山陰三日目
出発は朝早かった、
まだ日が昇る前、4時くらいか
鳥取の隣の駅と言う微妙に田舎な駅からなので
のんびり駅に向かった、

駅には音楽をやっていると思われる若者、二人が
俺より早く来ていた、
同じ電車に乗るのかと思ったら
どうやらそうではなかったようだ、
ただ単に寝る場所が無かったので
駅で過ごしていたらしい、
まぁ当然朝までは無人駅なので
改札なんかやってない、
勝手にホーム入ってベンチで待っていた、
しかし、ここのホーム一つじゃないので
どっちに電車が来るのかわからない、
なにせこっちの電車は必ず同じ方面の電車が同じホームに
入らないと言う東京では考えられないことが
平気で起こるので全く油断できない、

結局どっちの方面の電車も改札側のホームに来るようで
なんてことはなく乗れたんだけど
誰も検札になんか来ないから
18切符のスタンプはこの電車を降りた後駅で押してもらうことになった、

この日朝からわざわざ早い時間に出たのは
相変わらずのローカル線で
出雲市に出るのには朝早くが都合が良かったからだった、

結局夏休みなのに朝の時間には学生がやたらと乗ってきて
普通に混んでる電車にうんざりしたが
なんとか出雲市まで到着、
山陰本線はこの先も下関まで続くんだろうが
俺にとってはなんとなくこの出雲市が終着な感じだった、

駅を降りてバス乗り場へ
さすがにこの日はだらだらはしなかったが
それでも普通にバスは行った後で
30分は待ったな、

出雲大社まではバスか一畑電鉄で行けるんだけど
何故かみんなバスを選択するから俺もそうした、

30分もバスに揺られると出雲大社の正門前に着く

でっかい社をくぐりぬけて本殿へ
真っ直ぐに伸びる道を歩いて
見えてきたテレビとかでよく見る
でっかい綱が祭られている本殿なんだけど
よく見ると仮って書いてある、
しかも真っ直ぐに伸びてきた道とは若干オフセットして建ってる

よくよく見てみるとこの仮本殿の裏に
かなり古めの社殿が見える、
こちらが昔の本殿だったのかもしれない、

とにかく、ここの神社が他と違うのは
参拝する人の客層かな、
普通こういうところだと
京都なら外人さん、修学旅行客、お年寄り、とかが
多いんだろうが
妙に女性のグループや女性の一人の人、
家族でも娘さんがいるグループが数多く見られた、

まぁご利益が縁結びってところが
主な原因なんだろうが

それと今になって思えば
こっちのほうってほとんど学生の旅行客がいないんだな、
まぁ夏休みっていう時期も影響してると思うが
ツアー客もそれほどいなかったような気がする、

ここの参拝を終えて
一区切りついた、
これ以上西へ進むことはないので後は帰りの行程ということになるんだけど
俺はもう相当疲れていたかもね、

バスには急いで向かわないで
正門のそばのお土産屋の二階で出雲そばを食べることにした、
本当ならもう少し美味そうなそば屋で食べるべきなんだろうが
時間もまだ午前中ってこともあって
店はあんまり開いていなかった、
割子そば、でこっちの方ではこういう形で
出てくるのが普通らしいが
丸い器に蕎麦が盛られていて
その上にもみじおろし、海苔、こっちでよく使う緑のねぎが
乗っていて、
蕎麦湯が入ってるような入れ物につゆが入れられて
持ってこられる、
で、つゆを入れ物のそばに直にかけて食べると言うスタイル、

この店のそばは少しボソボソしていたかな
不味くはないけど
たぶんつなぎの少ない十割りに近いそばだったと思う、

バスで駅に戻るとこれも調べておいた
駅前の温泉へ向かった、

ここの温泉は駅のすぐそばなんだけど
綺麗で値段も普通の温泉施設並みでとてもよかった、
温泉自体は色のある鉄色の湯だったから
函館の谷地頭と似た泉質だろう、
タオルを浸けてしまうと全部茶色くなるという感じ、

