2016年10月の記事


小池劇場
小池城に全国からはせ参じた2900人。
それぞれの思惑を秘めながら。
東京の陣近し?
打って出るか籠城か。

素粒子より
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大学への通勤は、車でなく山手線で。学生食堂ではうどんを食べる。
勉強好きで、家族とスキーに行ってもひとりで原書を開く。亡くなられた三笠宮崇仁さまのかっての日常である。長男の故・寛仁さまの著書に記されている。
戦時中は軍人として中国に赴任した。日本軍の中国への無理解や残虐行為に幻滅し、軍の参謀の立場にありながら反省を求める内部文書をまとめた。日中戦争が長引き、解決しない原因は「日本陸軍軍人の『内省』『自粛』の欠如と断ずる」と書いた。危険文書と扱われたという。
将校たちが何かといえば、「これが大御心だ」と昭和天皇を持ち出すのが納得できなかった。「つきつめてみると、結局自分自身の『御心』だったわけですね」と、1994年に語った。
戦後は開かれた皇室のあり方への発言もあった。地方へ行くと拍手や敬礼をされるが、「これでは少しも人間と人間の感情が流れてきません」と、52年の「婦人公論」で述べた。いつも大きく立派な椅子を出されるのも形式主義で迷惑だと。
キリスト教と共産主義という二大潮流がどう成立したかを知ろうと西洋史を学び始め、古代オリエント史に行き着いた。戦前の紀元節を「建国記念日」として復活させるのに反対したのは歴史家としての矜持だったのだろう。
「御心」が勝手に語られ、まつりあげられた皇室が戦争の原動力になる。その危うさを誰よりも知っていた。現代史の証人がまた一人去った。

 天声人語より
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脂肪肝、毎日汗ばむ程度の運動を毎日30分続けることで改善
食べ過ぎなどによる脂肪肝は、早歩き程度の少し強めの運動を毎日30分以上続けると改善する、との研究結果を筑波大の研究チームが発表した。体重は減らなくても効果があるという。
取り組んだ時間別にグループ分けして、脂肪肝の改善状況を比較した。
運動時間が長いほど、内臓脂肪面積や血中の中性脂肪濃度などが減少。特に週250分以上の運動をしたグループは、肝臓の炎症を防ぐ物質や善玉コレステロールが増え、細胞を傷つける物質は減っていた。血液の遺伝子解析でも、肝臓の脂肪蓄積を抑える働きが活発になっていることが分かったという。改善が期待できるのは、過度の飲酒が原因ではない非アルコール性脂肪肝疾患。心臓血管系の障害や糖尿病にもつながる病気で、食事・運動療法が有効だ。

 紙面より
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遺族たちの掲げた紙が、すべてを物語る。「先生の言うことを聞いていたのに!!」。
東日本大震災の日、宮城県石巻市の大川小学校で児童74人と教職員10人が犠牲になった。学校の裏山に避難させなかったのは先生たちの過失だったと、仙台地裁が認めた。
先生の言うことを聞いたがゆえに、あまりに多くの幼い命が失われた。判決文によると、惨事の直前に「山に逃げて」と教員らに言う保護者がいた。教頭も地元の住民に尋ねていた。「裏の山は崩れるのか」「子どもたちを登らせたいのだが」「無理があるか」。
子どもたちは校庭に避難した後、小高い場所へ誘導されて津波にのまれた。判決が指摘する通り、児童はどう避難するかを「全面的に教員の判断に委ねざるをえない」。山にかけのぼる判断ができていればと悔やむ。
「大川小学校のことが他人事とは思えないのです」。宮城県教職員組合がまとめた体験談集に先生たちの声がある。避難先を迷うことは他の学校でもあった。子どもを救えず、死んだのは自分かもしれなかったと。
亡くなった大川小の先生たちの無念を思う。命をアズから、守るという学校の責任はあまりに重い。先生のできること、地域でできることを考えたい。
震災時に小学生だった宮城県の高校生が語っている。「昨日『さよなら』を言った友だちは、明日にはもういないかもしれない」。子どもの命をどう守り、つないでいくか。悲劇を教訓とできるかが問われている。

 天声人語より
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生活習慣病、バランスのよい食事で改善
まず野菜を1食120㌘以上はとるようにしましょう。生野菜なら両手のひらに山盛り、ゆで野菜なら片手にのる量が目安。彩りよくとるのが大切です。紫キャベツのアントシアニン、トマトのリコピンなどの色素には抗酸化力があります。
油脂も味方につけましょう。青魚に含まれる脂肪酸のEPAやDHAは動脈硬化予防になります。エゴマ油も同じ効果があります。
食べるときには急に血糖値を上げないように、ゆっくりかんで。食物繊維の多いキノコや海藻、根菜類は糖質の吸収を遅らせ、満腹感を持続させます。
家庭で甘酢タマネギを作りおきしておくのもいいですよ。酢100cc、砂糖大さじ5、塩小さじ1を合わせた甘酢に、タマネギ大2個分を薄切りにして漬け込みます。タマネギのアリシンは血液をさらさらにし血栓を予防します。酢に含まれる酢酸は血圧を下げ、血糖値の上昇を抑えます。
抗酸化作用のあるアスタキサンチンを含む焼き鮭や、豚肉の生姜焼きにのせるなど毎日の料理に手軽に使えて便利です。タマネギは冷蔵庫で約1週間、甘酢は1カ月保存可能です。

 紙面より----管理栄養士・小沼智子
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山の美しさがすぐに浮かぶ季語がある。「山装う」は、秋の紅葉におおわれるさまを描く。
冬の深い雪に閉ざされれば「山眠る」となり、夏になり緑にあふれれば「山滴る」。20日に77歳で亡くなった登山家の田部井淳子さんのお気に入りは、春の「山笑う」だった。
木々が一斉に芽吹いて山一面が笑っているようで、一番元気が出る季節だと書いている。大学進学で福島から上京し、寮生活になじめず体調を崩したときも、笑顔をくれたのは山だった。
友人に連れられて行った奥多摩の御岳山をきっかけに山を歩くようになる。赤城山、八ヶ岳、谷川岳-----。東京生活で眠っている体の細胞が「山に行くと『解放!』となって、なんだか力が湧いてきて、イキイキしてくるような感覚がありました」。
社会人になって、男性にまじって毎週のように山や岩に登った。1975年、雪崩に巻き込まれて死を覚悟しながらも、女性初のエベレスト登頂に成功した。その後も次々と世界の頂に立った。
大きな挑戦をしながらも、子どもを育て、普通の生活を営むことにこだわった。登山が一部の人しか行けないような難しいものてあってはいけない、との思いからだろう。競争もなく、特別な才能もいらない「万人向けのスポーツ」だと訴えた。
晩年は、抗がん剤治療を受けながら、東日本大震災で避難した人たちと山を歩いた。自然から元気をもらい、登ることの厳しさと楽しさを分かち合い続けた人生だった。

 天声人語より
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三笠宮様
戦時中に日本軍の悪行を指摘する。
紀元節復活は架空の歴史に基づくと批判。
もっと語ってほしかった。

