「救出」
我れ

祈らば
祈り
祈る
祈れよ
祈ろう

五段活用の日常で

地下壕から救えよ
テロの闇の壕から救えよ
不治の病の壕から救えよ

救いたまえ
救う
救えない
救おう

五段活用は欠陥があって
祈りには及ばない
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日記名 : 星屑工房

「総選挙」
夏がさんざんちらかしたあとに
ひっそりと秋がころがっている
今年何度目かの台風が
近づいているというのに
メディアは熱気を帯びて
政権交代を叫んでいる
夏は、夏の振る舞いもせずに行った
秋は、どんな顔をみせてくれるのだろうか
とりあえず
今夜の台風が去ったあとを考えよう
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日記名 : 星屑工房

「物流」
工場で生産され
田畑で収穫され
消費地へ運ばれ
町々の人の住処へ
手紙のように
運ばれていく
代わりに
紙幣が、貨幣が
伝票が
人々の手を経て
また人の手に届く
流れが
暮らしを豊かにしていくように
人々の思いを重ねていく
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日記名 : 星屑工房

「世情」
不安というウィルスが蔓延し
地に伏し
泣き叫ぶ民の前に
安寧と言う名のワクチンと
清潔な寝床をつくり
与えてくれる医者はおらぬのか

絶望という悪魔が徘徊し
恐れおののき
震える子らの前に
希望と言う名の槍を持ち
安定という盾を手にする
ヒーローはおらぬのか

わめきたて
がなりたて
嘲笑し
自嘲し
挙句の果ては
自国を貶める

腐敗と言う名の病原菌は
いつの世も、ひそかに
蔓延る機会を狙っている
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日記名 : 星屑工房

「比較」
死刑囚の命の重さと
脳性麻痺の寝たきりの少女の命と
比べても
よいのか

崖に取り残された犬の命の重さと
海原に投げ出されて沈んだ命を
秤にかけたほうが
よいのか

諦めようとしても
諦めきれずに
ひとは
迷う 惑う

自分の命と
他人の命の重さを
比べてみるには
どんな秤が必要なのだろうか
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日記名 : 星屑工房

「瓦礫」
恐怖を網膜に焼き付けたまま
途絶えた命は
安らかな来世を迎えることが
できるのだろうか
轟音と煙の臭いに
命途絶える瞬間が
拘束されてしまう
望んだことではないはずなのだ
それが
天にもたらされたものならば
天を怨むこともありとしよう
人によってもたらされたものならば
恨むとて、その仇は討てど
くり返されるばかり

瓦礫は、瓦礫を産むばかり
災禍は災禍を生むばかり
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日記名 : 星屑工房

「春眠」
のふのふと眠気が覆い被さって
春を感じる
ひょりひょりと風が少し
冷たいようだ
日差しはこんなに
歌っているのに

睡魔の隙間から
ちらりとのぞく
不安と猜疑心に
楔を打って

のふのふと襲いかかる
眠気と競争する
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日記名 : 星屑工房

「亜米利加」
油絵の表面を
水彩絵の具で
塗りかえようとする
亜米利加

弾き返され
ままならぬ
まだら模様を描く

水墨画の上には
極彩色が滲んだ

亜米利加の色は
アーミー模様
混沌と擬態の
二重映し
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日記名 : 星屑工房

「ただこの空に」
ただこの空に
問うてみるのは
轟音にひき裂かれた
自由と尊厳の
行く先を
この空に
炸裂する爆音は
何の兆候なのだと
答え
返らずとも
問うてみる

ただこの空に下に
安寧と暮らす
一井の民として
訊ねてみる
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日記名 : 星屑工房

「この季節の変わり目に思いは変換する」
気温の寒暖に
血圧は高低し
気分は浮き沈み
過去日記を読んで
また昨年と
同じ状況だなと
苦笑
Enterをタッチダウンしたところで
思惑どおりの変換は
得られそうもない
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日記名 : 星屑工房

「手慰みに」
コトバ綴る
想いを言葉にできぬ
煩わしさを打ち消すように
コトバ綴る
我れは未熟な語り部
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日記名 : 星屑工房

「うた」
うたをきく
うたをうたう
いつも
だれかがそばに いる
あなたが そばにいるから
わたしも あなたの
となりにいる
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日記名 : 星屑工房

「悪徳」
赤を滲ませた黒は
だれにもわからない
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日記名 : 星屑工房

「華」
凛として
立つ
翳を欲して
呑み込む
眼差しは
先を見届ける
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日記名 : 星屑工房

「崩壊」
残骸が目の前にある
これが
立ちはだかっていたのは
つい昨日のこと
残骸を乗りこえて
見えるのは
絶望か 希望か
崩れていくものを
何者が止めることができたろう
絶望が縋りつき
希望が諦める
崩れていくものを
誰が再び
礎とするのだろう
entry from
日記名 : 星屑工房

「階段を上るには」
階段を上るには
一階から上る
1段目から上る

かけた足に力を入れる
右足

上り続けたら
何階にたどりつけるのだろう

考えたことなかったのか
足は
左足に力を入れる
それから 右
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日記名 : 星屑工房

「歩み遅かれしとも」
歩み遅かれしとも
その先にあるものを
いとおしむ

歩み遅かれしとも
この大地に
立つ

歩み遅かれしとも
わが天空は
蒼のままにある
entry from
日記名 : 星屑工房

「破壊」
砂の城を壊すのは
いとも簡単なように
嘘で固められた壁は
自らの重みで
崩れる

堆く積まれた
瓦礫は
希望を埋めるのか

あるいは
均された大地を
見出す事ができるのか

破壊する者は
何を破壊するのだろうか
entry from
日記名 : 星屑工房

「不毛」
乾ききった大地に
芽はあらず
まく種は尽き
飢餓はおさまらず
人類は
泣く事すら
忘れる
entry from
日記名 : 星屑工房

「無言」
届いた手紙には
空白があるばかり
花の色香も賑わいも
あたりまえのように
そこにあるのに
あなたの
影だけがない
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日記名 : 星屑工房