「ピクニック」
知識という名のパンに
経験という名の具をはさんで
サンドウィッチ作って
さあ,どこに行こうか
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日記名 : 星屑工房

「かぼちゃ」
真夏の昼下がり
カボチャをふたつに割り
種をかき出す

壕の中の人間の屍のように
それらは折り重なって
片隅にかたまって ある

真夏の暑い過去を透視して
祈りを煮詰めることにする
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日記名 : 星屑工房

「負けないぞ」
雨風が日常なら
地震も日常だぞ

日常を覆すような
人災が起きた

原発被害は
日常じゃない

それでも
負けるな
日本人

この地で生きる
後はない
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日記名 : 星屑工房

「黒猫」
つややかな毛色を
のの字に眠る
わが膝の上
あたたかき命
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日記名 : 星屑工房

「初夢」
夢を見たよ
どんな夢だったのかも思い出せないけれど
暖かく
ゆったりと
漂うような
夢だったと思う

たぶん
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日記名 : 星屑工房

「梅雨入り」
雨粒が
痛点に落つ
哀しき朝
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日記名 : 星屑工房

「乾燥期」
天国のようなこの世なら
地獄はどこにあるのだろう

地獄のようなこの世なら
天国はどこにあるのだろう

乾いた世界は埃まみれで
境目のない地表を作る

雨の降る場所は
天国か地獄かどちらだろう
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日記名 : 星屑工房

「朝日をみそこねた朝に一日は始まる」
遅い夜明けだと言うのに
日の出の時間を忘れていた
気がついたときには
空は明け渡っていて
すずめがさえずり
新しい年の明けを唱和している

ゆっくりと
寝床から起きて
新しい朝の空気をすう

昨日と今日は違うんだ
自分に言い聞かせて
パジャマを脱ぎ捨てる

顔を洗う

鏡を見て
自分の顔に責任を持てるのか
自分に問う

そんなことにお構いなしに
お日様は高く
あくびした目にはまぶしい
そんな...[続きを読む]
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日記名 : 星屑工房

「生きよ」
生きよ生きよと
鳥が鳴く
生きよ生きよと
風が吹く

同心円の中心に
生きると書いて
雨が降る

生きよ生きよと
猫が鳴く
生きよ生きよと
花が散る

等角線の向こう側
生きよ生きよと
往く魂

生きよ生きよと
残された我
生きよ生きよと
耳に刻む
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日記名 : 星屑工房

「るすいるす」
だあれもいない
おうちのなかに
ぽつんとネコちゃん
おるすばん

あしおとしのばせ
かくれんぼ
だれかをさがして
のぞきこむ

だあれもいない
おうちのなかに
いっぴきぽっちで
おるすばん

どうろぼうきたら
ひっかいて
おばけがきたら
いっしょにあそぼう

だあれもいない
おうちのなかに
ネコちゃんいっぴき
おるすばん
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日記名 : 星屑工房

「雨」
青灰色の雲
単調なリズムの雨音
走リ抜ける轍
水はね

電線に止まったままの
濡れた鳶
青灰色の空
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日記名 : 星屑工房

「春こぼれる」
一足踏み出すごとに
風が頬打つ
春だよ 目覚めよと
眠気まなこの怠け者の
先を切って
ばしっと 打って立つ
その指先の隙間から
春の光が こぼれ落つ
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日記名 : 星屑工房

「乱舞」
人びとが咲き乱れる
言語が交差する
肉体が躍動する
終わりなき
平和を願う
冬季オリンピック開催日
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日記名 : 星屑工房

「眠れぬ夜」
不安が覆い被さる
払っても晴れぬ闇が
添い寝する
閉じた目の中にあるのは
黒だけではないと気がついた
のは
ただひたすら
不安と闘う事をやめた時
目の前にあるものは
見ているのではなく
おのれの体が
見せているだけなのだ
闇を創り出したのは
おのれ自身だのだ
眠れぬ夜に
おのれと闘ってみる孤独
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日記名 : 星屑工房

「豆まき」
寒さ追い出せ
豆坊主
北風木枯らし
鬼の面
明日の風は
きっと福
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日記名 : 星屑工房

「表彰式」
入賞の笑顔咲かせて晴れ舞台また次こその意志も重ねる

賞を手に小春日和の小じわかな
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日記名 : 星屑工房

「ローズヒップティー」
薔薇の置手紙を
お茶にして
ティータイム
たあいのない話を
お茶請けにして
カップの湯気のむこう
笑っている
あなたを香に閉じ込めて
飲み乾してしまおう
ちょっと
すっぱいね
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日記名 : 星屑工房

「睦月正月終わりの日」
めくる暦に
冬終い
めでたき正月
睦月もお終い
早雲雀の高鳴き
如月
春もそこそこ
遠からじ
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日記名 : 星屑工房

「展望」
三十二階を選択して
エレベーターを降りる
三六〇度 視界はひらけ
遠くの山々を見渡す
三々九度の誓いから
この地は子どもたちの
故郷になった
どんなに背伸びしても
わたしの故郷は見えない
三種三様
子どもたちは故郷を巣立つ
その地は
故郷の山々が見えるかい
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日記名 : 星屑工房

「風はまだつめたく」
建ち並ぶ電信柱を揺らして
風が渡る
楽しげにかきまぜて
街ゆく人々を走らせる
猫が陽だまりで丸くなる
麦畑を掃きだすように
風が通る
街が肩をすくめて
春を待つ
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日記名 : 星屑工房