国内政治の動揺が、アメリカの対外的影響力をさらに押し下げている。
トランプ政権はオバマ政権のもとで実現した医療保障制度オバマケアに代わる新たな制度の実現を最優先課題としてきたが、その目的から作られたヘルスケア法案の審議はまだ続いており、上院が可決する可能性は少ない状況である。そして、このヘルスケア法案の審議を最優先したことから、トランプ政権の求める原生も、大規模な公共投資を求める予算案も議会を通過する公算は立っていない。共和党が上下両院の多数を占めているににもかかわらず、議会と政府の間にきしみが続いているのである。
スキャンダルも深まる一方だ。ロシア政府が大統領選挙に工作を加えたという疑惑については、ロシア政府による選挙工作をトランプ陣営が承知していた、もっと露骨にいえばロシア政府を使って大統領選挙に勝とうとしていたという疑いである。この件ではFBIの捜査も続いているだけに、政権に与える影響は少なくない。

 時事小言より----藤原帰一