素粒子より
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悪循環の繰り返しだ
安倍首相は「アベノミクスの再加速化」を目指すとし、事業規模約28兆円の大型経済対策を打ち出した。いま、このような政治主導の措置が必要なのか。その効果となると必ずしももろ手を挙げて賛成できない。
目下の低成長は需要不足より供給能力の停滞によるところが大である。
なぜ今さらマクロ的な財政出動なのか。
バブル崩壊後、1992年から現在までこの種の経済対策は26回実施されている。今回は3番目の事業規模だ。その多くが公共事業を目玉に建設国債で調達されており、赤字国債もかなりの規模で発行されてきた。「失われた20年」の間、日本経済をどれだけ下支えし、成長に寄与したかは甚だ疑問である。
税収増に必要な名目成長率が1~2%台を記録したのは、92年度から2014年度でわずか8カ年であり、他の年度はマイナスないし0%台で、平均は0.1%だ。公共事業を主体とした大規模な総需要喚起策を繰り返しても、この程度の成長を達成したに過ぎない。この間、経済対策で発行した国債は実に約105兆円におよんでいる。
わが国において「大型経済対策=成長促進」という発想は、これまで失敗の連続である。残された結果は、先進国最悪の財政赤字累積なのだ。アベノミクスの流れの中で、今回の大型経済対策も悪循環を繰り返すだけで終わるだろう。現在必要な政策は、痛みを伴う規制緩和を主体とした構造改革で日本経済の成長力を引き上げることだ。

 経済気象台より------安曇野
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三笠宮様逝去
昭和天皇の一番末の弟。
今年100歳である。
子どもは3男2女で、男性はすでに亡くなっている。

紙面より
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作家の小野正嗣さんのルポ「東京スカイツリーの麓で」は、コンゴ民主共和国のマッサンバさんの物語だ。
日本ではすぐには難民と認定されず、異議申し立ても却下される。市民団体に支えられて裁判をたたかう。ようやく難民と認められたときには入国から7年がたつていた。
不法滞在で収容所に入れられた時期もある。マッサンバさんの言葉は、読んでいてつらい。「何度も自問した----私はすべてを正直に話した。嘘なんてどこにもない。なのに、どうしてこんな目にあわなくてはいけないのか」。
欧州から難民排除のニュースが伝わる。ハンガリーでは首相がすべての難民を不法移民と決めつけ、国民をあおる。ドイツでも難民追放を求めるデモが繰り返される。
日本にこうした動きは見られない。難民認定の壁が高いからだ。今年1~6月の申請は5011人にのぼった。同じ時期に認定されたのは4人だった。門を閉ざされ、苦しい境遇に置かれる人は多いのだろう。
小野さんは書く、「難民は、僕たちのすぐそばにいる。僕たちが意識していないだけだ」。逃げてきたのがもしも自分だったら。難民のかえる不安と、少しの希望を想像してみる。

 天声人語より
自分の国を捨てて何故他の国に逃げなければならないのか。自分の責任もある程度はあるのでは。何事も他人を頼っていては何も解決しないのでは。
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大川小裁判
原告の勝利に。
本当に大津波がその時点で予測できたのか?疑問だ。
今の状態で考えれば予測可能となるが?
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2016年度上半期の貿易統計
輸出から輸入を差し引いた貿易収支は黒字。
半期では2期続けて黒字。
黒字額は東日本大震災前の水準まで回復したが、原油価格の下落による部分が大きく、輸出は伸び悩んでいる。
輸出は前年同期比9.9%減の34兆209億円。輸入は19.1%減の31兆5630億円。
輸出は完成車や鉄鋼などは不振で、中でも米国や中東向けの大型自動車は大きく減った。全体の輸出数量は0.2%減で、為替が12.8%の円高のため輸出額を押し下げた。
輸入では、前年同期と比べて原油や液化天然ガスなどの価格下落が続いた。原油の輸入額は37.3%減、液化天然ガスは41.3%減。
9月単月の貿易収支は4983億円で、2カ月ぶりの黒字。

 紙面より
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東電の原発部門分社化
福島第1を除き分社して、子会社化することを学者や経営者による有識者会議に経済産業省は提案した。

紙面より
何もかもわかりにくくなってしまう。
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19世紀のメキシコにディアスという大統領がいた。
大統領の再選反対を掲げながら、当選するや再選禁止の撤廃に邁進する。再選に再選を重ね、35年の長きにわたって実権を手放さなかった。
ひれ伏す者は庇護し、立ち向かう者を容赦なく弾圧するその政治手法は「パンと棍棒」と呼ばれた。経済成長を達成したものの、世紀をまたぐ圧政に絶えかねて国民が蜂起する。ディアスは亡命、再選禁止も復活した。
ここまで権力への執着が強いとは思いたくないが、自民党が現行2期6年という党総裁の任期の延長を決めた。3期9年が実現すると安倍首相の在職は通算3500日を超す。党内会合で異論らしい異論は出なかったという。
日本の首相がほぼ1年刻みで代わり続けたのはつい先年のことである。あの時代がよかったとは決して思わないが、もの申す議員がいない中、権力者の任期があっさり延ばされていく現状には不安を覚える。数の力と引き換えに考える力を失ったか。私たち有権者は決定に口をはさめない。
歴代で最も長く首相の座にあったのは、長州出身の桂太郎である。3期通算で2886日。だが最後の内閣はわずか2カ月で倒れた。立憲主義を軽んじ、薩長閥を重んじる手法が批判され、大勢の市民が国会を取り囲んだ。
「同一人がどんな役にも二度と就かないこと」。民主制の要をアリストテレスはそう説いた。権力の座に長くあれば為政者は民意に鈍感になる。古今東西の歴史が教えるところである。

 天声人語より
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上半期2期連続貿易黒字
2016年上半期の貿易収支は2兆4580億円の黒字。
半期では2期続けての貿易黒字。

素粒子より
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民主主義と専門主義の相克
専門家の判断と、民主的な議論の結論は必ずしも一致するものではない。両者は、判断の基準やプロセスが異なるからである。当然、簡単に優劣がつけられるものでもない。
ここで問題となるのは、専門家の判断というものが、社会全体から見て、必ずしも中立的とは限らないという点だ。たとえば、ある組織に属する専門家は、その組織の利益が損なわれるような技術的決定を推奨しずらいだろう。それが、社会一般の利益と相反するケースもある。例えば安全性の確保などは、少なくとも短期的には、そういう傾向がある。
これに対しては、個々の専門家の倫理の問題だという声もあるすもしれない。だが個人の資質に期待すぎる「精神論」は危険だろう。適切な制度と人材があいまって、システムは健全に機能するものだ。
そうだとすれば、専門的な場面に「専門知を備えた第三者」が分け入って、技術的なこも含めて精査する仕組みを導入すべきだろう。
むろん、さまざまな安全規制や基準などは、元々は、そのような観点から整備されてきたとも言える。また、全ての技術的な決定において、外部の監査を導入するのは現実的ではない。基本的には専門家に委任しなければ、物事は動かないからだ。

