2017年08月の記事


北朝鮮
非難につぐ非難。
安保理からの罵声にもカエルのつら。
「グアム島への前奏曲」と、舞台の中央にいるつもり。

素粒子より
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1958年は就職難の年だった。その春に大学を卒業した羽田孜氏は、小田急バスに入社する。
第1志望ではなかったそうだが、やりがいを見いだし、10年半勤めた。定期券を売り、観光ツアーを企画した。
添乗すれば、体調の巣暮れないお年寄りをいたわり、ワイパーが壊れれば雪の中、窓をふいた。政界で親しかった故浜田幸一氏は、そんな添乗員経験が「羽田君の持つ視点の低さを育んだ」と評する。
父武嗣朗さんの政界引退を受け、選挙に挑んだのは34歳の冬。自民党の中枢を歩んだ後、政界再編をめざして離党する。非自民政権下の1994年、58歳で首相に選ばれるが、在任わずか64日。今の憲法下では最も短い。
新生党、新進党、太陽党、民政党、民主党----。羽田氏が立ち上げに参画した党である。信条も政策も異なる非自民勢力を結集させるのがいかに困難か、消えた党名をたどるだけでわかる。
トレードマークは半袖スーツの省エネルックだった。もとは石油危機を受けて故大平正芳首相らが呼びかけた。「見た目がダサい」と一般には浸透せず、議員たちが見切りをつけた後も、「資源のない日本にはふさわしい」と愛用した。
77歳で政界を引退し、きのう82歳で亡くなった。省エネルックはすだれたが、資源を大切にという理念は実を結んだ。クールヒズや節電の広がりがその証しだろう。一方、利益誘導型の政治の一掃や血を売の自立など、羽田氏が生涯かけて訴えた「政治改革」は残念ながら道半ばにある。

 天声人語より
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シャリなしのすし
これしか食うもんがねえんだ。
おしんが食べたのは大根めし。
飽食時代の糖質オフばやりでシャリ抜き大根ずし。

素粒子より
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「夏らしい暑い日だった/一時間程白い雨が降った/麓では雨が降りやむ--南木曽山の頂から蛇抜けが出てきた」。
長野県南木曽町を訪ね、先月建てられた石碑を見た。
3年前、中学生の命を奪った土石流のすざましさを伝える。
題を「平成じゃぬけの碑」という。蛇抜けとは聞きなれぬ言葉だが、木曾一帯では危険な土石流を指す。斜面が急なため雨が奔流となって沢を下り、岩や土が村々を押しつぶす。
「大蛇が身をうねらせるように沢を駆け下りる。昔は『山抜け』と
呼びました」。分厚い町史を開いて堀・町総務課長が話す。大きな蛇抜けは数十年ごとに起き、古くは江戸末期、天保年間に死者99人の記録がある。供養のために建てられた石地蔵は住民はいまも大切に守る。
昭和28年の被害も激しかった。土石が教員住宅を直撃し、3人が亡くなった。中学生たちが古老から予兆を聞き取り、優氏が石碑に刻んだ。
刻まれた教えは六つ。「白い雨が降ると抜ける」。視界が白くかすむ大粒の雨が降ったら注意せよ。直前には火薬臭のような「きな臭い匂いがする」。ぶっきらぼうな箇条書きの行間から生き延びた人々の声が聞こえる。
今年も列島各地で雨や水が猛威をふるう。河川の勾配が急なこの国では、鉄砲水や土石流などに備えを怠らず暮らすほかない。大切なのは後の世代が油断せぬよう水の猛威を語り継ぐことだろう。江戸、昭和、平成の蛇抜けの跡を訪ね、先人の警告を胸に書きとめた。

 天声人語より
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ミサイルで日本中がパニック
朝からテレビはそのニュースばかり。
同じ報道を繰り返されてもうんざりだ。
なんとかならないものなのか。
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開幕が迫ったテニスの全米オープンで冷ややかな議論の応酬が続いているようだ。
ドーピング処分から復帰したマリア・シャラポワ選手が、予選免除の特別待遇で出場することになったからだ。

「違反者が優遇されるのはおかしい」という批判は理解できる。一方の主催者側は「歴代の優勝者の一人であり、反ドーピング活動にも参加している」。その説明は苦しいが、否定はできない。そこに一つの疑問が生じる。どうすれば罪は償えるのか。
この夏の陸上世界選手権の100㍍で優勝したジャスティン・ガトリン選手が浴びた激しいブーイングが耳に残る。これほど歓迎されなかった勝者の姿は珍しい。世界記録に並ぶタイムを出すほどの力がありながら、2度もドーピング違反を犯した過去への不満の表明だろう。
「処分を全うし、ルールに従って出場している。悪者扱いは無慈悲で反スポーツマン的だ」。ガトリン選手の代理人はそう訴えた。確かに処分終了から7年の月日が流れているが、共感の輪は広がらなかった。
ドーピングは減らず、違反者の多くが故意の違反を否定し、処分の軽減を求めて奔走する。ファンの不信といらだちは臨界点なのだろう。
作歌クヌーズ・ルンベアは1955年に陸上800㍍レースを題材にSF小説を書いている。名ランナー同士の人工授精で生まれた選手や、科学省がホルモン操作で育てた選手らが競う。勝利至上主義が行く着く未来図だろうか。そんなレースは見たくはないけれど。

 天声人語より
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臍帯血問題
かつて生活のために血を売った人あり。
いま他人の血で大もうけする者あり。
医療のふりをしたビジネス。

400万円とはぼろ儲けも甚だしい。
医療はそんなに利益率が良いものなのか?。

家の切れ目が縁の切れ目。
原発事故の自主避難者への住宅の供給を断ち、統計から除く。
血の通わぬ行政。

素粒子より
7年もたって政府が帰れますと言うのに帰らない。そんな人にただで家を与える必要はない。
もっと他に助けなくてはいけない生活困窮者がいる。
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関東大震災の混乱のさなか、ある銀行員が見聞きしたことである。
広場で群衆が棒切れを振りかざしている。近づいてみると大勢の人たちが1人の男を殴っている。殺せ、と言いながら。
「朝鮮人だ」「巡査に渡さずに殴り殺してしまえ」との声が、聞こえてくる。「此奴が爆弾を投げたり、毒薬を井戸に投じたりするのだなと思ふと、私もつい怒気があふれて来た」。朝鮮人が暴動を起こしたとの流言飛語が、飛び交っていた。
人びとは武器を手に自警団を作って検問をした。「十五円五十銭」と発音しにくい言葉を言わせ、日本人かどうか調べた例もあった。あまりに多くの朝鮮人が虐殺された。
差別的な振る舞いや意識があったがゆえに、仕返しを恐れたか。官憲もデマを打ち消すどころか真に受け、火に油を注いだ。「当局として誠に面目なき次第」と警視庁幹部だった正力松太郎が後に述べている。不安心理が異常な行動をもたらす。忘れてはいけない教訓である。
そう考えると、首をかしげざるをえない。朝鮮人犠牲者を悼む式典に、小池百合子東京都知事が追悼文を送らない方針だという。例年とは異なる判断である。都慰霊協会の追悼行事があるので、「個々の行事への対応はやめる」のが理由というが、見たくない過去に目をつぶることにつながらないか。
今からでも遅くない。方針を改め、追悼文をしたためてほしい。大震災から94年となる9月1日。風化を許してはいけない歴史がある。

 天声人語より
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物忘れをすれば新しいものが入りやすくなる。
集めた情報で身の回りを固めていると、人間は干からびていく。情報はどんどん捨てる方がいい。
といっても人の記憶はままならない。「覚えようとするものは忘れがちなものだが、忘れようとするものはなかなか忘れられない」。自分の記憶ですらこうだから、人様の記憶などおよそ思い通りにいかないと考えるのが普通だろう。
ところが最近、「忘れられる権利」が話題になる。自分に関する不都合な情報をネット上から消させる権利、つまりは人様に忘れてもらう権利だ。欧州では、以前のトラブルについて新聞記事がずっとネットに残り、不利益を被った人が訴えて、5月に検索結果の削除が認められた。
日本でも似た争いがある。自分の名前を検索すると犯罪に関わっているかのような結果が出て、生活が脅かされている。そんな申し立てに東京地裁は先日、人格権の侵害を認め、削除を命じた。検索最大手のグーグルが、この命令に従うと表明した意味は大きい。
仮想世界を漂う「記憶」は時に凶器になる。その適切な取り扱い方を確立すべく、試行錯誤が続く。

