2017年12月の記事


老後の健康、歩いて外出できる体力を
「団塊世代」が、10年足らずで75歳以上の「後期高齢者」となる。その後の人生の明暗は「歩いて外出できる体力の維持」にかかっている。家事をこなし、公共の乗り物で移動し、スーパーで買い物ができれば、一人暮らしも可能だ。外出できれば、近所の人とも交わり、草花や風のそよぎに季節を感じ、心も豊かになる。買い物をすれば計算もする。歩けなくなると一挙にそれらを失い、医療、介護の対象になる。
心身を動かさないと老化は加速する。そのターニングポイントは、男性の場合、定年退職時にある。ここで手を打つには、いわば「大人の義務教育」のように場が有用と考える。「定期的に歩いて外出する場」を提供し、地域とのコミュニケーションの構築、健康・調理などの知識と技術を習得することを目標とした授業をしてはどうだろうか。
歩いて通えることが前提なので、65歳前後の1~2年間、半日程度のコースで週に2回ぐらい学区の小中学校の空き教室に集まってもらう。
全員参加は、ホームルームと健康講座くらいにしておいて、パソコン、園芸、手芸などカリキュラムは工夫次第、講師もメンバーの中から出てくるだろう。栄養の整った学校給食を食べれば、筋力低下予防にも効果があるはずだ。
自治会などで対象者全員に声がけするが、親や孫の世話、仕事や趣味を理由とする不参加は可とする。だが、出欠届は義務とする。元気だけど、自ら積極的に出向かない人々を集めることで、点と点がつながり面となれば、子育てや介護、防災の一助にもなり、地域に飲み仲間やゴルフ友むだちもできるだろう。終了後は自主活動が継続すれば成功だ。地域差はでるだろうが、医療費や介護費の削減に向けて、市町村でこのような「大人の義務教育」に取り組むことはできないだろうか。

 オピニオンより-----健康運動指導士・山田佐世子
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韓国が断つべき本当の悪弊
あの人も、この人も。韓国でいま、李明博、朴槿恵・両保守政権の元高官らが次々に摘発されている。
違法行為を見逃すわけにはいくまい。だが、時の権力の意をくんだ勧告検察の政治匝瑳派産命で、裁判で無罪になるケースも少なくない。朴氏に代わった文在寅大統領は就任演説で国民統合の実現を約束したが、少なくとも今のところ逆の方向に向かっているように映る。積もり積もった弊害の清算だ、というが露骨すぎないか。
前政権がやったことはすべて悪だと短絡的に決めつけるのなら、それこそ韓国政治の悪弊である報復の連鎖は、いつまでも断ち切れない。
日本との関係のみならず、いま韓国は、大きな試練に直面している。北朝鮮問題は解決の意図糸口すら見っからない。米中という大国のはざまで、どんな立ち位置をとるのか、なかなか定まらない。
社会構造の欠陥に国内の不満や不安は高まる。少子高齢化。若年失業率の高さ---。
現在の高支持率に浮かれてばかりはいられない現実が文政権を待ち受ける。
韓国社会のことを、あらゆるものが権力の中心へ集まろうとする上昇志向が強い渦巻き型だ、と分析した米国の元外交官グレゴリー・ヘンダーソンがこう記している。
「内憂外患に際して露呈する政治的凝集力の欠如は、朝鮮の歴史を通じて長年にわたり伝染病のごとく繰り返された」。
半世紀前に書かれたこんな指摘の色あせる日が、早く来ることを願う。

 社説 余滴より------箱田哲也
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病後の回復に向けた栄養補給
熱や下痢がおさまった後の食事で心がけたいのは
①体を温める
②代謝を上げる
③疲労を回復
④消化器の吸収力を回復させる
の4点に必要な栄養をとることだ。
まず、体を温める。病後はエネルギーを使い果たし、低体温気味になっていることも多い。血行をよくする栄養素をとることをすすめる。
「ネギのツンとしたにおいのもとになっているアリシンには、血行をよくし、汗をかくのを促す働きがある。ショウガには殺菌力もある。紅茶やウーロン茶、ほうじ茶にも、体を温める作用があるという。
次に、代謝と疲労の回復。病気で落ちた新陳代謝を上げ、疲労を回復させるには、ビタミンやミネラルをとる必要がある。のどごしがよく、消化もよいものがいい。
子どもも食べやすいイチゴやスイートコーンだ。イチゴにはビタミンCやクエン酸のほか、腸を整える水溶性の食物繊維なども含まれている。
スイートコーンの主な成分は炭水化物。ビタミンB群やビタミンC、ミネラルなどもバランスよく含む。消化吸収が早い糖質も含まれている。コーンの皮は消化しづらいので、すりつぶしてポタージュスープなどにする。
熱が出たり、抗生剤を飲んだりすると、様々な腸内細菌が壊れてしまう。ヨーグルトで善玉の腸内細菌を補って、消化器の吸収力を回復させよう。
栄養を取りやすくするために、ゼラチンを活用しよう。
ゼラチンは消化吸収されやすいたんぱく質なので、栄養補給にもなる。ゼラチンでとろみをつけて冷やした「スープゼリー」は、ひんやりしていて、のどに炎症があるときも飲みやすい。
好みの果物や野菜のジュース、スイートコーンを使ったコーンポタージュなどで作ってみるといい。ジュースにショウガ汁を少し加えて、味をみながら砂糖やハチミツで甘味をつければ、子どもでも飲みやすい。
病気予防の観点から、日ごろの食事を見直すことも重要だ。
食物繊維には、整腸効果がある。イモ類や豆類、ゴボウやタケノコなどに多く含まれている。
胃や腸の粘膜を整える働きがあるキャベツやアスパラガスもいい。オクラも、胃腸を保護する働きがある。

 紙面の子育てより---山田佳奈
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福沢諭吉は毎朝の食事の後、幼い子どもたちを書斎に予備、教訓を書いて渡していた。
ある日の教えは、桃太郎についてだった。「もゝたろふが、おにがしまにゆきしは、たからをとりにゆくといへり。けしからぬことならずや」。
鬼ヶ島にはある宝は、鬼の所有物である。それを理由もなく取りあげるとすれば、むしろ藻太郎は盗人ともいうべき悪者であると福沢は書いた。こどもたちはどんな顔をしただろう。英雄のはずのももたろうが、もしかしたら強盗殺人犯かもしれないのだ。
まるど福沢の発想を前に進めたかのようである。桃太郎の故郷を任ずる岡山県で、鬼の側から考える授業があると伝えられている。
退治される鬼にも、もしも子どもがいたらどうだろう。「鬼太郎」というキャラクターを作り、中学生に投げかけている。それでも桃太郎は退治をしたのかどうか。議論が発展する。そもそも鬼退治を思い立ったのは「鬼を悪者と決めつけてしまったから」という意見も出たという。
相手の側に立ってみれば、見える風景ががらりと変わる。ものごとの複雑さもわかる。今年引退した最年長棋士、加藤一二三さんも、それを肝に銘じていたのかもしれない。対局中に相手の側に回り込み、盤面を眺めることがよくあった。
時分にとっては正義でも、別の人からすれば理不尽な振るまいかもしれない。忘れていけない視点であろう。身近な人との関係でも、そして歴史や国際関係を考えるときも。

 天声人語より
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人生の目的意識と死亡率
人生に対する目的意識の高い高齢者の方が長生きするという研究が報告され
ている。
人生の目的意識に関するテストは
1、私は人生に方向性と目的の感覚を持っている。
2、私は将来の計画を立て、それを実現させるために働くことを楽しむ。
3、人生を目的なしにさまよう人もいるが、私はそうした人々の1人ではな
い。
4、私は人生でなすべきことをすべて行なったように感じることがある。
など10項目からなる。
各質問への回答を5段階の選択肢から選び、合計点を質問数で割って一人ず
つ平均点を出した。平均点は3.7点だった。
その結果、人生の目的意識に関する5点満点の点数が下位10%の人と比べ、上
位10%の人では、死亡率が43%も低かった。
人生の目的意識に関するテストは、ナチの収容所を生き延びた精神科医ヴィ
クトール・フランクルの思想などに由来する。彼の思想とは、極度の逆境下
でも人生を意味あるものとするのは可能であり、人生に対する目的意識を持
つことが、心理的健康を維持する上で本質的である、とするものだという。