 月刊安心新聞より-----神里達博
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トレッキングの注意点
山歩きをしていて、ひざの痛みを訴える人が少なくありません。
たびたび痛くなったり、痛みが取れないようなら、医師の診断を受けること。
そのうえで、山歩きをしても支障がないということなら、
ひざへの負担を軽くするために普段から足を鍛え、筋力を高めておくことも
大切です。太ももの筋肉を鍛えることです。真っすぐ立ち、ひざを直角にな
るまでももを上げる足踏みをします。左右で1回として50~60回繰替えしま
しよう。いすに座ったままでもできます。その場合は両手でひざを軽く押さ
えつけて負荷をかけ左右20回ずつ。
寝ころんでは、仰向けになり、ひざを伸ばして10~20cmほど上げます。
これも左右交互に20回。回数はあくまで目安。
無理せず、続けることが肝心です。除々に回数を増やしたり、足首に軽い重
しをつけたりしてもよい。縄跳びや階段上がりも効果があります。
山歩きでは、とりわけ下山時にひざに負担がかかります。
体重の2~3倍ともいわれます。このうえ、ザックの重みも加わりますから、
荷物をなるべく少なくする工夫をします。
傾斜の緩やかなコースやストック(つえ)を使うのも効果があります。
歩幅は小さくするのことも心がけましよう。
これから時期は足を冷やさないことも大切です。サポーターも有効ですが、
締め付けていると、血行が悪くなりますから、休憩時には外したり、ずらし
たりしましよう。
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ノーベル文学賞受賞が決まって1週間になるのに、沈黙したままである。
授賞するスウェーデン・アカデミーは夜通し℡をかけたり、メールを近い人に送ったり。だがご本人からはとんと音沙汰がない。
「接触を試みたが、もうやめた。ただ近しい人から友好的な返事をもらっていて、現在のところはそれで十分です」。アカデミー事務局長が今週、地元ラジオで語った。すぐさま無邪気に受賞をを喜ぶ会見などしないのが美学だろうと察するが、いっそのこと反骨の風のまま辞退してしまうのもディランらしい気がする。
欧米の文学者からはきっぱり返上するべきだとの声も出る。「音楽を通じて権威にさからう姿をみたい」「真にふさわしいのはノーベル音楽賞のはず」。
引き合いに出されるのは、1964年に文学賞を辞退した仏作家サルトルだ。「作家が栄誉を受け入れると読者にある種の圧力を与えてしまう」。作家としての信念に反すると述べた。
思い出すのは95年秋、文化勲章を辞退した名優杉村春子さんの弁である。「いただくと勲章が首にかかっているようで、いつもきちんとしていなくちゃならない」「もっと自由でいたい。ただ芝居をしていたい」。権威にとらわれない姿が爽快だった。
このままディランが辞退しないと仮定しても、12月の授賞式には出席するのだろうか。礼服を着て、晴れがましい顔で栄誉を語るのだろうか。アカデミーならずとも妙に気をもんでしまう。

 天声人語より
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子どもにとって本当に大切なことは、人として抱きしめられる心地よさだ
こどもにとって本当に大切なことは、十分に愛される経験です。愛された経
験があれば、外でつらい思いをしても、耐えていける力となります。あるい
は相手につらい思いをさせるような、ひどいこともしないものです。かけが
えのない自分であることをしっかりと実感して育った子は、他の人のことも
尊重できる心を育んでいきます。
こともを愛するためには、お母さんにだけ努力を求めるのは酷だと思います
。例えば子どもを抱けないお母さんは、夫から抱かれていない場合が多いの
です。夫から心も体も優しく抱きとめてもらえない、話も聞いてもらえずに
苦しんでいる母親が少なくありません。夫婦関係もある種バーチャルになっ
てきているのでしょうか。素直に触れ合うことを避けている。子育て中の母
親は家の中へ閉じこめられて、夫との会話もままならない。自分が自分であ
ることを証明するのは、この子が立派に育ってくれることだけと思いつめ、
育児書と首っ引きになるような育児をしていたら、やはり楽しくなくなって
しまうのも、無理がないように思います。
お母さんの中には、子どもを抱くことは、甘えさせて、自立をさせなくする
と思っている人もいます。また、子どもは抱いてもらえないことについて「
私はもう大きいから」と我慢してしまいます。やっぱり、気持ちでなく頭で
考えてしまうんです。もっと自然になって----と思います。

 同朋新聞より
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来年は大政奉還から150年。
舞台となった二の丸御殿がいずれ、国際会議や展示会に使えるようになるかもしれない。城を管理する京都市の有識者会議が先月、天守閣の復元とともに、いまは観覧のみの御殿の有料貸し出しを提案した。
とはいえ城は世界遺産であり、御殿は国宝である。大広間、黒書院、白書院などそれぞれの間が400年の時を刻む。狩野派絵師による山水図など文化財をどう保護するか。通常の観覧と貸し出しをどう両立するか。実現には時間がかかりそうだ。
秋晴れの一日、城内を見学した。築城を命じた家康は完工まもない慶長8年、公家や諸大名を招いて祝賀の宴を張った。明治胆のうが幕府討伐の詔を発したのもこの城だ。
朝廷の「菊」と徳川の「葵」が交錯し、歴史が大きく動いたこの御殿で、スーツ姿の現代人が会議を開く日を想像した。何か壮大な構想が生まれるかもしれない。あるいは、参加者の肩の力が入りすぎて空転するかもしれない。

 天声人語より
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トランプ候補
それでも4割が喝采するとは。
逃げ場のないトランプ氏は不正選挙を言い募る。
支持者の不満のマグマを恐れる。

素粒子より
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写真家星野道夫さんがヒグマに襲われて亡くなってから20年。
巡回展「星野道夫の旅」が今日から横浜で始まる。先日、京都の会場を訪れると20、30代らしき姿が多かった。「教科書で夫の作品と出会ったと藺生方が多くて励まされます」と妻の星野直子さん。
たとえば高校の教科書にある随想「水の惑星」。氷河の話す声を聴き、森の呼吸に耳を澄ます。壮大な写真とあいまって読む者を氷河の奥へいざなう。
星野さんをアラスカに導いたのは、東京の古書店で買った写真集だ。
先住民の村を空からとらえた米写真家の1枚に魅せられる。名も知らぬ村長に慣れない英文で手紙をしたためた。「写真集で村を見た。訪ねたい」。初めて旅したのは19歳だった。43歳で急逝するまでアラスカを撮り続けた。
彼の作品に人生を動かされた若者は何人もいる。直子さんは昨秋、アラスカで日本人留学生から「星野さんの写真を見て、こちらの大学で野生動物の管理を学んでいる」と言われたという。
崩れ落ちる氷河、命うごめく原生林。生と死の循環を描く写真を見ていると、人間の存在がはかなく感じられる。自然の一部にとけこもうとした写真家の作品は、次世代の胸の奥にたしかな響きを残し続けるだろう。

 天声人語より
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温泉客重体
北海道の足寄町のオンネトー温泉で、宿泊客が入浴中に浴槽内で倒れ、硫化水素ガス中毒で重体。
温泉に含まれる硫化水素ガスの安全管理に問題がありそうだ。
環境省はこれを受けて温泉の安全対策を見直し、国の基準を変更する検討を始めた。

紙面より
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小さないのたち、奪われる未来。育児に疲れ 笑顔の娘を川に
「子どもを見るだけでなく、親の気持ちを行政が受け止めないと、こういう事件はふせげないかもしれない」。事件の担当弁護士は振り返る。虐待に詳しい西澤・山梨県立大教授は「保育所の迎えを拒否したことを重く受け止め、保護するべきだった。『育てられない』という親を説得して同居を続けさせ、虐待死させた事例はこれまでにもあり、児相はもっと専門性を高めるべきだ」と話す。
事件後、市は相談員を増員し、子育て支援センターも増やした。一方、今年できた検証報告書で、県は児相の体制不備を指摘されたが、児童福祉司の人員は現時点で当時と変わらない。今もこの地域では夜間に育児の悩み相談に対応する窓口はない。
全国を見渡すと、進んだ取り組みもある。「子どもがかわいいとは思えない。私は普通じゃないのでは」。福岡市の児相には、このような電話が子どもの寝静まった深夜にかかってくる。24時間態勢で臨床心理士らが待機し、虐待対応に加え、育児相談にも応じる。じっくり話を聞き、「そういう人もたくさんいますよ」などと助言すると安心する人が多いという。相談の約3割は夜間帯だ。
厚生労働省は昨夏、虐待通告などを24時間受ける短縮ダイヤル「189」を設け、近くの児相に電話がつながるようにした。
だが、その対応はまちまちで、夜間は緊急の虐待事案だけに対応し、通常の相談に応じる態勢までは整えられていない自治体も多い。

 紙面より
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東京五輪
復興五輪の看板は。
「同じボートとIOC会長。
整備費はころころ変わり、舟の行く先定まらず。
韓国に漂着も。