 天声人語より
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人との出会いと同じく、本との出会いにも偶然のおもしろさがある。
目当ての本を探して歩く図書館でばったり。友人の本棚でばったり。そして本屋さんの店先で、手招きする本がある。
大きな書店でなく「本や」という雰囲気を持った小さな店が好きだと、詩人の長田弘さんが書いている。本の数は少ないけど構わない。「わたしは『本や』に本を探しにゆくのではない。なんとなく本の顔をみにゆく」のだから。
小さい店だから、ほんとんど全部の棚をのぞく。自分の関心の外にある本。予期しなかった本がある。とくに夜、静かな店で「まだ知らない仲の本たちと親密に話をするのは、いいものだ」。そして1冊を買う。
まちの小さな本屋は、とりわけ子どもたちにとって、知らない世界への入り口でもあった。作歌の町田康さんが小中学生の頃を振り返って書いている。ひとりで書店に行き、新しい文庫本を手にすることで「頭のなかにおいて、どんどん遠いところに行くようになったのである」。
そんな場所は残念ながら、減る一方のようだ。書店が地域に一つもない「書店ゼロ自治体」が増えていると記事にあった。自治体や行政区の2割を超えるという。消えてしまった店を思い起こした方もおられるか。
ネットで頼めば自宅に届く。車で大型店に行けば話題の新刊が手に取れる。まちの本屋が減る理由は、本好きであるほど思い当たるかもしれない。豊かな出会いの場とは何だろう。読書の秋を前に、考え込んでしまう。

 天声人語より
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スマホの通信量節約。無線LANの活用を
携帯電話の通信費が政府レベルで問題になるこのごろ。長男が驚くようなことを言った。「すまをほ家でWi-Fiにつないでいない友達、けっこう多いと」。
動画や音楽のストリーミングなど、スマートフォンで人気のサービスの多くは、大量のデータ通信を必要とする。例えば国内最大規模の動画サービスdTVの場合、4段階中2番目によい画質を選ぶと、1時間ドラマを12話見たら約7?バイトの通信料になる。スマホの1カ月の通信料の一般的な上限だ。このためdТVやアマゾン・プライム・ビデオなどでは、作品を事前にスマホにダウンロードし、出先では通信をほとんど使わず視聴できる機能を備えている。その前提となるのが、家庭に無線LANがあることだ。
だが総務省の通信利用動向調査によれば、2014年末のブロードバンド回線接続世帯の無線LAN利用率は73.7%、これがスマホ保有世帯では68.9%に下がる。また家庭に無線LANがあっても、家族全員がスマホを接続しているとは限らない。「自分の家族はスマホで無線LANの設定をしない。携帯電話の通信量上限も知らないらしく、『スマホが遅くなる』と言っている」と嘆く人もいる。パソコンと違い、スマホは家庭内回線なしでネットに接続できてしまうためだろう。だがそれでは、スマホの通信量は天井知らずになる。
スマホの無線LAN接続は難しくない。
すでに無線LANルーター(親機)がある場合は、スマホの設定画面で「Wi-Fi」の項目をタッチすると、SSIDと呼ばれる親機の識別記号が表示されるので、それを選んでパスワードを入力する。SSIDとパスワードは親機のマニュアルなどに書いてある。これだけで家の中でスマホが通信し放題だ。無線LANがなくても、家にネット回線があれば、無線LAN親機を購入して回線に接続、同様の操作をすればいい。3~4部屋以上の家庭なら、1万数千円の高性能のものがよい。「11ac」という最新の高速通信規格に対応した製品がおすすめだ。
スマホの通信費の高さや通信料がすぐに上限に達することが問題になるが、無線LANを使っていないことが、その隠れた原因の一つかもしれない。この際、家族が自宅でスマホを無線LANに接続しているか、点検してみてはいかがだろうか。

 ネット点描より
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批評家の四方田犬彦さんのエッセーに「待つことの悦び」がある。約束の場所に早めに着いて、彼女を待つ。
地下鉄の改札から駆け上がってくる姿を、一枚の絵のように想像しながら。心は恍惚感でいっぱいだ。
しかし彼女はなかなか来ない。心配はやがていら立ちに変わり、彼女の誠意が疑わしくなる。そして訪れる孤独と絶望。そのあとの彼女の到着は奇跡のようにも感じた。「遅れたことのたわいない原因を説明する彼女は、なんと美しく、魅力に満ちていることか」。
携帯電話もスマホもない時代の恋を知る方なら思い当たるだろうか。気持ちを揺さぶるような「待つ」が消えつつある現代である。いつでも通信機器でつながり、時差のない世界が生まれている。
待ちぼうけ。待ち遠しい。待ち焦がれる。待ちわびる。待つことを表現する日本語のいかに豊かなことか。去来する感情に言葉をあて、つらさを和らげたのだろう。
時間をかけて患者と向き合う精神科医ゆえか。春日武彦さんは、待つことの意味を強調する。「人事を尽くして天命を待つ」は決して消極的な態度ではない。それは自分の予想や想像を超えた物語を見せてくれるから「楽しく面白い」のだと書く。
20日、出発が遅れた飛行機で、乗り合わせていた歌手の松山千春さんが歌を披露したという。「いらだつでしょうが、みんな苦労していますから待ちましょう」と語りかけながら。
思いがけなく訪れた物語は、待ちくたびれた人たちを和ませたことだろう。

 天声人語より
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臍帯血
09年に破産した民間の臍帯血バンク「つくばプレーンズ」が保管していたもの。
バンクの株主が代表を務める臍帯血販売会社が約800人分の臍帯血を入手し、京都と福岡の医療関連会社に販売し、それをこの業者が東京や大阪などのクリニックに転売。
それが無届の治療に使われた。

紙面より
国も放置しないで介入すべきではなかったのか。
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「アンチエイジングという言葉はもう使わない」。米国の女性誌編集長が最近、そう宣言した。
老化に抗うことを意味し、美容の世界をはじめ広く用いられている言葉である。年齢を重ねるのを否定的に捉えすぎてしまうと問題提起した。
美しさは若者だけのものではないと編集長は書く。「人々は『彼女は年のわりにきれいに見える』などと言いがちだ。そうではなく『彼女はすてき』と言ってみてはどうだろう」。そんな呼びかけにうなずく。
加齢を自然に受け入れるというと、穏やかな響きがある。しかし、そんな価値観も、もしかしたら医療技術の進歩に揺さぶられるかもしれない。最先端の動きを追うヘロルド著『超人類の時代へ』を開き、考え込んでしまった。
刻々と進む研究が最終的にめざすのは、「抗・老化」を通り越して「脱・老化」である。コンピューターを内蔵した粒子を血液に送り込み、老いた細胞や病気の細胞を修復する。装置を脳に埋め込み、記憶力を増強する。
そんな技術が実現した未来の姿として、250歳の男性が描かれる。外見は30代にしか見えず、頭脳も明晰で死の心配もない。しかし、彼の妻は自然な老いを受け入れた。遠い昔に死別した彼女への思いが募る----。想像すると、幸せな人生とは何かが分からなくなる。
どこまでが人間らしく、どこからがそうでないのか。線引きはますます難しくなっていくのかもしれない。技術の進歩に合わせ価値観を鍛え続けることはできるだろうか。

 天声人語より
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甲子園
快音響いた甲子園。
打棒光った花咲徳栄が初の頂点に。
1敗の重みを知るチームはもう再始動、球児の夢は来夏へ。

素粒子より
来夏と言うの朝日の考え、全国高校生には春もあるのだ。
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先週、ある省庁の会議を傍聴していた。メモを取る手が止まってしまったのは、こんな言葉が耳に入った時だ。
平成41年度までの10年間、こうした事業を------」。天皇陛下の退位により平成は、30年もしくは31年までと見られているのに。
官僚たちが知らないわけではない。しかし役所の仕事は西暦でなく、元号を使うのが原則なのだ。あるはずもない「平成40年代」を語るのは、決まりに従うなら、きわめて正しい。そしてややこしい。
この際元号をやめたらどうかという気もしてくる。戦後の論壇を振り返れば、そんな議論はあった。仏文学者の桑原武夫は1975年の論考「元号について」で、世界に通用する西暦を使い、元号は廃止すべしと主張している。
「人間としての天皇の御一生に私たち国民の-----あらゆる生活の基準を置くというのは、象徴ということにふさわしいとは申せません」とも書いている。御一生を在位期間とすれば今も通じる意見だろう。そこまでいかなくともせめて公文書は、西暦を主、元号を従としてはどうか。
いやいや元号は、味わいのある時代の区分だから大事だとの声もあろう。当方も「昭和の文化を----」などと表現してしまうことがある。しかし考えてみれば同じ昭和でも戦前と戦後では違う。高度経済成長の後も、社会はがらりと変わった。
中国から周辺の国々に伝わった元号だが、今や日本だけが使っている。まだまだご活躍願うか、少しずつ荷を下ろしてもらうか。議論の好機であろう。

