じる」---といった具合に。
世界情勢は目まぐるしく変化し、先を見通すのが難しい時代になった。だからこそ学生は原点に立ち返ってもらいたい。充実した人生を過ごすために何をなすべきかを考え、自分の存在価値を高めることに知恵を絞って欲しい。自ら情報を集め、考え、自らの意思で働くことだ。自分で未来を切り開く姿勢を身につけること。そのことが、最も納得できる人生を歩むことにつながるのではないか。

 経済気象台より----削
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カナダ米をWТOに提訴
カナダ政府は米国による木材の制裁関税が不公正だとWTOに提訴した。
トランプ政権は「事実無根だ」と反発しており、北米自由貿易協定の再交渉にも影響がありそうだ。

紙面より
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ネコ型ロボットの「ドラえもん」がすぐれた技術で作られていても、生物として認められることはありません。
それはなぜですか----・かつて私立中学の入学試験でそんな問題が出て、話題になったそうだ。
当たり前のようでいて、説明しようとすると、言葉につまる。受験情報サイトによると「ドラえもん自身が成長したり、子孫を残すことができないから」が解答例という。このほかにも、いろんな答え方ができるような気がする。
こちらも正解は複数あった。それでも一つだと言い張っていた。大阪大学が、昨年2月の物理の入試問題に間違いがあったことを認め、発表した。医学部や理学部、工学部などで本来なら合格するはずだった受験生が30人いた。追加合格にするという。
問題に誤りがあると昨年6月と8月に外部から指摘されていたが、まともに取り合わなかった。12月に3度目の指摘があり、ようやく本格的に調査したというから、対応の遅さにあきれる。
入試問題作りは「報われない割に、かなりの神経、時間、労力を文字通り『すり減らす』一大業務」だと、私立大教授の桜田大造さんが書いている。高校教育の範囲内で、新規の問題を作る苦労があるという。いつも完璧とはいかないだろう。しかし、懸命な受験生のことを思えば、誤りを正すのに時間を浪費してはいけない。
ときに良問は、語り継がれる。週末のセンター試験を皮切りに、試験日程が本格化する。受験生だけでなく、大学の側も問われている。

 天声人語より
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北朝鮮問題
あの美女応援団も来るという。
北朝鮮が平昌五輪に参加へ。
笑顔に見ほれているうちにせっせと核弾頭づくりか。

素粒子より
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北海道大学の前身、札幌農学校の教頭クラーク博士が語った
「ボーイズ・ビー・アンビシャス」は「青年よ、大志を抱け」と訳される。しかし「若者よ、野心を持て」でもいいはずだ。大志だと高尚で縁遠い感じだが、野心ならもっと身近にならないだろうか。
作家の林真理子さんは『野心のすすめ』で、大学時代、すべての就職試験に落ちた経験を書いている。ただ者でないのは、もらった40通以上の不採用通知の束をリボンで結び、宝物にしていたことだ。きっと将来成功して、この通知を懐かしく眺める日が来ると信じていたからだという。
「今のままじぁだめだ。もっと成功したい」という野心を、林さんは車の「前輪」に例えた。努力することが「後輪」である。前輪ばかり空回りするのは見苦しいが、回っていないよりも見込みがあると述べている。
林さんの野心は大きかったようだが、小さい野心もあっていいだろう。例えば仕事で、教養で、リーダーシップで、身近なあの人に追いつきたい、肩を並べたいという気持ち。がんばれば届きそうな憧れと言ってもいいし、身近な仮想敵と呼んでもいい。
車の前輪と後輪を動かすエンジンになるのは「面白い」「大好き」「人や世の中とつながりたい」といった感性や情熱だろうか。アンビシャスであることは決して若者の独占物ではないが、本領であるのはまちがいない。
8日は成人の日。大きな野心も、小さな野心も、たぐりよせてみたい。若くても、そうでなくても。

 天声人語より
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南北朝鮮協議
2年ぶりに開催された会談では平昌冬季五輪への北朝鮮代表団派遣問題が主な議題と思われる。

