「緑の水玉」
草の上の朝露ひとつ
今日もよい日と
ふるえてる

川辺の苔の水だまり
緑を映して 吐息する
流れに乗れず ムネンかい

少女のさした傘の滴り
傘の緑が映ってる
ぷるうんと震えて
地面に散った

父の着ていた 緑のセーター
肩の上の雨しずく
父の笑顔に重なった

猫のヒゲの水滴に
緑の庭木が映ってる
にゃああんと鳴いて
まあるくなった

2015年2月15日(日)
アーツ前橋にて朗読
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日記名 : 星屑工房

「源流」
圧縮された記憶を
解凍するかのように
霧が山肌をけずってゆく

雨音がステップを踏む

ぬれまいと走る
ザクザクジャリジャリと
へたなタップダンス

大木に軒を借り
谷を見下ろす

雨が沢の流れと
軽やかにスィング

とつぜんのスポットライト

虹がジャンプした

2015年2月15日(日)
アーツ前橋にて朗読
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日記名 : 星屑工房

「早苗」
畦草の挟み千切りて田植え足袋
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日記名 : 星屑工房

「夜明け」
美しい影を作って
ヘッドライトが
角をまがってゆく
闇から這い上がってきた
漂う雲は冬の朝を縁取る
乾ききった風は
光をさらに研ぎ
清清しさを誇示するのだ
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日記名 : 星屑工房

「冬の朝」
荒霜の
影の形に
溶け残り
冬の日差しの
やわらかき朝
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日記名 : 星屑工房

「小春日和雪解け日和」
春まだ遠き如月
めずらしく暖かい昼下がり
durarattatan
durarattatan
トタン屋根の上を雪が流れ
落ちる
durarattatan
durarattatan
それは忘れていた匂いを
思い出すように
耳の奥に届いた
durarattatan
durarattatan
小春日和の雪は
目に突き刺さる
銀の刃
durarattatan
dorarattatan
弾むリズムは
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日記名 : 星屑工房

「流星群」
秋声に
そそのかされて
流る星
はしゃぐ子らの
輝きに似る
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日記名 : 星屑工房

「夜明け」
暗闇をひき裂いて
夜が明ける
灼熱の悲しみを
空に描いて
日はまた沈む

再びの夜明けを
息絶えた魂は
見上げたか

吾は問う
吾は思う
この夜明けに
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日記名 : 星屑工房

「残暑」
家(や)の中に
われひとりおり
蝉の声
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日記名 : 星屑工房

「日蝕」
滲む色の半夏生
似た形して
日が欠ける
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日記名 : 星屑工房

「蟷螂」
菜園の番犬
常に構えのポーズ
秋には一人前になってるね
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日記名 : 星屑工房

「残暑」
蝉の鳴き声と虫の音が交差する夕べ
日の落ちる時刻も早まり
人は足早に帰途につく
夏は名残惜しげに帰途につく
夏はいったい
どこに帰っていくのだろう
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日記名 : 星屑工房

「雨」
住宅街の脇道を走りぬける
雨が先を急ぐように降りだして
雨滴が視界を蔽う
飢えていた畑は活気づき
日陰にいた犬猫が這い出してくる
雨は瞬く間に空っぽだったバケツを満杯にし
雨樋の先は小川になる
カラスの羽はさらに黒さを増し
木々の緑は本来の色を取り戻す
雨音が風に舞い終演に向かう昼前
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日記名 : 星屑工房

「桜樹」
さくらちりぬる
はなびらうけとめ
ときのうつろい
たしかめる

はなぐもりの
そらはかなしく
おわったじかんを
ふりかえる

100年まえの
かわらぬいのち
そこにあるのは
かさなる時間

はなびらちらす
かぜはどこから
しっているのは
桜の樹
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日記名 : 星屑工房

「三寒四温」
サンカンシオン
と春がやってくる

サンカンシオン
と歌いながら

サンカンシオン
と奏でながら

サンカンシオン
は春の音
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日記名 : 星屑工房

「雪」
会話の
途切れを
埋めるように


重ねあう
言の葉に
白の息吹
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日記名 : 星屑工房

「春宴」
ロウバイの
薫り乱舞して
春の宴
風煌びやかに
この世を問う
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日記名 : 星屑工房

「凍てつく朝に見たものは」
気化した水蒸気が
再び結晶する
朝の光を閉じこめたように
ほほえむのは
美の女神の仕業か
時間と時間の狭間に
未来を見たような気さえ
する
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日記名 : 星屑工房

「寒波」
最低気温零下5度
窓ガラスが凍りつき
温風ヒーターは
うなりっぱなし
夕べの夢は
温暖化防止策の検討会
あったかいほうがいいんじゃないですか
ばかげた質問だが
夢の中ならなんでもいい
凍てついた日が昇る朝
開けた窓の外には
ちりちりと
庭の砂利を持ち上げた
霜柱が溶け出す音が聞こえる
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日記名 : 星屑工房

「しだれ雲」
雲が下界を見ている
気になるように
触手を伸ばして
闇を掴む
誰かを探しているように
雲が降りてくる
見つからないように
そっと
鍵をかけ
カーテンを閉ざす
光を遮る雲のように
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日記名 : 星屑工房