融資の被害者へ償いを
米国のサブライムローン危機も、住宅ローン借り手の資力を無視した銀行の
過剰融資が原因だった。米政府は貸手責任を追及する一方、銀行への資金の
支援と並行してローン債務者の救済と金融の規制強化に乗り出した。
日本では、信用秩序の維持が強調され、銀行は公的資金で救われた。みずほ
グループは、公的資金の返済を終え、旧経営者への退職金を支払うことを決
めた。一方で、推定100万人と言われる提案融資の「被害者」は置き去りにさ
れた。第一勧銀の別の支店長だった作家の江上剛さんは「銀行が本当に反省
しているなら、迷惑をかけたお客様への償いをすべきです」。
利用者保護をうたう金融商品取引法はできたが、銀行の融資業務などは対象
外だ。貸手責任は明示されず、金融消費者の権利はいまだ夜明け前である。

 補助線より---山田厚史