素粒子より
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虐待見逃された痕跡
187の検証報告書を読むと、それぞれの虐待の経緯や防げなかった背景がある程度は分かる。だが、検証の教訓が生かされないまま各地で似たような虐待が起きており、再発防止のための検証制度が十分に機能していない現実も浮かび上がってきた。
教訓が広がらない実態もある。検証を受けて虐待防止の仕組みを改善した自治体があっても、ほかの自治体がそれを知らず、虐待が起きるとまたおなじような報告書が作られていてる。
国の虐待検証作業にかつて携わり、今回、分析に協力した宮本筑波大副学長は「関係者がどの時点でどう対処すれば詩を防げたか、という観点で検証されるべきだ。良い対策については国が情報を集め、広げる必要がある」と話している。

 解/説より
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天皇の退位
失われた5年。
天皇陛下の思いは政権に届かず。
恒久制度をという世論。
特例法をという政府に伝わっているか。

素粒子より
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ボブ・ディランのしわがれ声は聴けばすぐにわかる。
村上春樹さんの小説で、登場人物の女性に語らせたことがある。「まるで小さな子が窓に立って雨ふりをじっと見つめているような声なんです」。
物語の最後で、ディランの「はげしい雨が降る」が流れる。<それで、ひどい ひどい ひどい ひどい ひどい雨がふりそうなんだ〉。ことばとともに、悲しく美しいメロディーが訴えかける曲だ。
1962年、キューバ危機によって核戦争が現実味を帯びるなか作られた。ディランは後のインタビューで、「この先、もうあまり長くないかもしれない」という切迫感を持ちながら書いていたと述べた。「あと何曲書けるかわからないと思った」。
ノーベル文学賞が、ディランに送られることになった。米国の伝統的な歌に、新たな表現を作り出したいという。作詞を超えた何かがあった。詩をむさぼり読んだ、多くの詩人に影響を受けたと、ディランは語っていた。
反戦や反権力の歌で知られるが、それは彼の一部である。ある歌のことを「霊が書いたような感じだ---霊がぼくを選んであの歌を書かせた」と語ったことがある。愛を歌い、神への気持ちを歌った。
子どものころディランの1枚のアルバムを、繰り返し聴いたことがある。わずか数分の歌がこれほど、心に響く物語を紡げる。
それを教えてくれたのが彼だった。今もう一度、彼の言葉に浸ってみたい。

 天声人語より
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イラク、IS最大拠点攻撃へ
イラク政府はISの国内の最大の拠点、北部モスルを解放するための作戦を始めたと発表。
政府は年内に作戦を完了し、国内からISを一掃したい考えだ。

紙面より
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素性は分からないが、この人をぜひノーベル賞経済学賞に推薦したいと、米国の大学教授が書いていた。
そのナゾの人物サトシ・ナカモト氏は、仮想通貨ビットコインの発案者である。
インターネット上で取引できるビットコインはクレジットカードや電子マネーに似るが、円やドルなどと違って国が管理していない独自の通貨だ。2009年にナカモト氏の名でネットに発表された英語論文がもとになり、興味を持った人たちが仕組みを作った。
「国家など関係ない」という新奇さが世界で注目された。銀行と付き合わなくても、取引ができる。正体不明の人物がノーベル賞を取れるはずもないが、「破壊的影響力」をもたらすすもしれないとの推薦理由にはうなづく。
仮想通貨は、日本では「モノ」とみなされて取引に消費税がかかる。しかし財務省などは税をなくす方向で検討を始めたそうだ。普通の通貨に一歩近づいたのだろうか。一部の新電力では近く、電気料金をビットコインで払えるようにする。
英国で金貨や銀貨が主流だった時代には、「紙のお金」の考え方は新奇なものと受けとめられた。18世紀初めにジョン・ローなる金融業者が英国で紙幣を提案したが、いかがわしいものと見られ、議会で否決された。
お金の歴史をひもとくと木の実があり、貝殻がある。ビットコインのような通貨が主役になる日は、いつか来るだろうか。

 天声人語より
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脂肪肝、毎日汗ばむ程度の運動を毎日30分続けることで改善
食べ過ぎなどによる脂肪肝は、早歩き程度の少し強めの運動を毎日30分以上続けると改善する、との研究結果を筑波大の研究チームが発表した。体重は減らなくても効果があるという。
取り組んだ時間別にグループ分けして、脂肪肝の改善状況を比較した。
運動時間が長いほど、内臓脂肪面積や血中の中性脂肪濃度などが減少。特に週250分以上の運動をしたグループは、肝臓の炎症を防ぐ物質や善玉コレステロールが増え、細胞を傷つける物質は減っていた。血液の遺伝子解析でも、肝臓の脂肪蓄積を抑える働きが活発になっていることが分かったという。改善が期待できるのは、過度の飲酒が原因ではない非アルコール性脂肪肝疾患。心臓血管系の障害や糖尿病にもつながる病気で、食事・運動療法が有効だ。

 紙面より
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タイ式民主主義過渡期に
すぐれた徳を持った私心なき「国父」が国家と国民のあるべき姿を指し示し、国民はそれぞれの責任と役割を誠実に果たす---。プミポン国王が志向してはた国王と国民のありり方はこうしたものだろうと、タイの歴史家らは言う。
ただ、王の影響力と威光のもとに政治的、経済的な特権を得る層ができていったものも事実だ。
一方、欧米的な民主主義や自由の意識が広がり始めると、こんな伝統的な「タイ式民主主義」と整合しない部分も目立ち始めた。
特にタクシン氏が2001年、農村を中心に強固な支持基盤を築いて選挙で議会を制し、「強い首相」として登場すると、社会の摩擦は顕著になった。タクシン氏の数と金の力を背景にした国政運営は、伝統的な支配層には脅威だった。
このため、タクシン氏を排除した06年のクーデター前後から今に続くタイの政治対立では、王制は対立の一方の「当事者」となり、国王は超絶した調停者ではなくなったという指摘が内外の研究者から出ている。
プミポン国王が、タイの安定と統合のかなめとして果たしてきた役割と功績は揺るがない。しかし、いまのスタイルの王制は過渡期に差し掛かっている。どういう王制がこの時代の社会の安定と繁栄、タイ式民主主義にふさわしいのか。国民的な議論が欠かせない。

 紙面より
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生活習慣病、バランスのよい食事で改善
まず野菜を1食120㌘以上はとるようにしましょう。生野菜なら両手のひらに山盛り、ゆで野菜なら片手にのる量が目安。彩りよくとるのが大切です。紫キャベツのアントシアニン、トマトのリコピンなどの色素には抗酸化力があります。
油脂も味方につけましょう。青魚に含まれる脂肪酸のEPAやDHAは動脈硬化予防になります。エゴマ油も同じ効果があります。
食べるときには急に血糖値を上げないように、ゆっくりかんで。食物繊維の多いキノコや海藻、根菜類は糖質の吸収を遅らせ、満腹感を持続させます。
家庭で甘酢タマネギを作りおきしておくのもいいですよ。酢100cc、砂糖大さじ5、塩小さじ1を合わせた甘酢に、タマネギ大2個分を薄切りにして漬け込みます。タマネギのアリシンは血液をさらさらにし血栓を予防します。酢に含まれる酢酸は血圧を下げ、血糖値の上昇を抑えます。
抗酸化作用のあるアスタキサンチンを含む焼き鮭や、豚肉の生姜焼きにのせるなど毎日の料理に手軽に使えて便利です。タマネギは冷蔵庫で約1週間、甘酢は1カ月保存可能です。

