2002年03月の記事
2002 03/30 23:11
たらちねの老い母小さくなりし身をベットに沈め屈がまり眠る
2002 03/29 22:36
ゆき消えし公園の道たえまなく雲の過ぎゆくしたに広がる
2002 03/28 21:27
逝きしものの明るき笑顔の朝夢に驚き目覚むる。胸に手を置き
2002 03/27 21:53
雪解け水はげしく落ちる堰堤の橋を渡りて老い母を訪ふ
2002 03/26 23:36
ミシン掛けせし部屋のなか春の陽のさしくる午後は畳の温し
2002 03/25 23:54
しつけ糸使い捨てせず糸巻きにとり置く母の古びし針箱
2002 03/24 22:52
向かい風つめたく頬にあたりしが氷雨となりて雪に変われり
2002 03/23 19:49
くしゃみ待ち語尾をのばして楽しめり。誰も居らねば抑揚つけて
2002 03/22 23:27
一夜さに黄砂降りきて屋根のうえ窓の硝子に泥のつきをり
2002 03/21 21:21
雨ふりて風のとよもす一日(ひとひ)暮れすがしく舗道を照らす街灯
2002 03/20 21:11
日当たりの山のなだりにひときわの緑が雪間にみゆる連なり
2002 03/19 22:35
寺庭の木々に集まりゆうぐれの雀さわがし。一日を話すごと
2002 03/18 20:08
充電をせし自転車で日向道 選びゆく昼 彼岸入りの日
2002 03/17 22:49
雪のなき地には惑える白さなく段差の区切りも明らかに見ゆ
2002 03/16 23:04
北向きの日陰に雪の消えのこり冬靴重く乾きゆく舗装路
2002 03/15 23:33
たどきなき歩みに下げていくつもの荷を持つ老いを見やる寂しさ
2002 03/14 22:03
雨となり暮れゆく峠を人住まぬ山奥見つつバスにくだれり
2002 03/13 20:28
わが老母(はは)のベッドの足許腰掛けて吾れは居眠る。暖かき午後
2002 03/12 21:20
けさ降りし雪のあかるき舗道にてあゆめば鳩の歩むにも会う
2002 03/11 23:20
わがくちを用いののしる昨日(きぞ)を悔いつめたき水に漱げり朝
2002 03/10 18:36
遂の老い。虚しくなりて雪山に佇立する樺すら「でく」と罵る。
2002 03/09 23:13
きょうの食とりて足らうか若鴉唄うがに明るく梢に声あぐ
2002 03/08 19:42
子に恥じぬ親でありたく闘いしものの一つに屈辱感あり
2002 03/07 23:01
束ねいし髪ととのへて美容院を出づればさむき 夜となりいて
2002 03/06 19:29
地虫らが蠢きいるともおもわれず 啓蟄ひねもす粉雪のふる
2002 03/05 20:18
百歳の老母(はは)と並びて苺ショート食べつゝ現実(いま)の幸を思はん
2002 03/04 21:58
雛の夜の新雪をもて覆われし道の清しさ。音のしずまる
2002 03/03 17:53
寂寥という語を辞書に見いでいしわが十代よ。今にして淋し。
2002 03/02 19:50
横ざまに降るゆき飛ばし暮れなずむ豊平川をわたる風音
2002 03/01 23:14
職解かれる八百人の記事もありて三日つづきし晴れの崩るる