日本市場の留意点は?
一つは、為替リスク。ここ数年為替は内外金利差を背景に安定的に円安が進
んでいた。このため、ほとんど為替リスクを意識することもなく、個人マネ
ーは外貨資産への投資を積極的に拡大してきた。
しかし、今年になって2月末と7、8月、そして10月の半ばと、たびたびヘッ
ジファンドなどによる円借り取引の巻き戻しによって、円が全面高となる状
況が見られるようになった。いずれも短期間の円高でその後は戻っいるが、
為替は大きく変動して、場合によっては損失を被るリスクを意識せねばなら
なくなっている。また、ドルはサブライム問題による市場の混乱もあって、
金利が一層低下しており、円に対しても下落傾向が強まってきた。外貨投資
にはこれまで以上にリスクを意識する必要がある。
いま一つは日本版債務担保証券のリスク評価だ。大手銀行が中小企業向け貸
し出しを証券化して、地方の金融機関などに販売した。ところが中小企業の
業績悪化でこれが配当停止となるなどして値崩れしているという。
米国のサブプライム問題と同様に、格付け機関がリスクを正当に評価したか
が問われる。
金融緩和の長期化でリスク認識が低下している面もあるが、一方で貸し出し
債権の流動化を見込んで審査が甘くなり、証券化商品の格付けが正当になさ
れないと、投資家に無用の不利益を与える。刺を隠したうまい話には要注意
だ。

 経済気象台より---千