 天声人語より
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処暑なのに
そろそろ涼しさが戻ってきてほしい。
せめてサンマの初物で秋の味を。
不漁予測でこちらも値段が気になる。

素粒子より
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1936年の夏、日本は喜びにわき返った。アジア初の五輪を4年後に東京で開くと決まったからだ。
祝賀のラッパが鳴り響き、街に五輪マークがひるがえった。
しかし翌年夏には早くも雲行きが怪しくなる。手を携えるべき大日本体育協会と東京市が対立し、開催3年前にいたってなお主会場が決まらない。東京湾埋め立て案、明治神宮外苑案、代々木案などが浮かんでは消えた。巨額の建設費がたたった。
五輪ポスターでは公募で選んだ1等の作品が使えなくなる。描かれた神武天皇の姿に「天皇をポスターに使うとは何ごとか」と横やりが入った。混乱が続く中、政府は38年夏、激しくなった日中戦争を理由に開催そのものを断念する。
「たしかに準備段階から迷走続きでした」と幻の東京五輪に詳しい古城康夫・江戸川大准教授は話す。「ですが、もし日本が大陸から兵を引くことができれば、開催の道はありました。五輪予算が戦費に圧迫されず、英米からのボイコットの声も収まっていたでしょう」。
以来80年にもなろうというのに、五輪の準備中に起きる混迷のメニューが現代とほとんど変わらないことに驚く。混乱のもとをたどればかさむ費用と言う問題に行きつく。これまでは多くの開催都市が借財を抱えてやりくりしてきたが、そろそろ限界も見えてきた。名乗りを上げる都市がすっかり減ったという事実が裏付ける。
人類最大のスポーツ行事に人類がそろって手を焼く。考え見れば不思議な話である。

 天声人語より
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五輪開会式当日は祝日に?
2020年7月24日を祝日にするための法案を来年の通常国会に提出する方針。
10月の体育の日をスポーツの日と改称したうえで、20年に限りスポーツの日を7月24日に移す案が有力視されている。

紙面より
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この夏、芭蕉の弟子たちに関する本を何冊か続けて読んだ。
きっかけは東京都江東区の芭蕉記念館で見た「蕉門十哲」展。其角、嵐雪ら門人たちの織りなす以外にどろどろした人間関係を知ったからだ。
たとえば許六---。<十団子も小粒になりぬ秋の風>という句を師に激賞され、彦根俳壇を率いた。だが『芭蕉の門人』によると、何かと大言壮語する癖があった。世にもてはやされた其角や支考の作風にケチをつけ、師の神髄を継ぐ者は自分ひとりだと見えを切った。
<五位六位色こきまぜよ青簾><黄菊白菊其の外の名はなくもがな>。そんな句を残した嵐雪は、其角と並び称される高弟だった。だが芭蕉との関係が冷え、師の没後は俳壇でたちまち勢力を失う。
近江の路通は路上生活者である。『乞食路通』を読むと、旅の芭蕉と出会い、1首を詠んで弟子入りを許された。だが品行に難があり、門人たちには嫌われる。<いね?と人にいわれつ年の暮れ>。「去れ」「去れ」と座から追われるような目に遭ったらしい。
これら芭蕉一門の歩みをたどって浮かぶのは、残念ながら、鉄の結束などではない。むしろ自派の拡大に汲々とし、他派を牽制する男たちの姿である。
蕉門の作品群は日本の短詩文化の精髄だろう。だが、きらめく水面の底では嫉妬や駆け引き、蹴落とし合いが繰り広げられた。いつの時代、どこの組織にも見られる人くさき営みを風雅の極みの蕉門に見て、なぜか妙に安堵した。

 天声人語より
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トランプ政権
バノン氏がこだわった選挙公約は支持者への約束か、勝つための方便だったのか。
トランプ氏の本心はいずれに。
こちらは公約通り。
中国による知財侵害を調査すると米政府。
自国第一主義なる流儀の「知財権」は米中どちらに。

 素粒子より
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『クマのプーさん』と言えば児童文学者の故・石井桃子さんの名訳に親しんだ世代だが、
この夏、新訳が出たと聞いて読んでみた。角川文庫版『クマのプー』。人気作家森絵都さんの訳でである。
会話文は現代風になった。「はいりたまえ」が「入ってこいよ」に。「適性動物だといけない」が「あらくれものかもしれない」へ。プーや仲間たちが主人公の少年に話しかける場面も、丁寧でやさしい口調から、いわゆる「ため口」に変わった。
「もしもTPPがずっと早くに発効していたら、この新訳企画は実現しなかったかもしれません」と角川文庫外文学編集長の菅原哲也さんは話す。作者の没後50年で切れるいまの著作権保護期間が、TPPで70年に延びることになっていたからだ。
新訳に取りかかったのはオバマ前米政権のころ。原作者の英作家ミルンの著作権は今年5月に切れる。TPPが署名に至ったとしても発効までに時間が要すると踏んだ。
気がかりだったのは、近秋刊行予定の新訳第2弾『プー横丁にたった家』の方。「米大統領選の行方次第。新大統領がTPPを加速させていたら、いまごろ大慌てだったと思います」。
TPPは米国を除く11カ国で再交渉中だが、著作権の保護期間は当分変わらなさそうだ。これから数年のうちに探偵小説の名手チャンドラーや、『武器よさらば』の文豪ヘミングウェイの著作権が相次いで切れる。トランプ大統領のおかげと言うべきか。

 天声人語より
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夏を乗り切る。カリウム補い、疲れにくく
夏バテ予防「ビタミン、ミネラル補給」です。これらの栄養素は、夏場は消耗しなすくなりますので、不足分を補いましょう。特に注意したいのがカリウム。
大量の汗とともにカリウムも排出されると、疲れやすくなったり、無気力になったりして、低カリウム血症となることもあります。
今回のおすすめは、そのカリウムをたっぷり含んだ「トマトとスイカのスムージー」です。「カリウムはこのほか、イモ、海草類、小松菜、ブロッコリーなどに多く含まれています。カリウムは水に溶けやすくので、ジュースやスープだと、効率的にとれます」
ビタミンB1も水溶性でした。栄養素によって、水に溶けやすかったり、熱に弱かったりという特徴があるので、覚えておくといい。
トマト1個(約200㌘)は種とヘタをとり、スイカ(約200㌘)も皮をむき種をとり、それぞれ一口大に切ります。レモン汁大さじ1、はちみつ、氷各適宜、塩小さじ5分の1を入れ、とろりするまでミキサーにかける。グラスに注ぎます。ナトリウム補給のために加えた少々の塩が甘味を引き立てます。
このほか、小松菜とバナナ、ゴーヤーとパイナップルの組み合わせもさわやかでおいしいです。(2人前)

 おかずラボより------管理栄養士・清水加奈子
 
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米国と北朝鮮、非合理性が潜む怖さ
米国・トランプ氏と北朝鮮・金正恩氏の間の緊張が高まっている。しかしロジカルに考えれば、糧穀には戦争するための合理的理由やメリットがないので、戦争になる可能性は低い。
というのも、正恩氏が核兵器の開発をに力を入れてきたのは、米国によって政権を転覆されることを防ぐためである。であるならば、米国による攻撃を誘発するような行為を行うのは、金政権にとって自殺行為である。したがってしょう米国基地などに先制攻撃を仕掛ける合理性は薄い。
人類の歴史を振り返っても、合理的な理由とメリットに基づいて行われた戦争を、僕は思いつくことができない。先の二つの世界大戦も、一見もっともらしい大義名分に基づき開始されたが、それらは結局、参加した国すべてに凄まじい破壊と殺戮を招いただけで、得をした国などなかったはずだ。要は徹底徹尾、愚かな行為であつたのだ。
そう考えると、トランプ氏や正恩氏がこれから合理的に振る舞うと考える方が、非合理に思える。というより、あらゆる戦争は非合理的感情に支配された破滅的な愚者によって起こされ、彼らに非合理的に従ってしまう大勢の人々によって遂行されるのである。
合理性のある戦争などそもそも存在しないのだから、戦争を合理的に説明しようとすることもやめた方がよい。
米国も北朝鮮も「国を守るには核が必要だ」などと一見合理的な理屈を積み上げながら、核兵器を開発してきたのだろうが、その結果、いったい何が起きたのか。覇権主義や近代兵器などなければ、そもそも対立する必要のない遠く離れた国同士が、なぜか核戦争の危機にあるという奇妙な事態。これは悲劇というよりも喜劇である。