 やさしい医学リポートより---東北大教授・坪野吉孝
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米タイム誌は年末、最も影響力のある人物を「今年の人」に選んでいる。
一昨年は難民の受け入れに尽力したメルケル独首相、昨年は大統領選を通じ米国を分断したトランブ氏だった。
今年は金正恩朝鮮労働党委員長らを押しのけ、「沈黙を破った人たち」に決まった。
表紙を飾ったのは、映画プロジューサーによる性暴力被害を証言した俳優らである。ただ、声を上げ始めたのは彼女たちに限らない。SNSで広がった「МeТoo」という言葉が、告発に力を与えている。
被害を受けたすべての女性が「私も」と書いたら問題の重大さを実感してもらえるかもしれない----。そんな願いのこもった言葉である。告発は国を越えて広がり、政界の大物のほか世界的な指揮者も対象になった。日本の女性も声を上げ始めた。
一人が前に踏み出す。それに勇気を得た別の一人が出る。そんな連鎖が世界で起きている。バトンリレーのようでもあるし、一つまた一つと石を並べ道を築くようでもある。
「チャーチ・ツー」の言葉も現れた。欧米で聖職者による子どもへの静的虐待が次々に表面化している。豪州では「誰かに言うと神さまが怒る」などの言葉で子どもに沈黙を強いていたと、先日の本紙にあった。
口外すれば仕事で不利になる。恥をかく。世間が耳を傾けるはずはない----。人々を縛り付ける神話は様々なかたちで存在していたのかもしれない。女性と男性を覆っていた霧が、だんだんと晴れていく過程なのだろう。

 天声人語より
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慰安婦問題
反日派を喜ばせ嫌韓派を勢いづかせ。
韓国の慰安婦合意の検証。
せっかく固まったものにひび割れが生じないか。

素粒子より
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喜劇王チャールズ・チャップリンが日本を訪れたのは、軍部が影響力をじわじわと増していた1932年だった。
犬養毅首相と会う予定だったが、延期してもらい相撲見物に行った。まさにその日、首相官邸に将校たちが押し入り凶弾を放った。5・15事件である。
チャップリンは後に、自分も狙われていることを知る。「アメリカの宝であり、資本家のお気に入りであるチャップリンを殺して、日米開戦にもち込もうとした」と後に将校が証言したのだ。軍部独裁へと進む激流に巻き込まれる寸前だった。
喜劇王が没してから、40年。笑いでファシズムに立ち向かった「独裁者」を改めて見ると、現代に刺さる言葉がある。
チャップリン扮する床屋が、ひょんなことから独裁者になり代わり演説する場面だ。
「貪欲が人間の魂を毒して、世界中に憎しみのバリケードを築いてしまった」「世の中のスピードは速くなったが、私たちは自分の穴に閉じこもるようになった」。しかし本当は、お互いに助け合いたいと思うのが人間ではないかという訴えである。
世界の垣根を低くするはずのグローバル化が進んだ。しかし、それが今「私たち」と「あなたたち」を分けようとする力に転化していないか。分断への志向に便乗する政治家たちが、多くの国で幅をきかせている。
独裁、戦争、機械化。時代を痛烈に皮肉りながら、人間という存在に最後まで信頼を置く。喜劇王の姿勢が光を失うことはない。

 天声人語より
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2009年、村上春樹氏がイスラエルの文学賞「エルサレム賞」に選ばれた時のこと。
多く人から「授賞式に行くな」と言われたという。イスラエル軍の攻撃が激化し、多数のパレスチナ市民が命を落としていた。受賞すれば軍事行動を認めることになりかねない。
それでも村上氏は赴き、講演でイスラエルを批判した。「高くそびえる壁と、壁にぶつかると壊れてしまう卵があるとすると、私はいつでも卵の側に立つ」。卵とは武力で潰され、焼かれる市民。壁がイスラエル軍を指すのは明白だ。
1948年のイスラエル建国により、70万のパレスチナ人が故郷を追われ難民となった。そんな悲劇の側に立つのではなく、強大な壁の側に立つ。トランプ大統領の姿勢である。
ユダヤ教のみならずイスラム教の聖地でもあるエルサレムを、イスラエルの首都だと認定した。非難する国連決議に加わる国には、援助の停止もありうると脅した。ビジネスの取引だとしても、あまりにえげつない。中東和平を仲介するどころか、かき乱している。
米国の強みは軍事力や経済力だけでなく、ぶんかや価値観などソフトパワーにもあると言われてきた。提唱した政治学者ジョセフ・ナイ氏によれば「脅しやカネではなく、相手を自然に引き付けて、求めるものを手に入れる能力」。そんな議論が成立した頃が懐かしい。
トランブ氏への抗議に伴い、すでに10人のパレスチナ人が死亡した。大統領の盲動、妄言なかりせば、失わなかった命である。

 天声人語より
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ゼネコンの談合
詳報を得た幹部が他3社を引き連れて。
リニア談合の構図。
罪悪感がマヒした今年の企業不正の大とり。

素粒子より
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紅色のくちばし。紫の胸元、色も形もイチョウそっくりの飾り羽。
布地の色見本のように鮮やかなオシドリが群れをなす。越冬地のひとつ、鳥取県日野町の日野川を訪ねた。
中州で数百羽が押し合いへし合い、さながら満員電車のようである。「混雑するのは夜明けから8時ごろまでと夕方から日が沈むまで、森と川を往復して過ごします」と案内役の森田順子さん。
俗に「おしどり夫婦」「鴛鴦の契り」と言う。前進カラフルなオスと茶一色のメスが互いをつつき合う姿は、たしかにむつまじい。だが、「仲がいいのは交尾して抱卵するまで。その後のオスは当てになりません」。
樹洞に設けた巣で卵を温めるのもメスならば、ヒナを励まして巣から飛び降りさせるのもメス。タカやカラスを避けつつ幼子の列を川岸まで導くのもメスである。いまふうに言えば、究極の「ワンオペ育児」か。
鳥類図鑑によると、年ごとにつがう相手を変えるオシドリは少しも珍しくない。意外と言えば意外だが、森田さんは気にしない。「そりや浮気者もいるでしょうが、一生添い遂げるのもきっといる。人間と同じですよ」。
22日は冬至、昼間が一年で最も短い。越冬の本格化はこれからだ。はるかロシアや中国からの「渡り鳥」、日本各地を行き来する「漂鳥」のほか、この地にとどまる「留鳥」も少数いる。もしも鳥たちが言葉を話せたら、ロシア語に中国語、東北言葉に山陰の言葉もまじって、川辺はさぞにぎやかだろうと空想を楽しんだ。

 天声人語より
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自死
クリスマスのたびにこの人のことを静かに思うべし。
高橋さんが旅立った日。
「改革」や「革命」を言う前に。

素粒子より
自死を美化しすぎてはないのか。
マスコミさん。
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年末恒例の予算折衝を終えて河野太郎外相が語った。
「今年は足腰予算。一に足腰、二に足腰」。足腰予算とは耳慣れぬ言葉だが、外務省では出張や在外公館での行事など日常の外交にかかる予算を指す。
「足腰予算が限られる中、訪問国や会談を増やしたい」と外相が提案するのが外相専用機の導入である。「小さくても中古でもよい。米東海岸まで給油なしで飛べる機を」。米国製ガルフストリームG650ERを挙げた。
代理店の丸紅エアロスペースに聞くと1機80億円もする。定員19人。報道によれば、シャープを買収した鴻海精密工業の郭台銘会長やアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が所有しているそうだ。
製造元の宣伝サイトは「至上の快適性」をうたう。客室は広く、足を楽に伸ばせ、席を倒せばベッドになる。これなら長旅の足腰の疲れも少ないかもしれない。
来年度予算をめぐる省庁の攻防が報じられている。たとえば防衛省の要求は戦闘機F35Aを6機で881億円。オスプレイ4機で457億円。一方で福祉予算は切り詰められ、新税や増税の案ばかり出てくる。外相専用機に納税者の理解を得るのは容易ではない。
米大統領は武器の売り込みにご執心だ。対する日本政府は、よほど足腰を鍛えないと押される一方だろう。外相の外交交渉の機会をどれくらいふやせば、防衛予算がどれほどよくせいできるのか。1戦闘機か、外相専用機による一騎当千か。その効用はもう少し精緻に議論されてもよいかもしれない。

 天声人語より
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がん予防も運動から
日本人のがんによる死亡は1960年代から増え続けています。がん統計によると、2005年の患者数は67万人、死亡数が34万人と、約半数の方が亡くなっている。
74歳までにがんになる確率は47%で、74歳までにがんで死亡する確率は21%。2人に人のはがんになるということだ。
米ハーバード大の有名な研究では、がんの要因はたばこが30%を占め、食事や肥満など生活習慣による影響も大きい。日本人では、たばこによるがんは、年間約9万人に上る。そして肥満もがんのリスクになる。私も14年ほど前は、不摂生で体重が85㌔ぐらいあった。血圧も180ぐらいで、コレステロール値も300近く。
思い立ってダイエットを開始。約半年間で25㌔減らし、今もその体重を維持している。
その方法は、低炭水化物ダイエット。海外の論文を読んでこれだと考えた。徐々にご飯、パン、麺類を減らしておかずをメーンにするもの。カロリーはタンパク質で取った。自分で自分を褒めながら続けた。ジョッキングを始め、マラソンにも挑戦している。
がんを防ぐにはまず、適度な運動に加えて、禁煙、健康な食事、検診だ。日本のがん検診受診率は2割を切る状況で、先進国で最低だと言われている。
ただ、それでもがんになってしまう人は多い。その時は、医師とコミュニケーションをよくとって信頼できる情報を得て、自分を責めず、頑張りすぎず、あきらめないで欲しい。