紙面より
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けっして一流ではない、かといって二流に甘んずるわけでもない。いわば「超二流」。
星野仙一さんは、そんなふうに現役時代を振り返ったことがある。「二流なんだが、時には一流にも勝つ、気迫があれば互角に戦える、という自信があった」。
大学時代の花形投手だったが、ドラフトで指名されたのは期待した巨人ではなかった。闘志むき出しで強者に立ち向かう姿勢が育まれていった。中日のエースとして巨人の10連覇を阻止した。
王貞治さんや長嶋茂雄さんが味方なら心強いだろう。しかし自分は彼らと対決できる。ときにそう思いながら1球1球に気合を入れたと著書『星野流』にある。中日に続き、低迷する阪神、新生の楽天の監督を引き受けた。勝ちたいという情熱を何よりも大事にした。
その指導は荒っぽいようでいて、きめ細かさがあった。若手選手に自覚を促すため、あえてベテラン選手を怒鳴りつけた。プライドの高い一流選手には、さりげなく注意した。コーチ陣に「選手に嫌われてくれ」と言ったのは適度な緊張感が必要だと考えたからだろう。
「燃える男」「闘将」。そんな呼称が魅力的に響くのは、熱血漢が冷ややかに見られがちな時代の裏返しかもしれない。熱血でありつつ、独善に陥らない。星野さんが教えてくれる生き方である。
1年半前に判明した膵臓がんを公表しなかった。最後まで「強気」の自分を見せたいというファンへの気遣いだったのだろう。70歳、あまりに突然の旅立ちであった。

 天声人語より
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大豆は乳がんのリスクを下げる
大豆には女性ホルモンのエストロゲンと似た構造を持つ植物性エストロゲン
の「大豆イソフラボン」が含まれることはよく知られている。乳がんの発症
には体内のエストロゲンが関係していると言われ、イソフラボンはこのエス
トロゲンが作用するのを抑えると期待されている。
厚労省の研究班によると40~59歳の女性2万1852人を対象に、大豆製品を食
べる量と乳がんの発生率を追跡調査した。みそ汁を飲む量が1日1杯以下の人
が乳がんになるリスクを1とすると、3杯以上飲む人の危険性は4割低かった。
大豆製品から換算した大豆イソフラボンの摂取量を比べても、摂取量が多い
人ほど乳がんの発生率は低かった。
一方、食品安全委員会が06年、大豆イソフラボンの過剰摂取はホルモンバラ
ンスを崩す恐れがあるとして、特定保健用食品として1日に取る量を「30㍉
グラムまで」とした。
栄養補助食品でイソフラボンだけを大量に取るのは勧められないが、大豆製
品を日常的に食べることは問題ない。

 食の健康学より----宮島裕美
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言葉の真価は、誰が言ったかではなく、誰が聴いたかで定まる。
中高生がとっておきの言葉を紹介する。「私の折々のことばコンテスト」の秀作を読んで、そう思う。今回は3万を超す応募があった。
最優秀賞は熊本県の農業高校に通う遠山桃々乃さんの「あんたの根っこ見つけて水やり続けるねん」。大阪市出身。農業を学びたいのに親も先生も賛成してくれない。3年間、一緒に花壇の世話をした用務の男性だけが「自分の根は自分にしかわからへんねや」と応援してくれた。
意外にも、名言の主は本紙の取材に「そんこと言うたかな」と失念の体。でも遠山さんはその助言を受け止め、いま阿蘇山麓で充実の日々を送る。
「全力で恥をかけ」で佳作に選ばれたのは、埼玉県の中学生井上真梨子さん。生徒会の役員になれたが、全校集会の司会で失敗する。予定にあった先生の話をいくつか飛ばしてしまった。「落ち込んだけど、生徒会室の黒板に書いてあった先輩の言葉に救われた。恥をバネにしようと思いました」。
神奈川県の高校生坪井奈那子さんは、祖父を亡くした昨夏の思いをつづる。母の友人で、津波に親をさらわれた女性からLINEで短文が届いた。「遅れる幸せを噛みしめてください」。読んで、愛する家族に別れを告げることの重みを実感したという。
迷い、躓き、別れ。10代が選んだ言葉にはどれも物語がある。ひるみながらも全力で人生にぶつかっていく。真剣に悩むからこそ、言葉が心の奥深くまで届く。