 紙面より----管理栄養士・小沼智子
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キンモクセイの花がほのかな甘い香りを放つ
10月に入っても、台風が猛威を振るいながら日本列島を北上する近年まれにみる気象。しかも30度近い猛暑日もあり、秋の装いではじっとり汗がにじむ異様さだ。
「野ざらしを 心に風の しむ身かな」<松尾芭蕉>。秋のもの悲しさを指そう句だが、さすがの芭蕉もこの天候の下に吹く風では、わびさびを感じるどころではない。今月12日には芭蕉忌を迎え、各地で催される句会の参加者はさぞかし汗をかきながら----との光景が見られるかもしれない。
冷夏や暖冬の予想の農作業暦に影響をおよぼしやすいことから話題になるが「暖秋」は夏と冬の谷間にあるためかなぜか影が薄い。調べるとここ数年は暖秋傾向が続いていて、鍋物シーズンにハクサイなど秋を彩る野菜の消費低迷が心配される。
二十四節気でいうと今は「霜降り」、七十二候では「菊花開く」だ。近年の気象状況に合う事象にしようとの意見も多い。俳句に詠みこむ季語も適切となり、なにより歳時記をもとにした農作業も風雅ではないか。

 防風林より
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タイ国王亡くなる
これほど民衆に支持された君主もいない。
プミポン国王という社会の軸を失った。
じっとりと不安な風が吹く。

素粒子より
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反グローバル化と日本
そもそも日本では、グローバル化が経済格差を拡大し金融バブルをあおったかのようにネガティブにとらえられてきた。しかし、だからと言って、欧米でみられるような反グローバル化運動が日本にあるわけでもなく、極右政党の台頭が見られるわけでも、トランプ氏のような政治家が人気を博すこともない。
その最大の理由は、世界経済のグローバル化が進んでいた間、日本はバブル崩壊後遺症でひたすら内向きになっていたからだ。海外からの投資も香港やシンガポールに流れてしまい、移民が増えることもなく、国内の若者も海外を目指さなくなってしまった。グローバル化が進んだわけではないので、反対運動も日本では不要なのだろう。
しかし、もし世界的な反グローバル化の動きが国際貿易と経済成長にマイナスなら、それで大きな被害を受けるのは日本経済である。日本経済は貿易依存度が低いと言われるが、大企業の収益は海外経済との連動性が高く、設備投資に占める輸出企業の重要性が高いなど、貿易と世界経済の動きは日本経済に大きく影響する。反グローバル化の動きは日本にとって対岸の火事ではない。

 経済気象台より------義
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東京の停電
東京大停電。
設置35年の送電ケーブルが火を噴く。
他のケーブルは大丈夫か。

素粒子より
社内規定ではどうなっているのか。
35年以内に取り換えないといけない決まりなのか。
そこまで調べて報道すべきだ。
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そもそも「保守」とは何か。
今日の日本では、保守が政治的権力を把握し、これに対して、「リベラル」がその対抗勢力であるかのように語られる。しかし、もともとは、保守の側が抵抗勢力であった。
われわれは、アメリカとの同盟を重視し価値観を共有するものを「保守派」だという。安倍首相が「保守」なのは、まさしくアメリカとの同盟重視だからだ。するとどうなるか。アメリカと協調して自由や民主主義の世界化を進め、たえざる技術革新によって社会構造を変革することが「保守」ということになる。
これはまったく奇怪な話であろう。構造改革にせよ、第4次産業革命にせよ、急進的改革を説くのが「保守」だというのだ。もともと既成秩序の破壊、習慣や伝統的な価値の破壊を説き、合理的な実験によって社会を進歩させるという確信主義は「リベラル」の側から始まったはずなのである。それが保守へと移ってしまい、リベラルは保守に吸収されてしまった。
私は保守の本質は、近代社会が陥いりがちな、ぎゅうげきな変革や合理主義への抵抗がある、と思う。それは、社会秩序を、抽象的な普遍的価値に合わせて急激に変革するのではなく、わけわけの慣れ親しんだ生活への愛着を大事にし、育ってきた文化や国の在り方を急激には変えない、という精神的態度だと思う。そして、この「未来の保守」の姿が今の日本ではみあたらないのである。
蓮舫氏のように「バリバリの保守だ」といっている場合ではない。今日の日本に本当に必要なのは、「本当の」保守なのだ。

 異論のススメより------佐伯啓思
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NYダウ大幅値下がり
11日のNY株式市場は主要企業の業績への不安から大幅に下げた。
ダウ工業株平均は前日より200.38㌦安い1万812.66ドル。
東証も値下がり。

紙面より
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二十数年前、桜島の活動が比較的活発だったころの鹿児島市に赴任した。
噴火による火山灰が、たびたび降り積もった。雪国育ちとしては積雪を思い起こしたが、すべてを白く包み込むような、あの美しさはなかった。
降れば視界が遮られる。洗濯物が屋外に干せない。隙間に灰がたまったのか、自動車の窓が開かなくなる。当時の記事はビワやミカンなど農作物の被害を伝えている。
きのう、灰に覆われた熊本県阿蘇市の写真を見ながら、そこにある暮らしを思った。
未明の爆発に、驚いた人は多かっただろう。激しい雨のように、噴石が降り注いだ地区もあった。ガラス窓が割れた施設もあった。まだ人びとが寝静まる時間帯の出来事なだけに、心細かったに違いない。
爆発を伴う噴火としては36年ぶりである。熊本地震から間もなく半年、たび重なる災害にやり切れない思いの方も多いだろう。立ち直りかけてきた観光は打撃を受けそうで、気の毒というほかない。農業への影響も心配だ。
オミナエシ、カワラナデシコ、ヒメユリ-----。阿蘇山の周りには多くの種類の草花が見られる。大昔の噴火のため、草原が森林に変わっていくのが抑えられ、野草が育つ空間ができたという。火山は自然の美しさを育んだ。
同時に数多くの厄災ももたらしてきた。しばらく警戒を続けてほしいという専門家の言葉を重く受け止めたい。火山そして活断層の上に暮らしを営んでいることを改めて思う。

 天声人語より
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国際収支2兆円の黒字
8月の国際収支によると、貿易や投資による日本と海外のお金の出入りを示す「経常収支」は、2兆8千億円の黒字となった。
黒字幅は、前年同月より3759億円拡大した。

紙面より
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株主優待制度を導入する企業が増加している。
この制度で保有期間が長い株主を優待している企業が257社もあることだ。
仏壇・仏具の「はせがわ」は今年、優待品の贈呈対象を1年以上継続して1単元以上の株式を保有する株主のみに変更した。
経営コンサルティングのリンクアンドモチベーションなども、今年から長期保有株主の優遇を始めた。
なぜか、投資家が短期的な利益を追求する短期主義への企業側からの対策である。
株はいつでも売れるから株なのであり、短期主義が市場を活発化する側面を持つのも事実だが、短期主義をよく言うものはいない。コーポレートガバナンスも批判的である。
会社には中長期経営を求めても、株主が短期主義では絵に描いたもとにすぎない。経営者は四半期決算に翻弄され続ける。トヨタ自動車が昨年発行した種類株も、長期的経営を目指す経営側からの回答であった。
長期株主の優遇に対しては、他の株主との関係で不公平との批判がある。しかし企業は社会の公器として社会に貢献する必要がある。そのために株主も中長期的な視点を持つ必要がある。長期的な企業価値にも反映されるから、中長期的な視点による経営は短期の株主にも利益となる。不公平とはいえないだろう。
むしろ、さらに長期保有株主の議決権優遇を議論すべきではないか。投資家は反対するのであれば自ら中長期の実を示さなければならない。