 紙面より---勝俣範之
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街に冬の灯がきらめく時分になると、口をついて出る句がる。
<へろへろとワンタンをすするクリスマス>秋元不死男。何が聖夜だ、ケーキや七面鳥なんて知るものか。歳末特有の哀歓の向こうに笑いがある。
「12/24はカップルの入店をお断りさせて頂きます」。東京都八王子市のバスタ店「ピアピア」は店頭にそんな貼り紙をした。今年で4年目だが、あくまで遊びである。「楽しそうなカップルを見ると、恋人のいない店員がへこむのでは、そんなノリで企画しました」と経営者の坂井純んは言う。
席数25の小ぶりな店で、来客に交際中かどうか尋ねることはない。だが反響は想像を超えた。国内の新聞やテレビだけでなく、ブラジル、オランダ、中韓など海外からも取材を受けた。
「日本では晩婚化と少子化が深刻で、来世期には人口が5千万を切る見通し。それなのになぜかカップルお断りの店が好評」と英紙。キリストの降誕を祝うという本来の意味を離れ、恋の日と化したことも関心をひいたらしい。
「私も学生時代、24日になると行き場がなくて困りました」と坂井さん。賛同の手紙やメールが数十通届き、反対意見はごくわずか。この時期ならではの居心地の悪さを感じてきた人は意外と多いようである。
<青年はサンタクロースの衣装にて師走の街をピザ宅配す>石井考。クリスマスの過ごし方にはもとより幅がある。恋人や家族と楽しむもよし。ピザを配るもよし。ひとりでぬるいワンタンをすするもよし。

 天声人語より
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夏を乗り切る。カリウム補い、疲れにくく
夏バテ予防「ビタミン、ミネラル補給」です。これらの栄養素は、夏場は消耗しなすくなりますので、不足分を補いましょう。特に注意したいのがカリウム。
大量の汗とともにカリウムも排出されると、疲れやすくなったり、無気力になったりして、低カリウム血症となることもあります。
今回のおすすめは、そのカリウムをたっぷり含んだ「トマトとスイカのスムージー」です。「カリウムはこのほか、イモ、海草類、小松菜、ブロッコリーなどに多く含まれています。カリウムは水に溶けやすくので、ジュースやスープだと、効率的にとれます」
ビタミンB1も水溶性でした。栄養素によって、水に溶けやすかったり、熱に弱かったりという特徴があるので、覚えておくといい。
トマト1個(約200㌘)は種とヘタをとり、スイカ(約200㌘)も皮をむき種をとり、それぞれ一口大に切ります。レモン汁大さじ1、はちみつ、氷各適宜、塩小さじ5分の1を入れ、とろりするまでミキサーにかける。グラスに注ぎます。ナトリウム補給のために加えた少々の塩が甘味を引き立てます。
このほか、小松菜とバナナ、ゴーヤーとパイナップルの組み合わせもさわやかでおいしいです。(2人前)

 おかずラボより------管理栄養士・清水加奈子
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サウジとイランの対立。新たな中東の危機
国際関係では、いくつかの要因、変化が組み合わされることによって予想を超えた危機が生まれることがある。
現在の中東情勢はその典型だろう。シリア内戦の終わり、サウジアラビアの新皇太子、そしてトランプ政権の誕生によって、これまでにも続いてきたイランとサウジアラビアの対立が大規模な戦乱に発展する可能性が生まれているからだ。
サウジアラビアはイエメンを攻め、カタールを経済封鎖し、レバノン政府を圧迫するという極度に強気の政策に訴えたが、成果は収めていない。空爆を繰り返した2年半、イエメンでは栄養失調ないし飢餓の危機が生まれていると報じられているが、武装勢力フーシは力を保っており、イラン製に類似したミサイルをサウジに発射した。経済封鎖後のカタールは、イランと断交するどころか食料輸入などで関係を強化している。サウジアラビアで辞意の表明を強いられたレバノンのハリリ首相は、帰国後辞意を撤回し、ヒズボラも含む国民連携という政策を崩していない。サルマン皇太子の強硬姿勢はイランを封じ込めるどころか、湾岸諸国の分断を進め、サウジアラビアを孤立させる結果を招いており、サウジを支援するアメリカの中東地域における影響力も弱まってしまった。
中東は、イランとサウジアラビア・イスラエルが対立し、域外の大国についてはイランをロシアが、サウジをアメリカが支援する構図に収斂している。現在優勢に立つのはイラン・ロシアの側である
が、サウジもイスラエルも強硬姿勢を崩しておらず、その両国をアメリカが抑制する兆しは見えない。
サウジアラビアとイランの対立を基軸として、シリア内戦が終わりつつある中東は、新たな、そしてさらに規模の大きな戦乱へと向かおうとしている。

 時事小言より------藤原帰一
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来年度予算案決定
97兆7128億円で、6年連続で過去最高となった。
総額を押し上げているのは歳出の3分の1を占める社会保障費。

紙面より
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指先ひとつで世界を振りまわすトランプ米大統領のツイッター発信。
だが、今年最も多く「いいね」が押された発言では前任オバマ氏に完敗している。「人は生まれながらして、肌の色や生い立ち、宗教などを理由に他の人を憎みはしない」。白人至上主義を鋭く批判した。
退任から11カ月、オバマ氏の言動はなお注目の的である。住まいは首都ワシントンのまま。引退後には「政治の街」を出る政治家が多いなか、2人の娘の学校生活を優先した。この秋、進学する長女をボストンに送り、感極まって涙をこぼす。共感をこめて報じられた。
かと思うと、20代初め、親しい女子学生に送った手紙も公開される。「貧困支援の職では食べていけない」「傍観者よりは当事者でいたい」。自己を探し、進む道に迷う姿が若者らしい。
退任後、何をなすべきか考え抜いたと話す。「取り組みたい課題は山ほどあるけれど、バトンを渡すべき次世代のリーターを育てることが僕の仕事だと思い至った」。かつて教壇に立ったシカゴ大学で学生らにそう語った。
ふりかえれば、在任中は失望も大きかった。外交は「弱腰」とそしられ、目玉の保険改革は骨抜きに。政界では痛々しいほど孤立した。それでも彼の言には他国も一定の信を置くことができた。
「何人受け入れは壊滅的過ち」「北朝鮮の小さなロケットマン」。ホワイトハウスの現在の主が口先と指先で引き起こす数々の混乱に、世界76億人がきりきり舞いさせられた一年であつた。

 天声人語より
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相撲の話
張り手にかちあげ。
品のない取り口にも批判が。
暴行を見過ごした白鵬らも減給に。
上位が黒星だらけの大相撲。

素粒子より
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先週、厚生労働省が発表した都道府県別の平均寿命表を見ると
最下位は男女ともに青森だった。5年ごとの調査をさかのぼると、青森の男性が1975年からずっと、女性も2000年から連続して47位である。青森市を訪ねた。
「いまさら驚かない」「毎回ビリなので、またかと思うだけ」。街頭で尋ねると冷めた声が多い。「夫婦でたばこ吸うし、運動しないし、酒飲むし。しょっぱい口だし」と不摂生を指折り数える男性もいた。「しょっぱ口」は塩辛い味付けを好むことを指す。
運動や禁煙などと並び、県が訴えるのは「しょつぱ口」の食文化を改めることだ。国が目標に掲げる1日の塩分摂取量は男性が8㌘、女性が7㌘なのに、青森では男女とも4割多い。「だしを活かして減塩を」という運動が3年前に始まる。就活や婚活ならぬ「だし活」と命名された。
「県外でうどんやお漬物を食べるたび、青森は塩に頼りすぎかなと感じてきました」。だし活担当の吉田綾子さんは言う。減塩の給食を広め、だしの効能を説く講演や、地産地消をめざす新商品「できるだし」の販売に力を注ぐ。
幸い、だしの材料には事欠かない。陸奥湾ではホタテがとれる。十三湖や小川原湖は日本屈指の水揚げを誇るシジミの産地。十和田市にはシイタケがあり、大間町や東通村の湊にはコンブが揚がる。
「おいしい減塩」「上手な塩分コントロール」。そんな文字が躍るスーパーをめぐり、「短命県」返上の日はそう遠くないと確信した。

 天声人語より
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原発の廃炉
覆い、2号機が羽色になることが分かった。
100万㌔ワット以上の大型炉では初めてとなる。
この2基は特殊な構造になっている。

