2017年01月の記事


今日もトランプ大統領
拘束されたのは109人にすぎないとツイートする心の闇。
それがどこかの独裁者でなく米大統領だという現実。

素粒子より
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時代劇「暴れん坊将軍」のモデルになった徳川吉宗は、日本の刑事司法の改革者でもある。
量刑のばらつきを抑え、残虐な罰を減らし、取り調べ時の拷問に思い切った制限を加えた。そのひとつが「水責め」である。水おけに頭をつけて気絶寸前まで追い込むのは人道に反する。吉宗の先見の明と言うべきだろう。
水責めも米国ではごく最近まで使われた。アルカイダ系幹部らを情報機関CIAの係官が水責めにして尋問していた。ブッシュ政権は擁護したがオバマ政権は全面禁止に転じた。
それをまた合法化するとトランプ新大統領が気炎をはく。水責めは「絶対的に効果」があり、過激派組織には「火には火」で臨むと断言した。またひとつオバマ時代の政策が葬り去られていく。
「いきなり水責めにしても、人は口を割らないものです」。数年前に取材した米陸軍少佐の言葉を思い出す。イラクなどに駐留し、人道に反しない尋問方法を探した。「アラブ系の容疑者をしゃべらせるなら、アラビア語を話す中東系を尋問役にあて、時々は中東料理も出す。最も効果的です」。
少佐は米軍の試みた尋問術を過去にさかのぼって調べた。たどり着いたのが、太平洋戦争中の旧日本軍捕虜たちの記録だ。「日系人に尋問され、和食で懐柔され、手もなく落ちていました」。
トランプ政権内でもCIA長官や司法長官は水責めには慎重である。世界を威嚇する乱暴な言葉ばかりふりまく大統領など暴れん坊将軍の足もとにも及ぶまい。

 天声人語より
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トランプ米大統領
「言ってきたことは全部やりたい」と空の玄関に壁。
自由の女神の涙に沈黙で応ずるか。
地球儀を俯瞰する日本。

 素粒子より
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二十数年前、米国で作家志望の若者に俳句の決まりごとを細かく尋ねられ、季語や切れ字の説明に難渋した。
「米国に自称詩人は多いけど俳人には会ったことがないから」。日本のアニメや映画に比べると、浸透度はいかにも低かった。
内外の愛好家をつなぐ国際俳句交流協会によると、近年は状況が変わりつつある。自国語で俳句を詠む人が増えた。一説に50か国200万人。最も有名なのはフアンロンバイ元ベルギー首相だろう。<雲流れ/満月と暗い空/明と暗>。
国内の主な俳句4団体がユネスコの無形文化遺産登録をめざして名乗りを上げた。きのうの会見では、発起人の有馬朗人元文相が「俳句は自然と共生する文学。世界に広がることで平和につながる」と訴えた。
むろんハードルは低くない。他言語に翻訳されて俳味が伝わるのか。音韻や語調の妙が消えないか。季節感土地により異ならないか。短歌や川柳は置きざりにされるのか----。
それでも、一瞬をきりとる各国の短詩文芸がHIKUという語で呼ばれるようになれば御の字ではないか。時代や人により様々な解釈を許す懐の広さが俳句の持ち味だろう。無季でも、自由律でも、単なる3行詩でも、俳句の友として受け入れたい。
事務局は三重県伊賀市が担う。芭蕉の出身地だ。旅立ちを鼓舞する一句が市庁舎にはためく。<いざさらば雪見にころぶ所迄>。さあそれでは雪見に参ろうか。転べば転んだときのこと。臆せず歩もう。俳聖の里の心意気である。

 天声人語より
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高齢者の低栄養。タンパク質不足が病気・けが招く
年をとると食事を減らし、肉類を控える人がいる。そんな食生活を続けていると、「低栄養」になって免疫力や筋力が落ち、健康状態が悪くなりかねない。
低栄養とは必要なカロリーや栄養素が不足し、病気やけがを起こしやすくなつた状態。例えば、免疫力が低下して肺炎などの感染症にかかりやすくなつたり、たんぱく質の付則で筋肉量が減って転倒や骨折をしやすくなったりする。カル宗務不足は骨粗しょう症のリスクを高め、皮下脂肪の減少が床ずれの原因になる。身の回りのことを自分でできていた高齢者が、介護されるようになることもある。
食べ物が十分ある日本で高齢者の栄養状態が悪くなるのは、食と健康に関する誤解や社会的な要因が影響している。「年をとったら粗食を心がけ、肉を減らした方がいいと思い込んでいる人が多い。筋肉や臓器など、体のもとになるたんぱく質は「年をとつても必要な量は若い頃とほとんど変わらない」という。一方、加齢とともにたんぱく質を合成する能力が落ちるため、若い頃よりもたんぱく質の摂取量を減らすべきでない。
たんぱく質は20種類のアミノ酸の組み合わせでできている。体内で合成できない必須アミノ酸のバランスかよいのは、動物性たんぱく質。肉類や魚介類、卵、乳製品に含まれる。
高齢者が低栄養に陥る原因は、ほかにもある。食事の準備が面倒で、回数や品数が減ってしまう場合だ。また、いつも一人で食事をしていると食欲が落ちやすい。ひとり暮らしの人は、友人らと食事する機会を積極的につくつた方がいい。持病などの薬の影響や、食べ物をかんだり飲み込んだりする機能の低下によって食欲が落ちたら、かかりつけ医や歯科医を受診する必要がある。
熊谷教授は「低栄養になる前から栄養状態を高めることが、病気や介護の原因となる老化を遅らせることにつながる。男性は60歳ごろから、女性は閉経後からわ目安にしてほしい。」と語る。
食品のとり方も重要で、たんぱく質は1日1回にまとめてとるよりも、3回に分けた方が効率よく筋肉などがつくられるという。
食べる品数の多さも重要だ。肉類、卵、牛乳、油脂類、魚介類、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、芋類、果物、海藻類の10食品群について「少量でも気にせず、1日1回摂取すれば栄養状態を高められると話す。

 体とこころの通信簿より
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貿易黒字 原油安・円高頼み
2016年の貿易収支が、東日本大震災前の10年以降、6年ぶりに黒字に転じた。ただ、原油安と円高に支えられたためで、輸出に力強さはない。
輸出は数量ベースでみたとき0.3%増しと伸び悩んだ。鉄鋼や自動車の輸出が不振だ。
懸念されるのは、米国のトランプ大統領が対日貿易赤字を問題視し、保護主義的な政策を打ち出すなか、今後の黒字継続は見通せない。
安倍政権は大幅な金融緩和による円安などで輸出を伸ばす戦略を描いた。6年ぶりの貿易黒字は達成したが、金額に関係のない輸出の「数量指数」でみると、震災前の10年を100とした場合、16年も90.0にとどまっているのが実情だ。
トランプ大統領の政策への期待感から、昨年11月以降は為替も円安に動き、原油安・円高による輸入額減少が長続きする保証はない。

 紙面より
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ホルモン力高めて快適な生活
心身ともリラックスして、楽しいと感じているときに、いいホルモンがたくさん分泌されるという考え方です。
大事なのはいかにホルモンを上手に分泌する生活を送るかだ。ホルモン力を高めるキーワードは「楽食、楽動、楽眠、楽話」だという。
例えば、「おなかがすいた」という時間を持つことにより、「グレリン」という物質が胃から分泌される。グレリンは、細胞のミトコンドリアを増やし「強くする」という。
運動すると血の巡りがよくなり、心臓や血管から余計な塩分や水分を体外に排出するホルモンである「ナトリウム利尿ペプチド」が分泌され、血圧や血糖値が下がる。
また、部屋を暗くして十分な睡眠を取ることにより、脳の中央にある松果体から、生体時計のリズムを調整し活性酸素を除去するメラトニンが効率よく分泌される。
さらに「誰かとともに生きている」という実感を持つことにより、オキシトシンと呼ばれる愛情をつかさどるホルモンが脳の下垂体から分泌される。
最近の研究では、栄養やスポーツ以外にも、「どきどきする勝負事に挑戦する」「困った問題は翌朝に持ち越す」「愚痴を思いきり言ってみる」「週末に自分への『ご褒美』を予定に入れる」などもホルモンの分泌を促すことがわかってきたという。