 天声人語より
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裸足の少年が火葬場で順番を待つ。10歳くらいか。背負うのは亡くなったばかりの幼い弟。
少年は前をにらみ、言葉を発しない。終戦の年に長崎で撮影された写真「焼き場に立つ少年」である。
その1枚にローマ法王が「戦争の結果」という言葉を添え、昨年暮れに配布した。「少年の悲しみは、かみしめて血のにじんだ唇に表れている」と説明も付された。核廃絶にかける法王の熱意を伝える。
「夫が撮った大切な1枚。少年はどこにいるのか、再会したら何を話そうと語っていました」。福島県出身で米国在住の坂井貴美子さんは話す。11年前に死別した夫ジョー・オダネルさんは原爆投下の直後、海兵隊員としてカメラを手に広島や長崎をめぐった。
戦後は米ホワイトハウスに勤務するが、60代で核の悲劇を語り始める。長らく封印してきた被爆地の写真を展示し、写真集も刊行した。97年に坂井さんと結婚したのも福島県での展示がきっかけだった。
坂井さんによると、米社会はかつて被爆写真に冷淡な態度をとったが、昨年政権交代で空気が変わった。新大統領は何か愚かな決断をしはしまいか。そんな懸念の広がりを肌で感じると話す。
同じ不安は日本でも強まる。この正月も「核のボタンは私の執務室の机に常に置かれている」と北朝鮮の指導者が言えば、米大統領が「私のは大きくてもっとパワフル」とやり返した。涙をこらえ、唇に血までにじませた少年の写真を、両首脳の執務室の壁に掲げる手立てはないか。

 天声人語より
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胃潰瘍や動脈硬化などを防ぐ梅のパワー
梅干しは、昔から健康に良いというイメージが伝えられていますが、日本一の産地、和歌山県では最近、科学的な証拠が集まりつつあります。
「梅はその日の難逃れ」のことわざのように、梅干しを朝に食べると、病気などを免れると、昔の人は経験から伝えてきた。和歌山県立医大の宇都宮洋才准教授によると、梅の産地みなべ町などで聞き取り調査をしたら、「動脈硬化を防ぐ」「胃潰瘍になりにくい」「かぜをひかない」「疲れがとれる」など数え切れないほどの伝承があった。まるで「万能薬」だが、本当だろうか。
マウス実験では、梅エキスが動脈硬化を引き起こす血管の筋肉の肥大を防いでいることがわかった。
宇都宮准教授は梅に含まれるポリフェノールの一種「リグナン」に着目。胃潰瘍の原因となるピロリ菌の培養液の中にリグナンを加えたら、変形したりしてピロリ菌の働きが弱まった。
ピロリ菌の働きを半分に抑えるには、梅干し5個分相当のリグナンが必要だったが、「1、2個分でも効果はある」という。
また、インフルエンザウイルスが感染した培養細胞にリグナンを加えたら、ウイルスの増殖が抑制されることもわかった。
梅の有効成分はリグナンだけではない。近畿大生物工学部の三谷隆彦・元教授が見つけた別のポリフェノール「ヒドロキシ桂皮酸」にも、高血圧防止やウイルスの増殖を抑える効果があることが分かってきた。
ただ、数々の健康効果があるからといって、たくさん食べれば良いわけではない。梅干しには10%程度の食塩が含まれている。1個10㌘だと1㌘に上る。
厚生労働省が定める1日の塩分の摂取目標量は、成人男性9㌘未満、女性7.5㌘未満だ。
1日の食事全体で塩分を調節しなければいけない。梅干しは1日2個程度を目安に。増やす場合には他のメニューの塩分を抑える工夫が必要だ。
さて、観梅の季節。梅林の花の香りにも、梅パワーは秘められている。和歌山工業高等専門学校の奥野祥治准教授によると、香り成分のベンズアルデヒドに抗菌作用がある。梅干しにも同成分があり、「日の丸弁当が傷みにくい理由の一つではないか」とみている。

