2001年08月の記事
2001 08/31 20:55
遠ゆく娘(こ) 古文庫本を二百冊、六百円で買われて かなしむ
2001 08/30 23:31
風たちて 待宵草は花の黄を ゆらして咲けり 夕べ川原
2001 08/29 21:14
くもりつゝ明けゆく朝の 冷やかさ。 咲き終ふ花も 立ち枯れにけり
2001 08/28 21:32
親と子があらそふさびしさ。 云いつのり 沈黙(もだ)して 怒り 沁みて思ほゆ
2001 08/27 23:56
舗装路をしとどに濡らし ひねもすを しづかな雨の降りつヾきをり
2001 08/26 22:01
マラソンの ひた走るさま見つゝいて かがやく若さの 肉体(み)をともしみぬ
2001 08/25 23:56
秋に入りて 暑き日つヾく。 ミニトマト枝に房なし 赤く色づく
2001 08/24 23:07
老ひ母の 着物を虫干す。 追憶のわが沈黙に、 風とほり吹く
2001 08/23 22:54
虫の声 まれにするなり。ツメクサの枯れて広がる茶なる 川原
2001 08/22 22:54
住所録を書き換えにつゝ さびしめり。 世にある人の 少なくなりて
2001 08/21 21:40
雲荒れて 夕映ゆる空 たちまちに 台風近づき 光を失う
2001 08/20 23:41
本箱の 古き写本を捨てにつゝ 遊ばぬ時を 惜しむと思はむ
2001 08/19 21:17
日ねもすを 本もち運ぶ。本箱の位置を 変えむと みたび 動かし
2001 08/18 21:08
疑いを怖れぬ心 悔い多く 思へばあやまち多く さびしむ
2001 08/18 21:06
踊りびと 風と太鼓に手をゆらし 輪を広げゆく しまい盆の夜
2001 08/16 23:05
ひたすらに働く日なり。客ありて時のうつりを 覚えず過ごす
2001 08/15 23:39
車蜻蛉 袖に寄りきて 出迎えり。 かなしみ深き 墓地にたゝずむ
2001 08/14 23:14
盂蘭盆の 墓場のふる道 あゆむ日は 老いを深むる わが独りにて
2001 08/14 00:02
迎え火の 葉月の夜はひそとして 君を想えり 言うこともなく
2001 08/12 22:24
亡きものゝ盆日近づく。夕の空 明るく昏れて 夏夜は更けぬ
2001 08/11 21:45
しづかにて、あかるき心 保ちがたし。午後を書店で 立ち読み過ごす
2001 08/11 00:01
昼寝よりさめて明るき静けさに ものゝ音のみ聞き澄ましをり
2001 08/09 23:20
きのふより風吹きやまずヘリコプター飛ばず静まる空のもの音
2001 08/08 23:25
本読みてまどろむうつつ。歌占の頁を風のめくりゆくなり
2001 08/07 22:57
ベランダの矢車草の花を透き風吹きすぐる立秋の朝
2001 08/06 23:38
消えていく花火のはかなさ。絵に画きて 尚しはなやぐ、時を惜しめり
2001 08/05 13:48
息子(こ)が創るホームに 我の歌ひとつ いのちといえる 旅のすさびに 光子