ニッポンの文学の感想・レビュー
ニッポンの文学の感想・レビュー(49)

Decoy
非常に面白くて分かりやすい、現代日本小説史。「文学」の定義が通常よりも広く、ミステリ、SF、ライトノベルに至るまで範疇としているが、これによって、より現実が正確に反映され、論旨に説得力が増している。「紛れもない個人史の試み」(あとがき)としても成功しているし、ブックガイドとしても有益。
ナイス! ★1 - コメント(0) - 2月28日



wave
村上春樹以降の小説の、ジャンルを越えた見取り図。何となくもやもやとしていたことなので、読んでよかった。ありがとうございました。あと本筋とは関係ないけれど、暗闇の中で子供はなんで文庫化されないんですかねぇ。僕も不思議に思ってました。
ナイス! ★3 - コメント(0) - 2月27日



しろちゃん
自分語りなんてあまりしたくはないのだけど、ぼくは悔しいともうれしいともなんともいえない気持ちになった。ぼくが大学で感じたこと考えたことの根本とまるっきり同じことが、佐々木敦によって記述されたからだ。純文学はジャンルのひとつ。そのとおりだと思う。本が好き、小説が好き。SFもミステリーも幻想も純文学も古典も詩歌も、みんな同じ位相で語りたいと思ってきたし、そうしてきた。だから、先にまとめられてくやしい。でも、80年代以降の文学の歴史入門としてとてもいい本だと思う。読書に対する意欲がとてもわく一冊だった。
ナイス! ★7 - コメント(0) - 2月26日



綾瀬恵理
知らない作者などが紹介されているし、作者も熱が入っていて良かった。歴史としてみると雑かもしれない。
ナイス! - コメント(0) - 2月25日



squarerose
目新しい発見はない。ただ、70年代末から現在までの文学シーンの情報整理にはなっている。「SF」や「ミステリ」が抱える「文学」へのルサンチマンはまだ消えてはいないだろう。しかし、今や「文学」はジャンル小説の一つとなった。正直、島国ニッポンの小説の「ジャンル分け」の話なんて、巨視的に見たらどーでもいい。というか「文学」なんてぶっ壊れてしまって構わないと私は思っている。「SF」も「ミステリ」も「ラノベ」も「文学」も、何もかもをシェイクしてカッコが外れた剥き出しの文学が読みたい。
ナイス! ★3 - コメント(0) - 2月25日



sanosano
著者と同年代ということで、80年代以降の話は、自分の読書体験と相当重なってた。文学というカテゴライズについての思索を試みているけど、そこはあんまり気にしないで、70年代以降の小説を巡るトピックとしてとらえれば、とても面白かったです。
ナイス! ★6 - コメント(0) - 2月24日



巨峰
面白かった。いわゆる「(純)文学」を「本格ミステリ」「SF小説」といったニッチだけど熱狂的なファンがいる大きな文学の一分野のひとつと定義。上も下もない。きっと質がいい小説か否かだと。70年代のW村上のデビューの頃からはじまる、ニッポンの文学の通史としても読める。この新書を読んで新しい作家に手を出そうとは思わないけど(読むものくらいは自分の感性で決めたいから)でも、面白い内容でした。
ナイス! ★50 - コメント(0) - 2月22日



阿部義彦
良い本です。前作ニッポンの音楽では各年代を代表するグループ(70年はっぴいえんど、80年YMO等)で、今回はそれが不可能なので総論でなく各論で重要な作家達を少しづつ各論の積み重ねで紹介。橋本治、笙野頼子、尾辻克彦(赤瀬川原平)、高橋源一郎、筒井康隆、島田雅彦、吉本ばなな、京極夏彦、阿部和重、町田康、綿谷りさ、舞城王太郎、西尾維新、伊藤計劃、保坂和志、新本格からSFラノベまでをこの一冊です見事に縦断それぞれの考察はスペースの都合で深くはないけど十分な資料にはなります。読みたい本増えますよー。(^O^)
ナイス! ★17 - コメント(0) - 2月22日



たまさか
小説には「(純)文学」とそうではないものがあるという「決まり事」を逆手に取るように、「(純)文学」を「ジャンル小説」と定義した上で、その他の「ジャンル小説」(本格ミステリとSF、ラノベ)との関係を1970年代以降の日本を対象に考察した1冊。正直、考察としては全然物足りないのですが、とにかく著者による各著作の紹介がとても魅力的で、片っ端から読みたくなります。ジャンルなんて関係なく面白い小説が読みたい!という方(そういう方、沢山いますよね)へのブックガイドとしてオススメです。
ナイス! ★6 - コメント(0) - 2月21日



ウェイランド
文学と呼ばれるものと文学以外に見做されるものを同じ様に扱うことを目的とした文学史の本。そのため芥川賞から村上春樹、ミステリにSF、そしてメフィスト賞からラノベまで横並びで語られている。特にミステリとメフィスト賞出身の作家に頁が割かれていて面白かった。
ナイス! ★4 - コメント(0) - 2月21日



hasegawa noboru
芥川賞経由のいわゆる「(純)文学」作家作品と、SF、ミステリ、ラノベ(ライトノベル)作家までを同列に並べて論じているところが、すごい。頭が古いからか、とてもそこまで読めないわ。80年代から10年単位で今に至る現代文学史地図が鮮明に浮上する。日本語で書く英語作家が村上春樹だとか、同じ70年代体験を根にもって書き始めた高橋源一郎の新しさとか、90年代の保坂和志、阿部和重など位置づけ等々、共感納得。校正ミス一つ見つけた、阿部和重『シンセミア』「百六十枚の超大作」はないよね。
ナイス! ★3 - コメント(0) - 2月21日



mori-ful
村上春樹と片岡義男、田中小実昌を並べて論じた章と、眉村卓と黒井千次の同時代性を指摘した部分が面白かった。が、通読して個人的にはモヤモヤしたものが残った感じ。
ナイス! - コメント(0) - 2月20日



てっちゃん
「純文学」がひとつのジャンルだというのは納得。そして、それを相対化する目線は実にあざやかだと思う。大変面白い論考だ。自分ももっと他のジャンルの小説を読みたくなった。
ナイス! ★2 - コメント(0) - 2月19日



urot e
制度としての「ニッポンの文学」史。「文学」なるものの絶えざる相対化。
ナイス! - コメント(0) - 2月19日



72ki
93pから95pにかけて、80年代のベストセラー本の書名がズラリと並んでいるが、ほぼリアルタイムで読んでいることに(ばなな除く、エモヤン含む)、ちょっと驚いた。本の時代だったんだなあ。 「思想」、「音楽」に比べれば取り上げられている名前は多いのだが、それでも、やはり、書かれていない/触れられていない名前の存在が「隠し味」になっている感じは共通してる。
ナイス! ★1 - コメント(0) - 2月19日



taguchiness
良い本だと思います。こういった本の全て、必ずどこか偏りがあると思いますが、この人は人間らしい誠実さで向き合う人だと思う。
ナイス! ★1 - コメント(0) - 2月19日