 思考のプリズムより------想田和弘
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「健康づくりのための身体活動基準2013」は身体活動を「運動+生活活動」と定義
日々のちょつとした動きもスポーツ並みの健康効果があり、ちょっと体を動かすことを増やす「プラス10」を推奨。そうすれば、がんや認知症を減らせるという。
では、どうすれば生活活動を増やせるのか。まず起床から就寝までに、どこで体を動かせるか1日を振り返ることだ。
通勤時に早歩きしたり、掃除や洗濯でキビキビと動いたり。そんな小さな動きが「ちりも積もれば山」。1日10分でも、1週間で合計1時間でもいいし、途中でやめても三日坊主を繰り返すつもりでも構わない。
自分の身体活動レベルを知るときには活動量計が役に立つ。
歩数計の機能に加え、家事などの生活活動で1日に体を動かして消費したカロリーが示される。活動量が基準や目標に対して十分なのか下なのか客観的に教えてくれる。
いわば自分の現在地を示すナビ。最近は結果をパソコンやスマホに送って確認できる。
注意点は、体を動かす次官は一気に増やさず、体調が悪いときには無理をしない。痛みが出たら、医師や運動の専門家に相談を。夏場などは炎天下を避け、熱中症に気をつけよう。

 元気のひけつより
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当欄を高頭して腰痛に悩まされるようになった。座ってばかり、運動不足のせいである。
多く歩いた日は痛みがやわらぐ。いったい日に何歩歩けば健康を維持できるのだろう。
「目安は1日8千歩から1万歩。まとまった運動時間を取れなくても、家事や通勤時のこまぎれ歩行の積み上げで十分です」と話すのは筑波大学の久野譜也教授。健康政策が専門で、高齢者に歩くことと筋肉トレーニングを勧めてきた。
もとはスポーツ医学が専門。陸上選手の筋肉組成をMRI検査で比べ、背骨と太ももの骨をつなぐ大腰筋が脚力を左右するという仮説を得た。「大腰筋を鍛えれば、年をとってもすり足にならず、転倒も防げるのでは」。そう考えて、高齢者に筋トレを広げる道を探った。
今春まで3年間、岡山市や千葉県浦安市など全国6市と連携して社会実験をした。住民1万2千人に高機能の歩数計を付けてもらい、体脂肪率、筋肉率などを調べた。運動習慣がつけば治療や服薬は減る。6市で年5億円もの医療費を抑制できるとの推計に至った。
「利便性を追求した結果、現代人は動かず歩かず、植物みたいになった。特に地方で暮らす人は、近所に行くにも車頼み。歩き足りません」。必要な量の運動をこなせている人は日本全体で3割にとどまるそうだ。
腰痛を何とかしたい一心で当方も日々、歩数計を持ち歩いてはいるが、なかなか8千歩には届かない。3千歩で終わる日もあるのは天候のせいか、それとも生来の怠け癖か。

 天声人語より
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あおる人
執務室には星条旗でなく南軍の旗があるのか。
人種差別で分断をあおるトランプ氏。
助言者が離れ足元も割れて。
ここにもあおる人。
徴用工補償で歴史問題を拡大させようとする文氏。
過去を鎮めて前に進める指導者こそ。

素粒子より
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3年前に亡くなった俳優高倉健さんの声を懐かしく聞いた。
「日本が戦争に負けたらしいばい」「えー降参したとな?」。
敗戦の日の友人との会話を故郷福岡の言葉で再現する。戦争証言集『私の八月一五日』に収められた当人の小江でる。
漫画家、作家、学者、政治から角界の約150人が敗戦の記憶を手記や絵にして寄せた。その第5集が今月出版された。寄稿者の約半数が、自ら朗読して録音する作業にも協力している。
「せんそうという行為は人間のとる行為の中で一番の愚行だ」。漫画『ゴルゴ13』で知られるまんがかさいとう・たかをさんの声は低い。先月亡くなった医師、日野原重明さんは意外と口早。勤務先が戦時中は「大東亜中央病院」と改名され、敗戦後はいきなり連合国軍に接収されたと苦難の日々を語る。
「戦争を知る世代がいよいよ高齢化し、お元気なうちに手記と肉声を集めようと急いでいます」と発行元今人舎の稲葉茂勝さん。児童書の編集出版が主力で、合間に社員が証言を集めて回る。
これまで証言集と音声機器をセットにして希望する学校や図書館などに寄贈してきた。証言集は市販しているが、音声機器は非売品とした。無償で預かった音源で利益を追うわけにはいかないと考えたからだ。毎号が赤字である。
今年も終戦の日を迎えた。玉音放送を聴いた世代は年ごとに減り、戦禍を知らぬ世代が社会の前面に立つ。戦争という巨大な愚行を語る文と絵と声は、だからこそ公共財であると痛感する。

 天声人語より
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イージス・アショア導入へ
陸上配備型の新たな迎撃ミサイルシステムを導入する方針。
北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返す中、ミサイル防衛態勢を強化するのが狙い。
イージス・アショアを配備すれば恒常的な監視態勢が構築され、イージス艦の効率的な運用も可能になる。

紙面より
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中国ジブチに初の国外基地建設。インド洋での存在感高めた。
中国は今や世界規模の権益を持つ大国だ。とりわけ地中海、紅海と南シナ海の「結節点」と言えるインド洋を、シーレーンの要とみなしており、この海域で存在感と影響力を拡大しようとしてきた。
中国政府は2011年にリビアが内戦状態になった際、同国在住の中国人を避難させた。15年にイエメンが内戦状態になった際も、同様の対応をした。この時、重要な役割を果たしたのが海軍で、インド洋が主要な避難ルートだった。
中国政府はこの経験を通じて、本国から遠い国々にモノやヒトを運ぶ能力と後方支援の重要性を学んだ。ジブチの基地建設で、中国がインド洋における恒久的な存在感を高める戦略的意義は極めて大きい。
一方で、軍事的意義はまだ評価しにくい。例えば、横須賀の米軍基地には多くの埠頭や修繕施設、補給所があり、米海軍の軍事展開を支えている。ジブチの中国軍基地が将来、横須賀の米軍基地のような機能を持つようになるかは、まだ見通せない。

 考/論より-------米戦略予算評価センター上級研究員:トシ・ヨシハラ氏
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水銀規制の水俣条約発効
国際的な水銀規制のルールを定めた「水俣条約」が発効した。
74の国・地域が締結している。
もちろんアメリカも含まれている。

 紙面より
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元禄の昔、芭蕉は出羽の旅で〈閑さや岩にしみ入る蝉の声〉と吟じた。
では実際に耳にしたのは何ゼミか。威勢よく「ジリジリ」と鳴くアブラゼミだと主張したのは歌人斎藤茂吉。独文学者小宮豊隆は「チーー」と細い声のニイニイゼミ説を唱えた。
芭蕉に遅れること二百数十年、茂吉は同じ季節に寺を訪ねた。別の折には現地で捕れたセミの標本も調べた。粘りに粘るが、最後は「私の結論には道程に落ち度があった」と降参した。
「時期や標高からするとアブラゼミ説よりニイニイゼミ説に理があります」と昆虫学者のの林正美・埼玉大名誉教授。ましてヒグラシの「カナカナカナ」やエゾハルゼミの「ミョーキン、ケケケ」では岩にいみ入る漢字がしないと話す。
林さんによると日本に生息するセミは推定35種。近年、本州都市圏で生育域を広げるのは「シャワ、シャワ」と合唱するクマゼミだ。「ほかのセミと違って踏み固められた公園の土中でも育つ。ヒートアイランド現象にも耐えられる」。
逆に減る兆しがあるのはニイニイゼミやツクツクボウシだ。成長に欠かせない軟らかく湿った土壌が細ったためらしい。ヒグラシも都会ではめっきり聞かなくなった。
〈やがて死ぬけしきは見えず蝉の声〉芭蕉。生き急ぐかのごとく一心不乱に鳴くセミの声に、人は生命のはかなさを思う。環境激変の世、俳聖が聞いたとおぼしきニイニイゼミとて運命は予測氏がタス。二百数十年後、日本の夏空に蝉時雨は響いているだろうか。