 経済気象台より------環珠
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コーヒーや緑茶が長寿のカギ
コーヒーや緑茶を日常的によく飲んでいる人は、そうでない人に比べて死亡するリスクが低いとする調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。コーヒーに含まれるポリフェノール、緑茶に含まれるカテキンが血圧を下げ、両方に含まれるカフェインが血管や呼吸器の働きをよくしている可能性があるという。
全国に住む40~69歳の男女約9万人に対し、コーヒーや緑茶を1日どれくらい飲むかを、ほかの生活習慣などと合わせて質問し、経過を約19年間追った。この間に約1万3千人が亡くなった。
コーヒーや緑茶をよく飲む人は死亡率が低く、コーヒーを1日に3~4杯飲む人ではほとんど飲まない人に比べ、死亡リスクが24%低かった。緑茶は1日1杯未満の人に比べ、1日5杯以上飲む男性で死亡リスクが13%、女性で17%低かった。どちらも、死亡のリスクにかかわる年齢や運動習慣などは影響しないように統計学的に調整した。
コーヒーにはクロロゲン酸というポリフェノール、緑茶にはカテキンが含まれ、両方に欠陥や呼吸器の働きをよくするカフェインが含まれている。こうした成分が心臓病や脳卒中による死亡を減らしたことが考えられるという。
一方、カフェインは健康維持につながる可能性があるが、心臓病を抱えた人では摂取で急に血圧が上がるといった影響も考えられる。妊娠中や肝臓病の人も注意が必要である。

 紙面より
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東京都心の西麻布や六本木で数学ファンが集う連続イベントが開かれている。
題して「ロマンチック数学ナイト」。参加者が壇上で思い思いに数学の魅力を語る。春夏秋冬計4回の予定で3回目が終わったばかりだ。
登壇者の持ち時間はひとり314秒。円周率に100をかけた。たとえば語りはこんなふうだ。「世の中、偶数と奇数が威張りすぎ。私は2でなく4で割った余りを基準に数に命名してみた。春数、夏数、秋数、冬数。どう美しいでしょう」会場がわく。
主催は、東京と大阪で数学教室「和」を運営する会社。堀口社長は「堂々と数学の面白さやロマンを共有できる場を作りたかった」と話す。
「普段の生活で数学の話に熱中すると時に冷たい視線を浴びる。数学好きはかなり遠慮しながら暮らしています」。
6年前に教室を創業し、受講者はいまや月間400人。ネットに集積される大量のデータを扱う職種が増え、「統計学やデータ分析を学びたい」と会社員たちが門をたたく。
イベントでは数学と音階の関係に着目したピアノのライブ演奏もあった。会場の壁には難問が何枚も貼られ、参加者は出題者との対話に目を輝かせていた。
書店に行けば、「もう一度中学数学」「大人の算数・数学再学習」といった本が並ぶ時代である。ただわが身をふりかえると、空間図形や微分積分にはひどく泣かされてきた。素数や数式の魅力を一晩全身に浴びても、どこかロマンに浸り切れないのが恨めしかった。

 天声人語より
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天空に描く平和の円
私にはまだまだやりたいことがたくさんあります。今の私にとっての「人生
百年の計」とは、私が抱いているビジョンを、次の時代、または次の次の世
代、つまり孫やひ孫たちにバトンタッチしていくことです。
保田氏は、戦争の惨めさ、誤った戦争から学んだ教訓を、戦争を知らない次
世代の子どもたちに伝えたいと思っています。今日の大人が作り上げられな
かった平和を、何とか次世代が実現できることを願っています。現在10歳の
子どもが60歳になった頃、世界に平和がもたらされるよう、今のうちに戦争
を知る私たちのビジョンを伝えなければならないのです。
私の父の好きだった英国のビクトリア朝のロバート・ブラウニングの作品に
次のような詩句があります。
 「地上ではかけた弧、
      天上では全き円」
私の今のビジョンは「天空に描く大きな平和の円」です。平和の実現は非常
に時間がかかる壮大な目標です。私の存命中には難しいのです。しかし、そ
の円の中の一つの弧でも実現させるために、私は今後も勇気ある行動を起こ
していきたいと思っています。

 私の証 あるがまま行く---日野原先生
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春樹と真知子のすれちがいを描いて敗戦後の日本をわかせたNHKラジオ劇「君の名は」。
題名の由来には諸説ある。一説には、当時放送界を統制していた占領軍幹部の早とちりという。
「次作の題名を」。内容も決まっていない段階で一方的に迫る幹部に、NHKの折衝役がなぜか「君の名は------」とつぶやく。幹部は作品名と思い込み「いい題名だ」と即決する。後に聞かされた脚本家菊田一夫も半ばあきれる決まり方だったらしい。
新作アニメ「君の名は」を映画館で見た。主人公は三葉という女子高校生と男子高校生の瀧。互いの心が入れ替わるうち、思いを寄せ合う。
新海監督の頭には当初「夢と知りせば」という題があつた。夢と現実が織りなす物語だから、夢を詠んだ和歌から引いた。<思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを>。あの方を思いつつ眠ったから、夢に出てきたのか。夢と知っていたら目を覚まさなかったのに。
古今和歌集にある小野小町の名歌である。
検討の末「君の名は。」に落ち着いたものの、やはり先行の「君の名は」が有名ゆえためらいもあったそうだ。
<君の名は真知子と答え歳がバレ>と先日の朝日川柳にある。筆者もショール姿の真知子がすぐ浮かぶ世代だ。いま劇場に駆け込む10代、20代はまず真知子を知るまい。数十年後もきっと。「瀧くん」と呼びかける三葉の声を思い浮かべるのだろう。君の名や昭和は遠くなりにけり。

 天声人語より
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体の「老化」と心の「老い」は別物
男女とも平均寿命は80歳を超えました。高齢化社会で問題になるのが、「平均寿命」と「自分で自分のことができる健康寿命」との差です。男性ではほぼ9年、女性では13年近く介護を受けたり、あるいは寝たきりで過ごしたりしています。この期間をいかに短くするかが、医療従事者の課題です。
一概に「老い」といっても、生物学的な「老化」と、人間的な「老い」は別物です。人間として抗しきれない老化の中で、いかに生命の意味を見いだしていくか。「土の器」とも例えられるもろい人間の身体は、ひび割れたり壊れたりもします。それでも私たちは与えられた時間の中で、その器に何を入れていくか、模索し続けるのです。
もし社会が老人を疎んじ、ポンコツ車のように見下すなら、それは真の文明社会とはいえません。必要なのは、社会がもっと交わりの中に高齢者を入れ、温かい心で包み込み、高齢者に「役割」を与えることです。私が日ごろから平和の重要性を語るのは、高齢者が居場所を得て輝くためには、社会がまず、平和であることが前提となるからです。
若い世代を含め、一人ひとりが参与しなければ、本当の健康社会は日本に実現されない。

 私の証あるがまゝ行く----日野原先生
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宮本あやさんの小説「校閲ガール」の主人公は出版社の校閲部員だ。
赤鉛筆を手に原稿と格闘する。「ドラマ向きだな」と思って読んだが、実際にドラマ化された。日本テレビ系で放映が始まる。
「私の職場でも話題になった作品。校閲という目立たない仕事が本になるのかなと思いながら書店で手に取りました」と話すのは毎日新聞社の校閲記者、澤村さん。すでに歌集2冊をなす歌人でもある。校閲の仕事を詠んだ作品が光彩を放つ。
<午前0時を越えて体力充ちてをり大連立不発の記事を読み直す>。連日、未明まで原稿に目を凝らす。
誤字脱字探しにとどまらない。だれかを傷つけないか。誤った印象を与えないか。冷静な目で読み込む。<「震」といふ字は敏感に忌避されつ震災ののちのスポーツの記事>。
命は誰もがひとしく尊いと思いつつ、訃報記事には長短がつく。<七行で済みし訃報の上の方、五十行を超えて伝へきれぬ死あり>。言葉の選択には日々悩む。<遺は死より若干の人らしさありといふ意見がありて「遺体」と記す>。当欄も、校閲部門の同僚には助けてもらってばかりだ。人名地名から詩集の引用まで救われた誤りは数えきれない。
「奥深い仕事です。九つの誤りを防いでも一つ見逃せば台無し。そのたびに落ち込みます」と澤村さん。<ボールペン掠れはじめつ指先に力を込めて描く顛末書>。日夜、言葉の大海に挑む校閲記者がいなければ新聞は1ページたりとも完成しない。