紙面より
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1928年アムステルダム五輪の陸上競技で日本女子初のメダリストとなった人見絹枝はこんな言葉を残している。
「人生の工程すべて戦いである。」。女性が走ることさえ奇異にみられた時代だった。
女性スポーツの環境は変わったが、新たな地平を切り開くのは今も失敗を恐れぬ堅固な意志だろう。「用意された環境を歩くのは好きじゃない。自分で選び失敗も成功も受け入れる」。スピードスケートの小平奈緒選手はテレビでそう語っていた。10日に1000㍍で、個人の五輪種目では日本女子初の世界記録を出した。
スケートの盛んな長野県茅野市で生まれ、3歳でスケート靴をはいた。高校を出て地元の信州大学へ進学。2度の五輪出場で個人種目のひょうしょうだいを逃すと、14年から単身でスケート大国オランダへ。実業団中心の女子では異例のキャリアである。
2季にわたってプロチームに加わり、辞書を片手に学んだ。背中を丸めて、低い腰の位置から刃全体で氷をとらえる。練習仲間がオランダ語で「怒れる猫」と呼ぶしなやかさで力強い滑りに結実した。
五輪シーズンの抱負にはインド独立の父ガンジーの言葉を引いた。「明日は死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」。成長への渇望の感性の幅が、30歳を超えて進化を続ける原動力なのだろう。
怒れる猫の快進撃は見事だが、平昌五輪では500㍍の3連覇を狙う韓国の「氷速女帝」李相花選手ら、ライバルも多い熾烈なレースが、いっそう興味深い。

 天声人語より
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死刑執行
犯行時少年だった死刑囚が刑を執行された。
再審請求中だというが、ならばなぜ奥西死刑囚は執行されなかったのか?
素朴な疑問だ。誰か教えて。
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インド出身の数学者ラマヌジャンは英国滞在中、台所で豆のスープを作ろうとして挫折した。
並外れた数字好き。豆20粒を何通りに分けられるか気になり、調理を忘れる。豆粒の数が何であっても使える公式を求めて没頭したという。
「整数の一つ一つが彼の友人のようだ」。英国の数学者たちもラマヌジャンの力量には舌を巻いたが、もとは独学である。なぜそんな発見を次から次に? 問われると「眠っている間にインドの女神が舌に数を書く」と答えたと評伝にある。
京都大の望月新一教授の夢枕にも数学の女神が舞い降りたのだろうか。難問「ABC予想」を証明したとする論文が専門誌掲載される見通しになった。
整数a、bの和cと、abcそれぞれの素因数の積との特別な関係を論じたという。寸毫も理解できぬ身ながら、「整数論における最大級のみかいけつもんだい」と聞けば心は踊る。
望月氏は米名門プリンストン大に16歳で入学し、19歳で卒業する。23歳で博士号を得て、32歳で京都大の教授に就いた。5年前に公表した論文の内容を確かめるため、一般の数学者たちが査読を続けてきた。
少数、分数、無理数、複素数----。学校で習った「数」はいろいろあるが、最もおなじみの整数について数学界の俊英たちは全身全霊をかけて挑み続けている。何ごとによらず、手軽にわかり瞬時に広まるものが称揚される時代である。天分と情熱に恵まれた求道者のみが到達できる数学的真理を思う。

 天声人語より
寸毫とは、〔「毫」は細い毛の意〕 ほんのわずか。ごく少し。
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スパコンへの公金は
関連会社に流し込まれた公金100億円。
設立半年後から助成が決まる。
だれか仲良しさんでもいたのか。

素粒子より
これこそ忖度ではないのか?
マスコミの皆さん頑張って暴かないと。
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若き才能の奇想天外とも言える活躍だった。
「棋聡天才」の藤井聡太4段が成し遂げた「連聡棋録」に胸が躍った。陸上100㍍で9秒台を出した桐生祥秀選手の「桐走十内」の疾走も光った。住友生命が募った年末恒例の創作四字熟語で、今年を振り返る。
伸びる一方のネット通販。その陰で疲弊する現場の叫びが伝わってくる「荷労困配」の宅配業界である。世の不満が煽り運転につながっているのか、「煽々恐々」の路上もある。
自然の脅威を感じたのは、船舶からのヒアリの侵入だ。「蟻来迷惑」だが、手をこまねいてはいられない。夏には長雨にたたられた地域があり「閉口雨続」の日々だった。「危険水威」のゲリラ豪雨は、すでに日常風景である。
世界ではこわもての指導者が幅をきかせ、礼賛する歌まで街に流れる習近平総書記はまさに「中央習権」。馬耳東風ならぬ「万事虎風」のトランプ大統領の振る舞いに、慣れてしまうのが怖い。
食べ物も観光地も写真でインスタ映えしなければ売り込めないと、「映利多売」が目立つ。問題すべてがうんこに関連するドリルがヒットし、「便教熱心」の子どもが増えたそうな。
熟語の応募は11月初めまで。その後のニュースを小欄が補ってみた。引退した元横綱がいま口を開いて気持ちを述べるなら「悔綱一晩」となるか。首相が「丁寧に説明する」と臨んだ特別国会は、十分な答弁も掘り下げた調査もなく終わった。「不答不掘」の姿勢を来年も続けるのは、勘弁してほしい。

 天声人語より
長々とこんなことでだじゃれを書かれると読むのが嫌になってしまう。
もう少しパッとした話を書いてください。
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代謝をアップ、ウォーキングで脂肪燃焼。
代謝を高めるために大事なことは、ウォーキングなどの有酸素運動です。読者のみなさんの中にも、歩いている方が大勢いらっしやるでしよう。筋トレで基礎代謝量を上げ、さらに有酸素運動で脂肪を燃やすことで、健康で美しく、疲れにくい体をつくることができる。
ウオーキングは、肥満の解消になるほか、心肺機能が高まり持久力が増す。
▽毛細血管が増え、血流がよくなる。
▽動脈をやわらかくして動脈硬化を防ぐ---
などの効果が期待できる。もっとも手軽で、もっとも高い効果を上げられる健康法といえる。
さまざまな研究で、1日8千~1万歩くらい歩かないと健康効果が引き出せないことが分かってきた。1万歩はハードルが高いので、まずは1日8千歩、1週間で5万6千歩を目指します。多少の「歩きだめ」がききますので、あまり歩けない日があっても、別の日にたくさん歩いていれば補うことが出切る。
まとまった時間をとってウォーキングしなくても、日常生活の短い時間で歩数を稼ぐ方が何かと好都合。ひと駅前で降りる。ちょっと遠くのスーパへ行く、エスカレーターの代わりに階段を使うなど、生活しながら歩数を稼ぎましょう。
ただ、歩くだけで足腰の筋力の低下を防ぐことはできません。併せて筋トレもすることが不可欠です。運動を続けるために、歩数計と、筋肉量がどれくらいついたかを確かめられる体組織計が自宅にあるとよい。

 きょうもキレイより-----筑波大教授・久野譜也
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江戸期に越後の文人が雪国の暮らしをつづった『北越雪譜』に、「雪竿」という道具が出てくる。
雪がどれほど降ったかが一目でわかるように、メモリをつけて地面に立てた。長さは1丈、すなわち3㍍ほど。この丈を越えたことを伝える手紙なども紹介されている。
雪の深さが暮らしを左右するのは、昔も今も変わらない。ここ数日、日本海側を中心に早めの積雪となった。新潟県十日町市では1㍍ほど積もり、平年のこの時期の5倍を超えるという。気の早い冬将軍が日本列島を訪れている。
きのうも各地で冷え込んだ。神戸市では初雪とかり、京都市の金閣寺もうっすらと雪をまとった。週末には冬型の気圧配置が強まるという。1枚また1枚と、着るものを増やしている方もおられよう。
先の『北越雪譜』には、雪の少なく暖かい地域をうらやむくだりもある。江戸では初雪が降れば雪見の船を出したり、客を招いてお茶をたてたりする。雪は、あちらでは「楽」でも、こちらでは「苦」。雲泥の違いだと。
多めの降雪と聞けば、心配になるのは雪かきや雪下ろしの担い手である。秋田県湯沢市が、ふるさと納税の返礼品に「雪下ろし代行サービス」を加えたとあった。高齢の親がいる家などに使ってほしいという。それぞれの地域で助け合いながら、冬を乗り越えられんことを。
さんび、さーめ、しばれる、しみる。「寒い」の言い方にはお国柄がある。あいさつ代わりに口にする日が、しばらく続きそうだ。