 元気のひけつより-----野中良祐
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正月休みに秩父宮ラグビー場を訪れ、熱戦を楽しんだ。
次の五輪を機に解体される秩父宮だが、ラグビー史を彩った名勝負の舞台が消えるかと思うとやはり感慨深い。
イングランド相手に日本が大接戦を演じた1971年の一戦は今も語り継がれる。「展開・接近・連続という僕の掲げたラグビーの集大成でした」。監督を務めた故大西鉄之祐氏が後に語っている。
大西氏は外国勢を「長い槍」に、日本人を「短刀」にたとえ、独自の戦法を編み出した。体格差をどうはね返すかという問題意識の源には戦場体験もある。陸軍少尉として東南アジアで実戦をくぐり抜け、1年間の捕虜生活も経験している。
87年、早大での最終講義ではこう訴えた。「8年間戦争にいって---人も殺しましたし、捕虜をぶん殴りもしました」。その経験が堅固な反権力哲学を生む。「権力者が戦争の方に進んでいく場合、我々は断固として社会的な勢力を作り、選挙で落とさないといけない」。
大西監督のもとで選手やコーチとして活躍した日比野弘さんによると、何より嫌ったのは政治がスポーツに干渉すること。80年モスクワ五輪の不参加をめぐる議論の場では、ひるまず政治家と渡り合った。
秩父宮の一角には「出陣学徒壮行の地」という石碑がある。戦時中に近くであった壮行会を記念して93年に建てられた。「戦争をさせないための人々の抵抗の環を」。最終講義で若い世代に呼びかけた大西氏の野太い声が耳の奥でこだました。

 天声人語より
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NYダウ2万5千㌦台へ
四日のニューヨーク株式市場は、企業業績が改善するとの期待から、ダウ工業株平均が続伸し、史上初めて2万5千㌦の大台に乗せて取引を終えた。

紙面より
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しめ飾りを研究しているデザイナー森須磨子さんにとって年末年始の1週間は最も慌ただしい時期である。
「正月がすむと一斉に外される。面白いものがないか移動中は列車の窓にかじりつき、乗り換え時間も惜しんで露店や商店を回ります」。20年かけて集めた品は約400点。成果を『しめかざり』として刊行した。
様式は千差万別である。石川では甲羅をかたどった「亀」を数多く見た。岡山や鳥取では輪を並べた「眼鏡」を収集した。「鶴」は九州一円に多く、秋田と徳島では「宝船」を見つけた。
「しめ飾りの分布図は都道府県に重ねられません。山や川を一つ越えるだけで形が一変します」。そのうちの30点を拝見した。鳩、蛇、海老、馬、しゃもじ、俵、腕---。名もなき人々がワラだけでかくも多彩な美を作り出すことに感じ入る。
年の初めに町々をさまよい歩き、装飾の多数の変種を研究することは愉快さの源泉である」。明治の初めに大森貝塚を発見した米科学者エドワード・モースもやはり
しめ飾りに魅了された。街で見た品々を自らの絵筆で写し取り、その美しさを日記に感嘆の筆致でつづった。
今や4本格的なしめ飾りを編み上げられる層は年々細りつつある。「この国のありとあらゆる物は、日ならずして消えうせてしまうであろう」。廉価な外国産が並ぶスーパーやコンビニの店先で、モースの1世紀前の予言をかみしめる。

 天声人語より
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スマホの通信量節約、無線LANの活用を
携帯電話の通信費が政府レベルで問題になるこのごろ。長男が驚くようなことを言った。「すまをほ家でWi-Fiにつないでいない友達、けっこう多いと」。
動画や音楽のストリーミングなど、スマートフォンで人気のサービスの多くは、大量のデータ通信を必要とする。例えば国内最大規模の動画サービスdTVの場合、4段階中2番目によい画質を選ぶと、1時間ドラマを12話見たら約7?バイトの通信料になる。スマホの1カ月の通信料の一般的な上限だ。このためdТVやアマゾン・プライム・ビデオなどでは、作品を事前にスマホにダウンロードし、出先では通信をほとんど使わず視聴できる機能を備えている。その前提となるのが、家庭に無線LANがあることだ。
だが総務省の通信利用動向調査によれば、2014年末のブロードバンド回線接続世帯の無線LAN利用率は73.7%、これがスマホ保有世帯では68.9%に下がる。また家庭に無線LANがあっても、家族全員がスマホを接続しているとは限らない。「自分の家族はスマホで無線LANの設定をしない。携帯電話の通信量上限も知らないらしく、『スマホが遅くなる』と言っている」と嘆く人もいる。パソコンと違い、スマホは家庭内回線なしでネットに接続できてしまうためだろう。だがそれでは、スマホの通信量は天井知らずになる。
スマホの無線LAN接続は難しくない。
すでに無線LANルーター(親機)がある場合は、スマホの設定画面で「Wi-Fi」の項目をタッチすると、SSIDと呼ばれる親機の識別記号が表示されるので、それを選んでパスワードを入力する。SSIDとパスワードは親機のマニュアルなどに書いてある。これだけで家の中でスマホが通信し放題だ。無線LANがなくても、家にネット回線があれば、無線LAN親機を購入して回線に接続、同様の操作をすればいい。3~4部屋以上の家庭なら、1万数千円の高性能のものがよい。「11ac」という最新の高速通信規格に対応した製品がおすすめだ。
スマホの通信費の高さや通信料がすぐに上限に達することが問題になるが、無線LANを使っていないことが、その隠れた原因の一つかもしれない。この際、家族が自宅でスマホを無線LANに接続しているか、点検してみてはいかがだろうか。