 天声人語より
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世界大戦
祭りの街頭にいた傷痍軍人。
白い衣装とアコーディオンの軍歌。
ハレの場でそこだけが異質だった。
還暦を過ぎた身にその程度の記憶。

素粒子より
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お盆の少し前、実家に戻って墓参した。二つの墓に香花を供え、手を合わせた。
戦後まもなく祖父が建てた茶色の墓石は砂岩。その祖父が眠る平成の墓は花崗岩、いわゆる御影石の一つである。
自信を込めて断定したのは、東京・神田の日本石材産業協会で説明を受け、規格表で確かめたからだ。「砂岩は字は彫りやすいけれど、材質が軟らかく長持ちしません。いま日本のお墓で圧倒的に多いのは御影石ですね」と会長射場一之さん。大阪府内で300年以上続く老舗石材店の6代目だ。
「石は一言で言えば硬いスポンジ。ミクロの穴だらけです」。吸収率が高いほど汚れやすく変色しやすく、凍結してヒビが入ってしまう。射場さんによると、庶民が墓を持つようになったのは江戸中期から。御影石が広く使われだしたのは明治の後半以降だという。
御影石の産地は全国に点在する。香川県の庵治石は水晶に近い硬さを持ち、希少ゆえ価格も高い。茨木県の稲田石は、際だつ白さから「白い貴婦人」と呼ばれ、国会議事堂や最高裁判所にも使われた。黒光りする石もあれば、緑色を帯びる意思もる。
「終活」という言葉をよく聞く。遺灰を海原にまく散骨葬、機の周りに埋める樹木葬など、自然に回帰する葬送の形には心ひかれる。
しかし墓に使われる石もまた自然の産物ではないか。元をたどれば火山のマグマ、水底に堆積した砂や泥に行き着く。石に霊性を感じ、亡き人の面影を石に託すのもごく自然に営みかと思われた。

 天声人語より
樹木草散骨葬というのは、筆者が考えていることとは違っているのではないか。
墓が要らないのが基本にあるのである。
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GDP6期連続プラス
17年4~6月期のGDPは実質成長率が前期比で1.0%増え、6四半期連続でプラス成長になった。
15年1~3月期以来の高い成長率だ。
個人消費や設備投資などの内需が堅調に伸びた。

 紙面より
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高い山に登り、まちのことを「下界」と呼ぶとき、不思議な感覚にとらわれることがある。
抜け出して来たばかりの普段の生活が、はるか彼方にある。まったく違う世界に入り込んで、なんだか自由になった気持ちになる。
山に魅せられた随筆家の故・串田孫一さんは「山の中で人は蟻のようになる」と書いた。アリが登っても大木が動じないように、人が登っても山が表情を変えることはない。まるで太古から変わらぬかのような山肌がある。「人は山で小さなものになり始める。儚いものになり始める」。
大きな自然に包まれ、解放され、興奮する。そんな気持ちを味わうために山へ向かうのだと、著書『若き日の山』にある。濃霧に遮られたかと思うと突然美しい光景が現れる。思うにまかせぬところも魅力であろう。
つらさも楽しさも分かち合うからか。一緒に山を歩くと、その人との距離が近くなるのを感じる。山の日からの3連休。仲間と山に入った方も多いだろう。
事故や遭難が心配な季節でもある。山が高くても低くても人間の小ささを心にとめたい。スマホやGPS機器などの最新の道具で、安全が保証されるわけではない。
詩人でもある串田さんは、山の包容力をこうつづっている。<こんな山肌の色を見たことや/寂しい谷を霧に濡れて歩いたことが/あなたをやわらかく救う時があるでしょう/取付きうのない寂しさの中を/蟻になった気持ちで歩いたことが/あなたを元気づけることがあるでしょう>。

 天声人語より
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夜型生活取り戻すには。 朝日を浴びる。
乱れた睡眠のリズムを取り戻すにはどうすればいいのか。
①朝に日光を30分ほど浴び、睡眠ホルモンに関わる体内時計をリセットする
②日中に適度な運動をし、夜とのメリハリをつける。
③胃や腸を休めた状態で眠るために、就寝の3時間前には食事を終わらせる。
④夜は強い照明を使わないで過ごす--などが効果的という。
また、乱れた体内時計を整えて規則正しい生活リズムを手に入れるために、毎日の睡眠時間を記録することを勧める。起床・就寝時刻や寝ていた時間、途中で起きた時間・回数を振り返り、できるだけ毎日同じリズムを繰り返すようにする。休日だけ起床時間が遅くなる場合は注意が必要だ。平日の起床時間と2時間以上ずれると翌週の前半は時差ボケの状態となり、心身への負担が増えるという。
体内時計が乱れたままだと、睡眠時間帯が日常生活に支障を及ぼす「概日リズム睡眠障害」になる恐れもある。「朝起きられないなどの症状は『やる気がない』『だらしない』と見られがちだが、治療が必要な場合もある。受診をためらわないでほしい、と話している。

 はぐくむより
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ぞっとするものがたりである。
映画「太陽を盗んだ男」で沢田研二さん演じる主人公は、プルトニウムを盗み出し、自宅で原子爆弾をこしらえてしまう。米国とソ連がにらみ合う冷戦下の1979年に公開された。
言うことを聞かないと原爆を仕掛ける。そう言って政府を威し続ける男は、自らを「9番」と名乗った。すでに核兵器を持つ国々に加え、自分が9番目の核保有国になったとの主張である。正気を失ったかに見える男がとこまでも不気味だ。
さて現実の世界に現れた「9番」である。北朝鮮が、大陸間弾道弾ミサイルに搭載できるところまで核弾頭の小型化に成功した----。そんな分析が先日の米紙で報じられた。事実なら国際社会の非難を無視した暴挙が進んでいる。
聞くに堪えない暴言も、連日のように北朝鮮から発せられる。米国の軍事行動を牽制して「米本土が想像もできない火の海の中に陥る」と述べ、「米国の野郎どもが我々の戦略兵器の威力を最も近くで体験する」とうそぶく。グアム島周辺への射撃すらちらつかせる。
慄然とするのは、トランプ米大統領が同じレベルの脅しで応じていることだ。「北朝鮮は、世界がこれまで見たこともない炎と怒りを受けることになる」。強い威嚇により相手を抑止しているつもりが、逆に戦争の危険性を高めていないか。
映画で主人公は要求したものを手にできないまま、傷つき病んでいく。時限装置付きの原爆を持ち、街を歩くシーンで物語は終わる。爆発音に包まれながら。

 天声人語より
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効果的な入浴法、40度で合計10分が目安
医師として入浴を医学的に研究してきましたが、お風呂には体に良いことがたくさん。一番は温熱作用。血管が広がり、血の巡りが良くなります。血液によって栄養と酸素が体中に運ばれ、老廃物などの回収も促され、疲れが取れます。
 入浴時の事故を防ぐため、まずは水分。脱水状態にならないよう入浴前にコップ1~2杯、入浴後も同じくらい水を飲んで、イオン飲料もお勧めです。
 脳出血などのリスクを減らすため、脱衣所や浴室は20度以上にあたためてリビングとの温度差を小さくして、かけ湯などで体をゆっくり温め、湯船ではみぞおちまでの半身浴で一呼吸し、徐々に肩までつかりましょう。汗ばんだら体温を下げたいという体のサイン。高齢の人は体の変化が分かりづらく熱中症になるおそれもありますから、早めに出ましょう。
 湯は40度程度だと副交感神経が刺激されてリラックスし、血圧は下がります。
42度以上では交感神経が高ぶり、興奮状態になって血圧が上がり、筋肉も硬直します。湯船につかるのは40度で合計10分を目安に。42度以上はお勧めしません。
 40度ではぬるいという方は、最初は40度程度から入って徐々に「追いだき」し、42度まで温度を上げる。ただし、42度でつかるのは3分程度にしてください。