 元気のひけつより----石川雅彦
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いてつく朝、踏むとサクサク音を立てる霜柱ならもちろん知っていたが
シモバシラという名の植物があることを最近知った。
真冬になると茎のまわりに氷が花のように咲く。つい先日の氷点下の朝、東京都町田市の薬師池公園を訪れ、実物を初めて見た。
枯れた茎を純白の氷の膜がぐるりと取り巻く。天を指す円錐や三角錐が多い。ふわりとした綿あめ型もあれば、細くとがった棒状もある。たわむれる氷の妖精たちのようだ。当欄に写真を載せられないのが惜しまれる。
「きめ細かな氷で、光沢は絹のよう。東京の高尾山で見て研究対象に加えようと決心しました」。そう話すのは帯広畜産大学の武田教授。凍結現象が専門で、舗装道路をも変形させる霜柱を分析し、三十数回訪ねたモンゴルでは永久凍土を研究した。
教授によると日本固有のシソ科植物で関東以西に自生する。氷の花の正体は、茎の表面から放射状に出る薄い氷の結晶。吸水や凍結の仕組みを物理学の手法で調べ、寒さに強い農作物にいかしたいと話す。
大寒を過ぎたが、各地で寒波が猛威をふるい続ける。山陰地方では多くの車が立ち往生を強いられた。冬の氷の観察を満喫できるありがたさが身にしみる。
〈霜柱顔ふるまで見て佳しや〉橋本多佳子。地表の霜柱も、触れるほど顔を近づけると、その繊細な美がわかる。シモバシラもしかり。かがんで顔を寄せ、小さな宝石にしばし見入った。朝の日差しを浴びると、まもなく音もなく溶けて消えた。

 天声人語より
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日本に貿易協定要求
いざその時にNOと言えるか。
さっそく日米交渉の受け皿を準備して。
メキシコは国境の壁に否を突きつけたが。

素粒子より
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NY株 初の2万㌦突破。トランプ政策に期待
ニューヨーク株式市場は、大企業で構成するダウ工業株平均が上昇し、終値で史上初めて2万㌦の大台を突破した。トランプ大統領による経済政策が米国の経済成長を加速させるとの期待感が、新政権が実際にスタートしたことで再び高まり、相場を押し上げた。ダウ平均は、1896年の公表開始から約120年を経て、歴史的水準に到達した。
終値は前日より155.80㌦高い2万0068.51㌦。朝の取引開始直後に2万㌦を超えた。
それを受けて、東証も値上がりに転じ、ほぼ全面高に。日経平均は一時、290円超高値上がりした。

 紙面より
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相次ぐ大統領令
卵の気分になってメキシコ側から壁を見上げてみるか。
村上春樹さんの言葉を思い出し。
矢継ぎ早の米大統領令。
こちらでは壁が広がる。
イスラエルがヨルダン川西岸での入植をいっきに拡大。
トランプ大統領の後ろ盾を得て。

 素粒子より
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東京都文京区の住宅街に「切支丹屋敷跡」と書かれた碑がある。
通り過ぎそうになるほど目立たない。異教を禁じた江戸幕府が拷問の末に棄教させた宣教師らをこの屋敷に幽閉した。
17世紀の日本に潜入し、捕らわれたジュゼッベ・キアラ神父もそのひとり。80代で亡くなるまで40年暮らした。遠藤周作氏は彼をモデルに小説『沈黙』を欠いた。
米巨匠スコセッシ監督によって映画化された。信者や神父に対するむごい拷問の場面に観客席で思わず呼吸が乱れた。
キアラは牢獄で数々のせめを受ける。先に日本で捕らわれ、棄教したかつての師フェレイラがこう迫る。「お前たちが苦しめられても神は黙っているではないか」。
身を裂くような葛藤のはてに踏み絵に足を置いてしまう。岡本三右衛門という名と妻を与えられ、江戸の切支丹屋敷に押し込められる。
彼の墓碑は東京都調布市のカトリック教会の一角にたたずむ。そばの資料館のガエタノ・コンプリ館長は日本に来て60年余り。昨春、イタリア・シチリ島にあるキアラの故郷を訪ねた。現地で見た肖像画には「日本で布教に努めたが、住民からとがった竹で首を刺されて帰天した」と説明文があった。キアラが棄教者ではなく殉教者と語り継がれてきたことに驚いた。
「転んだことをキアラは公開しながら暮らした。でも信仰は最期まで捨てなかったのでしょう」とコンプリさん。「転びバテレン」の汚名に耐えたキアラが晩年まで胸に隠し続けた矜持に思いをはせた。

 天声人語より
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トランプ大統領
見たこともない大きな船に数十万台の車を載せ-----。
息をするようにうそをつく大統領。
日米貿易の前途多難。

素粒子より
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大相撲の番付表を眺めると、現代風のしこ名に目が行く。
黎大(レオン)、宇瑠虎(ウルトラ)、森麗(もりうらら)。しきたりの多い角界ながら、命名は意外と自由らしい。
大関稀勢の里の場合は、「まれな勢いで駆け上がれ」との願いをこめて師匠の故・鳴門親方が命名した。まれの字に希ではなく稀を当てたのは、のぎへんが穀物を指すことによる。なるほど五穀豊穣を祈るまつりごとが源流の相撲にはふさわしい。悲願の初優勝をはたし、横綱昇進の機をつかんだ。
茨木県出身。小学校から野球に打ち込み、豪打で鳴らした。中学で180㌢、100㌔を超え、高校野球の強豪校への進学も考えたが、「自分は体が大きいだけ。野球はうまくない」と角界を選んだ。
十両昇進、新入幕とも歴代2位の和歌さ。まさに稀有の勢いである。だがその後は足踏みが続く。
「強い人は大関になる。宿命のある人が横綱になる。彼には何か足りない」。横綱白鵬から冷評されたこともある。
新入幕から初優勝まで73場所もかかった。史上2番目に遅い記録という。その名とは違って遠回りした感もあるが、照る日も降る日もあきらめず、稽古を積んだ成果だろう。
番付表の話に戻れば、近年はしこ名を見ながら出身地を推理する楽しみが増えた。冨蘭志寿(フランシス)はフィリピン出身、大露羅(オーロラ)はロシアから。モンゴルと日本で張り合うのもよいが、多国籍化が進めば進むほど名も技もいっそう彩りを増すだろう。

 天声人語より
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天皇陛下の退位
座長代理は「読めば味が出てくる」。
有識者会議の論点整理。
一読して「一代限り」の推奨がわかる濃い味付け。

素粒子より
決定秋の有識者会議では、国民の総意を示していない。
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19世紀の米大統領アンドリュー・ジャクソンは粗野で短気な荒くれ男だった。
10代で独立戦争の前線に立つ。拳銃による決闘もしたが、綿花栽培や投機で財を築いた。
対英戦争で名をあげ、大統領選では高学歴エリートを大差で退けた。政権につくと高官たちからポストを取りあげ、選挙戦を支えた友人知人らにばらまく。親友を重要な役職に就け、閣僚たちの内紛を招く。議会と対立し、国立銀行をつぶし、先住民を西へ追いやった。
強引さや身内びいきなど何かにつけて「ジャクソン以来」と評されるドナルド・トランプ氏が大統領に就任した。これほど大勢が出席招待を断り、これほど大勢が抗議集会に集まった就任式が過去にあったとは寡聞にして知らない。
リッチ、グレート、ストロング。就任演説は、拍子抜けするほど素朴な形容詞であふれた。壇上のヒラリー・クリントン氏への敬意や謝意の言葉もなかった。いかにも格調を欠く演説だったが、希代のわかりやすさで後世に語り継がれるかもしれない。
19世紀に戻ると、ジャクソンの人気は圧倒的だった。再選も果たした。「性格こそ激しいが能力は凡庸な男である」。彼に面会した若き仏思想家トクビルは、名著「アメリカのデモクラシー」でそう酷評したが、米大衆の支持は厚かった。
トランプ氏に対する米大衆の期待を各国の識者やメディアは軒並み読み損ねた。就任式で改めて「大衆第一主義」の紙吹雪がふりまかれる。政権が2期8年続く予感が胸をよぎった。

 天声人語より
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トランプ相場
東証が一時250円超安に。
就任演説で経済政策の具体策がなかった失望感などから外為市場も円高相場で進行。

紙面より
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米欧を学ぶために明治政府が派遣した岩倉使節団は、1872年にロンドンに着いた。
人びとが忙しそうに歩くことに驚いたようで、「足の裏が地面についていないような歩調である」との記録が『米欧回覧実記』にある。
彼らはこの国の発展の理由を貿易に見た。「英国は商業圏である。国民の精神は一様に世界貿易に集中している」。船を五大洋に派遣し、世界各地から天然物産を買い、工業製品にして輸出していると記した。同じ島国ながら貿易が栄える国への羨望がうかがえる。
世界市場とともに歩んできた英国の雲行きが、怪しくなってきた。EUから完全に離脱し、域内の貿易に関税がかからない特権も捨てるとメイ首相が表明した。
離脱の基本方針は国民の投票で決まっていた。EUのくびきから離れ、昔のように世界で活躍できるという思いがあるのかもしれない。しかし積み上げてきた欧州との関係をご破算にして、うまくいくのだろうか。
カズオ・イシグロの小説『日の名残り』で、主人公の執事がグレートプリデンと名乗る英国の品格についてこう述べている。「自分の美しさと偉大さをよく知っていて、大声で叫ぶ必要を認めません」。いまはそんな余裕や落ち着きを失っているようにも見える。
ナショナリズムの高まりを感じる昨今である。国際協調よりも、自国の偉大さや純粋さを声だかに訴える。そんなことが国際標準になりそうな、いやな雲行きである。