 ネット点描より
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時代の向かう先を見通すためあえて時代をさかのぼってみたい。
異なことを思い立ち、歴史年表を脇にヘリに乗り込んだ。
まずは千年前の平安京へ。
<此の世をば我世とぞ思ふ望月のかけたることもなしと思へば>。権力を誇る藤原道長がそう詠んだのは1018年。3人の娘を天皇に嫁がせ、威光の極まった年である。道長が歌を披露すると、居並ぶ諸卿らが数回吟詠したという。
祝宴のあった邸宅はいまの京都に形をとどめない。空からは邸の跡を示す木札が1本見えるのみ。いつの世にも無知からを誇示する者がいて、ひれ伏す者が続出する。
次に飛んだのは200年前、江戸後期の三浦半島である。ゴルドン船長率いる英商船が1818年に現れ、浦賀奉行らを慌てさせた。交易の申し入れを退けると、船はほどなく離岸する。「恐るるに足らず」と慢心したのか、幕府は以降も場当たり的な対応を重ねた。異国船の数は増え、35年後には米国から「黒船」が来航して幕府は動揺する。グローバル化の波を読み損ねるのはいまも変わらない。
ヘリはさらに日本海へ。百年前に「米騒動」が起こった魚津港を見る。米価高騰に苦しむ女性らが米の積み出しを阻止し、全国へ波及した。社会のひずみは現在でも地方から先に顕在化する。
開けて2018年になった。人の世の営みは平安の昔もいまも根本において変わらないものとはいえ、百年後、千年後の人々に希望を与えられような年であってほしい。静穏な年をと機内で祈った。

 天声人語より
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スマホ老眼を防ぐには? 目を休め、筋肉の疲労回復を
メールやネット検索などに便利なスマートフォン。ただ、長時間使うと目の焦点が合わなくなることがある。そんな症状を「スマホ老眼」として、注意を呼びかける医師らに対策を聞きました。
「老眼」と言っても、中高年がなる老眼とは異なる。老眼は、ピント調整の役割を果たす水晶体が加齢によつて硬くなることが原因だ。通常、水晶体は弾力性があり、厚さを変えることで遠近を調節しているが、硬くなると調節できない。
一方のスマホ老眼は、目の使いすぎによる疲労が原因だ。通常、水晶体の厚さは毛様体筋が緊張したり緩んだりすることで変わる。だがその筋肉が疲れると、遠近調節ができなくなる。そのため、目を休めれば回復する。
医者が進める対策は「チラ見エクササイズ」。オフィスなどで仕事をするとき、窓からようやく判断できる距離にある目印を決め、1時間に1~2回、じっと見る。毛様体筋が緩み、休まる。
風呂に入ったとき、40度ほどのお湯で温めたタオルを目に当てるのも良い。毛様体筋の疲労が回復し、ドライアイの防止にも役立つ。