 きょうもキレイより--------早坂信哉
 
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甲子園で1勝をあげるのがいかに難しいか。
それが切々と伝わってくるのが、盛岡大付属高校の監督だった沢田真一さんの著書『甲子園の負け方、教えます』である。監督時代に春夏合わせて7度出場しながら、すべて初戦で大敗している。
負け方の一つが「舞い上がること」。試合前の慌ただしさに我を失い、選手へのちょつとした声掛けすら忘れたことがある。全国の舞台だからと「よそゆきを着る」ことにも陥った。地方大会ではほとんどしなかった送りバントを命じ、選手を戸惑わせた。
強豪校にして、この苦い経験である。監督にも選手にも特別なプレッシャーのかかる大舞台ゆえであろう。夏の甲子園が開幕する。
天候不順で予定より1日遅れての始まりである。近くの大学などの屋内練習場を借り、汗を流す選手たちがいた。「台風に1日の時間をいただいたと、とらえようと思う」。そんな声が紙面にある。順延がせめて、平常心を保つ助けになってくれればと願う。
多くの人がふるさとに向かう時期でもある。出身地で過ごすお盆と、地元代表校の応援。それは「二重の意味で自分とは何かを再確認することにつながっているのではないだろうか」と、スポーツ社会学者の清水諭さんが書いている。白球を追う姿に感動する。それを分かち合う誰かがいる。
〈汗一斗勝者敗者のへだてなく〉伊藤白潮。長きにわたる努力の末の1勝は、とてつもなく思い。その裏にある1敗にも、同じだけの重さがある。

 天声人語より
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代謝をアップ 筋トレで若々しさキープ
年齢とともに下がる基礎代謝を高めるために、大切なことが三つあります。
一つ目が、筋トレです。
基礎代謝のなかでも、多くのエネルギーを消費するのが筋肉です。そして、年をとるにつれ基礎代謝量が下がる一因が、筋肉の衰えです。
私たちの筋肉量は、40歳を過ぎると毎年1%ずつ減り続けます。筋トレをしないと、20年後には20%、30年後には30%の筋肉が減ってしまうのです。
筋肉は活力エネルギーを生み出す「工場」のようなもの。筋肉量が少なくなると、体の動きに影響が出るばかりではなく、生産されるエネルギーが減り、基礎代謝がグッと落ち込むことになります。筋肉量の維持は、若々しさを保つためにも不可欠です。
老化を止めることはできませんが、筋肉だけは例外。トレーニングをすれば、何歳からでも筋肉量を増やし、機能を高めることがてきます。
といっても、バーベルを上げ下げするようなきついものでなくて構いません。私は、朝起きたとき、夜寝る前に布団の上でする「寝ながらストレッチ筋トレ」をおすすめしています。
いくつかあるのですが、例えば朝は「両足伸ばしストレッチ」。太ももとふくらはぎを意識しながら、10回繰り返します。夜は「自転車こぎストレッチ」。おなかやふとももの前側に力が入るのを意識しながら、なるべくゆっくり足を回すのがポイントです。こうした筋トレを毎日続けていくことが大事です。

 きょうもキレイより---筑波大教授・久野譜也
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ゾンビ映画の何が怖いのかと言えば、人間の姿をしているのに人間らしい思考も感情もないことだ。
うつろな目をして集団で動き回る。そんな姿を連想するんらだろう。『歩きスマホ』は英語で「スマートフォン・ゾンビ」と言うらしい。
さて、ゾンビたちを横断歩道から締め出す条例がハワイのホノルル市で制定された。10月下旬からは、スマホを使いながら横断すると15㌦~35㌦の罰金が科され、繰り返すと金額が上がる。画面に目を奪われて事故にあうのを防ぐためだ。
読書しながらオルく人は多くはないが、歩きスマホはあっという間に広がった。その行為を「非人類的」とまで言うのが作家の藤原智美さんである。
「人間は歩いているとき、周囲の状況に目を配り、頭の中ではさまざまな思いや考えをめぐらす」。そんな二足歩行を始めて以来のあり方が変わってしまったと、著書『スマホ断食』で述べる。社会がスマホ一辺倒になり、一人で考えることから遠ざかっていくと警告する。
どうすればいいか。藤原さんの提案は、3日間の「スマホ断ち」である。小さな機械に魂を奪われゾンビ化していないか、自分で確かめる機会となろう。3日は長すぎると感じるのは、すでに心が支配されているせいか。
振り返ればテレビも漫画も、思考力を奪うと批判された歴史がある。スマホも心配しすぎだったということになるのかどうか。答えが出るのは、幼時から小さな画面に触れる世代が大人になるときだろうか。

 天声人語より
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北朝鮮問題
「見たこともない炎と怒り」に対して「グアム周辺に包囲射撃」。
核禁止条約が禁じる「脅し」の実例を米朝が見せる。

素粒子より
こんな悠長なこと言っていて良いのだろうか。
戦争一歩手前ではないのか。
メディアの報道はないが?
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原爆投下から25年後のことである
子ども向けの雑誌に前進ケロイドの怪獣が掲載され「ひばくせい人」との説明が添えられた。出版社は批判を浴び、社会問題になった。長崎での被爆体験を持つ作家の林京子さんが作品で取り上げている。
けしからん、と書いているわけではない。「これはこれでいい。漫画であれピエロであれ誰かが何かを感じてくれる」。原爆が風化しているとの危機感ゆえであろう。被爆30年後の私小説『祭りの場』にある。
語り部と呼ばれた作家は、今年2月に他界するまで原爆を書き続け、問い続けた。女学校時代に動員された兵器工場での被爆体験。原爆症で亡くなった友人たち。そして自分もいつ発症するかと、おびえる日々。
半年ごとの診断で「異常なし」と記入されるのが何よりありがたかたと、エッセーで書いている。「次の定期診断の日まで生きられる----六カ月の保証を信じて、ひたすら生きた」。白血病の減少が指摘されたときは空に手をあわせた。「どうかあと少し、せめて息子が中学生になるまで、生かして下さい」。
核兵器がいかに非人道的か。どのように人間を破壊するか。実相を知る人たちが一人、また一人と去る。語り継ぐことの重みをかみしめる72回目の原爆忌である。
「体験しなければわからぬほど、お前は馬鹿か」。絵画により原爆を告発した故・丸木俊さんの言葉だとして林さんが記したものだ。原爆も、戦争も。いまを生きる私たちに投げかけられた警句であろう。

 天声人語より
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株の下落
NYダウ11日ぶりに反落したのを受けて、日経平均も一時280円を超える下落になった。
北朝鮮問題が両国でリスクになっている。

紙面より
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ものには何であれ寿命があり台風とて例外ではない。短命な台風と長生きの台風がある。
いま日本の南の海を迷走中の台風5号はかなりの長寿型。4日の夜まで生き続ければ、発生から丸14日半。統計のある1951年以降8番目の長寿になる。
5ゴアは先月21日、日本の最東端にある南鳥島の近くで生まれた。西かと思えば東に転じ、楕円を描いて南西へ。九州南部・奄美地方へ向かう。素人目にはなんとも不可解な海上のダンスである。
気象庁によると台風の平均寿命は5.3日。最長記録は86年夏に来襲した14号の19日と6時間だという。直撃を受けた台湾では「超級怪台」と呼ばれる。
長く気象庁に勤めた気象予報士の饒村さんは「7、8月の台風は長寿で迷走しずち。秋の台風と違って予想がしにくい。予報官は毎回、疲労のどん底へ突き落されます」。現役時代は日本の観測域に台風がある限り、2交代で観測した。「盆も休めず、親戚づきあいでは不義理を重ねました」。
夏の風水害で多忙を極めるのは、気象や防災を担当する職員だけではない。災害の規模によっては知事や市長もうかうかとは休んではいられなくなる。遂先月も秋田県知事が、宮城県内でゴルフや飲食を楽しんでいる間に豪雨の被害が広がり、被災市民らから非難を浴びた。
ゲリラ豪雨、線状降水帯、長寿の台風----。予報官なかせの夏である。気象学のイロハのイも知らぬ身ながら、進路予報図に描かれた幾重もの円にじっと見入る。

 天声人語より
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国際収支の黒字2年連続10兆円超
17年上半期の国際収支は、経常収支は前年同期比300億円増の10兆5101億円の黒字。
上半期としては2年連続で10兆円を超え、リーマン・ショック前の2007年以前の高水準を回復した。
貿易黒字が大きかった07年との違いは、海外投資などによる「第1次所得収支」の黒字の拡大だ。