 天声人語より
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高カカオチョコで腸内の善玉菌を増やし 便通改善
カカオ分70%以上の高カカオチョコレートを店頭で見かけませんか。ちょこっとでも腸の調子を整えることが分かってきました。
チョコの成分で有名なのはカカオポリフェノール。認知症の予防や動脈硬化のリスク軽減などの効果があることが、2014年から愛知県蒲郡市で行われた市民347人を対象にした健康調査でわかった。一方、この調査で「便通が改善した」という声も聞かれた。ポリフェノールでは説明できない結果だった。
「カカオたんぱく質が関わっているのでは」と帝京大の古賀准教授は考えた。古賀さんは機能性が未解決だったカカオたんぱく質の抽出・分離に初めて成功。大豆や牛乳のたんぱく質と比べて消化されにくく、大腸まで届くことを明らかにしていた。大腸には500兆個以上の腸内細菌がすみ、食物繊維などを餌に腸内環境を整えている。
菓子メーカーの明治と共同で、便秘気味の女性31人を2群に分け、カカオ分72%の高カカオチョコと、カカオたんぱく質を含まないホワイトチョコを、それぞれ毎日25㌘、2週間食べてもらった。
すると、ホワイトチョコの群は変化はあまりなかったが、高カカオチョコの群は排便回数が週2.8回から4.9回に、1回の排便量も2倍以上増加。便秘解消が裏付けられた。「結果にびっくり」と古賀さん。女性たちの腸内細菌を調べると、「フィーカリバクテリウム」が約2.5倍増えていた。この菌はあまり知られていないがビフィズス菌、乳酸菌と同様に善玉菌だ。
この菌から作られる酪酸は大腸の粘膜を刺激し、便通改善の効果がある。古賀さんは「カカオたんぱく質が善玉菌の餌になり、腸内環境が改善した」と話す。
厚生労働省の13年の調査では便秘に悩む人は約470万人で女性に多い。高カカオチョコの機能を研究する愛知学院大の大沢教授は「日常の食事習慣の中で少しずつ食べることが大切」と助言する。少量でも様々な効果が出るので、カロリーも気にするほどではないという。

 続・元気のひけつより
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指弾とは誰かを非難することである。
この人の場合は、指先を動かしつくった短文が弾になって飛んでくるようだ。米大統領への就任式を控えるトランプ氏が、ツイッター攻撃を続けている。
選挙で対立候補を支えた人たちをこきおろし、メキシコに工場をつくる自動車会社を非難する。早朝の書き込みが多いと聞くと、寝ても覚めてもスマホから離れない姿を想像してしまう。
スマホは操作しなくても、そばにあるだけで注意が散漫になる。そんな実験結果を北海道大学の河原特任准教授らが発表した。大学生40人を2組に分けてパソコンで作業をさせた際、片方は電源を切ったスマホを目の前に置き、片方は代わりにメモ帳を置いた。スマホ組のほうが1.2倍、作業に時間がかかった。
「画面に触れなくても、視界に入るだけで意識がスマホに向かってしまうのでは」と河原氏は話す。たしかにポケットにあるだけで気になる存在である。人により影響の程度は違うだろうが、引き込む力は侮れない。
先頃亡くなった社会学者ジグムント・バウマン氏は、携帯電子機器を持つことで人は「孤独という機会」を捨てていると書いた。孤独こそは、考えを整理したり煮詰めたり、反省したり想像したりするよすがなのだと訴えた。
スマホから何日も離れ思案する。筆者もそんな時間に憧れるが、結局小さな機器に頼る日々である。振り回されぬよう、上手な距離の取り方を思案してみたい。

 天声人語より
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高齢者の低栄養。タンパク質不足が病気・けが招く
年をとると食事を減らし、肉類を控える人がいる。そんな食生活を続けていると、「低栄養」になって免疫力や筋力が落ち、健康状態が悪くなりかねない。
低栄養とは必要なカロリーや栄養素が不足し、病気やけがを起こしやすくなつた状態。例えば、免疫力が低下して肺炎などの感染症にかかりやすくなつたり、たんぱく質の付則で筋肉量が減って転倒や骨折をしやすくなったりする。カル宗務不足は骨粗しょう症のリスクを高め、皮下脂肪の減少が床ずれの原因になる。身の回りのことを自分でできていた高齢者が、介護されるようになることもある。
食べ物が十分ある日本で高齢者の栄養状態が悪くなるのは、食と健康に関する誤解や社会的な要因が影響している。「年をとったら粗食を心がけ、肉を減らした方がいいと思い込んでいる人が多い。筋肉や臓器など、体のもとになるたんぱく質は「年をとつても必要な量は若い頃とほとんど変わらない」という。一方、加齢とともにたんぱく質を合成する能力が落ちるため、若い頃よりもたんぱく質の摂取量を減らすべきでない。
たんぱく質は20種類のアミノ酸の組み合わせでできている。体内で合成できない必須アミノ酸のバランスかよいのは、動物性たんぱく質。肉類や魚介類、卵、乳製品に含まれる。
高齢者が低栄養に陥る原因は、ほかにもある。食事の準備が面倒で、回数や品数が減ってしまう場合だ。また、いつも一人で食事をしていると食欲が落ちやすい。ひとり暮らしの人は、友人らと食事する機会を積極的につくつた方がいい。持病などの薬の影響や、食べ物をかんだり飲み込んだりする機能の低下によって食欲が落ちたら、かかりつけ医や歯科医を受診する必要がある。
熊谷教授は「低栄養になる前から栄養状態を高めることが、病気や介護の原因となる老化を遅らせることにつながる。男性は60歳ごろから、女性は閉経後からわ目安にしてほしい。」と語る。
食品のとり方も重要で、たんぱく質は1日1回にまとめてとるよりも、3回に分けた方が効率よく筋肉などがつくられるという。
食べる品数の多さも重要だ。肉類、卵、牛乳、油脂類、魚介類、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、芋類、果物、海藻類の10食品群について「少量でも気にせず、1日1回摂取すれば栄養状態を高められると話す。

 体とこころの通信簿より
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皇居で手を振る人権なき「象徴」
憲法は天皇を、日本国と日本国民の統合の象徴としている。
では、「象徴」とは何だろうか。国旗や国歌がその国の象徴とされることは多い。だが、わたしたちの国のような形で生身の人間をその国の象徴と規定する例を、私は、ほかに知らない。そんな、個人が象徴の役割を務める、きわめて特異な制度の下にあって、その意味を、誰よりも真剣に、孤独に考えつづけてきたのが、当事者である明仁天皇本人だった。「個人」として、「象徴」の意味を考えつづけた明仁天皇がたどり着いた結論は、彼がしてきた行いと「おことば」の中に、はっきりした形で存在している。
「私はこれまで天皇の務めとして、何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが、同時に事にあたっては、時として人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました」
 「その人」が訪れるのは、たとえば被災地だ。そこを訪れ、被災者と同じ「目線」でしゃべることができるように、「その人」は跪くのである。「その人」は、弱い立場の人たちのところに行って励まし、声をかける。それから、もっと大切にしている仕事がある。
それは「慰霊」の旅だ。「その人」は、繰り返し、前の戦争で亡くなった人たちの「いる」場所に赴き、深い哀悼の意を示す。
 弱者と死者への祈り。それこそが「象徴」の務めである、と「その人」は考えたのだ。
戦後71年。この国の人々は、過去を忘れようと、あるいは、都合のいいように記憶を改竄しようとしている。だが、健全な社会とは、過去を忘れず、弱者や死者の息吹を感じながら、慎ましく、未来へ進んでゆくものではないのか。個人として振る舞うことを禁じられながら、それでも、「その人」は、ただひとりしか存在しない、この国の「象徴」の義務として、そのことを告げつづけている。その天皇がほんとうには持つことのなかった「人権」について考えられることはいまも少ないのである。

 紙面の歩きながら、考えるより-----高橋源一郎
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またまた延期
MRJ納入が2年延期に。
投書予定から7年遅れに。
東京オリンピックに間に合わないおそれが。

紙面より
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水をかけてもかけても火が衰えない。後ろからも火の手が上がり、目の前にオレンジ色が広がる。
火の粉がまるで雨のようだ。「ほんまに消えるんやろうか----」あまりにも無力に思えたと消防隊員が書いている。
22年前のきょう、震災に見舞われた神戸である。隊員たちの手記を集めた『阪神淡路大震災 消防隊員死闘の記』を開くと、一人ひとりの迷いや恐怖がある。消火栓が使えず、限られた水をどこに向ければいいか分からない。自分も死ぬかもしれないとの思いが頭をよぎる。
多くの被害を出した火災は当時、戦時の空襲によく例えられた。あちこちで黒煙が上がり炎の広がりが止められない。まちを焼き尽くす焼夷弾に重なったのだろう。
地震の後に救出された約3万5千人のうち、約2万7千人が近隣の住民に助けられたという推計がある。地域の結びつき、助け合いがどれだけ大切か。隣人の顔が見えにくい都市部でこそ教訓としたい。
「突然、家中が躍りだしたに見えた」。熊本地震で被災した人の言葉を思い出す。例えばあす、就寝中に家具や家電が襲いかかってきたらと想像してみる。家具などの置き方を見直す。非常時の持ち出し袋を準備する。すぐにできる小さな備えがある。
神戸市にはかつて戦災も震災も絶えた防火壁があり、「神戸の壁」と呼ばれた。移設された淡路島を訪れると、コンクリートのひび割れがしわを刻んでいるように見えた。「忘れてはいけない」。声にならぬ声を聞き取りたい。

