受動喫煙対策を急げ
受動喫煙の防止強化を目的とする健康増進法改正案の国会提出が、厚生労働省と自民党の調整がつかず先送りされた。
焦点となったのは、飲食店の扱いだ。厚労省案は、床面積30平方㍍以下のバーやスナック以外は原則屋内禁煙で、喫煙には専用室の設置を必要とする。一方、自民党案は、全飲食店を対象に、一定規模以下の店では「喫煙」などの表示をすることで喫煙ができる。
厚労省の検討会が昨年8月公表した報告書によれば、火災や病気など喫煙による経済損失は年4.3兆円で、税収などプラスの影響の2.8兆円を大きく上回る。
ロシアでは、2015年以降に生まれた国民には、成人した後もたばこの販売を禁止する措置を保健省が提案したという。日本の喫煙者も、自分の子や孫が成人して喫煙するのをのぞんでいないのではないか。
日本たばこ産業の調査では、昨年の喫煙率は19.3%で推計人口は2027万人、未成年を含む国民の6人に1人にとどまる。喫煙率の推移では20代の男性の変化が著しい。1986年は70.8%だったが、2016年は27.2%まで低下した。
自民党のたばこ議員連盟は、「禁煙より分煙。目指せ分煙先進国」という。ならば民進党の喫煙議員は、禁煙を宣言して法案成立に尽力する覚悟はないか。喫煙で健康を害することはあるが、禁煙で死に至ることはないだろう。
国際オリンピック委員会は「たばこのない五輪」を求めている。安倍首相が言及した、東京五輪がある20年の憲法改正に賛否はあるが、同年の受動喫煙対策の導入は、多くの国民が賛成するのではないか。

 経済気象台より------玄