紙面より
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東京五輪音頭2020という曲を聞いた。
五輪・パラリンピック組織委員会が3年後に向けて披露した。
どんな新曲かと思いきや、以外にも1964年大会で歌われた「東京五輪音頭」を編曲したつくり。半世紀前と変わらぬ旋律が懐かしい。
歌詞は変わった。「あの日ローマでながめた月」が「リオデジャネイロでながめた月」に。直近の開催地に合わせた。「菊の香りの秋の空」は「入道雲の夏の空」に。季節感も改められた。
元の歌は五輪の前年に作られた。2千もの応募作から島根県職員、宮田隆さんの詞が選ばれた。松江市に住む長男の洋さんによると、隆さんは戦時中、中国とフィリピンへ送られた。敗戦翌年末まで捕虜としてマニラ郊外に収容される。戦後は県庁勤めのかたわら、校歌や市町村歌の作詞を数多く手がけ、1982年に亡くなった。
隆さんはよく「国と国は戦争しても、人と人はわかり合える」と話した。「待ちに待っていた世界の祭り」「すがた形は違っていても いずれおとらぬ若い花」。そんな詞に父の思いを感じるという。
故古賀政男さんが曲をつけ、競作となるなか、最もヒットしたのが三波春夫さんの歌。しべりぅに4年間抑留された三波さんは五輪当時41歳。隆さんは50歳。初の五輪を支えたのは、まさに死地をくぐり抜けた世代だったのだと実感する。
歌詞には新たな5番が加わった。「2020年命の盛り きょうという日はきょうかぎり」。隆さんの哲学を映しだすような一節である。

 天声人語より
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iPSから血小板量産
2018年にも臨床試験を日本と米国で始める。
20年をめどに医療現場で利用できることを目指す。
承認されれば、血小板減少症のほか、外科手術や交通事故の患者の止血などにも利用できる。

紙面より
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この先。何かのっぴきならない「事実」がでればともかく、現状では、確かな「事実」などどこにもない。
そして、安倍首相が加計学園の便宜をはかり圧力をかけたといった「事実」はでるはずもなかろう。すべて藪の中なのである。しかし、野党もメディアも、政府側が説明できないのは、「事実」を隠蔽」しようとしいてるからだ、という。わたしにはまったく無謀な論理だとしか思われない。冗談だが、かりに便宜をはかったとして、それを「事実」をあげて説明せよ、といわれても難しいだろう。そもそも「口利き」や「圧力」は証拠など残さないだろう。
しかも、野党もメディアも、実は「事実」だけを報道しているわけではない。個人的事情によって行政を歪めたと推測し、その推測を根拠に、政府に説明責任を追及しているのである。「事実」報道の客観性を唱えるメディアが頼っているのは、「事実」ではなく「推測」である。
この推測を突き崩す「事実」を提出できない政府を攻撃する、というのだ。しかし、政府からすれば「ない」という「事実」を証明することなど不可能であろう。
私は、いま、政府を弁護しようとしているわけではない。そうではなく、「事実、事実」といっているメディアが、実は、「事実」など本当は信用してはおらず、ただそれを利用しているだけではないか、と言いたいのだ。森友・加計問題に示されたメディアの報道は、「事実」をめぐる検証の体をとりかながら、実際には「疑惑の安倍政権」というイメージを醸成する一種の「世論」操作のようにみえる。
民主政治は言論を通じた権力闘争である。安倍政権に対して批判的であれば批判するのが当然である。
しかし、この批判は、安倍首相の世界観や現状認識、それに基づく政策(グローバル経済への対応、対米政策、北朝鮮問題、安全保障、TPP、学校教育などいくらでもある)へ向けるべきだろう。加計学園問題にしても、少し掘り下げれば、構造改革の是非や官邸主導政治の是非、という問題にたどり着くはずだ。論争は、付確かな「事実」をめぐる駆け引きではなく、世界観や政策をめぐる意見の対立にこそあるからだ。
そして、野党もメディアももともとそれを求めていたはずではなかったろうか。

 異論のススメより------佐伯啓思
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夜型生活取り戻すには。 朝日を浴びる。
乱れた睡眠のリズムを取り戻すにはどうすればいいのか。
①朝に日光を30分ほど浴び、睡眠ホルモンに関わる体内時計をリセットする
②日中に適度な運動をし、夜とのメリハリをつける。
③胃や腸を休めた状態で眠るために、就寝の3時間前には食事を終わらせる。
④夜は強い照明を使わないで過ごす--などが効果的という。
また、乱れた体内時計を整えて規則正しい生活リズムを手に入れるために、毎日の睡眠時間を記録することを勧める。起床・就寝時刻や寝ていた時間、途中で起きた時間・回数を振り返り、できるだけ毎日同じリズムを繰り返すようにする。休日だけ起床時間が遅くなる場合は注意が必要だ。平日の起床時間と2時間以上ずれると翌週の前半は時差ボケの状態となり、心身への負担が増えるという。
体内時計が乱れたままだと、睡眠時間帯が日常生活に支障を及ぼす「概日リズム睡眠障害」になる恐れもある。「朝起きられないなどの症状は『やる気がない』『だらしない』と見られがちだが、治療が必要な場合もある。受診をためらわないでほしい、と話している。

 はぐくむより
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米誌タイムが今夏、「ネットで最も影響力のある25人」に難民の少女バナ・アベドさんを選んだ。
「爆弾がいま雨みたいに降っている」「みんなハエのように死んでいる」「息がちゃんとできない」。母に教わりながら、英文ツイートでシリアの古都アレッポの惨状を世界に発信した。
内戦の激戦地である。5年前から政権軍と反体制派の戦闘が激しくなり、バナさん一家を含めた大勢が国を出た。政権は昨年12月に制圧を宣言したが、きんぱくはまない。
たまたまではあるが、筆者は家で数年前からアレッポ産のせっけんを使ってきた。保湿にすぐれ、肌にやさしい。内戦下で製造や輸出はとぎれなかったのだろうか。
「戦闘による停電や断水で製造が止まった。わが社の在庫も半減し、卸し先に頭を下げて回りました」。東京都福生市の輸入会社「アレッポの石鹸」社長の太田さんは話す。仕入れ先は創業350年のアデル・ファンサ社。2年の空白をへて、別の都市で製造を再開したという。
両社の連絡はメールが中心だ。内戦以降は返信が極端に短くなった。政情には一切触れず、泣き言もいわない。出荷状況を事務的に伝えるのみ。通話やメールの監視を警戒してのことだという。
難民として国を追われた人が惨状を訴え、国内に踏みとどまった人が沈黙を強いられる。弾圧と不信の渦巻く内戦の実相だろう。オリーブと月桂樹を原料とする泡の向こうに、「制圧」後もなお息をひそめて生きる人々の日常を垣間見た。

 天声人語より
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老後の健康、歩いて外出できる体力を
「団塊世代」が、10年足らずで75歳以上の「後期高齢者」となる。その後の人生の明暗は「歩いて外出できる体力の維持」にかかっている。家事をこなし、公共の乗り物で移動し、スーパーで買い物ができれば、一人暮らしも可能だ。外出できれば、近所の人とも交わり、草花や風のそよぎに季節を感じ、心も豊かになる。買い物をすれば計算もする。歩けなくなると一挙にそれらを失い、医療、介護の対象になる。
心身を動かさないと老化は加速する。そのターニングポイントは、男性の場合、定年退職時にある。ここで手を打つには、いわば「大人の義務教育」のように場が有用と考える。「定期的に歩いて外出する場」を提供し、地域とのコミュニケーションの構築、健康・調理などの知識と技術を習得することを目標とした授業をしてはどうだろうか。
歩いて通えることが前提なので、65歳前後の1~2年間、半日程度のコースで週に2回ぐらい学区の小中学校の空き教室に集まってもらう。
全員参加は、ホームルームと健康講座くらいにしておいて、パソコン、園芸、手芸などカリキュラムは工夫次第、講師もメンバーの中から出てくるだろう。栄養の整った学校給食を食べれば、筋力低下予防にも効果があるはずだ。
自治会などで対象者全員に声がけするが、親や孫の世話、仕事や趣味を理由とする不参加は可とする。だが、出欠届は義務とする。元気だけど、自ら積極的に出向かない人々を集めることで、点と点がつながり面となれば、子育てや介護、防災の一助にもなり、地域に飲み仲間やゴルフ友むだちもできるだろう。終了後は自主活動が継続すれば成功だ。地域差はでるだろうが、医療費や介護費の削減に向けて、市町村でこのような「大人の義務教育」に取り組むことはできないだろうか。