 天声人語より
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天皇陛下の問題
将来よく似た局面になるのは明らかなのに。
一代限りの退位にこだわる有識者会議。
はなから先を読む気はなし。

素粒子より
自分の代は逃れようという有識者意識。
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福島の18歳、渡辺智広さんが一票への心情を詠む。
<選挙権初めて投票してみたがまだ、私には早かったみたい>。早くなんてないから、次もその次もぜひ投票してください。昨年も地震や豪雨が各地を襲った。<台風来て電車止まると期待した小さい自分に被害で気づく>と詠んだのは長野の高1佐佐木優果さんだ。
東洋大学が募る「現代学生百人一首」が30回を迎え、作品は累計130万首を
を超えた。今回の入選作を一部紹介したい。
<おもしろい友とのメールで「笑」の文字それ打つ自分笑っておらず>高尾みずき。人付き合いで空気を読んで、もやもやするのは大人も変わらない。<君からの通知がないか確かめる10分ごとに重なる指紋>池内絵美香。スマホを手に、キュンとする。
夜明け前から頑張る。<3時起き搾乳をしてしばれる手牛のぬくもり私のカイロ>安藤朱生。何かと忙しいけれど、疲れをためすぎないで。<目がうつろ磁石みたいに眠たくてSが机でNがおでこだ>川波美咲。
相当すてきなおじいちゃんである。<土曜授業いつも見に来るうちの祖父今じゃすっかりクラスの一員>長嶋凛。親との距離が変わってゆく。<両親と協議していて論破した次から誰を頼ればいいの>赤羽佑太。
孤独になり、迷い惑う時間も若者を強くする。<誰もいないある教室で独学の辛い気持ちを鉛筆は見てる>劉婿?。<くるくるとコーヒーカップに回されて起点を探す高1の夏>関結月。回り転がり、道はやがて見えてくる。

 天声人語より
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世界の変換点か
英国がEU市場を抜ける。
米国に保護主義の政権ができる。
中国首脳が自由貿易を説く。

素粒子より
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昨年からの田中角栄ブームはいまだ続いているようで、書店には関連する本が並ぶ。
豪胆であり、心に訴えかける姿に懐かしさを覚える人が多いのか。若き日の地元・新潟での演説では山脈を削って豪雪をなくすとまで語った。
新潟と群馬の境にある三国峠を切り崩してしまえば「季節風は太平洋側に抜けて、越後に行きは降らなくなる。みんなが大雪に苦しむことはなくなるのであります!」。荒唐無稽である。それでも雪に悩む人たちの気持ちをとらえたと、元秘書の早坂茂三の著書にある。
そんな雪国だけでなく、日本列島が広く第一級の寒波に見舞われた。広島ではきのう33年ぶりの降雪量を記録し、原爆ドーム周辺も雪景色となった。
全国女子駅伝のあった京都では、ときに選手が見えなくなるほどの降雪だった。体温を奪う敵をはねのけながら必死に駆ける姿に見入った方も多かったろう。強い冬型の気圧配置は、きょうも続く。
中原中也は「生ひ立ちの歌」で、幼年時の雪をこう描いた。<私の上に降る雪は/真綿のやうでありました>。それが17~19歳には霰、23歳にはひどい吹雪と感じられた。<いとしめやかになりました>と、落ち着きを見たのが24歳である。時々の心のありようを詩人は雪に託した。
寒波のなか大学入試センター試験に挑んだ人たちの目に、雪はどう映っただろう。風説の言葉のように雪はどこか逆境や試練を思い起こさせる。人生の関門をくぐりぬけるための強さが行きから与えられることを祈る。

 天声人語より
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連日のトランプ氏
むかし綿織物を売り香料を買ったような。
対ロ制裁の解除を核軍縮と引き換えに。
トランプ流の一端見える。

素粒子より
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認知症が進み、ふいに家を出てさまよう高齢者---。
住所や連絡先を言えない状態で遠方へ迷い出てしまう例があとを絶たない。家族は不安を抱え、片時も休まらない。
何か対策はないだろうか。埼玉県入間市は昨年、お年寄りの爪に貼る小さなQRコードを希望する家族に配り始めた。見かけた誰かが爪先に手持ちの携帯電話をかざせば、画面に「入間市」の文字と市役所の代表番号が現れる。電話を受けた市職員が家族につなぐ仕組みだ。
「小さいシールなので暮らしの邪魔にはなりにくい。名札と違って、住所や名前をさらすことにもなりません」と担当職員の岩田孝弘さん。人口15万の街に重い認知症を患う3千人が暮らす。シールは無料で、現在11人が使用する。
シールを貼られて生活することに居心地の悪さを感じる向きもあるかもしれないが、もちろん家族の申請が前提である。爪が伸びたら貼り替える。
思い出すのは、愛知県で10年前に起きた事故だ。91歳の認知症男性が列車にはねられて亡くなり、JR東海が振り替え輸送費などを支払うよう遺族を訴えた。驚いたことに、一、二審は遺族に賠償を命じてしまう。最高裁は「賠償責任はない」と覆したものの、衝撃を受けた家庭は数知れないだろう。
<徘徊の父を探せばこの町が夜ふけて見しらぬ町となりゆく>長坂八代江。迷い歩く当人も大変なら、探して回る人々も必死である。お年寄りの尊厳を傷つけない「命のお守り」はないものかと各地で試行錯誤が続く。

 天声人語より
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トランプ氏
この人を選んだことに後悔は。
公民権運動の英雄に反発。
大統領就任式に反対の行進がありそうな。

素粒子より
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フライドチキンを世に知らしめたカーネル・サンダースは、65歳のころ一文無しだった。
車掌、機関士、保険セールスなどどれも長続きせず、給油所は倒産、カフェは焼失した。65歳を過ぎて自慢のチキン調理法を教える商売を始め、大当たりした。
「65歳までに手に入れたことを結集すれば新しいスタートが切れる」。90歳で亡くなるまで働き続けた彼の言葉だ。「さび付くよりすり切れる方がましだよ。じっとしていてさび付くより身を粉にしている方が好きなんだ」。
65歳から74歳を「高齢者」から切り離して「准高齢者」と呼んではどうか---。医師や研究者らでつくる学会が提言した。いわく脳の働きや歩く速度、要介護の認定率などからみて、以前より健康な人が増えた。ゆえに「高齢者」の定義を見直すべきだという。
学界の発表資料に登場したのが『サザエさん』の父波平さん。いまの感覚では70歳ほどに見えるが、実は54歳という設定だった。漫画の連載が始まった昭和20年代の54歳はあんな雰囲気だったか。一昔前まで55歳が定年退職だったことを思い出す。
心身の衰えるスピードは人により大きく異なる。だれもがカーネルおじさんのように最晩年まで働きたいわけではない。それでも60代半ばからの黄金の10年を「現役世代の続き」と位置づける発想にはうなずく人もおおいだろう。
提言では65歳から上が准高齢者、75歳以上が高齢者、さらに90歳以上は超高齢者とされた。敬老の日も3通り必要になるのだろうか。

 天声人語より
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背骨の圧迫骨折はビタミンDと運動で予防しよう
背中が丸くなり、身長が低くなった。背骨の一部が出っ張ってきたと感じたり、午後になると背中が痛んだりする。そんな症状のある人は、背骨がじわじわと潰れて変形する圧迫骨折を起こしているかもしれない。高齢者の場合、骨がスカスカになる骨粗しょう症が原因のことが多い。
背骨は、12個の腰椎と5個の腰椎という骨が連なってできている。胸椎や腰椎の高さが、どれか一つでも、元の高さより20%以上減っていると圧迫骨折と診断される。痛みがあるのは3分の1だけ。痛みがなく、気づかないまま潰れていることも多い。
起きやすいのは、胸椎と腰椎の境目付近。腰の少し上あたりだ。骨折すると、変形したまま固まってしまう。骨粗しょう症で骨が弱くなった高齢者だと、尻もちをつく程度の衝撃で起きることが多い。
骨粗しょう症は高齢の女性や早く閉経した人がなりやすい。閉経すると、骨を壊す細胞の働きを抑える女性ホルモンが減るためだ。たんぱく質やカルシウム、ビタミンDの付則や運動不足もリスクを高める。遺伝の影響もあり、母が骨粗しょう症だと娘もなりやすい。
最初の骨折を防ぎ、骨折の連鎖を断つには、薬による治療だけでなく、適切な栄養と日光浴、運動療法が不可欠。骨の健康維持に重要なのがビタミンD。多く含む青魚や干しシイタケを意識してとりたい。日光浴も効果的だ。紫外線が皮膚に当たるとビタミンDができる。日焼け止めを塗らずに夏は30分、冬は1時間が目安。サプリメントで補う選択肢もある。
1日8千歩を週3日以上歩くと骨密度が増える。転ばない体づくりも大切だ。流し台に両手をおき、肩幅に開いた足を曲げたり伸ばしたりする屈伸運動がお勧め。足の指をグーパーと動かして足の感覚を磨く運動や、バランスをよくする片足立ちの訓練もよい。予防策を続ければ結果は出るのであきらめないことが大切だ。

