2002年08月の記事
2002 08/23 20:33
亡母(はは)の死を肯うごとく供花のラン一つづつ白きままに散りゆく
2002 08/22 23:02
息子(こ)が拳に打ち破りたる壁跡も直りて白き部屋のすがしさ
2002 08/21 21:18
濁り水の流れ激しき川べりの橋を越えつゝ身の冷えてきぬ
2002 08/20 21:24
畳上の死を諦めて逝かしめし亡母が着物を広げて泪す
2002 08/19 20:25
ことばもて傷つきやすくば沈黙の武器より哀れ暴言の惨
2002 08/19 20:24
雨つづく夜空の北雲たれこめて死者らが重く圧しつぶすもの
2002 08/18 23:04
亡き母の踊ることなし盆踊り月ある今夜は輪に加わりぬ
2002 08/16 21:57
亡きははのわが名呼びつつ用をさす声忘れかね部屋に佇む
2002 08/15 22:50
亡母のいまだ日浅く中陰に罪を問わるる悲しみの顕つ
2002 08/14 22:04
桔梗咲き白菊咲いて雨あがる盆のひなたに秋立つ気配
2002 08/13 22:53
子らの現実(いま)をよしと見届けたらちねの母は逝きしや一世紀を生き
2002 08/12 23:23
初七日の祖母の法要へ追福の祈りに吾娘(こ)は雨の中行く
2002 08/11 20:52
婚儀席に吾ら親子のきょうは居てひまなく過ぎ行く八月の日々
2002 08/10 23:20
倒れるは今だと冠婚葬祭の家にぎわいに娘(こ)は笑いつつ言う
2002 08/09 21:38
たらちねの母に育(おふ)してそれぞれに異る性の子となる不思議
2002 08/08 23:54
伐(か)りのこる太き根の洞八月の雨にぬれ照る老母(はは)の通夜の日
2002 08/07 21:00
ひたすらに棲家欲りせし母逝きて追わるる一生(ひとよ)を悲しむ雨の夜
2002 08/06 22:49
雨となる夜のつゞきて街灯にまつわる蛾すら飛ぶこともなし
2002 08/05 22:58
立葵の背高くなりて風にゆれ短き夏の終わり告げをり
2002 08/04 20:55
北国のすずしき風に大阪より帰省せし息子(こ)の眠り深かり
2002 08/03 22:24
ベランダに置く物なべて動かすとおもふ風吹く音ともないて
2002 08/02 23:28
一瞬の命のごとき輝きをいくつも開きて消えゆく花火
2002 08/01 21:32
朝よりむしあつかりしにクレーン車の音たち改修工事の始まる