社会保障の将来。政治の役割は何か
社会保障を立て直す。そのために必要な財源を確保する。一体改革で示した対策は国民への「約束」であり、いずれも喫緊の課題ではなかったのか。
約束をなし崩しにしているのは、自民党だけでない。一体改革をともにまとめた公明党や民進党も消費増税の延期に賛成し、安定した財源のめどがないままもっぱら充実策を言っている。
選挙では充実ばかり唱え、終わった途端に負担増や給付減を言い出すのか。そんなやり方は、政治や社会保障への国民の不信を強めるだけだ。
精度のほころびを繕い新たなニーズに対応する。全体の費用はできるだけ抑えていく。これをどう両立させるのか。
経済的に余裕のある人には、高齢者であっても負担を求める流れは加速するだろう。だが、それにも限界はある。これ以上の給付の抑制・削減が難しければ、国民全体でさらなる負担増も考えねばならない。
既存の制度をどう見直し、限りある財源をどこに振り向けるのか。必要な財源をどうやって確保していくのか。選択肢を示し、合意を作っていくことは、まさに政治の責任だ。
税・社会保障の一体改革は、与野党の枠を超えて「給付」と「負担」の全体像を示し、国民の理解を得ようとする「覚悟」だったはずだ。
だが、参院選に臨む3党の姿勢は一体改革の土台を自ら掘り崩すかのような惨状である。
このままずるずると「一体改革前」へと後戻りしていくのか、それとも踏ん張るのか。3党の責任はとりわけ重い。

 社説より