 天声人語より
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NY原油高値に
原油先物相場が上昇し、国際的な指標となる米国産WTI原油の先物価格が1バレル=50ドル台を回復した。
6月上旬以来約4か月ぶりの高値。

紙面より
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日銀総括検証「リフレ派」敗北の先は
日本経済は「リフレ政策」の実験場だった。リフレとは金融政策で人為的にインフレを起こすこと。リフレ論者は、日本銀行が紙幣をどんどん刷って国債などを大量に買い、世に出回るお金の量を増やせば物価が上がり、景気も良くなるというストーリを描く。
だが物価はいっこうに上がらず、足元ではややマイナスだ。これだけでもリフレという「壮大な社会実験」は失敗だったといえる。
不安を隠し、強気で緩和路線をひた走ってきた日銀だが、ここへきて軌道修正に乗り出した。総括検証の際に、緩和基準をお金の「量」から以前のように「金利」に戻すと決めたのだ。
日銀の政策決定メンバーのうち、リフレ派とみられる3人もその変更に賛成した。量を絶対視してきたリフレ派からすれば、敗北宣言にも等しい。
日銀内にも地殻変動が起きている。とはいえ日銀は「緩和強化」の旗は降ろさなかった。長期戦の構えを見せ、「出口」は見えない。なぜか。
大きな理由は、異次元緩和のぬるま湯に慣れきった金融市場への配慮だ。彼らが「日銀は緩和に消極的」と見なせば、とたんに円高株安が進んでしまう。そうなれば円安株高を追い風としてきた政権が、再び日銀に強い緩和圧力をかけてくる。に都銀はそれを恐れたのだろう。
勧誘緩和による景気浮揚はしょせん将来需要の「前借り」にすぎない。人口減少、超高齢化の社会で前借りが過ぎればどうなるか。ツケの返済に追われた日本経済の未来はけっして明るくはない。
史上と政権にからめとられた日銀は、もはや自らの判断で緩和を止められなくなってしまった。そうなると、「緩和の罠」から抜け出せない日銀そのものが、今や日本経済を長期低迷に陥らせる最大の原因と化してしまったと言えないか。

 波聞風問より----原真人
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次期国連総長
年末で任期が切れる潘事務総長の後任選びについて6回目の予備投票を行い、元ポルトガル首相のグテーレス前国連難民高等弁務官が支持を集めた。拒否権を持つ常任理事国から不支持が出なかったので就任が確実になった。

紙面より
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「風速20㍍の掃除機」「新感覚の英国調ラジオ」「嫁入りからお孫さん誕生まで使える洗濯機」
東京の足立区立郷土博物館で開催中の「昭和レトロ家電」展を見た。昭和30年代を彩った約150点が並ぶ。
宣伝コピーはいまの感覚ではやや誇大だろう。だが当時の家電業界の熱気をまっすぐに伝える。「勢いのある時代でした。いまなら『なんでこんな製品作ったんやろ』としか思えない商品も当時はどんどん開発されました」と収集した大阪府枚方市の増田さん。
テレビに手が届かない家庭向けの一見テレビ風ラジオ。トーストと目玉焼きとホットミルクが一度に調理できる一台3役コンロ。売れ行きは芳しくなかったようだが、大胆な発想が楽しい。
増田さんは運転手や車掌としてJR西日本に長く勤務した。庶民の暮らしが一変した昭和30年代に魅せられ、休日は雑貨市や古道具屋をめぐる。収集品が部屋を占め、窮屈な眠りで体調を崩したこともある。
会場を歩きながら筆者の思いはやはり昨今の家電業界へ向かう。
経営難のシャープは台湾企業の傘下に入った。不正会計の発覚した東芝は冷蔵庫など白物家電分野を中国企業に売却した。
それでも増田さんは家電王国の陰りを嘆いたりはしない。「むしろ会場を訪れる若い人にあの元気な時代から何かヒントをつかんでほしい」。洗米機、電気缶切り、双頭の扇風機。奇抜だが夢あふれる商品を次々に世に出した時代のエンジニアたちの活力を思い浮かべた。

 天声人語より
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ノーベル賞
いま見ているのは30光年先の星の輝き。
続くノーベル賞は過去の研究成果。
生来の明星のタネは足元にあるのか。

素粒子より
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顕微鏡の歴史は古い。理科の授業でおなじみの顕微鏡の原型は16世紀末、オランダの眼鏡師ヤンセン親子が発明した。
望遠鏡を逆からのぞいて偶然発見した。
「私はもともと顕微鏡が大好きで、何時間でも眺めていられます」。ノーベル医学生理学賞に輝いた東京工業大学の栄誉教授大隅良典さんの出発点はすべて顕微鏡観察だった。研究室に入る学生にも最初に顕微鏡を使わせる。「現象そのものを大切にする。自分の目で確かめる。生物学の王道だからです」。
今回の受賞理由も研究室でひとり酵母を顕微鏡で見ていた時の成果である。たくさんの小さな粒がピチピチはねている。まるで踊るかのよう。夢中になって何時間も観察を続け、それがオートファジー現象そのものだと気づいた。43歳だった。
四人きょうだいの末弟として福岡市に生まれた。体は弱かったが昆虫採集には熱中した。東京の大学に進んだ兄が帰省のたび、1冊ずつ本を買ってきてくれた。宇宙、進化、遺伝子。高校で化学部を選んだ。
いまの大学の研究環境には懸念を隠さない。大学に余裕がなく、学生たちが口をそろえて「人に役立つ研究をしたい」と自らを追い立てる。「研究成果が数年単位で薬になるという短絡的な考え方はしないでほしい」。
東大の講師から助教授として独立した際も、愛用の顕微鏡といっしょだった。<顕微鏡少年の夢らんらんと> 北野洋子。まさに顕微鏡を愛し、顕微鏡に愛された研究生活が実を結んだ。

 天声人語より
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ノーベル賞大隅さん受賞
誰も行かない裏道でみごとな花を見つけた。
パックマンのようなオートファジーに導かれ。
大隅さんの単独受賞。

素粒子より
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この夏の参院選で投票率が全国で最も低かったのは高知県である。
全国平均55%に対し、高知は46%どまり。注目された10代の投票率も全国で一番低い31%に終わった。
地元では「合区に意欲をそがれた」という嘆きをしきりに聞く。一票の格差を小さくするため選挙区が隣県徳島と高知で一つとされ、しかも候補を徳島出身者が占めた。
「ビリは何とも残念。合区さえなければこの結果はなかった。元来は政治意欲の高い土地です」。元県議で高知近代史研究会長の公文さんは話す。明治期の自由民権運動の歴史に詳しい。
その頃の熱気を伝える人物として公文さんがまず挙げるのは「民権ばあさん」こと楠瀬喜多。夫を亡くして戸主となった。「納税しているのに投票させないのはおかしい」と女性の参政を求めた。町の議会では認められたが、4年後に中央政府が覆す。死後70年がたち、地元に「婦人参政権発祥之地」の碑が建った。
もうひとりは自由民権思想の理論家として知られる植木枝盛である。17歳で政治に目覚め、19歳で「表現の自由の抑圧は人を猿にする」と政府を批判した。政府は表現の自由を嫌うことで、憲法は権力者を縛る道具であることを平易な言葉で説いた。「悪るき政府が世に在ると---民の自由を抑へ制け---議論を封じ口を閉ぢ」といった歌を残した。
喜多といい枝盛といい、卓見は時代を先取りしている。高知の先人たちが放っていたまばゆいほどの政治参加の光はどこへ去ったのだろう。

