2013年08月の記事


「廃墟に入る」
<<インド>>--アグラ--


人気の無い、ファテーブル・スィクリーの廃墟の中に入ろうとしている直前の光景。

赤砂岩一色のこの建物は、実際に王宮として使われていた頃は、どんな彩色が施されていたのであろうか。

考古学者の調査によると、当時は眩いばかりの彩色や装飾がなされていたのだという。

建設当時、ムガル帝国が勝利した事を記念して「勝利の都」を意味するファテーブル・スィクリーと名付けたこの都も、水の便が悪いために、僅か14年で使用するのをやめて廃墟となったのである。

世界中から選りすぐりの職人や技術者を集めて建設したこの都も、水が思うように供給出来ない事には勝てなかったようである。
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「裏庭」
<<インド>>--アグラ--


ファテーブル・スィクリーの外れにある裏庭に出た。

ずっと赤砂岩一色の廃墟から開放されて、緑が眩しい此処に出た時には、何故かほっとしたものである。

人気の無い、赤砂岩の廃墟の部屋をずっと巡っていると、この世から隔絶されたような、閉塞感に襲われるのである。

恐らく此処を訪れた、現地のインド人家族も同じような気持ちになったのであろう。

開放的な緑の裏庭に出て、思わず写真を撮りたくなったのに違いない。
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