2002年07月の記事
2002 07/31 23:34
みづからもエキストラめく錯覚に地下交差路の雑沓を行く
2002 07/30 22:48
朝夢の不思議に目覚めみじろがず夢のつづきへおもいめぐらす
2002 07/29 22:09
貪りてわがイレウスを思いなむ粥の飯粒を舌に惜しみて
2002 07/28 21:28
舗石(いし)いろに昏れゆく道を身の力衰え歩む、水を欲りつつ
2002 07/27 21:02
わがために為す飲食ごと絶食の三日目にして大ごとと知る
2002 07/26 21:02
痛む身に諦めのごとき花火音、独りしづかに聞きいる夏の夜
2002 07/25 19:20
腹痛で部屋にかがまり鎮痛剤ききくるまでの独りを怖るる
2002 07/24 20:27
夏の雨しばらくやみて足場組む鉄材音の聞こえくる窓
2002 07/23 21:23
苛立ちが蒸さるるごとき日の昼を捨てたきさまに宝くじ買う
2002 07/22 21:35
地の下を娘(こ)と歩きいる現実感なくて買い物楽しみてをり
2002 07/21 21:00
休日の病廊しづかに暮るるころ介護の足音をひそめて帰る
2002 07/20 23:00
朝いでて夕べに戻る一日のなべては老母の介護にかかわる
2002 07/19 21:50
ハート形の花火にどよめく見物の河原にあがる若きらの声
2002 07/18 23:56
暮れ方の雑草(あらくさ)道に蝶ひとつとぶ野幌の公園をゆく
2002 07/17 21:10
くたれ散る垣のつつじは雨の中蕊しろじろと花を脱ぎをり
2002 07/16 21:13
悲喜となす二極の精神(こころ)きょう覚ゆ。台風七号近づく夏日
2002 07/16 21:13
夕立の激しく降りて雨脚を窓より見つゝ気遠くありぬ
2002 07/14 18:39
子供など当てにするなと口すゆき老母が姉に尽くして惨たり
2002 07/13 20:52
真夏日の暑さとなりて西瓜を買い、初物笑みに種を飛ばせり
2002 07/12 21:55
老い母のもの言う口の動きをみれど声を出ださず身の衰えり
2002 07/11 21:16
口開けてひたすら眠る老い母の昼を雨ふる。雨だれ音す。
2002 07/10 21:08
病窓の五階に眺める曇り空、羽を傷めし鴉の飛びゆく
2002 07/09 22:13
茎だちて花影ゆるる立葵、ことしも夕べの道に咲きをり
2002 07/08 20:06
鳥あしに似し手ゆだねし老い母は拭くがままなり爪切るままなり
2002 07/07 21:41
朝(あした)より雨ふり濡るる七夕の夜の舗装路しずまりて見ゆ
2002 07/06 22:33
家に息子(こ)の居りて施錠をせぬ夜の部屋に風入れ夏を涼しむ
2002 07/05 22:17
腰曲がる農夫病者の老いおおく杖つき歩む姿わびしむ
2002 07/04 21:17
今年またハクウンボクの花かをり明るき空に暮れなずみをり
2002 07/03 23:17
気負うのち易く体調崩しゆく老いをさびしむ。動きをせばめ
2002 07/02 21:16
みずからを憐れむことも愚痴もなく惚けし老母は虚空に手を伸す
2002 07/01 22:16
真実とふ魂ひとつ、拾いたき。ひたすら疲れし身を憐れむ日