俺なりにはゆっくりしたつもりだけど
そんなにゆっくりもしていないかな、
で、電車にまた乗り
松江に戻った、
松江では松江城くらいしか考えていなかったので
とりあえず外に出て
バス乗り場を見てみる、
県庁のそばに城があるみたいだったので
とりあえずそちらへ向かった、

昼ごろには
だいぶ天気も良くなり結構暑くなった、
松江の街は西に宍道湖があり
城下町ってこともあって
堀が運河のようになっていて
とても風情のあるいい街だった、

松江城もいつもの城めぐりと同じで
中には兜だの巻物だのと資料が飾ってあって
天守閣に登るというありきたりのものだけど
やっぱり天守閣からの眺めっていうのに
入場料を払っていると感じれるほど
涼しくて眺めはよかった、

ここではセット券で武家屋敷と小泉八雲記念館の券も
買っていたので見に行ったが
それほど記憶に残るものではなった、

で、市内循環の観光バスみたいなのに乗ってしまい、
駅まで結構時間がかかって着いた、
おかげで色々市内が見れて良かったと言えば良かったが

で、今日の宿泊地である米子へ向かいたかったんだけど
電車がまた無い、
時間つぶしも兼ねてまた蕎麦を食った、
まぁ蕎麦メインではなく
本当は宍道湖のシジミ汁が飲みたかった、
でもそれ専門でやってる店は駅のそばには
見かけない、
ので仕方なく蕎麦屋でってことにした、

でも、なんとなく入った店だったけど
味はかなり良かった、

ようやく電車が来て
米子へ戻ったけど
微妙な時間に着いてしまった、
米子自体はそんなに観光するところはなくて
ここからだと一時間弱電車に乗って
境港で水木しげるロードへ行くか
皆生温泉に行くかという
選択になりそうだった、
ただ、境港に行くには若干時間が足りないかなって
感じで
結果として皆生温泉に向かうことに

駅からはバスで20分くらいで
皆生温泉に着いた、
正直米子のことを調べるまで皆生温泉なんて
聞いたことはなかった
多分それほどメジャーな温泉じゃないんだろう、
充分な調べをしていかなかったので
どんな感じかさっぱりわからなかったんだけど
日帰りの入浴施設はほとんどなさそうだった、
ただ、旅館とかホテルが日帰り入浴をやってるみたいなので
バスの発着場所にあった
観光センターみたいなところのポスターを見て
近場の一軒に行ってみた、

まぁ正直あんまり人気の無い温泉街なのかもしれない、
はっきり言うとこれって言う売りが無い場所
なのかもしれない、
海岸が近いから
見に行こうと思ったんだけど
街を北へ向かうと
何故か道におじさんが必ず立っていて
よくよく看板を見ると全部ソープだった、

こんな時ある意味女性の方が
面倒じゃなく通り抜けられて良いような気がするのは
俺だけだろうか
二回くらい声をかけられて面倒になり
横にそれた、
正直ホイホイ付いて行ってもいいかな
なんて気も無くはないが
後々調べてみるとここの相場は結構高いらしく
この旅の資金がほとんどこれでひっくり返るくらいだったので
行かなくて正解だった、
まぁソープにしては普通なんだろうが
すすきのとか西川口に比べれば・・

というか
この時既に財布には数千円しかなかったから
行けなかったけどね、

で、おとなしくホテルの温泉に入って
すっきりして出ると
雨が降り出していた、
バス停に戻って米子へ戻ることに

時間はまだ少しあったが
結構疲れていたのでおとなしくネットカフェのある
街へと電車移動

まだネットカフェに入るには早い時間だったので
食事でもしようかと
ショッピングセンターの上の階を彷徨ったりした、
が結局
近くの中華屋に入る、

俺的にはこの頃既に出来上がっている状態で
触れるものが全て痛く感じるような
クタクタだったのかもしれない、

ネットカフェに入るとネットを検索することもなく
寝てしまった、
でもそれほどその睡眠も続かず
深夜になる頃には目が覚めた、