 体とこころの通信簿より-----辻外記子
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遠藤周作さんが、自分の小説を使った某大学の入試問題を解いてみた。
「主人公の心理を選べ」。四つの選択肢から一つを選ぶのだが、遠藤さんには四つとも正解に思えた。人間心理はそれほど単純なものではないはずだ、とかって月刊誌で嘆いた。
当欄を含む小紙の記事や評論は毎年のように入試に出題される。工営ではるけれど、一抹の戸惑いも否定しがたい。自分たちの記事が試験会場の受験生を悩ませる様子を思い浮かべると、心苦しくもある。
わが身をふりかえれば、三十数年前、入試の国語に苦しんだ。「筆者の意見はどれか」式の設問で深読みの迷路にはまりこんだ。センター試験の前進でる共通一次試験の時代だ。
先日、図書館でその年の問題を見つけた。怖いもの見たさで挑んでみる。有島武郎の小説、高見順の随筆、古文に漢文----。既視感を覚えながらも設問の森に迷い込む。量の多さにも驚く。採点すると、高校時代と重なる間違いを繰り返していた。
共通一次を衣替えしたセンター試験はいま、まさに見直しのさなかにある。新たに記述式を取り入れるという。機械的なマークシートだけよりは望ましいと思うものの、公平な採点をだれがどう担うのか課題はなお尽きない。
〈冬空の青の薄さは頼りないわたしの気持ちセンター試験〉荒木陽一郎。冬将軍のいすわるなか、あすセンター試験が始まる。良問、難問、奇問のハードルに不安を覚える瞬間がきっとあるだろう。自分を信じて走りきってほしい。

 天声人語より
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高齢者の肺炎予防。5年に一度はワクチン接種を
高齢化が進み、肺炎による死者数が急増しています。2011年には、がん、心臓病に次ぐ、日本人の死因の3位になり、年間約12万人が命を落としています。65歳以上になると、肺炎による死亡リスクはぐんと高くなるためです。
高齢者の肺炎は、命を奪う危険な病気だという認識を持ち、予防が重要だ。
肺炎は主に、肺炎球菌やマイコプラズマなど様々な最近の感染が原因で起こる。若いうちは、抗菌薬による治療ですぐ良くなり、命を落とすことはほとんどない。
一方、高齢者はいったん発症すると何度も再発を繰り返す人が多く、命にかかわる。薬が効かない場合もあり、まずはかからないようにすることが大切だ。
もっとも有効とされるのが、原因の3割を占める肺炎球菌のワクチン接種だ。65歳以上では5年に1度、接種することが望ましい。
特に、インフルエンザにかかった後は肺炎にかかりやすいので、肺炎球菌とインフルエンザのワクチンをあわせて接種しておくとさらに効果的という。
今のところ公的な定期接種の対象ではないが、自治体によっては接種費用の助成もある。
口のなかを清潔に保ち、入れ歯の調子を整えるなどのケアも重要だ。高齢になると、食事のときにむせたり、寝ている間に唾液が気管に入ってしまったりして、口のなかにいる細菌が肺に入って肺炎を起こすリスクが高まる。
粗食を好み、肉や動物性脂肪をとらない人は要注意。たんぱく質などの栄養が足りない状態になると体力が落ち、肺炎にかかりやすくなる。高齢者は積極的に脂質、たんぱく質を取るべきだ。喫煙者や糖尿病の人も、肺炎のリスクが高い。
高齢者の肺炎は、素人目には一見、ただの風邪と区別がつかないことが多い。あまり熱が高くなくても、ぼんやりしているなど、周囲の人が見て少しでも「おかしいな」と感じるところがあれば、積極的に医療機関を受診させるようにしたい。

 体とこころの通信簿より
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皆さんに信じてほしい。変革をもたらすのは私ではなく、あなた方の力であることを。
退任するオバマ米大統領が地元のシカゴでお別れの演説に臨んだ。
まだ55歳である。髪に白いものが目立つが、弁舌のさえは相変わらずだった。次女の高校卒業を待つため今後2年間はワシントンにとどまるという。大役を降りた後、何をして暮らすのだろう。
「年中ゴルフをやるわけにもいかないだろ。引退後どうしたらいいと思う?」。真剣なまなざしで周囲に相談するオバマ氏の映像が昨春、ホワイトハウス記者会で披露された。よく練られたコメディーだった。
バイデン副大統領が助言する。「まずは運転免許でも取ったら」。オバマ氏は窓口に出向き、延々待たされる。ボランティアの口はないかと尋ねて、すげなく断られる。ミシェル夫人のスマホをいじって自撮りした変な動画を誤って投稿し、あきれられる。自らを笑いの材料にできる懐の深さが見ていてすがすがしかった。
最後の演説には力がこもっていた。「移民の子どもたちを大事にしなければ、私たちの子どもたちの繁栄を損なう」「気候変動の問題を否定し去るのは次世代に対する裏切りである」変わらぬ理念や理想を説く声がかえって新鮮に響いた。
医療保険制度改革、通商協定ТPP。2期8年をかけた目玉政策は、後任の大統領によっていまにも葬り去られようとしている。演壇で見せた涙には、きっと悔しさと寂しさもあったのだろう。

 天声人語より
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トランプ氏
口角泡を飛ばして反論するほど怪しく思え。
トランプ氏の改憲。
「偽ニュース」の言葉を先々どれだけ聞くことか。
あの金ぴかタワーのように高まった期待がぼろぼろ崩れて。
次期米政権はやはり保護主義。
為替も株価も揺れる。

素粒子より
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公開中の映画「聖の青春」の主人公は1998年に29歳で亡くなった将棋棋士村山聖さん。
演じる松山ケンイチさんは役作りのため体重を20㌔も増やして臨んだ。対局場面の鬼気迫る表情に見入った。
聖さんは重い肝臓病を抱えながら「怪童」と恐れられた。いつたいどんな棋士だったのか。師匠である森信雄七段を兵庫県宝塚市に訪ねた。
「独特のオーラがありました。病院暮らしが長い分、とにかく純粋で強情な子でした」。
出会ったとき師匠は30歳、弟子13歳。通学のため近所の公園で自転車の乗り方を教えた。髪をひきずって散髪に連れて行った。入院すれば病院の洗濯室で下着を洗った。
師匠といえ、森さんは対局で一度も聖さんに勝ったことがない。「詰将棋」や「次の一手」を森さんが作問すると、聖さんが穴を見つける。「先生、これは使えません」。自信作10問のうち9問にダメ出しをされたこともある。それでも聖さんと盤をはさんで対話するのは至福の時だったという。
昨年来、将棋界はスマホを使った不正疑惑に揺れた。聖さんは生前「コンピュータがプロ棋士を打ち負かす日は来ない」と予測した。読みの深さと鋭さで知られた聖さんが生きていたら今年で48歳。人工知能とどう対峙したのだろうか。
「彼には独特の野性味があった。とにかく個性丸出しで自分の将棋を指したがった」と森さんは懐かしそうに語る。「誰でも棋風は年とともに変わる。40代や50代、60代の村山君と対局したかったなあ」

 天声人語より
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大統領の交代
協調と寛容の理想を語る人から、排他と対立を扇動する人へ。
あられもない現実。
その落差にめまいが。

素粒子より
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「71年前、明るく雲一つない晴れ渡った朝、死が空から降りて」
広島でオバマ米大統領が始めた時、東京都内にある英BBCの一室で通訳袖川さんは不安に包まれた。
この文の主語は何か。格調をどう伝えるか。17分間、夢中で日本語に訳した。
政府間の租税交渉、企業提携、来日芸術家の随行など通訳として20年あまり、著書『同時通訳はやめられない』で数々の修羅場を紹介した。
「下調べをして臨みますが、話すこと聞くことは本能的で瞬発的な営み」。例えるならスケートに近いという。3回転半ジャンプが決まる日もあれば、いきなり尻もちの日もある。
訳の功拙はときに外交をも混乱させる。古くは佐藤栄作首相の「善処します」。これを米政府が確約と受けとめ、繊維摩擦がこじれた。日中間では田中角栄首相の「迷惑」が有名。中国語で「麻煩」と訳され、「戦争の謝罪になっていない」と中国側を怒らせた。軽すぎる言葉だと受けとられた。
ベテランでも冷や汗はかく。袖川さんが英訳に詰まったものは「蚊取り線香」。とっさに「蚊対策のための円」と説明し、指で渦をグルグルと描いた。モスキート・コイルという語を思い出したのは会談の後だった。
人工知能が様々な領域を脅かしつつあるが、「人類滅亡の日まで通訳の職は消えません」と袖川さん。なるほど価値観と世界観のぶつかり合いを機械が語感もふまえて適訳できる日は先だろう。通訳という営みの人間くささに少し安堵した。