 天声人語より
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老いを遅らせるには--心がけが大切
「アンチエイジング」という言葉が注目を集めている。アンチエイジングと
は、できる限り老いを遅らせて若さを保とうという試みだ。
若さ、アンチエイジングというと、スキンケアやサプリメントなどを思い浮
かべる人は多いが、一番大切なのは「気持ち」だ。やりたいことをやること
。無理をし過ぎないことを心掛けると良い。自分を責めないで、いい加減に
、気ままに生活することがお薦めだという。
また、適度な緊張感、ストレスも刺激につながる。ある程度の年齢を過ぎた
ら仕事をしないで家の中で閉じこもっている人は少なくない。だが、ボラン
ティアでも良いので「誰かの役に立っている」という実感を感じられること
を意識的に行うことが大切だ。
そして「きれいになりたい」と願い、行動を起こすことは、世界を広げ自分
を内面からも輝かせる。
たばこと紫外線はなるべく避けよう。特にたばこは肌に悪く、体の循環に悪
影響を与える。
アンチエイジング5カ条
◆いくつになっても男と女
  「美しさ」に磨きをかけよう
◆肌の若返りは心の若返り
   メークアップは外見、心も若返らせる
◆バランスの良い食事と適度な運動
   アンチエイジングの効果は食事と運動が9割
◆よく笑い、よく話し、よくかむ
   笑いは免疫力を高め、かむことは脳の活性化になる
◆長生きこそ最大の誇り
   いくつになっても積極的に社会貢献を
 
 北里大名誉教授・塩谷信幸
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沖縄の普天間第二小学校と、米軍普天間飛行場とを隔てるのは、フェンスだけである。
授業を頻繁に妨げる爆音が、5年生の作文にある。<生成の声が聞こえなくなる。みんなの声も聞こえなくなる。ぼくは、「もうどうでもいいや。」と、えんぴつをなげた>。
渡辺豪著『私たちの教室からは米軍基地が見えます』が、1970~80年代の学校文集を紹介している。米軍機に「うるさあーい、しずかにしろー」と怒鳴った子がいる。基地は広いのに校庭はなぜ狭いのかと、納得できない子がいる。
ある6年生は〈もし、わたしたちの学校に、飛行機がついらくしたら、どうなるのでしょうか〉と書いた。繰り返し訴えられてきた危険である。その校庭に、米軍ヘリの窓が枠ごと落ちた。
落下ではねた小石のようなものが児童に当たったというから、かなりの近さだろう。沖縄では1年前にオスプレイが海岸に落ちており、その後もヘリが民家近くで炎上している。基地も厄災は目の前にある。
とりわけ普天間は市街地からの近さが際立つ。それでも政府は県内移設ができなければ撤去できないとの姿勢だ。すぐに取り除かねばならない危険が、まるで交渉材料になっているかのようだ。
トラックに大きなスピーカーを積んで日本中の学校を巡り、普天間第二小の騒音を再現してはどうか。作家の池澤夏樹さんがかつて、そんな提案をしていた。爆音と危険に脅かされる日常。体験せずとも思いをはせることが、本当はできるはずだ。

 天声人語より
だから早く辺野古をつくり移すべきなのに、現実味のない理想論ばかりを唱えているのだと理解すべきだ。
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天皇陛下の退位は
このご意向は忖度したい。
退位の儀式はできるだけ簡素に、と陛下。
外国賓客を招かず一般参賀もせず粛々と。

 素粒子より
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人間はね、ただ嘘をつくんじゃないんです。何かを隠しながらつくんです。そして事実を直視しないようにする。
英国の作家カズオ・イシグロさんが語っていた。つらい過去と向き合うのがいかに難しいか。彼の多くの作品に流れるテーマであろう。
『日の名残り』は英国の執事が一人称で語る小説だ。彼が仕えた貴族は、第2次世界大戦が終わると非難の的となる。いわくナチに通じていた、反ユダヤ主義者だった-----。執事はつぶやく。非難はとんでもないでたらめで、的外れだと。
しかし同時に彼の記憶から紡がれるのは、非難に十分な根拠があるということだ。事実を認識しながら、虚偽の解釈を試みる。誰にでもありうる心の働きかもしれない。
最新作『忘れられない巨人』はファンタジーの形を借り、集団としての記憶を扱った。竜が吐く息によって、かつて殺し合った記憶が丸ごと失われている世界。竜を仕留めて記憶を戻すか、忘却にもとづく平和を続けるか。激しい葛藤がある。
記憶、とりわけ加害の記憶を受け止めるのは誰にとっても容易ではない。目を背けたくなる誘惑にかられる。個人として集団として、記憶に向き合う準備はあるか。イシグロさんの作品が、そう迫ってくる。
どの国にも負の記憶はある。日本軍が南京で多くの中国人を虐殺したのが、80年前の今月である。記憶することの難しさと、忘却することの危うさ。ノーベル文学賞を受けた小説家が投げかける問いは、色あせることはない。

 天声人語より
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美濃加茂市長有罪
二審で有罪判決が出て上告していたが、最高裁で棄却され有罪が決定した。
それに伴い市長は辞職した。

紙面より
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米大リーグの本塁打王として名をはせたベーブ・ルースは、もともと投手だった。
打者との「二刀流」となったのは、第1次世界大戦ゆえである。チームの有力選手が次々と兵役に取られ、ルースは登板のない日も外野手として試合に出ることになった。
打撃でもほどなく頭角を現し、本塁打を量産した。しかし両立は重荷だったようで、監督に弱音を吐いている。「外野に回るのは、もうとてもできません。ほんとうにへとへとに疲れてしまうんです---」。結局、ルースは打者に軸足を移す。二兎を追うものは、いかに困難な道であることか。そこに挑戦し続けのが23歳の大谷翔平選手である。
お金より、投打の両立を認めてくれるところを。そんな思いに応える球団が大リーグに現れ、エンゼルスへの移籍が決まった。投手としての初勝利と打者としての初本塁打。それが同じ試合でできれば最高だと入団会見で語っていた。
多くの人にとって成長するとは「あれか、これか」を選んでいくことだ。この仕事に就くから、あの夢はあきらめる。日々の忙しさゆえ、好きなことから遠ざかる。今はこれに打ち込むのがいいのだと自分に言い聞かせながら。だからこそ「あれもこれも」を貫く大谷選手がまぶしく見える。
二刀流を否定する人たちの考えを変えたいとは思わないと、かつて語っていた。「自分が面白ければいいかな」と。いや、あなたのそんな行動が、従来の発想や常識を変えつつあるのだ。

 天声人語より
エンゼルスを選んだ一番の理由は、指名打者制がある球団だということだ。
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東芝とWD和解
かねて係争中だったウエスタンデジタルと和解したと正式に発表。
これであとは各国で審査されている独占禁止法だけである。

紙面より
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魚たちがたわむれ、貝や藻に覆われた艦内から、73年前の爆撃音や叫び声が遠く聞こえる。
米軍に撃沈された旧日本軍の戦艦山城と扶桑が先日、フィリピン・レイテ沖で駆逐艦3隻とともに発見され、映像が公開された。
探索したポール・アレン氏は、米マイクロソフトの共同創業者である。自伝を読むと、シアトルの中高一貫校で3学年下のビル・ゲイツ氏と知り合った。その才能とコンピーターの普及を見越して起業に引き込む。
アレン氏の発想力にゲイツ氏の商才が加わって世界的な企業へ育った。後にたもとを分かつものの、若くして巨万の富を手にした。豪華な自家用船で世界をめぐり、アメフトやバスケットのプロ球団を買い取り、宇宙船を飛ばす。海底探査も多彩な関心領域の一つらしい。2年前にはレイテ沖で戦艦武蔵を見つけて話題になった。
アレン氏がこの海域の調査を始めたのは10年前。「父が欧州戦線に従軍し、私も戦史好き。史上最大の海戦という歴史を保存したい」と狙いを語っている。
武蔵は魚雷と爆撃の猛攻に沈んだ。山城は巨大な火柱を夜空に噴き上げて消えたという。4日間で7千人とも1万人とも言われる将兵が命を落とした。作家の半藤一利氏は「大日本帝国の最終章を飾る雄大な葬送賦」と評した。
日本の誇る主力艦を沈めたのが米軍なら、73年後にその残骸を改定で探し出すのも米国である。海底から届いた映像に残る被弾の跡の生々しさにしばし息をのんだ。

 天声人語より
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投機目的
ピットコインは宙を舞う。
仮想通貨として使えぬほどの投機対象に。
物語の結末で誰が笑い、誰が泣くのだろう。

素粒子より
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新聞社にはデスクという仕事がある。編集室の「机」に陣取り、記者の書いた原稿を整えて紙面化する。
どんな取材指示を飛ばすか、何を紙面の目玉に据えるか、際限なく判断を迫られる。筆者も3年務めたが、最終版の仕上がる未明には精も根も尽きる思いがした。
そのころ読みふけったのが、共同通信で1960年代にデスクを務めた原寿雄さんの著書『デスク日記』だ。小和田次郎という筆名で刊行された。
原デスクは「わが国」と書かれた原稿を「日本」と直した。「わが国、わが軍と書いていては客観報道ができない」。編集幹部がニュースの軽重に迷い、他紙をキョロキョロとうかがう姿を「編集キョロリズム」と呼んだ。死亡事故最多の予定原稿を使いたい一心で、事故の発生を待つ自分の無神経さすら俎上に載せた。
原さんが亡くなった。92歳。日記好きは来社歴り長い。海軍経理学校の日々をふりかえって「入校から終戦まで11カ月間に2千発の鉄拳を受けた」と記す。自由にものが言える社会を志向し、報道に身を投じた。
幹部になっても「編集局日記」を書いたが、多忙ゆえ1カ月で筆をおいた。共同通信を92年に退いた後も「もっと調査報道を」「社説にも署名を」と自在にジャーナリズムを論じた。
「企業の社員という立場に流されず、記者なら社会的強者への批判力を磨け」。数々の著書を激励が貫く。生まれ変わっても、デスクとして存分に腕をあるいたい。そう願いながらたびだったな気がする。