 続・元気のひけつより
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「君たち、何があっても、戦争だけはしてはいけない」。
多くの大臣を経験した故・宮沢喜一さんが折にふれ、部下の役人たちに語った言葉である。
20年ほど前に耳にした時には、ぴんと来なかった。平和を当たり前だと思っていたからだろう。いまは違う。
起きるはずがないと思っても、戦争は起きる。宮沢さんは、そう言いたかったのだろう。言葉の重みを感じるのは、この1年、戦争の2文字がちらつくようになったからだ。北朝鮮が核とミサイルの開発を進め、挑発を続けている。
現在の危機は、長い年月の結果である。不幸なのは「小さなロケットマン」などと挑発し返すような人物が、米国大統領だということだ。外交を担う国務省幹部の任命も遅れ、機能の低下が危ぶまれている。
先月の紙面で、元国防長官ウィリアム・ペリーさんがもどかしそうに語っていた。「私が驚くのは、実に多くの人が戦争がもたらす甚大な結果に目を向けていないことです」。もしも核戦争になれば、韓国は朝鮮戦争の10倍、日本も第2次大戦並みの犠牲者が出るかもしれない。だからもっと真剣に外交を、との訴えである。
「国難」なる言葉で北朝鮮を前面に出した選挙があった。不可解なのは、万が一の時、人間の肉体がどれだけ破壊される危険があるのか、被害想定すら政府が示さないことだ。どこかひとごとのような奇妙な危機意識が広がっている。
間違っても核戦争の起きることはなく、来年の年末を迎えたい。説にそう願う。

 天声人語より
だったら、あなたが被害想定を書けばいいのだ。それを他人に押し付けないで。
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般若心経とは
般若とはすばらしい知恵のこと。そして波羅密多とは六波羅密多、すなわち
自分よりも他人の救いを先にする「大乗の菩薩」という考え方による実践の
徳目です。
人間は生前の行いによって、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天という6つ
の世界に生まれ変わります。人間よりも下に落ちるのを救うためには、布施
、持戒、忍辱(にんにく)、精進、禅定、智慧という6つの修行をして、成
仏しなければなりません。
布施とは、僧にお経をあげてもらったときや寄付をする際に差し上げるお金
などの財物のことです。布施はお金に限りません。相手の不安をなくす、や
さしいまなざしや言葉などもあります。
持戒とは、戒を持つこと。これを十戒といい、具体的には十戒善を差します。
不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋
恚、不邪見。
忍辱とは、辛抱すること。
精進とは、一生懸命努力すること。
禅定とは、坐禅を組んでこころを落ち着けることです。
6つの修行をすると、智慧が出てきます。これが"般若"です。
仏様の場合、「智慧」と書きます。"知"の下の"日"は、宇宙の真理を指しま
す。
この6つのことを修行することを「六波羅密多行」といいます。こうするこ
とで自身が成仏する助けになります。
お仏壇に水、塗香(ずこう)=塗香(ずこう)は非常に細かい粒子のお香で、
塗香入(ずこうい)れに入れて用います。小麦粉にも似た触感があり、少量を
手に塗り、その香りを吸い、仏前で自らの心身を清めるために使用します。
花、線香、飯、ローソクの6品をお供えするのは、六波羅密多行を知らずに
亡くなったご先祖様に、6つの修行をすることで成仏できることを知らせる
ためです。
水は布施(感謝する気持ち)、塗香は持戒(よいことに励む)、花は忍辱
(怒りやすいこころを鎮める)、線香は精進(怠けごころをなくす)、飯は
禅定(こころを落ち着かせる)、ローソクは智慧(人間の悩めるこころを智
慧の光で明るくする)を表しています。これら6つをお供えすることを六種
供養といいます。お仏壇にお供えをして、お仏前でお経を唱えます。こうす
るこによってご先祖様が成仏できるのです。
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社会心理学の本を読んでいて「責任感の拡散」という言葉を目にした。
衆人環視のなかで、誰からも止められないまま犯罪が行われる。通報すらなされずに。そんな事態が時折起きるのを説明する概念である。
どうも人間は、「自分がしなくても誰かが手を貸すだろう」と考えがちな生き物らしい。人が大勢いるのに誰も何もしないのではなく、人が大勢いるから何もしない、という見方である。
そんな心理が働いたのかもしれない。今月11日、新幹線ののぞみの台車が破壊寸前にまで陥った。車内にいた乗務員や保守点検担当者ら11人全員が、おとやにおいなどの異常を感じていたが、停止の判断に至らなかった。
東京の指令員ともやり取りしていたが、お互いに判断を譲り合った。車内の担当者は、どの駅で停止すべきか東京が決めてくれると考えた。東京側は、必要なら車内からはっきり意思表示があるだろうと思っていた。連絡の聞き漏らしもあり、そのまま3時間走り続けた。
野球で言えば、みすみすポテンヒットを許すようなものだ。大声を出し、迷ったら自分が前に出て球を捕る。そんな当たり前のことができなかった。もしも脱線していたらと思うと背筋が寒くなる。
国鉄時代には下駄代わりの気軽な交通手段として「下駄電」と呼ばれる電車があった。旅行、出張、そして帰省の足として、新幹線も今や下駄電なみの身近さだろう。無責任体制の同乗はご免こうむりたい。