 天声人語より
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トランプ氏
この人は疲れを知らぬ。
朝から攻撃ツイートを打ちまくる。
逆らう者をすかさずたたくまさにボス猿。

素粒子より
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晴れ着姿の観客ではなやぐ新春の東京・歌舞伎座で、松本幸四郎さんの「井伊大老」を見た
桜田門外の変の前夜、暗殺される運命を予感する大老が最愛のお静の方と昔をなつかしむ。歴史上の大人物に血を通わせた重厚な演技にひたった。
長年親しまれた「幸四郎」の名で舞台に立つのもあと1年。来年の正月には「親子孫3代襲名」がある。自らが二代目松本白鴎、市川染五郎さんが十代目幸四郎、松本金太郎さんが八代目染五郎を名乗る。300年続く由緒ある名を継いだ1981年も同じ三代襲名だった。
「襲名とは単に名を継ぐことではない。名とは命、命のことだ」。亡父の言葉を胸に刻み、先人の芸と精神を追った。7年前に自身と父、祖父の当たり役「勧進帳」の弁慶を全47都道府県で演じ切り、「やり残したことはない」と思えた。
70年には日本人で初めて米国ブロードウェイでミュージカル「ラ・マンチャの男」に主演した。せりふは英語、共演者も外国人の他流試合。体調を崩した時には、「お前を信じている」と大きく一言だけ書かれた父の手紙が支えになった。
歌舞伎は代々襲名によって歴史をつないできた。看板役者の世代交代は常のこと。だが幸四郎さんの話を聞き、背負ってきたものの重さが変わりゆく時代への感慨をかみしめる。
同じ歌舞伎座の「将軍江戸を去る」では染五郎さんが徳川慶喜を演じていた。来年からは新しい幸四郎だ。先人に続く険しい道に、どんな足跡を残すだろう。

天声人語より
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就任前から
新権力への気遣い。
トヨタが米に巨額の投資、欧米自動車も次々に新規雇用を。
ツイッター砲の威力すさまじく。

素粒子より
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SNSの時代、格闘は続く
情報量はこれからも雪だるま式に増えるとみられている。走る速さを靴が記録したり、橋が交通状況を把握したり、様々なモノがネットにつながり、情報を生み出すからだ。その増え方は、これまでに人類が経験したことのない量とスピードになりそうだ。「自分で選択し判断できる『自律した人間』が近代西洋社会の理想だった。それが難しくなりつつある」と関西大学の門林准教授は指摘する。
どうすればいいのか。技術を前向きに使うという手もある、と北海学園大の柴田教授は言う。「最終的には人間が決めるという前提で、例えば人工知能にある程度、情報を取捨選択してもらうことも可能だろう」。
いつの時代も人は、増え続ける情報と格闘してきた。海が大きくなろうとも、泳ぎ方はいくらでもあるのだろう。

 紙面より
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般若心経とは
般若とはすばらしい知恵のこと。そして波羅密多とは六波羅密多、すなわち
自分よりも他人の救いを先にする「大乗の菩薩」という考え方による実践の
徳目です。
人間は生前の行いによって、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天という6つ
の世界に生まれ変わります。人間よりも下に落ちるのを救うためには、布施
、持戒、忍辱(にんにく)、精進、禅定、智慧という6つの修行をして、成
仏しなければなりません。
布施とは、僧にお経をあげてもらったときや寄付をする際に差し上げるお金
などの財物のことです。布施はお金に限りません。相手の不安をなくす、や
さしいまなざしや言葉などもあります。
持戒とは、戒を持つこと。これを十戒といい、具体的には十戒善を差します。
不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋
恚、不邪見。
忍辱とは、辛抱すること。
精進とは、一生懸命努力すること。
禅定とは、坐禅を組んでこころを落ち着けることです。
6つの修行をすると、智慧が出てきます。これが"般若"です。
仏様の場合、「智慧」と書きます。"知"の下の"日"は、宇宙の真理を指しま
す。
この6つのことを修行することを「六波羅密多行」といいます。こうするこ
とで自身が成仏する助けになります。
お仏壇に水、塗香(ずこう)=塗香(ずこう)は非常に細かい粒子のお香で、
塗香入(ずこうい)れに入れて用います。小麦粉にも似た触感があり、少量を
手に塗り、その香りを吸い、仏前で自らの心身を清めるために使用します。
花、線香、飯、ローソクの6品をお供えするのは、六波羅密多行を知らずに
亡くなったご先祖様に、6つの修行をすることで成仏できることを知らせる
ためです。
水は布施(感謝する気持ち)、塗香は持戒(よいことに励む)、花は忍辱
(怒りやすいこころを鎮める)、線香は精進(怠けごころをなくす)、飯は
禅定(こころを落ち着かせる)、ローソクは智慧(人間の悩めるこころを智
慧の光で明るくする)を表しています。これら6つをお供えすることを六種
供養といいます。お仏壇にお供えをして、お仏前でお経を唱えます。こうす
るこによってご先祖様が成仏できるのです。
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天皇制と民主主義の矛盾
天皇の地位は明らかに民主主義の原理から外れている。つまり、その外にある。なぜなら、皇室は、表現の自由も選挙権も信教の自由ももたない。つまり基本的人権をもたないという意味で、近代憲法の枠外の存在というほかないからだ。
この難問を解決しようとするなら、原理的には次のふたつしかなかろう。ひとつは、天皇の地位は国民の総意にもとづく、という場合の「国民」を、今ここにいる自由な「私」の集合体としての「国民」ではなく、日本の歴史的伝統を背景い、その遺産の受託者としての「国民」として理解するか、もしくは、天皇を近代憲法や国民主権の原理から外し、それを超えた、あくまで形式的で象徴的な日本国の主宰者であるとするかであろう。
このどちらも難しい。私は、日本の「国のかたち」は、後者のようなものと理解すべきだと思う。だが、このことが示しているのは、日本の天皇制度と、西洋から導入した近代的な立憲主義や民主主義の間に何か根本的に食い違いがある、という事実であろう。日本の政治体制は、基本的には君主国である英国に近いが、それでも大きな違いがある。
日本の天皇制度の伝統的な本質は、次の三点に要約できると思われる。
第一に、天皇の地位は血脈による世襲である。
第二に、天皇は、人であると同時に、何らかの意味で聖性を帯びている。そこで、天皇は、一方で神をまつる「祭祀の長」であると同時に、他方で、その聖性を「たてまつられる」という二重性をもつ。
第三に、天皇は、形式上は政治の主宰者であるが、自らは祭祀や儀礼によって権威を代表し、実際上の政治的な権力には関与しない。
これは、あくまで世俗的な征服王朝から始まった英国流の君主とも違い、おそらく世界には例を見ないものであろう。戦後の日本では、第一と第三の特質は残したが、第二の聖性は否定した。しかし、本来はこの三者は簡単には切り離せないのである。われわれは、いまでも第二点の「聖性」を心のうちにもっているのではなかろうか。それは天皇個人というよりも、天皇という制度そのものが暗示するものである。そもそも、天皇を抱く日本の歴史的な「国のかたち」と戦後の民主主義や西洋流の立憲主義の間に齟齬が生じるのは当然といえよう。
この齟齬を全面的に解決する方策はないが、天皇の退位問題を通してわれわれが見るべきものは、こうした困難な事情ではなかろうか。

 異論のススメより-----佐伯啓思
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当欄からみると「折々のことば」は軒を接する隣家のよう。
言葉の泉の豊かさに感心する毎日だが、さっそうと横書きで欧文を紹介されると嫉妬が頭をもたげる。「いつか紙面で」と書きとめた詩歌が先に使われると心はやはり湿る。
まぶしくも気になる「折々のことば」を中高生が自作するコンテストに今年は2万7千人余が挑んだ。詳しくは紙面に譲るが、当欄でも胸に響いた作品を紹介したい。
まずは受験生に捧げる名言から。「Dは『ダメ』のDじゃなくて、『大丈夫』のDとよ」。福岡県の中3生が中学受験前、年長のいとこに言われた。志望校の合格判定はD、D、D。いとこの言葉で「まだ間に合う」と思い直し、みごと受かった。
沖縄県の中2生が挙げたのは認知症の進む祖母の言葉だ。「脳では忘れるかもしれない。でも、心では絶対に忘れないよ」。孫の名も家への道も忘れる姿に「どうせ、私と過ごしたことも全部忘れるんでしょ」と言ってしまったときの返事という。
「男は女を裏切るし、女は男を裏切るけれど、科学は私を裏切らない」。ドキッとするひと言を選んだのは横浜市の中1生。科学の先生のそのまた先生の言葉である。男女の裏切りなど人生経験の少ない自分にはわからないが、この言葉は心に直球で届いたと説明する。
当方も日頃せっせと名文句を手帳に集めているものの、中高年好みの歴史や政治の領域にかたよりがち。10代の官製がすくい上げた言葉の宝石に接する幸せをかみしめる。

