高齢者の低栄養。タンパク質不足が病気・けが招く
年をとると食事を減らし、肉類を控える人がいる。そんな食生活を続けていると、「低栄養」になって免疫力や筋力が落ち、健康状態が悪くなりかねない。
低栄養とは必要なカロリーや栄養素が不足し、病気やけがを起こしやすくなつた状態。例えば、免疫力が低下して肺炎などの感染症にかかりやすくなつたり、たんぱく質の付則で筋肉量が減って転倒や骨折をしやすくなったりする。カル宗務不足は骨粗しょう症のリスクを高め、皮下脂肪の減少が床ずれの原因になる。身の回りのことを自分でできていた高齢者が、介護されるようになることもある。
食べ物が十分ある日本で高齢者の栄養状態が悪くなるのは、食と健康に関する誤解や社会的な要因が影響している。「年をとったら粗食を心がけ、肉を減らした方がいいと思い込んでいる人が多い。筋肉や臓器など、体のもとになるたんぱく質は「年をとつても必要な量は若い頃とほとんど変わらない」という。一方、加齢とともにたんぱく質を合成する能力が落ちるため、若い頃よりもたんぱく質の摂取量を減らすべきでない。
たんぱく質は20種類のアミノ酸の組み合わせでできている。体内で合成できない必須アミノ酸のバランスかよいのは、動物性たんぱく質。肉類や魚介類、卵、乳製品に含まれる。
高齢者が低栄養に陥る原因は、ほかにもある。食事の準備が面倒で、回数や品数が減ってしまう場合だ。また、いつも一人で食事をしていると食欲が落ちやすい。ひとり暮らしの人は、友人らと食事する機会を積極的につくつた方がいい。持病などの薬の影響や、食べ物をかんだり飲み込んだりする機能の低下によって食欲が落ちたら、かかりつけ医や歯科医を受診する必要がある。
熊谷教授は「低栄養になる前から栄養状態を高めることが、病気や介護の原因となる老化を遅らせることにつながる。男性は60歳ごろから、女性は閉経後からわ目安にしてほしい。」と語る。
食品のとり方も重要で、たんぱく質は1日1回にまとめてとるよりも、3回に分けた方が効率よく筋肉などがつくられるという。
食べる品数の多さも重要だ。肉類、卵、牛乳、油脂類、魚介類、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、芋類、果物、海藻類の10食品群について「少量でも気にせず、1日1回摂取すれば栄養状態を高められると話す。

 体とこころの通信簿より