 天声人語より
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景況感2期連続横ばい
9月の短観は代表的な指標の大企業・製造業のDIがプラス6で、前回6月の調査から横ばいだった。
横ばいは2四半期連続。
円高による収益悪化で伸び悩んだ。
先行きの見通しは横ばい。

 紙面より
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築地から豊洲市場への移転理由を説明するため、東京都がホームページに載せている資料が何とも痛々しい。
土壌汚染対策を示す地価の構造のイメージ図を「調査中」の文字で隠している。「疑問解消BOOK」とのタイトルだが、これでは「疑問噴出BOOK」だ。
ナゾの地下空間はなぜ生まれたのか。東京都による調査の結果が発表されたが、こちらも肝心の部分にもやがかかっている。盛り土でなく地下空間という方針は段階的にかたまり、「いつ誰が決めた」かは、はっきり分からないそうだ」
「空気」や「流れ」で進んでいったと小池知事は言う。責任をもって判断するのではなく、空気を読み、流れに身を任せるだけ。そんな役人が、巨大な都庁のあちこちにいるのかと心配になる。
疑問は東京五輪・パラリンピックの経費の見積もりにも及ぶ。組織委員会も含めた全体像を調べた都のチームは「社長も財務部長もいない状態」だと言い切った。責任者不在でいつのまにかコストがふくらみ、都民に請求書を回されてはたまらない。
劇場型といえばこれほどの劇場型はない。閉鎖的で無責任な行政の闇に、ヒロインが切り込む。安手の芝居を見せられているような気がしなくもないが、もう少し見守ることにしようか。闇は深そうなので。
あのとき意見を言っておけばよかったと後悔している都職員もいるかもしれない。自分を殺して空気を読むことで、組織が深く傷つき信頼が損なわれる。他人事ではない話だ。

 天声人語より
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理想的な健康長寿の姿、それに近づくための心の持ち方
まず「健康」という言葉そのものについて考えます。「健」の字には、建物の「健」が含まれます。地震で倒れない、しっかりした建物を建てるように、「人間の体を健やかに保つにも、強い土台が必要だ」と解釈できそうです。
次に「康」というと、260年続いた江戸幕府の礎を築いた、徳川家康の名が思い浮かびます。「啼くまで待とうホトトギス」と詠んだ、という逸話があるほど、家康は気長で心に余裕のある人物だったと言われています。漢和辞典を調べると、康には「すこやか」「やすらか」といった意味があるようです。健やかに、安らかに。気長に、余裕を持って。そんな心の持ち方が長生きのコツでしょうか。「人生50年」と言われた時代、家康は70年以上、生きたことが分かっています。
では、長生きしたら、毎日をどう楽しむか。「今までやったことがないことをやってみる」。それに尽きます。挑戦するかしないか、迷う前に、「新しいことに挑戦する毎日」を習慣化してしまえばいいのです。

 あるがまゝ行くより---日野原重明
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「超法規的殺人」とは、いかにもまがまがしい言葉だ。
フィリピンで、麻薬の使用や密売を疑われた人たちが裁判にかけられることなく死んでいる。「麻薬犯罪者は殺せ」と公言するドゥテルテ大統領が6月末に就任した後、すでに1千を超える人たちが警察官に殺された。
警察が麻薬への関与が疑われる住民のリストをつくり、対象者を訪問している。警察官は、命に関わるような抵抗にあった場合には攻撃できるとされるが、それにしても犠牲者が多すぎる。
幼い子供が巻き込まれたり、遺族が無実だと訴えたりする事件も起きている。麻薬関係者の抗争による殺害も相次いでいる。取り締まりを恐れた口封じなどとみられ、こちらの犠牲者も2千人を上回った。
命を奪われるよりはましということだろう。自首する人が増えて、刑務所がパンク状態だという。3㍍四方の房に、約50人が詰め込まれている----。米タイム紙は最近の記事で、マニラの刑務所の様子をそう書いた。
「10人の真犯人を逃がすとも、1人の無辜を罰するなかれ」という言葉がある。冤罪の可能性を無視するかのような作戦なのに、フィリピン国内での批判はそれほど強くないようだ。深刻な麻薬汚染を食い止めるためとはいえ、むき出しの暴力を許す社会でいいのか。
ドゥテルテ氏は10月下旬に日本を訪れ、安倍首相と会談する予定という。相手国の暴挙が明らかなときに、ビジネスや安全保障の話などができるのだろうか。

 天声人語より
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大豆は乳がんのリスクを下げる
大豆には女性ホルモンのエストロゲンと似た構造を持つ植物性エストロゲン
の「大豆イソフラボン」が含まれることはよく知られている。乳がんの発症
には体内のエストロゲンが関係していると言われ、イソフラボンはこのエス
トロゲンが作用するのを抑えると期待されている。
厚労省の研究班によると40~59歳の女性2万1852人を対象に、大豆製品を食
べる量と乳がんの発生率を追跡調査した。みそ汁を飲む量が1日1杯以下の人
が乳がんになるリスクを1とすると、3杯以上飲む人の危険性は4割低かった。
大豆製品から換算した大豆イソフラボンの摂取量を比べても、摂取量が多い
人ほど乳がんの発生率は低かった。
一方、食品安全委員会が06年、大豆イソフラボンの過剰摂取はホルモンバラ
ンスを崩す恐れがあるとして、特定保健用食品として1日に取る量を「30㍉
グラムまで」とした。
栄養補助食品でイソフラボンだけを大量に取るのは勧められないが、大豆製
品を日常的に食べることは問題ない。

 食の健康学より----宮島裕美
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夏目漱石の留学先であるロンドンで、彼の足跡を伝えてきた漱石記念館が閉館した。
その報にふれ、漱石の当地のことを書いたものを読み返すと、曇天や悪天を記したくだりが時折ある。「空は灰汁桶を掻き交ぜた様な色をして低く塔の上に垂れ懸つて居る」
街の名所のロンドン塔で、灰をまぜた水のようにどんよりした空を見たのだろう。日記には「悪い天気で雪が降っている。当地のものは天気を気にかけない」とある。漱石は心の調子を崩した時期があった。日照の足りない土地柄もいくらか影響したのだろうか。
冬でもなくロンドンでもないが、お日様が遠い9月である。気象庁によると、東日本と西日本で中旬以降の日照時間が平年の半分以下だった。東京は梅雨を思わせる空模様が続く。日差しが恋しい。
秋から冬にかけての日照不足で気分が落ち込む「季節性感情障害」という病がある。脳の神経伝達物質がうまく働かなくなり、朝起きるのがとてもつらくなるなどの症状がある。甘くみとはいけないようだ。
近所のコインランドリーでは乾燥機がフル回転で、順番待ちになっていた。天候不順により各地で野菜が高騰している。運動会向けの青空はいつ姿を見せてくれるのか。
ロンドンでの漱石は大学の聴講を途中でやめ、英書を買い込んで読書に没頭した。
「この機を利用して一冊も余計に読み終らん」との姿勢だった。読書の秋。落ち着いて本を読むチャンスと思えば、悪天のうらめしさも少しは紛れるか。

 天声人語より
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