 天声人語より
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病気の子どもの食事
病気になると、基礎体力が低下する。病中は症状の緩和、病後は体を回復させることが大切だ。
「高熱や下痢を発症したら、まずは病院へ連れて行きましょう。過程では固形物をとるのを控え、脱水を予防するため水分補給に努める」
高熱や下痢のさなかには、水分とミネラルの補給が重要。スポーツドリンクが適しているという。スポーツドリンクの糖分は、水分の吸収率を高くしてくれる。ただし、冷たすぎると交感神経が刺激されて体が休まらない。ひと肌程度の温度で飲むといい。
症状が落ち着いてきても、微熱があるなら炎症が残っているということ。ぶり返す可能性もあるので注意したい。嘔吐や下痢がなかったり、食欲が戻ってきたりしているなら、様子を見ながら少量ずつ食べさせる。
こうした時期の食事として、代表的なのはおかゆだ。
軟らかく煮て、ペースト状にした野菜などを加えると栄養価が高まる。
ふだん食べていないために、ごはんが苦手で、病気の時にパンを食べたいという子どももいる。おかゆは消化しやすく、米のたんぱく質は栄養的にすぐれている。日ごろからお米を食べ慣れておくといい。

 子育てより
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経済成長ゼロは悪なのか
政府も国民も高度成長やバブル経済を経て税収や給料が増えることに慣れ、それを前提に制度や人生を設計してきた。
だがこの25年間の名目成長率はほぼゼロ。ならばもう一度右肩上がり経済を取り戻そう、と政府が財政出動を繰り返してきた結果が世界一の借金大国である。
そこで疑問が浮かぶ。ゼロ成長はそれほど「悪」なのか。失われた20年と言われたその間も、私たちの豊かさへの歩みが止まっていたわけではない。
その間、日本のミシュラン三ツ星店は世界最多になったし、宅配便のおかげで遠方の特産生鮮品が手軽に手に入るようになった。温水洗浄便座の急普及でトイレは格段に快適になった。
若者たちが当たり前に使う1台8万円の最新スマホが、25年前ならいくらの価値があつたか想像してほしい。ずっと性能が劣るパソコンは30万円、テレビが20万円、固定電話7万円、カメラ3万円、世界大百科事典は全35巻で20万円超----。控えめに見積もったとしても、軽く80万円を超える。スマホに備わるテレビ電話や会話する人工知能の機能となると、25年前ならSF映画の世界の話だった。
ただ、この便益の飛躍的な向上はGDPというモノサシで測ったとたんに見えなくなる。80万円超の大型消費が、統計上はスマホの8万円だけに減ることさえあるのだ。
そこで見えなくなってしまう豊かさの向上を考慮せず、「どんな政策手段を使ってでもともかくGDPを膨らませよ」というのがアベノミクスの思想である。
人間はそうまでして成長を求めるべきなのか。
実は、いまのような経済成長の歴史が始まったのは200年前にすぎない。長い人類史のなかでは、ほんの最近だ。GDP統計が初めて作られたのは、さらにずっとあとのこと。1930年代の大恐慌、第2次世界大戦がきっかけだった。

 紙面より
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トランプ氏トヨタを批判
ツイッターというムチを振るう専制君主が現る。
まだその座につく前なのに。
太平洋を越えて日本の企業にまで。

素粒子より
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「がんばろう糸魚川」「負けるな糸魚川」。商店街に激励の旗がはためく。
焼け落ちた家では被災者がスコップを手に思い出の品を探す。歳末の大火に見舞われた新潟県糸魚川市を歩いた。
街の歴史は火災の歴史でもある。700棟や500棟が灰燼に帰す被害が江戸の昔から続く。「ふんどし町」と呼ばれる細長い市街に家々が密集。乾いた風が吹き込めば、火の手はたちまち広がる。
今回の火災でも144棟が焼けた。筆者のめざした歌人相馬御風の生家は、延焼区域すぐ外にあった。風向き次第ではあわやという近さだった。
「都の西北」で始まる早稲田大学効果や童謡「春よ来い」の詞で知られる。
中央文壇で名をなすが、32歳で糸魚川に戻る。1928年の大火では自宅と原稿、蔵書を一度に失った。<何が何やらわからぬうちにわが住居焼けてあとなくなりにけるかも>。
妻子も無事だったがトイレには窮した。<焼トタン拾いあつめてつくりたるこれの厠の屋根は青空>。御風伝を著した金子善八郎さんによると、東京の知人から上京避難を勧められたが、地元にとどまる。敷地の一角を10家族の仮住まいに供し、酒食もふるまったそうだ。
今回の火災でも住民らの助け合いは特筆に値しよう。連日がれきの山と格闘し、再開した商店で励ましの買い物をする。<人の世のなさけはうれしありがたし命のつくしみ生きてし行かな>。何世紀も大火に泣かされた街に息づく善意の輪が見えた。

 天声人語より
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大風呂識
日本を世界の真ん中で輝かせると首相。
米国第一とトランプ氏。
都民ファーストと小池知事。
みな一番印の大風呂敷。

素粒子より
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技術の進歩がいかに人間の暮らしを変えるのか。
10年前なら夢物語としか思えなかったものが、どんどん実用化しつつある昨今である。自動運転の乗用車の開発が進み、無人機ドローンによる宅配が検討される。会社の経営判断に人工知能が関わる日も近いかもしれない。ただ心配もある。
「十年後存在しないかもしれない本と言葉と職種と我と」。書店に勤める若き歌人、佐佐木定綱氏の作である。紙の本という存在、書店員という仕事はこの先どうなっていくのか。似たような不安は程度の差はあれ多くの仕事に当てはまるのではないか。
人工知能は職を奪うだけでなく、いずれ人間を支配すると恐れる学者がいる。遺伝子操作で親の望む赤ちゃんをつくるのは是か非かの議論も起きている。今年、来年、あるいは10年先、科学技術は人間をどこに連れていくのだろう。
「一本のナイフはパンを切るためにも喉を切るためにも使用できる」と、社会学者ジグムント・パウマン氏が対談書で述べている。社会を便利にしたIТ革命が、誰かから監視される仕組みを生むかもしれないという指摘である。あらゆる技術に通じる例えだろう。
技術に振り回されるのではなく、使いこなすにはどうすればいいのか。考え続けなければいけない問いである。

 天声人語より
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去年今年貫く壁のごときもの
分断の予兆が漂うなか世界は新年を迎える。
米通商代表に対中強硬派。
昔の日米鉄鋼協議をほうふつと。
保護主義農耕のトランプ人事に通商戦争のきな臭さ。

素粒子より
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資本主義の未来。日米の株式市場は、楽観と不安が交錯する中で年を越した。
米国の次期大統領にトランプ氏が当選して以来、減税やインフラ投資で景気が刺激されるとの期待が高まる。だがそれで、昨年の世界を揺るがせた経済システムへの人々の不信が消えることは考えにくい。米国や英国で噴き出た「自国中心主義」は、経済のグローバル化への反発に根ざしているからだ。
冷戦終結後、あくなき利潤の追求を推進力に、ヒト・モノ・カネの国境を恋える往来を広げてきた資本主義。問われているのは、その未来の姿である。
資本主義はこれまでも挫折を経験し、曲折を重ねてきた。
たとえブレーキの利きが悪い中古車であっても、当面は資本主義を使い続けるしかない---。だとすれば、少しでも良くするために何をすべきか。
防疫の拡大や技術の進歩に伴って生じる格差は、再配分による修正を徹底すべきだ。それは税制の活用など、一義的には国ごとに課された仕事である。
グローバル化そのものに背を向ける保護主義的な主張も見られるが、現実的ではないだろう。情報や技術、生産体制などの基盤は、既に国境を越えて広がっている。貿易を通じた新興国の成長は、世界的な格差解消を考えれば前進といっていい。
国際的な課題にも、市場任せでは解決できないものがある。
多国籍企業が制度の隙間をついて税負担を逃れようとする動きに対抗するには、国同士の協力が必要だ。金融機関の過剰な投資や劣悪な労働条件、環境への悪影響を防ぐための既成にも、国際協調が欠かせない。
そもそも、先進国での成長がまだ必要なのかという疑問もあるだろう。余裕や健康などGDPに計上されない豊かさや安定が大事なのも確かだ。
それでも、全体のパイが増えなければ分配の調整も難しくなる。日本の「失われた20年」は、その事実を突きつけた。経済成長を自己目的化するのは誤りだが、敵視したり不要視したりしても展望は開けない。
より良いシステムを探る地道な努力が、今こそ必要だ。

