2001年09月の記事
2001 09/30 17:44
トロフイーを磨きつゝ、ふいと顕(た)ちてくる。手にせしときの 息子の笑顔
2001 09/29 23:38
すこやかに いまを眠れるわれの息子(こ)は からだ疲れて 大阪より来る
2001 09/28 23:36
マムシぐさ 赤き実塾れて 木漏れ日の 草陰にかゞやく 藻岩山
2001 09/27 21:28
日没の ひときわ明るむ山の際(ま)を 見つつ歩めり 公園の道
2001 09/26 21:20
老母の 哀しき訴なり。わかれきて泪こらえむ バス停に立ち
2001 09/25 20:15
銀杏樹の梢しずまる夕べ道。虫の音ついに 絶えにけらしも
2001 09/24 22:12
雲すらに 立ちもとまらぬ秋の空。陽は照りかげり、思いをうつす
2001 09/23 21:12
目をとぢて 風吹きゆする窓の音 聴きつゝ 秋の彼岸をさびしむ
2001 09/22 21:30
百三年ぶり 早き初霜きし夜の 月冴えにつゝ 冷え深まりぬ
2001 09/21 22:07
くろ雲の乱れに月の かき消へて かなしと想ふ こゝろ人恋ふ
2001 09/20 21:46
コスモスの 群れて咲きいる暮れ道を 吹きゆく 秋の風のさびしさ
2001 09/19 23:35
峰ごしに湧きて飛びくる 秋の雲 白銀いろに冴へてかゞやく
2001 09/18 20:59
昼ちかき 日ざし射しこむ畳部屋 本読むままに 寝そべりねむる
2001 09/17 21:36
争いてわかれしまゝの 人を思う。 灯ともる家の窓を見下ろし
2001 09/16 23:24
散ることの間近き葉より 秋の香の 匂いたちくる 狭庭の朝(あした)
2001 09/15 20:14
老い弱る身の首のべて「敬老日」催しものの踊りに見入る
2001 09/14 21:02
たらちねの母 百歳を超へしとは 見えぬと笑ふ 自が写真みて
2001 09/13 21:04
台風よ同時テロよと球形の地図を広げて一と日は過ぎぬ
2001 09/12 21:01
アメリカにテロ攻撃あり。わが家の柱時計の時鐘直る日
2001 09/11 21:27
たらちねの母百歳におわします。日本の一万五千人余の一人
2001 09/10 20:35
在るがまま 矢車草は一輪の 清しさに咲く。雨のベランダ
2001 09/09 19:02
あやまてば 幼子のごとひた怯ゆ。まさびしき老い 身にも迫れり
2001 09/08 23:02
ウオーターライト、きらめく闇に身じろがず 魅せられてあり。 秋の夜の更け
2001 09/07 20:37
身の痛む労働 八日つゞき終え 怒りの泪を 孤(ひと)りしてあり
2001 09/06 22:28
喘息の 咳きし泪し苦しみて 娘(こ)の居し部屋に 残る吸入器
2001 09/05 21:01
頬白く 泣くを堪えつゝ 遠き地に嫁ぐ娘(こ)の発つ。 秋の日の朝
2001 09/05 00:00
住む家を移る久しさよ。娘とともに立ち働きて荷造りをする
2001 09/03 22:45
まさびしく 秋のひと照り。 道ばたに 蟋蟀とび出て 草むらに消ゆ
2001 09/02 18:52
風さむく 日の照る公園 花びらの澄み透く花壇に 秋の深まる
2001 09/01 23:58
生活(くらし)よりいつしか失せぬ 焚き付けの木を燃す匂い かがよう夕べ