 天声人語より
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富岡八幡宮
神をも恐れぬ所業というべし。
富岡八幡宮事件の容疑者が「怨霊となり祟り続ける」。
聖域をけがす血刀も絶対悪。

素粒子より
お金の問題があるのだろうが、人間の心は闇なのか?
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江戸情緒の残る参道を抜け、大鳥居をくぐると「立入禁止、警視庁」という黄色い規制線が目を射る。
東京都江東区の富岡八幡宮では周辺の辻々に警官が立ち、境内の「横綱力士碑」に近づけなかった。
「深川の八幡さま」と親しまれる神社で、女性宮司と実弟である元宮司、妻の3人が死亡する驚きの事件が起きた。弟が姉に切りつけたらしい。子細はわからないものの、日本刀を振りまわすとは尋常ではない。
惨劇の報に接して思い出すのは、大竹文雄・大阪大教授らが今年発表した研究成果だ。寺院や神社の近所で育った人は、そうでない人に比べて、人を信頼し、恩を返したいと考える傾向が強い。それが幸福感や健康にもよい影響を与えるという。
いわく、神社は地域社会の拠点で、子ども会行事や清掃、盆踊りなどが盛んだ。親切には親切で報い、労をいとわず人助けをしようという志向が自由民に診られるという。なるほど江戸三大祭りで知られる富岡八幡宮のような神社では、いまも地域住民の結びつきは強い。
「江戸屈指の大社で、祭礼のにぎやかさ、各氏子中が趣向をこらして練り出す山車や---大神楽の美々しさでも満都に鳴りひびいている」。作家の故杉本苑子さんは小説『永代橋崩落』で200年前の活況を描写している。そのころから氏子たちの熱意は格別だったのだろう。
それにしても何が区行に駆り立てたのか。400年近く信仰を寄せ、祭礼を支えてきた人々にすれば、これほどの落胆はあるまい。

 天声人語より
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救命につなげるために、AED使用をためらわずに
新潟県の高校で野球部の女子マネージャーがランニング直後に倒れ、先月死亡した事故は、いつAEDを使えばいいのか、現場での判断と実行の難しさを問いかけた。
女子生徒は、死の間際に脳への血の流れが止まりかけ、あごや肩、胸や腕が、途切れ途切れにあえぐように動く「死戦期呼吸」の状態だったと思われる。(ギャスピングと現場や医療機関では言う)実際に空気は吸えていないが体が動くので、周囲の人たちは心臓が動いていると思い、AEDを使わなかったのかもしれない。息をしているかのように見えてしまう死戦期呼吸のことを多くの人に知ってもらいたい。
息が止まっていれば、すぐに心臓も止まる。現場に居合わせた人は、あえて患者の脈に触れる人要はなく、息をしているかどうか、だけを目で見たり耳で聞いたりして判断すればいい。講習会でも死戦期呼吸を教えるときは動きが大げさになりがちだが、実際には分かりにくい場合もある。突然の事態に直面した一般の人たちに冷静な判断を求めるのは無理だろう。息をしていないことが疑われるときは、一刻も早く胸骨圧迫をしたり積極的にAEDを使ったりすることが大切だ。
日本のAEDの普及率は世界でもトップクラスだ。的確な設置場所やきちんとした保守管理など課題はあるが、使い方はよく知られるようになった。消防白書によると、2015年に病院外でAEDが実際に使われたのは約1100件で600人ほどの究明につながった。だが、蘇生措置を行えた可能性のある人は数万人とみられ、市民の的確な判断と行動なくして救命率の向上はない。
人が倒れた現場は混乱し、AEDの音声支持も聞き取りにくいだろう。電気ショックのボタンを自ら押すことをためらう心理も働く。居合わせた人がAEDの電極を患者に貼り付けさえすれば、ボタンを押す必要もなく、自動的に除細動をする「全自動」AEDを開発し、早く導入すべきだ。技術的には可能で、間違って放電されることや救助者の感電を防ぐ方法もある。メーカーや行政は積極的に取り組んでほしい。
胸骨圧迫やAEDの使用では、衣服を破ってでも脱がすなど患者のプライバシーが守れない場合がある。
一般の人が処置をためらったり、蘇生がうまくいかなかったりした時に責任を問われることを恐れるという気持ちも考える必要がある。
こうした背景には100%の安全と結果責任を追及する最近の日本の風潮があると思う。市民の善意を生かし救命率を上げるためには、米国やカナダなどのように「緊急事態に直面した善意の処置者は、その結果に対して責任を負わされない」という「よきサマリア人の法」の整備が必要だ。

 私の視点より----聖路加国際大学院特任教授・宮坂勝之

善きサマリア人の法(よきサマリアびとのほう、英:Good Samaritan laws
とは
「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。誤った対応をして訴えられたり処罰を受ける恐れをなくして、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による傷病者の救護を促進しよう、との意図がある。
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ぐねぐねと湾曲したブナの巨木群に囲まれると、木の精が目を開いて語り出そうだった。
山形県境に近い秋田県にかほ市の鳥海山のブナ林を先月訪ね、異形のブナ「あがりこ大王」と「あがりこ女王」たちに対面してきた。離れて立つ2本が今年、遊歩道で結ばれた。
ブナと聞けばすらりと伸びた樹形が浮かぶが、鳥海山北麓の湿原は様相が違う。根は1本なのに、背丈ほど上がったあたりで幹が子のように分岐する。地元で「あがりこ」と呼ぶ。幹は曲がり、ねじれ、せり上がる。
「噴火や豪雪、病害と説は色々ですが、炭焼きのせいだと私は見ております」と案内人の棚か二三男さん。何百年もの間、村人が雪上に出た幹を切り、切り口から出た芽が幹になるとまた切った。幹がうねる神秘の林ができあがった。
大王は推定樹齢300年。幹回りは7㍍を超す。遠目には八岐大蛇のように見えるが、近寄れば表情は温かい。かなりのご年配で、幹がワイヤーで支えられている。
田中さんが11年前、新たに見つけたのが「あがりこ女王」である。大王から徒歩30分、樹齢は150年。まだ若々しい。「すんごい美人。色白で、触れると木肌がムチムチ。大王もぞっこんだと私は思っております」。
さて12月7日は二十四節気の大雪。鳥海の峰もすっかり冬の装いで、ふもとの湿原も先月末には雪に閉ざされた。団体客の歓声はもう聞こえない。大王と女王のあがりこ夫婦は、雪解けの水音が聞こえる来春まで、水入らずの時を過ごす。

 天声人語より
形を見たい人は http://www.akitafan.com/archive/tourism/1054 へ。
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「健康づくりのための身体活動基準2013」は身体活動を「運動+生活活動」と定義
日々のちょつとした動きもスポーツ並みの健康効果があり、ちょっと体を動かすことを増やす「プラス10」を推奨。そうすれば、がんや認知症を減らせるという。
では、どうすれば生活活動を増やせるのか。まず起床から就寝までに、どこで体を動かせるか1日を振り返ることだ。
通勤時に早歩きしたり、掃除や洗濯でキビキビと動いたり。そんな小さな動きが「ちりも積もれば山」。1日10分でも、1週間で合計1時間でもいいし、途中でやめても三日坊主を繰り返すつもりでも構わない。
自分の身体活動レベルを知るときには活動量計が役に立つ。
歩数計の機能に加え、家事などの生活活動で1日に体を動かして消費したカロリーが示される。活動量が基準や目標に対して十分なのか下なのか客観的に教えてくれる。
いわば自分の現在地を示すナビ。最近は結果をパソコンやスマホに送って確認できる。
注意点は、体を動かす次官は一気に増やさず、体調が悪いときには無理をしない。痛みが出たら、医師や運動の専門家に相談を。夏場などは炎天下を避け、熱中症に気をつけよう。