 社説より
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物忘れをすれば新しいものが入りやすくなる。
集めた情報で身の回りを固めていると、人間は干からびていく。情報はどんどん捨てる方がいい。
といっても人の記憶はままならない。「覚えようとするものは忘れがちなものだが、忘れようとするものはなかなか忘れられない」。自分の記憶ですらこうだから、人様の記憶などおよそ思い通りにいかないと考えるのが普通だろう。
ところが最近、「忘れられる権利」が話題になる。自分に関する不都合な情報をネット上から消させる権利、つまりは人様に忘れてもらう権利だ。欧州では、以前のトラブルについて新聞記事がずっとネットに残り、不利益を被った人が訴えて、5月に検索結果の削除が認められた。
日本でも似た争いがある。自分の名前を検索すると犯罪に関わっているかのような結果が出て、生活が脅かされている。そんな申し立てに東京地裁は先日、人格権の侵害を認め、削除を命じた。検索最大手のグーグルが、この命令に従うと表明した意味は大きい。
仮想世界を漂う「記憶」は時に凶器になる。その適切な取り扱い方を確立すべく、試行錯誤が続く。

 天声人語より
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トランプ次期大統領と会談した安倍首相が、「信頼に足る人物だ」と評したことに納得している日本人はあまりいない。
トランプ氏は「米国を偉大な国に」と絶叫していますが、私は彼が唱える米国第一主義は米国の自己否定だと危惧する。
米国の偉大さは核でもドルでもない。国際社会が米国を畏敬してきたのは、世界中から集まった移民が、自由と平等を国是に50の国(州)をつくり、人種のるつぼという多様性を生かした創意工夫で世界に通用する文物、文明を築いてきたからだ。米国は人類の未来の姿、いま様にいえばグローバリゼーションをシミュレーションして見せてくれたのだ。
かって差別を受けたアイルランド系では初の大統領のケネディ氏が黒人差別を撤廃する公民権法制定を進め、アフリカ系初のオバマ大統領の誕生につながったことも米国ならではの偉大さだ。
トランプ氏が過激で差別的な主義、主張を貫けば、内政、外交は混乱し、米国の威信も傷つく。しかし、トランプ現象を民主主義の機能不全とする悲観論にはくみしません。米国の民主主義は他民族国家ゆえの復元力がある。トランプ登場は後世の歴史には「草の根のあだ花」と一言残るだけだと思う。
民主主義なしの米国はあり得ない。
日本もグローバリゼーションなしでは生きられない。日米同盟の根幹は日米両国の価値観の共有にある。
これが過去60年余り米国に関わってきた一人の日本人の気持ちだ。

 経済気象台より----昴
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外からも敬意を持って「魅力ある国だ」と素直に思われるような日本創りを志向する
ことは、目先の打開策を講ずる以上に重要な課題である
「魅力ある日本」を考えるとき、三つのポイントがあるように思う。
一つ目は、
長きにわたって日本人自身が培ってきた「日本の良さ」を再確認し、より
確かなものにすることである。世界に秀でた豊かな自然と調和した社会、
人々が法と制度を順守し秩序が維持された安定した社会、充実した社会保
障制度、不条理な格差の少ない社会などが挙げられよう。
二つ目は、
急激なグローバル化、情報化、市場化の波に適切に対応し、「安心、安全
、充実」した社会のシステムを構築していくことだ。急激な波は社会を合
理的で利便性の高いものに変えた。ITを使えばたいていの情報は即座に
入手でき、地道な苦労をすることなく欲しいものを手に入れるチャンスが
増大した。しかし、他方ではむきだしの成果主義、拝金主義、競争社会、
格差社会を生み出した。合理性や利便性を保ちつつ、1点目に挙げたよう
な社会をどう構築するか、これからの課題だと思う。
そのためにこそ、
三つ目に
「魅力ある日本人」をどう育て、日本に住む外国籍の人々とともに「魅力
ある地域社会」をどう創っていくのかという点が課題となる。
そこで最も大切にしたいのは「人間性」の育成だ。金があれば何でもでき
るといった風潮の「ホリエモン現象」、欲望むき出しの「メル友ネット」
の広がり、電車の優先席さえ老人に譲ろうとしない思いやりのなさ。
人間の「品格」が改めて問われる時代である。「国や郷土を愛する心」を
育てることはもちろん大切だが、それはまず「人を愛する心」があって初
めて成り立つ。そうした心を持っていれば、戦争被害の傷を今も感じてい
る相手国への「配慮」も自ずとなされていくだろう。

 早稲田大学教授・天児 慧
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「まさか」の語源は、目の前のことを指す「目先」だという説がある。
現実を表す言葉が、ありそうにない事柄へと意味を転じたとれば不思議な気がする。さて、「まさかの現実」に見舞われた2016年であった。
最大のまさかは、米国大統領選でのトランプ氏の当選だろう。選ばれた後もまさかを繰り返しており、先日は「米国は核能力を大いに強化・拡大する必要がある」とツイッターで述べた。すでに7千もの核弾頭を持つというのに。
英国は、国民投票でEUからの離脱を決め、世界を驚かせた。「EUへの巨額の負担金が浮くので医療費に回せる」という離脱派の宣伝が事実に反していたことが後に分かり、後悔する声が出た。デマ情報は米国大統領選でもあった。
「ヒラリーがイスラム国に武器を売っていた」など少し考えればウソと分かりそうな偽ニュースが出回った。ネット上では「まさか」が「やはり」に変換されてしまうのか。事実や真実が重視されない時代を意味する「ポスト・トゥルース」が、オックスフォード英語辞典が選ぶ「今年の単語」になった。
グローバル化に置き去りにされた人びとの怒りが高まった。エリートへの信頼が地に落ちた。米英での激変の背景は、そう語られる。まさかが生まれる理由を放置すれば、まさかは世界でさらに広がるかもしれない。
先が見通せない時代である。
来年はむしろ、心が弾むような「まさか」が起きるのを期待したいものだ。

 天声人語より
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スマホの通信量節約。無線LANの活用を
携帯電話の通信費が政府レベルで問題になるこのごろ。長男が驚くようなことを言った。「すまをほ家でWi-Fiにつないでいない友達、けっこう多いと」。
動画や音楽のストリーミングなど、スマートフォンで人気のサービスの多くは、大量のデータ通信を必要とする。例えば国内最大規模の動画サービスdTVの場合、4段階中2番目によい画質を選ぶと、1時間ドラマを12話見たら約7?バイトの通信料になる。スマホの1カ月の通信料の一般的な上限だ。このためdТVやアマゾン・プライム・ビデオなどでは、作品を事前にスマホにダウンロードし、出先では通信をほとんど使わず視聴できる機能を備えている。その前提となるのが、家庭に無線LANがあることだ。
だが総務省の通信利用動向調査によれば、2014年末のブロードバンド回線接続世帯の無線LAN利用率は73.7%、これがスマホ保有世帯では68.9%に下がる。また家庭に無線LANがあっても、家族全員がスマホを接続しているとは限らない。「自分の家族はスマホで無線LANの設定をしない。携帯電話の通信量上限も知らないらしく、『スマホが遅くなる』と言っている」と嘆く人もいる。パソコンと違い、スマホは家庭内回線なしでネットに接続できてしまうためだろう。だがそれでは、スマホの通信量は天井知らずになる。
スマホの無線LAN接続は難しくない。
すでに無線LANルーター(親機)がある場合は、スマホの設定画面で「Wi-Fi」の項目をタッチすると、SSIDと呼ばれる親機の識別記号が表示されるので、それを選んでパスワードを入力する。SSIDとパスワードは親機のマニュアルなどに書いてある。これだけで家の中でスマホが通信し放題だ。無線LANがなくても、家にネット回線があれば、無線LAN親機を購入して回線に接続、同様の操作をすればいい。3~4部屋以上の家庭なら、1万数千円の高性能のものがよい。「11ac」という最新の高速通信規格に対応した製品がおすすめだ。
スマホの通信費の高さや通信料がすぐに上限に達することが問題になるが、無線LANを使っていないことが、その隠れた原因の一つかもしれない。この際、家族が自宅でスマホを無線LANに接続しているか、点検してみてはいかがだろうか。

 ネット点描より
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首相の真珠湾訪問をアジア外交にも生かしたい
今回の真珠湾訪問や日米和解のやり方は、日本と中国や韓国との和解にも結びつきうるとも考えられる。
中国は戦時中の日本の行為を「歴史カード」として、自国の立場を有利にするために、外交に使い続けている。真珠湾をめぐっても、97年、江沢民国家主席は初の米国公式訪問の際にまずハワイに入り、アリゾナ記念館に駆けつけた。日本が米中の共通の敵国だったことを示すためだったといわれる。
今回の安倍首相の真珠湾訪問には、中国が「歴史カード」を使わせないように律しつつ、アジアの安全保障環境の改善のため、隣国とどう和解を進めていくのか、知恵を絞ってくいく必要があるだろう。

 紙面より----アメリカ総局長・山脇岳志
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