 オピニオンより-----健康運動指導士・山田佐世子
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国家財政が傾いた戦時中、宝くじをめぐって論争が起きた。
提案されたのは通称「国防富くじ」。税収が足りず、戦時国債も売れず、最後にすがりついたのが宝くじだった。
「射幸心をあおるのは古来の醇風美俗に合わない」「国家風教に悪い影響を及ぼす」と反対論、賛成派は「大型のあみだくじと思えばよい」「新税の代わりになる」と訴えた。名を「勝札」と改め、敗戦直前の7月に売り出された。
窮すれば鈍するの見本として語り継がれる話を思い出したのは、先日来、重要施策で宝くじをあてこむ発言が続いたからだ。子育て支援策を進めるため「売上総額40億円ほどのくじを来春販売する」と総務相。東京五輪でも、都外会場の経費の財源の一つとして都知事が宝くじに言及した。
宝くじの選り上げ高は近年、低迷している。最盛期は2005年度の1兆1千億円で、いまはその8割にも届かない。売り場で見かける行列も、ひところより相当短くなった気がする。
「富突は国の害である。民衆がいたずらに幸福を望む風潮を呼びおこす」と嘆いたのは江戸中期の儒学者太宰春台である。冨突と呼ばれたくじの興行を見て、本質を見抜いた。江戸末期にはくじを発行する寺社が乱立し、用意した札がさばけない「札余り」が赤字を招いた。
宝くじを人々に夢を与え、財源として便利なことはまちがいない。だが財源が苦しいからといって、打ち出の小づちのごとく宝くじの収益をあてこむのは、はて健全な姿と言えるだろうか。

 天声人語より
都知事の考えもそこにあったなんて考え直さないといけない。
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トヨタとマツダ資本提携へ
トヨタがマツダに5%程度出資し、マツダはトヨタに数%出資する方向で調整している。

紙面より
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永田町のみなさん、どうかな、ボクの下で働いてみる気はないかい?」。
東京メトロの永田町駅で先日見かけたポスターがいつまでも気になる。漫画家鳥山明さんが代表作『ドラゴンボール』の適役フリーザが不敵な笑みを浮かべる。
フリーザは、自ら宇宙最強を任じ、星々を制して配下を増やす。冷酷無比ながらなぜか言葉遣いは丁寧。「ムダな努力をするんですね」「私の恐ろしさを見せてあげましよう」と相手を挑発する。
東京メトロによると、ポスターは『週刊少年ジャンプ』創刊50周年に合わせた集英社との企画。懐かしの作品から1コマを選び、管内139の駅ごとにご当地感のあるセリフを添えた。政治の中枢・永田町で見るフリーザの言葉は、時節柄、入閣待機組の耳元でだれかがささやく甘い声を想起させる。
官庁街の霞が関駅で見たのはアラレちゃん、1980年代に一世を風靡した『ドクタースランプ』の主人公が、「だいしんってつおい?」と問いかける。大臣って強い?なるほどこの数年、強いのか弱いのか首をかしげざるをえない大臣を幾人も見てきた。
秘書の接待漬けが発覚し退場した経済再生相。「共謀罪」審議でしどろもどろの答弁に沈んだ法相。「戦闘はない」「日報もない」と無理を重ねた防衛相は内閣改造を待たずに閣外へ去った。
きょう、新閣僚の顔ぶれが発表される。首相は求心力を回復できるのか。新大臣たちは重責に耐えられるのか。駅のポスターを見ながら、しばし考え込んだ。

 天声人語より
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米のロシア制裁強化法成立
トランプ大統領は上下両院が可決したろしあなどへの制裁強化法案に署名した。
米ロ関係改善を掲げるトランプ氏は法案に反対姿勢を示してきたが、議会の圧倒的多数の支持派再可決も可能なため、署名を余儀なくされた。

紙面より
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部屋を散らかす「トッチラカッパ」。トイレの紙を使い尽くす「べんじょみいら」。
ポケットに砂を入れて洗濯させる「すなかくし」----。東京都内で子育て中の絵本作家いちよんごさんの「妖怪かるた」をめくると、片から力がフッと抜ける。
「子育てってイライラの連続。でも妖怪のしわざだと思うと、むやみに子どもを叱らずに済みます」。創作のきっかけは8年前、夜更かしする長男を寝かそうと作った絵本。人の生気わ鼻から吸いとる伝説の妖怪「黒玉」を登場させ、「9時過ぎた。黒玉、黒玉。寝ない子どもだ」。
子どもの頃から妖怪好き。水木しげる作品を読み、妖怪研究の先駆者である井戸円了の著作にも親しんだ。民話に残る妖怪に自作のお化けを加え、シリーズかるたを制作してきた。
夫の日常にも妖怪はひそむ。「うん」「へぇ」と生返事ばかりの「うんへぇさん」。捨ててほしくて玄関に置いたごみ袋をまたいで出勤する「ゴミまたぎ」。どちらも、わが身に覚えがある。
「子育てをひとりで背負わざるをえない窮屈さを何とかしたい。その気持ちが出発点でした」。作品は市販に至っていないが、各地の小学校や児童館で開くかるた大会やかるた作り講座は100回を超えた。
思えばこの世は矛盾と不合理の吹きだまりである。人の弱さやずるさ、感情のもつれを妖怪のせいにしてのみこむのは古来の知恵でもあろう。新作は受験がテーマ。妖怪探しの旅はさらに職場や子離れ、老後へと続いていく。

 天声人語より
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政党の問題
新学期は新しい顔で。
民進の代表選は9月1日に。
指導者が代わってまとまりを取り戻すか、学級崩壊の危機か。

素粒子より
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素質はあるし、予習復習も怠らない。なのに試験本番でしくじるタイプ。
福島県飯舘村で生まれた雑種のオス犬「じゃがいも」はその典型かもしれない。災害救助犬の試験に落ちること10回。先月、11度目の挑戦でようやく合格した。
飼い主が原発事故で避難を余儀なくされ、岐阜市のNPO法人「日本動物介護センター」が引き取って育ててきた。訪ねると、親しみやすい名とはうらはらに精悍で野性的な顔つき。手の甲にスッと鼻を寄せてくれるが、目には警戒がにじむ。
「飯舘の方々を元気づけようと難関に挑みましたが、思った以上に大変でした」と山口理事長。試験は原則年2回。火薬の音や白煙を怖がらないん、指示通りに動けるか、時間内に要救助者を見つけられるか---。じゃがいもは人見知りが激しい。埋もれた人を発見できるのに、肝心のほえる動作をためらう。不合格が続いた。
人に慣れさせようと、トレーナー上村智恵子さんは繁華街のコンビニに連れて行き、盆踊りの人ごみを歩かせた。シェパードなど他の犬に比べると、3、4倍の訓練を要したそうだ。
飯舘村は今春、ほぼ全域で避難指示が解除されたばかりだ。じゃがいもは村から「復興のシンボルとして村の大使に」と頼まれ、お盆に帰省することになった。道の駅の開所式で救助の技を披露する。
大勢の前が不得意なじゃがいものこと、緊張のせいで失敗するかもしれない。それでも故郷の人々は温かい拍手を送ってくれるに違いない。

 天声人語より
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中電の石炭火力に異議
中部電力が計画している石炭火力発電所のアセス出山本環境相は事業実施の再検討を含め、あらゆる選択肢を勘案することを求める意見書を経済産業相に提出した。

紙面より
環境も大切だが原発が動かない現状では、値上がりより電気代の安くなる石炭火力の建設を望む。
一消費者より
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生物学者の福岡伸一さんが打ち出した考え方に「動的平衡」がある。
生きものの体は、栄養素が通り過ぎる「流れ」のようなもの。体内で絶え間なく分解と合成が続いており、同じ人でも1年もたてば、分子レベルではまるで別人だという。
「声明はいつも自らを解体し、構築しなおしている。つまり変わらないために、変わり続けている」と最近書いている。生物に限らず、組織にも当てはまるのではないか。
二大政党制をめざしてきた我が国の政治である。自民党はそれなりに変わり続け、命を保ってきた。安倍政権が愛想をつかされても、党がすぐに見捨てられるとは考えにくい。しかし対抗となるべき政党はどうか。
1990年代に二大政党の一環と目された新進党は、不調になると「解党的出直し」が合言葉になり、しまいには本当に解党した。現在の民進党は「解党的」の言葉を使うのもはばかれるほどの凋落ぶりである。熱気がないのに遠心力ばかりが働き「静的崩壊」に近いか。
二大政党制の先輩の英国では労働党が大きく方向転換し、今や「大きな政府」路線である。かつて唱えた「第三の道」からすれば別の政党のようだ。それでも緊縮財政を続ける保守党への対抗軸として機能している。

民進党には最後のチャンスであろう。安倍政権下でまがりなりにも経済が安定したこと、一方で格差是正策では場当たりが目立つこと。まずはこのあたりに向き合うところから始めてほしい。
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