 元気のひけつより
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同じものなのに呼び名が違う例は少なくない。関東は「肉まん」だが、関西は「豚まん」。
関西では肉といえば牛肉を指すことが多いため、豚肉だと強調したらしい。農耕用に馬より牛がよく飼われた歴史も背景にあるようだ。
『誤解されやすい方言小辞典』によると、東西で名称が違うのは「かけうどん/素うどん」「串揚げ/串カツ」「炊き込みご飯/かやくご飯」など。微妙な違いはあるかもしれないが、基本的に同じものだろう。
さて、こちらの二つはどうか。「金額」と「価格」である。森友学園をめぐり、概略こんな答弁があった。「金額のやり取りはしたが、価格の提示はしていない」。特別国会で財務省の太田充・理財局長が述べていた。
学園側と生々しくお金の話をした音声データの存在は、否定できない。一方で、どうにかして「価格の交渉はしていない」と言い張りたい。そんな無理が、珍問答に現れたのだろう。9億円台の土地を1億円台まで値引きした根拠は、以前はっきりしない。
聴く人に納得してもらう気などないかのような答弁を重ねて、特別国会が終わろうとしている。年末にかけて所得税などのぞうぜい議論があり、年明け2月には確定申告もある。森友学園の疑惑を否定し続けた後に国税庁長官となった佐川宣寿氏が、徴税実務の責任者である。
国民の資産をどう扱ったのか、きちんと声明できなかった人なのに。それでも無安倍首相に言わせると「適材適所」だそうだ。「冗談でしょ/うそやろ」。

 天声人語より
かき出しの文言と言いたいことの比喩はおかしいのではないか。
書き人が変わって疑問に思う比喩が多くなった。天声人語は落ちてきた。
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退位19年4月に決定
退位特例法の施行日を2019年4月30日とする政令を閣議決定した。
翌日の5月1日に皇太子さまが新しい天皇に即位する。
新しい元号は同日施行に決まった。

紙面より
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主人公の「私」は、汽車にあわてて乗ってきた小娘が不快でならなかった。
ひびだらけの赤い頬。垢じみた毛糸の襟巻き。そんな眼差しが変わったのは、娘が懐からみかんを取り出したときだった。芥川龍之介の短編『蜜柑』である。
走る客車の窓から、娘は勢いよく腕を振り、踏切にいる男の子たちにみかんを投げた。奉公先に赴く姉と、それを見送る弟だろうか。「暖かな日の色に染まっている蜜柑」が降り注ぐ。色はもちろん、香りまで伝わってくるようだ。
寒さを感じると、みかんのおいしい季節である。七二候では今が「橘始黄」にあたる。橘は古来、かんきつ類の総称という。そう言えば少し前から、よその庭で黄色くなった実を眺めるのが、駅に向かう朝の楽しみになっている。
冬の果物の代表とも言えるみかんだが往年の勢いはないようだ。出荷量は最盛期の1975年に比べ、5分の1ほどしかない。「こたつでみかん」は失われつつある光景なのか。こたつも暖房の主役を降りてしまった。
会社の机でみかんを、そう呼びかけるのが、食育などを担うNPO法人、成果物健康推進協会だ。産地などと組んで、社員食堂の前にみかんを並べる。協会の近藤卓志さんは「コーヒーブレイクの代わりに、みかん休憩を。和やかな雰囲気になります」と言う。
〈蜜柑むく親しき顔に逢ふごとし〉鍛冶本輝子。テーブルでも移動中でも仕事の合間でも。暖かな色と甘酸っぱさがぴったりくる場面を捜すのも、いいかもしれない。

 天声人語より
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東京のマスコット
今流のキャラか。
年寄りには馴染めぬものばかり。

紙面を見て
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この選手のシュートは時速127㌔。チーターの走るスピードは分速2㌔。
サッカーJリーグの川崎フロンターレが、先生たちと作った算数ドリルの問題だ。チームを身近に感じてもらおうと小学校に配った。
地元密着を競うJリーグのなかでも川崎は筋金入りだ。プロモーション部長だった天野春果さんが著書で取り組みを紹介している。選手が子供たちにえほんの読み聞かせをする。競技場の前にふれあい牧場をつくる---。高級レストランではなく近所の定食屋を目指した。
2日も地元スタジアムは水色のユニホームで埋まった。いいところまで行くのに頂点に届かない。「万年2位」の呼称をもらったチームがJ1で初の優勝を飾った。
試合後に泣き崩れた中村憲剛選手もまた、遅咲きだった。小学校でサッカーを始めたが、中1の時の身長は136㌢。相手にはじきとばされ、走ってもすぐ追いつかれた。「トントン拍子でプロになれたような人間ではない」と自著にある。そんな彼がチーム
支えてきた。
日本代表とJリーグの人気の差がなおある。はね返すには地域に根ざすことが大事だといわれてきた。そんな理念を地でいくチームが念願を達成した。プロスポーツ全体への刺激になるか。
川崎市は転入や転出が多く、地元意識が生まれにくいと天野さんが書いている。だからこそ、応援を通じて一体感を持ってほしいと。スポーツが地域にできることは、まだまだありそうだ。

 天声人語より
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平昌五輪ロシア出場禁止
IOCはドーピングが組織的であるとし、資格停止とした。
潔白選手には参加の道が残されている。

紙面より
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いばることではないが、字の汚さには自信がある。
社会人になりたての頃、先輩から「ペン字を習ってこい」と叱られた。習わなかったが、取材相手からメモをのぞかれ、「すごいですね。速記文字ですか」と言われたことがある。急いで書いただけなのだが。
パソコン時代になり楽になったが、お礼状を手書きするときなどは気後れする。だから立派な人の字が下手だと、申し訳ないが、ほっとする。博物学の巨人、南方熊楠もなかなかなものだったと最近知った。
「無双の悪筆」を自称し「小生は大抵は写し集め置き候が、小生悪筆にて自分も読めぬ事多きには困り居り候」と手紙に残している。莫大な資料を書き取っても、後で判読不能になる。無双の好奇心に文字が追いつかかなかったか。
のちの研究者も泣かされているようだ。杉山和也氏が著書で述べるには、熊楠の字は小さくて読みづらく、筆が割れてもお構いなしに書いていることがしばしばある。いまだ解読されぬものも多いという。世紀をまたぐ歴史的な悪筆というべきか。
新保信長著『字が汚い!』で、ベテラン編集者が作家の達筆や悪筆を語っている。「それぞれの字に味があった。大江健三郎さんの原稿用紙は絵のようにみえましたよ」。大江さんの肉筆画載る本を開いてみた。作品の鋭さに似合わぬ可愛い字で、絵だと思うと明るい印象だ。
年賀状をしたためる季節が来た。美しくなくでも明るい字、楽しくなる字。その辺りをめざして添え書きをしてみよう。

 天声人語より
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核廃絶決議採択
日本提案の核廃絶決議は採択されたが、賛成国が11カ国減少した。
反対は中国、ロシア、北朝鮮、シリア。

紙面より
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80年前、少年向けに書かれた本が今年、新たな装いで刊行された。
吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』。活字版と漫画版で計100万部に達したそうだ。読者の心をつかんだのは何か。
「不安の広がる時代だからでしょうか」と出版先のマガジンハウスの鉄尾周一さん。気まぐれな大国に振り回され、隣国からミサイルが上がる。暮らしの先行きも読みにくい。なるほど不安材料は尽きない。
驚くのはこの本が1937年に刊行されたことだ。夏に盧溝橋事件が起き、前年に2.26事件が社会を震撼させた。政党政治は挫折し、軍国主義が時代を圧してゆく。
吉野はこの本を出す6年前、治安維持法違反で検挙されている。軍法会議で「君たちが何と言っても地球が太陽の周りを回る」と述べたとも伝えられる。親友の哲学者古在由重の『暗き時代の抵抗者たち』にある。吉野は1年半、投獄された。
『君たち』の主人公は「コベル君」。16世紀の天文学者コペルニクスにちなむ。天動説が不動の常識だった時代に地動説を唱えた。「自分が宇宙の中心という考えにかじりつくと真理は見えてこない」とコペル君は学んでゆく。
改めて世界を見回せば、「地動説」が揺らぎ、「天動説」が頭をもたげる。米国のみならず、自分を宇宙の中心と考える指導者がいる。温暖化対策ひとつを見ても、言動が自己中心化し、天動説化している。大勢に流されず、強い者にひるまず、自分で考える。今こそコペル君の勇気が必要ではないか。

 天声人語より
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残業時間
社員の命はそれほど軽いのか。
過労死ライン超えの残業協定が大手企業で横行する。
「つざなぎ超え」経済の現実。

