のちの よに
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立原の文学的生涯の開花期は
せいぜい四年くらいだったのですが
その抒情は のちの時代の 若者達の間で
しばしば 奏でられたようです


小川和佑氏は 次のように 述べています


 《 ・・・

   それにしても、一九四〇年代前後、
   次は十年後の五十年前後、
   そして最近では七十年前後に、
   その詩集がより広汎な層の青年たちに
   浸透しているのは興味がある。

   最初は太平洋戦争開戦直前、
   二度目は血のメーデー事件前後、
   そして最近では学園闘争の渦中の時期と、
   いつも時代の転換期に青年たちに読み継がれることは、
   考えてみると
   いかにもそれがうなずけるような気がしないでもない。
   しかし、そういう青年たちも、
   青春が終わり全く生活の中に埋没していくと、
   立原道造の抒情詩は悉皆忘却されてしまう。
   そして、懐かしいが、思い出すさえ気恥ずかしいということが、
   かつての立原ファンのいつわりのない心情なのではあるまいか。
   あの「のちのおもひに」の十四行詩に自己の青春の影を見ることは、
   すっかり生活者になった読者には、
   どうも名状し難い感傷と困惑を覚えずにはいられないであろう。

   ・・・ 》 『立原道造 忘れがたみ』





まぁ 拙者の場合
いまだ 生活者として成立していないので
30年もまえに刊行された『立原道造 忘れがたみ』を
もちろん 立原の痕跡も 反芻しているわけですが ...

そうした 拙者が日常的に触れている断片を
記していこうといふのが 
quadrangle / spoonful... in the saucer です

またのお越しを お待ちしておりまする

紅茶... いただきます





♪. A SAUCERFUL OF SECRETS / PINK FLOYD




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