2001年09月の記事


笑顔
トロフイーを磨きつゝ、ふいと顕(た)ちてくる。手にせしときの 息子の笑顔
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からだ疲れて
すこやかに いまを眠れるわれの息子(こ)は からだ疲れて 大阪より来る
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藻岩山
マムシぐさ 赤き実塾れて 木漏れ日の 草陰にかゞやく 藻岩山
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日没
日没の ひときわ明るむ山の際(ま)を 見つつ歩めり 公園の道
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哀しき訴
老母の 哀しき訴なり。わかれきて泪こらえむ バス停に立ち
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虫の声
銀杏樹の梢しずまる夕べ道。虫の音ついに 絶えにけらしも
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秋の思い
雲すらに 立ちもとまらぬ秋の空。陽は照りかげり、思いをうつす
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目をとぢて
目をとぢて 風吹きゆする窓の音 聴きつゝ 秋の彼岸をさびしむ
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初霜
百三年ぶり 早き初霜きし夜の 月冴えにつゝ 冷え深まりぬ
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みだれ雲
くろ雲の乱れに月の かき消へて かなしと想ふ こゝろ人恋ふ
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コスモス
コスモスの 群れて咲きいる暮れ道を 吹きゆく 秋の風のさびしさ
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秋雲
峰ごしに湧きて飛びくる 秋の雲 白銀いろに冴へてかゞやく
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日ざし
昼ちかき 日ざし射しこむ畳部屋 本読むままに 寝そべりねむる 
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家の灯り
争いてわかれしまゝの 人を思う。 灯ともる家の窓を見下ろし
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秋の匂い
散ることの間近き葉より 秋の香の 匂いたちくる 狭庭の朝(あした)
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敬老の日
老い弱る身の首のべて「敬老日」催しものの踊りに見入る
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老母の笑い
たらちねの母 百歳を超へしとは 見えぬと笑ふ 自が写真みて
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球形地図
台風よ同時テロよと球形の地図を広げて一と日は過ぎぬ
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時鐘とテロ
アメリカにテロ攻撃あり。わが家の柱時計の時鐘直る日
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百歳の母
たらちねの母百歳におわします。日本の一万五千人余の一人
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在るがまま
在るがまま 矢車草は一輪の 清しさに咲く。雨のベランダ
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怯え
あやまてば 幼子のごとひた怯ゆ。まさびしき老い 身にも迫れり
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きらめく闇
ウオーターライト、きらめく闇に身じろがず 魅せられてあり。 秋の夜の更け
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怒りの泪
身の痛む労働 八日つゞき終え 怒りの泪を 孤(ひと)りしてあり
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吸入器
喘息の 咳きし泪し苦しみて 娘(こ)の居し部屋に 残る吸入器 
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嫁ぐ娘
頬白く 泣くを堪えつゝ 遠き地に嫁ぐ娘(こ)の発つ。 秋の日の朝
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引越し
住む家を移る久しさよ。娘とともに立ち働きて荷造りをする 
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蟋蟀
まさびしく 秋のひと照り。 道ばたに 蟋蟀とび出て 草むらに消ゆ
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透きとおる花
風さむく 日の照る公園 花びらの澄み透く花壇に 秋の深まる
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木を焼く匂い
生活(くらし)よりいつしか失せぬ 焚き付けの木を燃す匂い かがよう夕べ
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