 天声人語より
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外からも敬意を持って「魅力ある国だ」と素直に思われるような日本創りを志向する
ことは、目先の打開策を講ずる以上に重要な課題である
「魅力ある日本」を考えるとき、三つのポイントがあるように思う。
一つ目は、
長きにわたって日本人自身が培ってきた「日本の良さ」を再確認し、より
確かなものにすることである。世界に秀でた豊かな自然と調和した社会、
人々が法と制度を順守し秩序が維持された安定した社会、充実した社会保
障制度、不条理な格差の少ない社会などが挙げられよう。
二つ目は、
急激なグローバル化、情報化、市場化の波に適切に対応し、「安心、安全
、充実」した社会のシステムを構築していくことだ。急激な波は社会を合
理的で利便性の高いものに変えた。ITを使えばたいていの情報は即座に
入手でき、地道な苦労をすることなく欲しいものを手に入れるチャンスが
増大した。しかし、他方ではむきだしの成果主義、拝金主義、競争社会、
格差社会を生み出した。合理性や利便性を保ちつつ、1点目に挙げたよう
な社会をどう構築するか、これからの課題だと思う。
そのためにこそ、
三つ目に
「魅力ある日本人」をどう育て、日本に住む外国籍の人々とともに「魅力
ある地域社会」をどう創っていくのかという点が課題となる。
そこで最も大切にしたいのは「人間性」の育成だ。金があれば何でもでき
るといった風潮の「ホリエモン現象」、欲望むき出しの「メル友ネット」
の広がり、電車の優先席さえ老人に譲ろうとしない思いやりのなさ。
人間の「品格」が改めて問われる時代である。「国や郷土を愛する心」を
育てることはもちろん大切だが、それはまず「人を愛する心」があって初
めて成り立つ。そうした心を持っていれば、戦争被害の傷を今も感じてい
る相手国への「配慮」も自ずとなされていくだろう。

 早稲田大学教授・天児 慧
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除夜の鐘といえば大みそかの夜と思い込んでいたが、静岡県牧之原市の大澤寺は違う。
つく時間帯を大幅に繰り上げて今年で4年目。正午につき始め、明るいうちにつき終わる。「徐夕の鐘」である。
「試してみると、夕方から自宅で新年準備ができると寺の世話役の方々に好評です。寒くなく足元も安心だと高齢者や幼児のいるご家族にも喜ばれます」と今井一光住職は話す。きょうも昨年並みの300人を見込む。
除夜の鐘を始めるまでの十数年間は、鐘をつかずに寂しく年をまたいだ。「うるさい」「何時までつくんだ」。苦情の電話が3年続き、先代住職の父が中止を決めた。当時、今井さんは署と県で会社勤めをしていたが、暮れに帰省すると、撞木をロープでしばるのが毎年の仕事だった。
2006年に寺を継ぎ、除夜の鐘を再開する手立てを探った。戦時中の金属類回収令で鐘を供出させられた先々代の祖父が、10年かかって復活させた。その思いも無駄にしたくなかったと話す。
よりによって除夜の鐘を騒音と感じる人がいるとは当方もいささか驚くが、思わぬところに苦情の種がひそむ時代である。園児の声がうるさいと保育園の新設に反対する声はあちこちで聞くし、冬場のウイルスを警戒してもちつき大会をチュウシスル後肝この頃は珍しくはない。
〈また一つ風の中より除夜の鐘〉岸本尚毅。深夜にあちこちから鳴り響く鐘の音にこそ心ひかれるが、徐朝、徐昼、徐夕と連なる鐘の音もまた一興ではないか。

 天声人語より
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