素粒子より
元から100時間というのは当たり前だった。
それが最近短くなってきただけだ。
三六協定を見直さなければ、いつまでも100時間のままだ。
マスコミが知らないだけである。
自死がそんなに美化されていいのか?
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目を輝かせるのは子どもより大人たちの方ではないか。
愛知県豊山町に開館する「あいち航空ミュージアム」の内覧会で旅客機YS11を見た。いかにもご老体ではある。操縦室のイスはくぼみ、客室の天井は低い。なぜか無性に温かい。
YSは戦後復興の象徴だった。占領下で許されなかった航空機開発が7年ぶりに解禁されたのは1952年。「航空業界で7年の遅れは致命的。車やバスなら作れても旅客機には清三ノウハウがない。国産なんてできるのかと半信半疑でした」。尾翼を設計した技術者鳥養鶴雄さんは話す。
課された性能は、短い滑走路で離着陸できて頑丈なこと。哲也と激論の日々をへて62年夏に初飛行を成功させた。だが来日した米航空当局の審査官から横揺れなど欠陥を指摘される。
改良を重ね、離陸直前に双発エンジンの片方を急停止させても安全な構造に。米当局のお墨付きを得て、輸出先はガボン、ギリシャ、カナダなど十数カ国へ広がった。
182機が飛び立ったが採算は合わず、73年に製造ラインが止まる。国内の定期路線からは11年前に引退した。自衛隊や海上保安庁ではその後も使われてきた。設計の現場を離れた鳥養さんだが、いまでも頭上で「キーン」という甲高いエンジン音を聞けば、瞬時にYSとわかると話す。
離島便などで筆者も親しんだ機だが、久々に客室を歩いて、高度成長を支えた世代の情熱に改めて思いをはせた。長い旅を終え、翼を休める白鳥の姿をカメラに収めた。

 天声人語より
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夜型生活取り戻すには、朝日を浴びる。
乱れた睡眠のリズムを取り戻すにはどうすればいいのか。
①朝に日光を30分ほど浴び、睡眠ホルモンに関わる体内時計をリセットする
②日中に適度な運動をし、夜とのメリハリをつける。
③胃や腸を休めた状態で眠るために、就寝の3時間前には食事を終わらせる。
④夜は強い照明を使わないで過ごす--などが効果的という。
また、乱れた体内時計を整えて規則正しい生活リズムを手に入れるために、毎日の睡眠時間を記録することを勧める。起床・就寝時刻や寝ていた時間、途中で起きた時間・回数を振り返り、できるだけ毎日同じリズムを繰り返すようにする。休日だけ起床時間が遅くなる場合は注意が必要だ。平日の起床時間と2時間以上ずれると翌週の前半は時差ボケの状態となり、心身への負担が増えるという。
体内時計が乱れたままだと、睡眠時間帯が日常生活に支障を及ぼす「概日リズム睡眠障害」になる恐れもある。「朝起きられないなどの症状は『やる気がない』『だらしない』と見られがちだが、治療が必要な場合もある。受診をためらわないでほしい、と話している。

 はぐくむより
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大戦中の1940年春、ときの政府は子を10人以上生んで育てた家庭をたたえる制度を作った。
続いて人口政策の新方針も定める。24歳前後だった平均結婚年齢を3歳早め、平均で5人の子をと明記した。
この「産めよ増やせよ」施策は不評だった。女性誌に載った声は「個人の意志など全然なく事務的」「気持ちがついていけない」。これを政府寄りの論者は「婦道の失墜」などと批判した。
古い論争を持ち出したのは、山東昭子参院議員の発言に驚いたからだ。先週、自民党の会議で「4人以上生んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討しては」と述べた。取材に「女性活躍社会で仕事をしている人が評価され、逆に主婦が評価されないという声もある」と説明したが、理解できない。
2年前には官房長官も不可解な言葉を発している。「ママさんたちが一緒に子供を産みたいとか、そういう形で国家に貢献してくれたらいいな----たくさん産んで下さい」。俳優の結婚を祝うコメントに場違いな「産児報国」観がヌッと現れた。
子を産み国に報いよ----。そんな考えが永田町の地底には残っているのか。国の表彰を励みに産む人がいるだろうか。
2人目、3人目がほしくても、家計不安から思い切れない。保育所も足りない。不妊に悩む人々もいる。それなのに国から一方的に4人だ5人だと数字を挙げられたくはない。働きやすく、産みやすく。人びとに報いるべきは政治の側ではないのか。

 天声人語より
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老後の健康、歩いて外出できる体力を
「団塊世代」が、10年足らずで75歳以上の「後期高齢者」となる。その後の人生の明暗は「歩いて外出できる体力の維持」にかかっている。家事をこなし、公共の乗り物で移動し、スーパーで買い物ができれば、一人暮らしも可能だ。外出できれば、近所の人とも交わり、草花や風のそよぎに季節を感じ、心も豊かになる。買い物をすれば計算もする。歩けなくなると一挙にそれらを失い、医療、介護の対象になる。
心身を動かさないと老化は加速する。そのターニングポイントは、男性の場合、定年退職時にある。ここで手を打つには、いわば「大人の義務教育」のように場が有用と考える。「定期的に歩いて外出する場」を提供し、地域とのコミュニケーションの構築、健康・調理などの知識と技術を習得することを目標とした授業をしてはどうだろうか。
歩いて通えることが前提なので、65歳前後の1~2年間、半日程度のコースで週に2回ぐらい学区の小中学校の空き教室に集まってもらう。
全員参加は、ホームルームと健康講座くらいにしておいて、パソコン、園芸、手芸などカリキュラムは工夫次第、講師もメンバーの中から出てくるだろう。栄養の整った学校給食を食べれば、筋力低下予防にも効果があるはずだ。
自治会などで対象者全員に声がけするが、親や孫の世話、仕事や趣味を理由とする不参加は可とする。だが、出欠届は義務とする。元気だけど、自ら積極的に出向かない人々を集めることで、点と点がつながり面となれば、子育てや介護、防災の一助にもなり、地域に飲み仲間やゴルフ友むだちもできるだろう。終了後は自主活動が継続すれば成功だ。地域差はでるだろうが、医療費や介護費の削減に向けて、市町村でこのような「大人の義務教育」に取り組むことはできないだろうか。

 オピニオンより-----健康運動指導士・山田佐世子
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「春」「希望「おはようございます」。横綱日馬富士が描いた油絵の題である。
富士山がテーマの作品群のほか、岸に波が静かに寄せる「心」という作品もある。
玄人はだしの腕は母国で磨いた。10代半ばで個展を開き、来日後もけいこの合間に絵筆を走らせた。最近も東京の銀座や上野の展覧会に出品した。「僕は悲しいときに絵を描くんです。幸せなときは色が出ない」と語っている。
いま絵筆を手にしたらどんな色彩が現れるだろうか。第70代横綱が引退を決めた。後輩にふるった暴力の責任を取った。「自分が正しいことをしているという気持が強すぎた」。引退の弁には釈明の色がにじむ。
「土俵の上と畳の上を一緒にしたら大変だ。刑事問題になったりする。----相撲の社会だって時代の流れを無視できない」。土俵の鬼と言われた初代横綱若乃花は著書『人間、辛抱だ』に記した。40年も前である。社会は当時より暴力に厳しくなったのに、日馬富士は指導と暴力の境界線を見誤ってしまった。
横綱は孤独で厳しい。休場すれば批判され、堂々たる取り口でなければ買ってもほめられない。常住坐臥、土俵の外でも品格を求められる。「頂上であって同時に崖っぷち」。昨夏亡くなった横綱千代の富士の言葉を思い出す。
角界に残した汚点はぬぐいがたいが、あの気迫あふれる立ち合い、強烈な投げ、驚異の粘りはこの先も記憶にとどめたい。まだ33歳である。心静かに絵筆をとりつつ、進むべき道を見つけてほしい。

 天声人語より
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天皇の退位
19年4月退位、5月1日即位に決まった。
なぜ、途中半端な日に。
政府の言い分は国民を無視している。
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先日、新東名高速を久々に車で走った。
月初から最高速度が110㌔に引き上げられた試行区間で、恐る恐るアクセルを踏み込んだ。日本で高速道路が開通した1963年以降、規制速度が100㌔を超えるのは初めてという。
走ってみれば10㌔の差は少しも感じない。むしろ印象に残ったのは、この区間に限らず、前後左右を行く車の走りが穏やかだったことである。渋滞区間車線を譲ると窓から出た手が謝意を示す。後ろから車間を詰めてあおる車もとんと見かけなかった。
東名で起きた「あおり」事故の余波だろう。駐車の仕方を注意された運転手が、相手の車を追いかけ、死に至らしめた事故が先月来、詳しく報じられた。「あおりません」「あおらないで」。車という車が同じ声を発しているように感じた。
依然は筆者の印象だが、カー用品大手に聞くと、自車の範囲を常時撮影できる車載カメラの販売は目立って伸びている。先月来の売り上げは前年同期の3倍超。「後方録画中」と書いたステッカーも好評という。
運転中にイライラするのは「匿名性」と「万能感」のせいという解説が先日会った。運転者の身元はばれまいという感覚。そして車体という「鉄のよろい」を着て強くなったという錯覚である。
さて、同じ110㌔の試行は来月、東北道でも始まる。速さと便利さの向上に慎重さと冷静さが後れを取らないか。事故を記録する装置のみならず、自己の悲劇を胸の深くに刻む「記憶」の力も問われる。

 天声人語より
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